2024年12月 4日 (水)

今年も締め切り時期の発表です!

年末年始の休業のお知らせを、HPのTOPに記載致しましたので、ご利用予定のお客様は、是非ご確認ください。

毎年「一般刃物の年内納期をお約束できる期間」を発表していますが、今年も設定をしました。

ご報告が遅くなってしまって申し訳ありません。

年内納期が可能なのは、「12月17日(火)までにご依頼を確定」頂いた方とさせて頂きます。

ご依頼の確定は、作業を進められる状況になりますので、先払いとなるお支払い方法や作業内容の場合には、お支払い済みが条件に含まれます。

なお、特別に内容を指定でのご依頼の場合は、特注扱いとなり、納期未定となりますので、年内は難しい可能性があります。

ですので、一般的な範囲でのご利用までとなります事を、予めご了承くださいませ。

 

2024年12月 3日 (火)

かなり高い割合です

包丁の研磨や研ぎのご依頼の際に、柄やハンドルに対し簡単に掃除を行っています。

ただ洗っても落ちない汚れは、水スポンジを使ったり、耐水ペーパーを使ったりもします。

傷が全く無いようなレベルの柄やハンドルが相手の場合には、傷を付ける訳にはいきませんから、色々と手の込んだ事が必要になります。

お客様からご要望が無い限り、傷をあえてつけようとはしませんが、ついてしまっても仕方がない事は前提として、汚れは出来る限り落とします。

その理由は、単純に不衛生という事です。

ブレード部には一切汚れやサビが無いのに、柄やハンドルに蓄積汚れが見られる例は多々あります。

手で握って使う場所ですから、汚れた手で触れば、ブレード以上に不衛生になる事もあります。

プロと素人いずれも関係なく、汚れが付着している方は結構多くいらっしゃいますから、ご自身の包丁の柄やハンドルを良くご覧になってみてください。

部分的に水を弾いたり、手触りが違う場所があれば、それらも汚れの可能性があります。

私が包丁を使う際には、汚れた手では包丁は一切握らない事にしているので、特別に汚れが付着する事はありませんが、それでも定期的に水スポンジで洗ったりしていますし、傷が気になる場合には、荒めのバフをかける事もあります。

包丁は衛生管理が大事な調理道具ですから、日頃から十分に気にしていてくださいね。

なお、表面の色目が変わってしまったり、傷がついてしまった場合や、汚れをごっそり綺麗にとおっしゃる方には、削りと磨きのセットを有料ではありますが、特別に対応させて頂いています。

各種包丁研磨のページに、柄やハンドルの削りや磨きについての金額が出ていますので、必要な場合にはご利用ください。

汚れの蓄積がそれなりにあり、手作業ではむずかしい場合でも、特別多くの削りが必要な訳では無く、表面の整え程度として中目のヘアライン程度までの磨きで宜しければ、作業の中に含めて対応を致しますが、それ以上となる場合には、注文としてのご依頼になります。

必要に応じてご相談頂ければ、無料の範囲で可能か、有料作業とさせて頂くか、お見積りを致します。

 

2024年12月 2日 (月)

切れないのが悪いのではなく、切れない状態にしているのが悪いのです

刃物が切れない事に対し、色々と不満をおっしゃる方は多くいらっしゃいますが、その刃物がまずどうなのかです。

良品であれば問題なく実用的な研磨や研ぎで良い状態に出来ます。

しかし、その刃物として不足が多くあれば、あまり期待は出来ないでしょう。

購入当初がまずどのくらいの研磨や研ぎがされていたのかや、現在の状態がそれと比べてどうなのか。

自分の思う研ぎがしっかりされているのかまで考えると、ご希望の範囲が見えてくるでしょう。

出来る事をやってある刃物は、気持ち良く使う事が出来ますし、管理不足であれば、それは不快な場合もあるでしょう。

刃物を自分で所有する以上、刃物が切れない事を悪とせず、切れない状態にしてしまっている事を悪と考えましょう。

そうしないと、刃物が悪いような感じになり、かわいそうだと思います。

全てにおいて最高である必要はありませんが、使えるレベルにしっかり収めてあげる事は大事だと思います。

 

2024年12月 1日 (日)

刃物が無かったら・・・

私は刃物がもしこの世に無かったら?と、たまに考える事があります。

生活の中に当たり前のように存在している刃物ですが、もしその刃物達が無かったら・・・。

世の中で切り口が綺麗になる必要性のあるものは多数あり、これは刃物の性能や切れ味のおかげで成り立っています。

手作業で使う刃物だけではなく、機械に設置して使う刃物ももちろんです。

刃物を作り使う事に関しては、ずっと長い年月をかけてアップデートされてきましたが、それが今でも続いている事を考えると、本当に必要なモノなのだと思います。

砥石も勿論同じです。

砥石が無ければ刃物は生きてきませんから、刃物と共に進化を続けている事に、大きな必要性を感じています。

この先3年後や5年後、更にもっと先の何十年後に、刃物や砥石がどう進化しているのか、それが非常に楽しみです。

刃物や砥石は意識しなくてもそこに存在していますから、これからも大切に考えて行きたいと思います。

 

2024年11月30日 (土)

来年のどこかで・・・

色々と道具の値上がりが増えてきています。

これは技術作業にとっては大きな痛手になります。

今年は作業の多くの部分で道具が値上がりとなった一部の作業のみ、値上げをさせて頂きました。

ほぼ変わっていない範囲もありましたので、気が付かなかった方も多いかと思いますが、作業のクオリティーは落としていませんので、その辺りはご安心ください。

値上がりの影響が出てしまう範囲が、いくつか出て来そうですが、その範囲は来年のどこかで値上げとなると思います。

円安の問題が収まれば、何とか上げなくてもいけそうなところもあるので、動向を見守っていきます。

 

2024年11月29日 (金)

意図したもの

研ぎは偶然で切れるのではなく、意図した形で切れるように出来なければ、安心して使う事が出来ません。

最初はたまたまの事もあるかもしれませんが、何が今回良かったのか、前回と比べて何が違うのか、等を解明していかないと、良い結果に繋がってはいきません。

可能性や読みが良ければ、こうしたらこうなるかも?がある程度見えてくるかもしれませんから、そういった考え方を持つ事も大事だと思います。

あとはやって見ながら、良い形で研ぎを身に付けていき、悪い癖を付けないように気を付ける事です。

良い癖と考えがまとまってくると、良い結果になると思います。

 

2024年11月28日 (木)

久しぶりに研いでみると・・・

普段使っている刃物で、切れ味の落ちは感じていて、まだまだ行けると思って使っている場合でも、研いでみると全然変わってきます。

・切れ味が落ちは感じる程度

この状態は、皆さんが良く考える場面だと思います。

そしてその先に、

・切れ味が落ちてきてはいるがまだ使える

そう考える頃には、何とか使おうという気持ちが出ていると思います。

最後に、

・切れなくなってきた

に変わって、研ぎのご依頼になるかと思います。

実際に切れなくなってきたという表現は、私から見ると大体が「切れない」の状態にあります。

つまり、研ぎに出すのが遅く、その手前の期間は、相当無理をして刃物を使っている状態です。

代金がかかる事なので、なるべく長く使いたい気持ちも分かりますが、状態が悪くなってから研ぎに出すと、金額が高くなる事もありますし、ほとんど切れないような状態で、無理に力を入れて切ったり、使う事がストレスになるよりも、早めに研ぎを行って、気持ち良くご使用頂きたいと考えています。

その為、ご家庭用包丁の研磨に関しては、面倒な事を無しと考え、定額制にしてあります。

包丁の種類とサイズは限定させて頂いていますし、内容はおまかせのみで、プロが使うような内容には合わせてありませんが、ご家庭でお使いになるには十分な内容となっており、改善箇所は、歪(ひずみ)、欠け、サビ、刃線、などを含んでおり、状態によっては総合整形も行っていますので、使える状態を作る為の基準はしっかりとしています。

意外と簡単な直しや、ただ刃付けをするだけに見えても、必要な場合はこれらも含みますので、実際はかなりお得です。

状態を悪化させずにご使用になる方の場合、刃の落ちだけが問題になりますが、その場合も適当に研がれてしまえば、当然その先での悪化は防げなくなりますから、軽く考えない方が良いでしょう。

また、特に良い包丁をお使いの方には、プロ用を基準とした研磨や研ぎのご利用をおすすめします。

プロ用の設定に関しては、レベルの高い加工を含めつつ、調整も更に繊細で多くなり、仕上げの見た目も細かくしていますので、こだわりの研ぎも是非ご利用ください。

 

2024年11月27日 (水)

どこの誰がやるのか

刃物の世界は不確定な事が多すぎて、色々と追及をしていくと、見えない事ばかりです。

安定した生産など限界を求めると出来ませんし、鋼もロットによって性能が変わる事があるのは有名な話です。

その為、性能を少し控えめにし、安定した大量生産をしているケースも、それなりに多くあるようです。

研ぎも同じで、機械研磨で自動的に行われる範囲を除いては、やはり安定した研磨や研ぎは難しく、どうしてもばらつきは出てしまいます。

加工自体が人の手によるものなると、それは大差になりますから、どこの誰がその作業をやるのかで、結果は別ものと化します。

なんとなくで良ければ、それっぽいものにはなりますが、細かい部分を見て行くと、限定した人がやらないと明らかな不足となります。

見た目はほぼ同一なものがあって、それを大量にまとめて研磨や加工をした事がありますが、実際に研ぎを行ってみると、角度が違ったり、丸みが違ったり、位置関係が違っていたりと、ある意味では別物でした。

同じような流れの作業でも、違い人が行うとそれだけ別物になるので、上手い人だけが作業すればもっと価値は上がるのに・・・と思ってしまいます。

以前にも書いた事がありますが、機械研磨と手研ぎは、それぞれ別ジャンルになるので、同じ人が行う事は無いでしょう。

両方がやはり出来ないと、位置関係の違いやズレまでは、感じ取る事は出来ませんので、そういうものが流通すると、お客様が研いで違和感を感じ、直しの依頼が来る事になります。

そして、使う側にも立たないと、その違いの理解は出来ませんから、総合的にその刃物を知る事は、大きな力になっています。

ただ刃物を使うのではなく、その用途にあった使い方として、正しく使う事も必要になりますので、プロと一緒に刃物を使ってみる事で、学ぶ必要性もありますから、誰にでも出来る事ではありません。

熟知とはそういう事だと考えています。

 

 

2024年11月26日 (火)

下を作るのも上を作るのも大変

技術が丁度平均的に良いところで収まっていて、全体的な評判がかなり良い状態を維持していると、そこからの変更は本当に大変です。

良いものを改善のつもりで出して、改悪になる可能性もありますから、勝手な判断で良いと思って変更はしないようにしています。

改善という言葉がどれだけ重いか、自分自身が良く分かっていますので、違いが良い方向に確実に進むと思えない場合は、導入を見送る事もあります。

また、同じように良いところで収まっている技術があっても、下の技術を求められる事も多くあります。

それは金額面だったり、納期の問題だったり、そこまで必要無いと言われたり、その辺りが要因となります。

出来る事なら技術を上にどんどん進めるのは当然と思いますが、逆に下にと言われると、上げて来た事は必要無かったのかな?と思ってしまう事もありますが、確かに手の込んだ作業になって行くと、それが無駄だと思うご意見があっても仕方がないとは思う事もあります。

では下の作業を作る時に、どこの何をどのくらい落として下位グレードとするかですが、これはそのランクを望むお客様からご意見を集めなければならないので、かなり難しい問題でもあります。

作業をただ簡略化すれば、それで安く早くは可能かもしれませんが、内容が落ちすぎて使い物にならなければ、そこに価値はありませんし、性質や性能を生かす事は残しつつ、精度や見た目の部分で落とす事が失敗は無いと思っています。

精度や見た目は必要とする方にとっては大事ですが、実用性能の部分で考えると、その辺りは良く分からないとおっしゃる方もそれなりの割合でいらっしゃるので、実用性能を極端に落とさないためにも、そうするのが良いと考えます。

上下だけなら2段階なので、作れないという訳ではありませんが、これが3段階や5段階になると、どこをどう変えるのかが難しすぎて作れなくなります。

下を作っても更に下をと言われると、それはうちでやらなくても良いのでは?と思ってしまう事もありますが、それでも信用があってうちでその技術をと求めて頂けている以上は、なるべくご期待には沿いたいという思いがありますから、いくつかはそれで作った事があります。

実際にその辺りのご依頼を頂く量が多い訳ではなく、上位の技術のご利用が一番多いので、それは他ではなかなか出来ない範囲がほとんどですから、そこを求めてご利用を頂けている事は、特に感謝しなければならないと思っています。

もっと上をと言われる事は、近年ではほぼありませんので、上をかなり越えた上には来たのだろうと思います。

 

2024年11月25日 (月)

最近の進化

機械加工に関しては、年々良くなってきていますが、特に今年の上級作業に関しては、相当良くなったと思います。

やり方は色々とありますが、ご希望の内容に合わせて加工方法を変えています。

綺麗に仕上げるならこの方法で、実用性能を重視するならこの方法と、違った機材や部材が用意してありますが、同じように仕上げるつもりでも、結果が色々と違って出るので、使い分けをしています。

この業界では良くこの方法が使われているというような内容は、十分に把握をしていますが、その方法が必ず良い訳ではなく、コストの問題でそれが主流化している場合も多いです。

つまりその方法を避ける事で、より結果が良くなるという事もあるという事です。

その分コストは当然上がるので、作業代金は上がってしまいますが、当方で金額が高くなりやすい研磨の範囲は、そういう理由があります。

それを知れば、結果が出るのも納得される方が多いかと思いますし、実際に上級作業をご選択でご利用を頂いた場合は、その違いを実感して頂けると思います。

綺麗な仕上げと実用性能を両立出来ないと良くお話をしているのは、そういう理由があります。

どこからが綺麗になって、どこからが性能が高いと言えるのか、それらは人それぞれの判断です。

綺麗な仕上げと言っているのは、最上級の仕上げの事ですから、そこまで求めずに加工が揃った綺麗さで十分という事であれば、当方はその基準を十分満たしていると思います。

私が両立出来ないと言っているのは、両方が最高レベルの場合なので、仕上がりが汚いという訳ではありませんから、その辺りはご心配なさらないでください。

見ている目線があまりにも高いレベルになってしまうと、良い悪いの基準が色々厳しくなっているというだけの事です。

それらのニュアンスを感じ取って頂くには、お話だけでは難しい事なので、実際にご利用を頂き、色々な研磨をご利用頂ければと思います。

 

2024年11月24日 (日)

切れ味を取るか、永切れを取るか

刃物の研ぎで多くの方が悩まれているのは、切れ味と永切れのバランスです。

どちらを優先するのかで、研ぎの基本から大きく変わってきます。

両方のバランスを取ろうとしても、上手く取れない方もいらっしゃいますから、これは難しい問題なのだと思います。

そして刃物のランクが中級以上でなければ、こういった部分の調整は上手く出来ませんから、低級刃物で多くを望む事はまずやめましょう。

よくあるお話ですが、格安の刃物で最高の切れ味を!という事をやろうとしても、一回切ったら刃が落ちてしまうという事もあります。

格安刃物に耐久性はそもそもありませんから、永切れを期待するのは無理があります。

そして正しい情報をお伝えするならば、格安刃物は組織が悪いので、どんなに必死に細かい刃を付けようとしても、組織が悪すぎて良い刃は付きません。

上級の刃物で中仕上げ~超仕上げ手前程度まで研ぎ、それなりに仕上げ切れた場合、相当良い切れ方をする状態に持って行けますが、低級刃物で必死に細かさを求めたり鋭さを求めたとしても、そのレベルですら超える事はまず難しいです。

なぜなら、低級刃物は金属組織が悪すぎて、刃が整い仕上がりが良くなる事が無いからです。

それで最高の切れ味というお話をしている人がいれば、それは上級刃物や上級の研ぎを知らない方達なので、その時点でお話にならない部分です。

 

2024年11月23日 (土)

省略研ぎは後で苦労する事になります。

時間の関係や、面倒だからということで、通常の研ぎ方ではなく、簡略化した研ぎを行っている方は多くいらっしゃいます。

その時は研ぎの時間を短く出来ますから、得した気分になるかもしれませんが、本来かかる時間を省略するという事は、その分だけ後で大きな加工が必要になるという事です。

よくある事ですが、刃先だけをひたすら研ぎ続け、段が大きくなったものは、取り除くのがかなり大変です。

手作業で出来ない訳ではありませんが、一日研ぎ続けても終わる保証はありません。

研ぎでバランスを崩すと、刃物の歪にも直結する事がありますから、そういったものを直しつつ、段を取り除く必要性も出てきますから、個人で正しく行うのは本当に大変だと思います。

そうなった場合、当方のようなところにご依頼を頂ければ、総合的な直しを行えますし、刃付けまで考えますと、今まで体験した事が無いような良い状態になると思います。

販売用の研磨と実用の為の研磨が異なりますし、それを体感頂く意味でも、実用の研ぎを重要視している当方では、実用の場面での結果が大きく出ます。

個人店としては、機材や道具もかなり揃っていますから、幅広い刃物に対応をしていますし、それらの知識と技術を用いて融合させたものを表現していますので、何か一つの刃物だけの取り扱いをしている所とは、違った結果が出てくると思います。

もちろんそれぞれの刃物に必要な基準はずらさず、必要な内容はしっかりと盛り込んでいますので、独自の技術をとはいっても、決してズレた事はやっていませんから、その辺りはご心配には及びません。

一流のプロの方々からのご利用も多く頂いており、そこを基準として技術をご用意していますので、レベルの高い技術を是非ご利用ください。

 

2024年11月22日 (金)

色々と試し続けています

刃物の研磨や研ぎは、いつもお話をしていますが、現状での満足はしていません。

誤解があるといけないので、ちゃんと説明をしますが、現在の研磨や研ぎが明らかに発展途上であるという訳ではなく、それなりに良い評価は頂けていますから、一つの完成形ではあると言えます。

私自身が思う研磨や研ぎとして、まだ先のビジョンがありますから、それを現実化したいという意味で、現状に満足をしていないと表現をしました。

日々の仕事の中で細かい気付きがあったり、アイディアが浮かんだり、そんな事もありますが、それを現実的に改良するのはかなり難しい事です。

そもそも簡単に出来るのであれば、今現在がそこに到達していますから・・・。

多くの場合、機械や部材や道具の問題で出来ない事がほとんどで、技術的にやろうとして出来ないと思う範囲は少ないのですが、色々と揃えて行く事は簡単ではないので、簡単に進展する事はありません。

何かのきっかけで進展さえあれば、格段にレベルを上げられる可能性はそれだけあるので、それだけでも良い事だとは思っています。

ふとした時に、何かの出会いがあって入手出来れば、そこで技術が大きく変化する可能性はありますので、私自身も期待をしている所です。

 

2024年11月21日 (木)

砥石の使いどころを考えましょう

砥石のタイプによって、刃物との相性があります。

製造方法や硬度や荒さの違いは、手研ぎ用の砥石の場合には基準が無い世界なので、どこで何を使うかで大きな差になります。

良くお話の中で違和感がある事を感じるのは、砥石の#のみのお話になる場合です。

あるメーカーの砥石の#1000は荒く力強いのに、もう一方は繊細で研ぎに時間がかかり細かく仕上がる。

また、他の製品として#1000を使ってみると、砥石は荒い感じがするけれど、研ぎは思うように進まない。

更に別の製品の#1000を使うと、研ぎはかなり早いのに、仕上がりは細かく揃っている。

そんな事は良くあります。

同じ表示で#1000があったとしても、それらは決して同じではありません。

中砥と言われる範囲に属す#1000は、中荒砥となる場合もあれば、中仕上げ砥にもなる事があります。

今まで挙げた例の砥石達を使うとして、刃物の種類や鋼の種類などによっても、適材適所がとにかく変わります。

同じ鋼なら同じ刃物と感じるような仕様になっている訳ではないので、聞いていた鋼とは作業効率が全く異なったり、仕上がりが異なる事も多くあります。

それらに合わせて色々な砥石を使い分け、相性を見極め、効率と結果を上手く求めて行けば、ストレスのない研ぎが出来ると思います。

砥石は同時に数多くを所持して使用し、刃物との相性を見極めて行かないと、この辺りの事はなかなか学べませんから、刃物を沢山買うのも良いと思いますが、砥石も色々と購入して使ってみてください。

それにより、色々な組み合わせが見えてくると思います。

 

2024年11月20日 (水)

出来る限りで対応をしています

・他で作業を断られた。

・出来ると言われて頼んだのに実際はちゃんと出来なかった。

・細かい相談をしようとしたら対応をしてくれなくなった。

こういったお話は数多く耳にしてきました。

色々なお店を利用し、それらで満足がいかず、当方を最後の砦のようにご利用を頂くケースが多くあり、沢山の事例を実際にお話頂いてきています。

私自身も過去に刃物を使う側として、色々な違和感や損失を経験してきており、誰も出来る人がいないなら、自分が出来るようになればいい・・・と思い、現状の形を作りあげた部分があります。

作業を他で断られた場合、何と言われたのかにもよります。

よくあるパターンは、お話を伺うと、金額を渋った事にあったり、作業に必要だからと言われた内容を拒否し、それでは出来ないと断られたという事も多いです。

その辺りに関しては、作業をする側からすると、条件を付けられると出来ない事もありますので、その辺りはただ希望を突っぱねるのではなく、なぜそれが必要なのかをちゃんと説明として聞いてください。

もしそれが理解出来ないのであれば、無理に条件を付けてはいけないと思います。

その内容なら出来ますと言われ、結果として全くそこに届いていなかったお話も多くありますが、それは求めるレベルが高かったのか、作業をする側がただ出来たつもりだったのか、たまたまそれ以上の作業が困難な状況だったのか、色々なパターンがあると思います。

やってみないと分からない事が多い世界ですが、ある程度の所までなら、状態を確認した時点で読めるはずです。

それが出来ていないとなれば、当然加工技術もその程度ですし、そこに期待を持つ事は無駄に終わると思います。

また、伝えた事が的確であったのかは、後に良く考えた方が良いと思います。

形のあるものでは良くありますが、自分の思う事がその通り、相手側に伝わているとは限りませんし、プロにはプロの目線もあるので、お互いに寄り添って合わせて行く必要性があると思いますが、それが出来なかったらただの話のぶつけ合いでしかありません。

加工をする側からすると、その事への理解はして頂きたいと思いますが、だとしてもお客様がおっしゃる内容がどこでどうなっているのか、それをしっかりと確認する必要性はあると考えますから、細かい設定が必要な場合、しっかりとお話をしつつ、図面を使ったり、ゲージで測りながらのお話ををさせて頂きます。

細かい相談を拒否される例は多く耳にしますが、過去から決まった形しか出来ない場合や、決まった形以外で出来たとしても、それを受けられる余裕が無かったり、他の仕事への影響を考えて断るしかない場合もあると思います。

納期や金額の事は、細かい設定が必要になればなるほど、どんどん長く高くで変化してしまうものです。

それを望む事がどれだけ大変なのか、職人側は理解をしていても、お客様は気軽にこうしてよ!程度で話されてしまうと、そこには大きな壁が立ちはだかる事もあるので、伝え方やその細かい設定をお願いする事に、配慮は必要になると思います。

職人仕事の多くは、気持ちでやっている所もありますから、その人の為にどれだけ気持ちを入れて作業が出来るかで、同じ技術者であっても、大きく結果は異なると考えています。

ただ加工をするのではなく、結果がどう出るかが重要ですから、その為に余裕をもった納期と金額で設定をする事が出来れば、無理難題でも受けて頂ける事はあると思います。

それがどのくらいの割合で増えるのかは、それぞれの考えによると思いますが、数割増しから何倍もあり得る事なので、どれだけ大変な事を頼もうとしているのかを知識として持っている必要はあると思います。

 

2024年11月19日 (火)

形が崩れる前にご依頼ください

刃物のバランスは非常に大事で、形が崩れたり、相互的なバランスがおかしくなると、もう一般の方では直せません。

こういった内容に関しては、何度も書いて来ましたが、本当に難しい事なので、無理をして直そうとしないでください。

研ぎシロを失ってしまうと、本来簡単に直せた可能性があるものも、もう手遅れになります。

研ぎ減らして形を整える世界ですから、どこをどう整えるのかを理解出来て、それを的確に作業できるような技術や環境が必要です。

形が崩れる原因が刃物にあるのか、研ぐ方にあるのかは、確認をしなければ分かりませんが、状況の改善を出来る職人は、かなり少ないと思います。

直ったように見えても、綺麗に仕上げられていて、いわゆる新品状態になっただけの可能性も高いです。

新品状態は最高の状態ではありません。

その時点で、その刃物に研磨や研ぎでどれだけのコストが掛けられているか、刃物の購入金額からそれなりに推測が出来ます。

改善をするには、安い金額では難しい事も多いですが、元々のコストが安く、流れ作業となってしまっていれば、当然そのような現象が起こりうる事ですから、それなりの時間と金額をかけて改善出来る可能性はあります。

近年では、色々な鋼物も増えてきており、それに対応出来ない所も多くありますが、それらの鋼に対して対応も可能ですから、是非ご相談ください。

プロ用基準をベースに、素人向けにもそれらを生かして技術をご提供しています。

 

2024年11月18日 (月)

酷い形

刃物はそれぞれの種類で、基準的な形状が存在しています。

それは研いで使う事を前提として、いつしか完成された形状もであります。

もちろんそれが現代の技術で考えると、不足な場合もあるのですが、多くはその範囲で十分だったりします。

しかし、その基準的と見える形状の中でも、触っていくと明らかに位置関係がおかしい物も多く存在しています。

それを極力直すには、叩いて削って直すしか方法はありません。

本来ある位置関係にそれが準じていない場合、研ぎは難しく困難を極め、お手上げ状態になる事も多くあると思います。

そういった刃物を直し、ただその場限りで切れる状態にするのではなく、普段の研ぎを楽にする事も、私の考える研ぎ屋の仕事だと思っています。

むやみやたらに叩いた削れば良い訳ではありませんが、それをやらずになんとかしようとするところも多いようで、基準がズレているものをそのまま研いでしまえば、もう取り返しのつかない事になります。

どこかに基準を作り、そこから全体のバランスを考え、構成を作り上げる事が出来なければ、刃物研磨や刃物研ぎを行ったとは言えないと考えています。

私は過去に、全ての作業を手で行っていましたから、機械が無い事で出来ない作業もありましたし、ここをこうしたいに届かない事もあり、本当に苦悩しました。

それが現在は、機械により研磨と手研ぎによる研ぎと、その二つの融合から生まれる仕上げを行えるようになった事で、最終的な仕上がりも大きく変化しました。

機械作業と手作業と、両方がしっかりと行えなければ、それだけの結果にならない事は、自分が一番経験をして苦悩してきた部分ですから、手作業が全て素晴らしいという訳では無い事は、ご理解を頂きたいと考えています。

いずれかだけしか出来ないと、それは作業をする事の責任を全う出来ない事も多いので、上質な機材や部材と、手作業の為の道具を多くご用意し、ご依頼をお待ちしています。

 

2024年11月17日 (日)

刃物が使えると色々な事が出来るようになります

色々なジャンルにおいて、刃物は活躍をしています。

細かくお話をしていくとキリがないので、完全に割愛をして、大まかなお話とさせて頂きます。

その分野において刃物が必要な場合、それが使えるかどうかで、大きな結果の違いが出ます。

そして、その刃物の研ぎが自分で出来ると、更に自分好みの刃物として使え、より刃物を使う事が楽になったり楽しくなります。

刃物は危険なものですから、使い方を覚えるのも大変ですが、上手く慣れてくると、自分で刃物を使って何かをする事が楽しくもなりますし、幅が広がってきます。

何もかもの刃物を使えるようになると、出来ない事はかなり減りますから、それだけ生活に刃物が必須であるという事を実感できます。

人の進化は刃物の進化と言っても過言ではないと思う事が多く存在していますから、それを実感頂く意味でも、刃物を使う事を大切に考えて頂きたいと思います。

 

2024年11月16日 (土)

カッターナイフと切出小刀

以前にも似たような内容を書いた事がありますが、私は色々な作業に、カッターナイフや切出小刀を使います。

カッターナイフは、替刃式で切れなくなったら先を折って先端を新しくして使いますが、作業によっては刃の中心部や全体を使います。

その場合、刃先を折ったところで、刃は復活しませんから、少し使って捨てる事になります。

私はそれが勿体ないので、替刃を研いで使っています。

替刃の良さは交換するだけですぐに刃が復活する事ですから、これは理に適っていない使い方ではあると思います。

しかし、わずかな回数だけ使用し、使える部位がある状態でその刃を諦めるのは、私には出来ません。

止むを得ない場合もありますが、刃先の研ぎで復活出来る範囲までは、手研ぎで研いでいます。

刃先の段が大きくなると、さすがに面の削りから行う必要があり、それを治具にセットして安定した状態で機械に当てるのは、それこそ時間の無駄になってしまいますから、ダイヤモンド砥石を使って手研ぎで僅かな時間で終えられるという判断をする場合のみです。

早く終わる場合は、30秒もあれば研ぎは終わり、洗って水けをふき取り、刃返りの処理をしたら、油を塗ってセットすれば完成です。

研ぎを身に付けると、こんな事も簡単に出来るようになります。

もちろん大きく刃が傷むような使い方をする方は、諦めて替刃の交換する事をおすすめ致します。

あくまでも状態次第での復活であるという事が大事なので、全てにおいての復活を望むと時間とコストの無駄になりますから、ご注意ください。

 

2024年11月15日 (金)

だいぶ寒くなってきましたね

だいぶ寒くなってきていて、刃物を手研ぎで行うのは辛い時期になってきました。

私は毎年お話をしていますが、ぬるま湯を使った研ぎを推奨しています。

研ぎは水でと言われますが、熱いお湯でなくぬるま湯であれば、研ぐ事に何ら支障は出ませんし、凍えた手で冷たい刃物を研ぐより、むしろ手の動きが安定し、刃物も割れにくくなりますので、冷え冷えの研ぎよりは断然良いです。

金属は冷えると締る傾向があるのは、皆さんがご存じの事と思いますから、それを考えますと、ある程度の温度があった方が研ぎやすくなるのもご理解頂けるかと思います。

稀にいらっしゃるのは、水以外で研いでいると、刃物が熱くて触れなくなるというお話ですが、それは力をかけ過ぎていたり、研ぎの速度が速すぎたり、水分が少ない事で起こります。

刃物の研ぎは、必死になって研ぐようなものではないので、冷静に静かな心で研いでください。

短時間で終わらせるにしても、例えば100回の動作を丁寧に行い、ミスが0で終わるのと、500回の動作をとにかく速く必死に動かし、ズレが何割か出たとすれば、その動作が終わった後、ズレが出た分だけ新たに時間が必要になるので、余分な体力と直しを考えれば、早ければ早く終わる訳でもなく、崩れも増える可能性が高いという事は、お分かり頂けると思います。

焦って速くやる事だけが、技術は慣れや上手さではありません。

落ち着いて冷静に状況判断をし、的確に少ない量や数で終わらせる事で、その先へと繋がると考えます。

 

2024年11月14日 (木)

少し改良を・・・

刃物の手研ぎと手磨きに関して、いくつかの刃物で適用をしている部分になりますが、磨きを一部変更しました。

これはしばらくの間だけか、この先も続くかは分かりませんが、少なくとも半年以上は続くと思います。

特に変わるのは、荒磨きによる仕上げの部分ですが、荒い磨きでも荒れた磨きと揃った磨きがあり、どちらかというと揃った側になりますので、気持ちランクアップという感じでしょうか・・・。

お客様からしますと、良い改良にはなると思いますので、ご依頼時に荒磨きとして手磨きが含まれる刃物は、ご期待頂ければと思います。

 

2024年11月13日 (水)

研磨や研ぎは疲れますか?

お客様から以前、研磨や研ぎのお仕事をされていて、一日やっていると疲れますか?と聞かれた事があります。

答えはイエスです。

何が疲れるかは人それぞれだと思いますが、私が一番疲れを感じるのは、精神的な部分です。

その作業中はかなり集中をしていますから、息抜きの時間には結構ぐったりきます。

特に機械作業だと、一瞬のミスが大きな問題になる可能性があるので、かなり神経を使います。

刃物の失敗の事も、自分の怪我の事も、両方に気を配る必要性があります。

研ぎに関しては、同じ動作をひたすら行いますので、持続するだけの筋力も必要ですし、力加減や角度などの安定も大事です。

使う砥石の種類や使い方にもよりますが、研いでいる音があまり大きいのは、刃物へのダメージや歪の影響を及ぼしますし、研ぎのズレが必ず出ますから、極力静かに動作の安定をさせます。

細かく神経を張って、動作や音を確認しながら、何か変わった事は無いか?を考えながら研ぎますから、その集中はやはり疲れます。

機械でも手でもやはり疲れはどっと来ますので、アスリートのような集中力や精神力は大事だと思います。

 

2024年11月12日 (火)

見逃していませんか?

刃物の欠けを僅かだからと思って、見逃していませんか?

その欠けはいつか取れるから・・・と思っていても、実際はなかなか欠けが消えて行かないというお話が多くありますが、理由は簡単です。

欠けが原因で、そこから欠けは広がる事が多いからです。

特にサビが出やすいタイプの刃物だと、気付かないうちに欠けからサビが進行して、研いでも研いでも減って行かない!むしろ広がっている!という現状になってしまいます。

欠けた部位は、厚みが出るので強いと思っている方も多いのですが、欠けの刃先の部分は、刃先の厚みと同じ角度ですから、両端に角が出来ているのと同じ現象になります。

繋がっている線となった厚みより、角の厚みの方が弱いので、どんどん欠けの幅が広がり、奥へも進行をする事があるので、なかなか減らないという事です。

そうならない為には、面倒でも頑張って一度で取りきるか、欠けサビを取り除く所まで、研磨の依頼に出してください。

ご自身でそれをやるには、わずかでも結構大変だったりしますので、刃物を見る事に慣れた方が、一瞬で見える大きさの場合、結構きつい状態だと思いますから、それを全体の形を崩さずに取るには、結構な労力や技術が必要になります。

欠け取りついでに、整形修正のご依頼を頂ければ、その先は安心して使えると思います。

 

2024年11月11日 (月)

一番いいところはどこか?

刃物は研ぎの角度が決まっている部類と、層では無い部類があります。

角度設定がほぼ固定的に決まっている刃物の場合、刃物の性質に関わらず、大体そのくらいのという基準があります。

それ以外の刃物は、使い勝手や個人の好みに合わせ、いわゆる「刃角」を自分で設定します。

毎回特に決まりが無い方もいれば、いつもの研ぎの構えで覚えている方もいらっしゃいます。

そこで問題になるのは、切れ味と永切れのバランスについてです。

良く言われる研ぎの角度のお話は、情報が間違っている事も多いので、十分にご注意ください。

このくらいの角度で・・・のように言われている物で、確定的な設定がある刃物以外は、ほとんどが適当に作られた話です。

原理を考えると、当たり前にそれがおかしい事に気付くと思いますが、理解出来ない方が多く、いつまでもその話が残り続けて、それを信じて研いでしまっている方が多くいらっしゃいます。

話を戻しますが、研ぎの刃角設定は、その刃物の使い方から考え、実際の性能を知るところから入り、使いながら調整をするのが理想です。

言葉で書くと僅かな文章ですが、それが相当難しい事とされていて、自分の思う所と、実際の研ぎの角度が、一致しない方が多いのも現状です。

その理由は、多くの刃物で言える事ですが、刃角にこだわり過ぎているからです。

刃角を考える前に、刃物全体や面の厚みや丸みなど、その辺りの設定が十分に成り立ってから、最後に刃角の問題になるのですが、それまでの事が完成されていないので、刃角どころではないのです。

その刃角を作る前に、まずは全体の構成の完成を知ってから、最後の最後に刃角になりますから、そこをまず覚えておいてください。

そう考えると、設定が決まらない理由は、刃角では無い事に気付くと思います。

色々なご相談やご依頼の中で、やはり刃角に対してのお話が多いのですが、まず全体を直してからでなければ、そこの意味は生きてこないという所を知って頂ければと思います。

 

2024年11月10日 (日)

本当に困ります・・・

今使っている道具類で、今後、入手が難しくなりそうなものがあります。

年々金額は上がり、製品の数は減っているそうで、その辺りを今後どうするかは、大きな課題になりそうです。

全ての仕事で使う道具ではありませんが、意外と幅広く使っていますから、無くなると結構困ります。

それによって仕上がりに影響が出ますから、他の製品類などで対策が出来ないか、少しずつ探しておかなければと思っています。

しかも、安い部類の道具ではないので、結構コスト問題が今でもありますから、これ以上、金額が上がる事になると導入すら難しくなります。

昔から金額が高い部類でしたし、近年は更に値上がりもしていて、現状でもかなり厳しい状況ですから、色々と諦める事も出てくるかもしれません。

 

2024年11月 9日 (土)

確実性を上げる

技術は成功例だけ見ていても、それは正しいレベルとは言えません。

総合的な安定や、技術の基本レベル、突発的な事への対処力、他では出来ない事や断られる事への対応力、などは特に大切な事だと考えています。

専門業として何か一つの刃物の事だけをやっていたとして、そこで当たり前の事を当たり前にやる事すら、とてつもなく大変で難しい世界ですから、そもそもの必要範囲で考えても、技術が不足している事の方が多く見られます。

実際に色々な刃物業界の方とお話をしていても、それで成り立っているだけだという声も多くあり、まともな事を求めるお客様には、正しく技術をお届け出来ていないとも言われています。

特に上を見ている職人さんの場合、基本の技術レベルは高い方が多いのですが、提供できる幅はその一人だけですから、どうしても狭くなってしまいます。

それをより多くと思うと、本当に優れた職人が、優れた才能を持っている人に対し、直接指導をして教え、一人で任せても安心できるレベルまで育てなければ、まず難しい事だと思います。

そういう環境を作れる業界は、刃物分野においても僅かであり、それ以外はまとめて雇う形がほとんどなので、突出した人はそう簡単に出て来ません。

こういう部分での仕組みを、どこかで作れれば、刃物分野の未来は明るくなりますが、それもなかなか難しい事でしょう。

もう30年以上前から、良い職人が減ってきていると言われていましたし、更に今は若手が育たないと言われているので、今後は更に業界のレベルが落ちるとも言われています。

お客様側からしても、良い職人探しをするところから、かなり大変な思いをされている方が多い事は、お話の中から感じ取れていますし、探しに探してようやく・・・となってしまえば、面倒さや苦痛となり、簡易的な方面にどうしても行ってしまうのも、きもち的には理解せざるを得ない部分が多くあります。

私が対応できる範囲では、出来る限りの技術を駆使し、確実性の高い技術をご提供するようにと思っていますが、範囲を広く扱っていますので、それぞれのレベルをしっかり保ち、ただ扱っているだけと言われないよう、しっかりと取り組んで行きます。

 

 

2024年11月 8日 (金)

言葉だけなら簡単です

実際に使用して見て、技術の詰まったものは、良いか悪いかがはっきりします。

特に刃物の場合、確実な物は存在しておらず、どうしても当たり外れがあったり、良いと思ったものが実は言われている程では無かったりして、それを実際に良いと感じられる方の割合は、意外と低いと考えています。

私自身、色々な刃物を購入して使用し、研ぎを学んだり、研究を重ねてきていますが、使い手側として見る刃物の世界と、造り手や加工をする側から見る刃物の世界では、かなりの違いを感じています。

使い手側が求める物を、作り手側がそのように提供出来ているのか?と考えると、疑問が残る部分はかなり多くあり、その理由としては、作り手が使い手側を理解出来ていなかったり、使い手にはなれていないので分からない事にあると考えられます。

過去に色々なお客様とお話をし、研磨や研ぎやその他加工などのご依頼を頂いて来ましたが、その中で多かったお話は、加工する側の理解の問題でした。

技術力が無いとか、そういうお話以前に、そもそも使い手が感じた事や結果として得られた情報を伝えても、その内容を加工する側に理解されないという事は、致し方ない事でもあります。

加工をする側が、使い手側にそういう場面ではこういう研磨や研ぎが良いとすすめたとして、その刃物を使えないのに、どうしてそれが良いと言えるのか?も問題です。

その刃物を加工する人達全員が、使い手として実際に同じ作業が出来たり、こういう場面でこうなってくれればを体験していれば、そんな事にはならないはずです。

こういうお話をすると、それぞれやいずれかの側に、レベルの差がある場合も考えなければなりませんが、双方共に必要レベルを十分に越え、それらに関する理解や技術を有していると仮定して考えてください。

そこまで到達していない場合は、何か特別な事を考えたところで、その結果の理解の前に、使う事や加工をする事の問題が、何らかのマイナスを生じさせている可能性があり、それらを解決に導くような話には到底届かないと考えられますから、除外をしてお話をしています。

また、逆の事も考えると、使い手側は加工する側の技術や知識が無く、それに準じた加工を行える訳ではありません。

つまり、使い手側が加工する側の理解をする事も難しく、こうすればいいんじゃないか?とただ思うだけなら簡単であり、それが出来ないような場面も多くあったりします。

僅かの一部だけを記載しましたので、何かの誤解が生じる可能性はありますが、双方共に立場が違うという事をお伝えしたいまでです。

そして、そうならない為に、私は刃物の使い方をそれぞれの刃物を仕事で扱うプロレベルで学び、加工に関しても勿論プロレベルで研究を重ねてきて、素人だけではなく、プロ基準にも余裕をもって対応出来るだけ、知識と技術を得ました。

その為、お客様としてご利用を頂く方からは、色々と苦労をされて解決できなかった道が、完全に解決出来たり、かなりの割合が解決出来たケースが多くあります。

・刃物のレベルはどうか?

・使い手のレベルがどうなのか?

・その刃物と使用者のバランスはどうなのか?

・その刃物は希望される用途に合っているのか?

・使用者と自分の考えや方向性が一致しているのか?

・自分が持つ知識と技術で何をどこまで出来るのか?

・最終的な結果はどう変わったのか?

など、色々なやり取りと合わせ、最終的に納品する事が目的ではなく、結果がどうなるのかを考えます。

ここに書いたのは僅か一例であり、刃物の種類や内容に合わせ、相当多くのやり取りを行い、結果に繋げられるようにする事もあります。

こだわるのはいくらでも出来ますし、語るのは知識を何となく得て行けば、使い手でも加工する側でも、それなりに話せるようにはなります。

ただそこに必要なのは、現実的な結果であり、それをどのようにして表現して、上手く形にできるかどうかです。

私が今まで経験をしてきた中で感じるのは、専門的な知識が無い事より、使う技術が無い方が問題なので、色々と難しいお話は無しにして、専門的な範囲は分かりやすくご説明して、そこから得られる思いや希望する内容を伺い、出来る限りそこに近づくようにしています。

 

2024年11月 7日 (木)

切れなかったら研げばいい!

単純な話になりますが、刃物が切れない事に悩むのは辞めましょう。

ちゃんと砥石で研げば良いのです。

包丁の場合、適当な研ぎ棒や、研ぎ器で研ごうとしても、最初は何となく切れるかもしれませんが、正確に言うとそれはまともな研ぎにはなりません。

瞬間で終わるような刃の立て方は、刃先に大きな段を作ったり、角度をめちゃくちゃにするだけです。

真っ直ぐ切れなくなる事も多く、刃の欠損も多く見られるのが特徴ですが、刃への負担が大きい事もあります。

また、適切な研ぎと適切な刃先の刃返り処理をされていないので、それが包丁の場合、食材に残り、口に入る可能性がありますから、大変危険です。

砥石で研ぐ事は、非常に重要ですし、先へと繋がる良い再生方法ですから、是非砥石で研ぐ事の重要性を知ってください。

刃物を使用する事に対し、リスクを回避するのも、刃物の研磨や研ぎには大切な事が含まれています。

2024年11月 6日 (水)

技術の追求や進化を止めたらそこで終わりです

自分自身の現在の知識や技術に対し、私はいつでも不満を持っています。

日頃から色々な仕事をする中で、まだまだ遠い先の技術の構想があり、そこに到達する為の一歩先や2歩先が、まだ経由地として見えてない事もあります。

あまりにも遠い先を無理に見据えようとしている訳ではなく、それだけ理想が高くあるという事です。

目の前の仕事に対し、色々と改良を加える事は良くありますが、それも1歩とは言わず、半歩でも先に進む為です。

世の中はコストダウンとして、人数や手間の省略、工程数を如何に減らすかなど、そういった部分に着目し、改良のつもりが改悪になっている事も多いです。

また、新人が仕事場に入り、まだ確実に任せられるレベルにないその人が作業に入ると、製品や技術の質が落ち、それをそのまま出してしまえば、常連のお客様には分かる事です。

そのような感じで、後退する事は決して望まないので、少しずつ改良を加え、進化をさせ続けていますから、気付く方には分かると思います。

実用性能や使えばはっきりと出ますから、そこは誤魔化しの利かない世界です。

年々進化を続け、ここまで良い評価を頂けるようになっても、まだまだ先の構想が見えている間は、今がまだまだだという事ではなく、伸びしろがあるという事なので、止まる事無く進めていきたいと思います。

まだ誰にも話ていないような技術の形も、いくつか今後は開発していこうと思いますが、その為には色々と導入しなければならないものも多いので、簡単な話ではありませんから、地道な努力が必要でしょう。

 

2024年11月 5日 (火)

無知でも良いと思います

お客様からのお問い合わせや、直接のご来店でのご利用で、色々とお話をしている中で、「無知ですみません」のように遜ったり謝る方が結構いらしゃいます。

知識や技術が無くても、ちゃんとしたお店や職人を探し、技術の依頼をと思う訳ですから、それで良いと思います。

逆に知識や技術が中途半端にあって、「知っている」や「出来ている」と勘違いをしてしまい、ただのつもりになっている事も良く見受けられますが、そうなってしまうと正しい情報を受け入れられなくなったり、技術の進歩の邪魔をしてしまう例が多いようです。

そうなるより、まともなところでまともな知識と技術を用いて、良い結果になるように方向性を見てもらった方が、間違いなく正解だと思います。

私自身も素人時代に、刃物屋さんや砥石屋さんに数多く行きましたが、自分で損をしたと思っている部分もあります。

もちろん、当時の知識と技術の勉強や研究は、一部でプロレベやプロ以上とも言われる事があり、ある程度の確証がある答えは持っていましたから、この程度で専門店の看板を出せるのかと、残念ながら思ってしまう事もあり、それはプロになって業界の色々な範囲を見るようになってからも、あの頃の見解は間違いではなかったと思う事もあります。

そう考えると、必ずしも勘違いとも言えないのですが、知っているのと出来るのは違いますし、出来るのと知っているのが違う事もあります。

つまり、知識と技術のバランスや融合の問題になりますから、人と確実なお話をする為には、ああでもないこうでもないと色々とお話出来て、それを結果で見せなければならないので、それなりのレベル以上のプロの話は、ちゃんと聞ける体制を持った方が良いと思います。

あとは経験的な部分もありますが、その辺りは難しく他では何件も断られたような仕事も、無理だと判断をしたり、お客様の得にならないと思わない限りは、出来る限りでお受けしてきていますから、利益では無く技術優先でやってきたと言えますから、その辺りもご安心ください。

 

2024年11月 4日 (月)

刃物にも慣らしは必要です

刃物を購入し、最初から本領発揮の状態とは限りません。

刃物の製造時、外側に悪い影響が出やすい事もあり、ある程度刃物を使うまでは、メイン使用品にはしない事をおすすめします。

それは刃物自体の問題だけではなく、使用に関してもです。

その刃物の持つ性能を的確に理解するまでには、何度も使って研いでを繰り返し、性能を知る必要性もあるからです。

色々な分野で、慣らしが必要と良く言われますが、刃物の世界も同じです。

刃物が慣れて行く事と、自分が刃物に慣れて行く事と、いずれも慣らしになりますので、様子を見てあげるのも大切だと思います。

そこから見えた性能や研ぎの設定で、何用にしていくのかを決めれば、よりその刃物が生きる道が見つかると思います。

 

2024年11月 3日 (日)

かなり助かります

刃物や研ぎの良し悪しの影響で、使用は本当に楽になります。

久しぶりにそこそこ真面目に研いだ刃物を使うと、はっきりと違いが出てきます。

つい最近だと、こういう作業で上手く切れていなかったのが、何も考えなくても勝手に綺麗に切れるような感覚は、ストレスが無くなります。

いつでも切れる状態で、設定が適切になっていれば、それは理想的かもしれませんが、常時その状態にするのは、それなりの努力が必要です。

多くの場合、最初は維持出来たとしても、段々と研ぎの癖が出始め、形が変わってきたり、良かった時の切れ味や永切れから遠ざかる事もあります。

それを直すのはかなり困難な事ですし、無駄に減らすだけで直らない可能性も十分考えられますから、私達のような専門家の所へご依頼なさってください。

無駄に減らすだけで直らないとは失礼な!と思うかもしれませんが、もしそれだけの技術があって、丁寧に普段から管理が出来ていたら、そういう状態にはならなかった訳ですから、そこは素直に受け入れましょう。

定期的に大きな問題が無くても、調整の依頼が入る事は良くある事ですし、それが恥ずかしい事ではありません。

自分の刃物は自分で研げ!と言われる業界は多いですが、状態が悪い中で良い研ぎを行おうとするのは、まず無理な事ですし、それがかえって悪い研ぎの癖をつけてしまう事もあるので、総合的に考えると、依頼をして直し、そこから角度や研ぎの一致をして、バランスの良い研ぎを覚えるというのは、決して悪い事ではないと思います。

条件が良くなれば、研ぎは安定しやすくなりますし、形や角度の違いなども学ぶ事が出来ますから、良い勉強になると思います。

 

2024年11月 2日 (土)

スペシャル仕様

刃物を何かの専門仕様にする場合、他の用途への使用が合わなくなる可能性があります。

以前から何度か記載をしていますが、今回も分かりやすく包丁にしましょう。

柳刃などの刺身包丁系で考えますと、刺身用とはとは何か?から入ります。

刺身包丁は、刺身を引く為に作られていますが、骨が弱い魚の場合、そのまま卸したりもしますし、皮引きに使ったり、大まかな柵取りに使ったり、最終的な刺身として引いたり、薄造りに使う人もいます。

それだけ見ると、多用途で感じられますが、今回のような専門仕様だと、一番多いのは刺身を引く専用になります。

そこをメインとして研ぎを行った場合、皮引きや弱い骨を持つ魚の卸しに使うと、刃が損傷する可能性もあります。

損傷しないにしても、刃持ちに影響が出たり、刺身用設定なのに、骨や皮引きの影響で、刃が早く消耗したりで、綺麗に刺身が引けなくなる可能性もあります。

切れ方をどうしたいかで、研ぎ方も色々と変わりますが、性能特化とはそのような感じです。

また、和包丁でよく使われる薄刃も同じで、剥き物メインに使うのか、打ち物(刻み)に使うのかで、刃の設定はもちろん変わります。

両方使えるようにする事は可能ですが、場合によってはどちらも使いにくくなったり、刃持ちに影響が出る事も多いです。

出刃で言えば、水洗い用と骨叩き用、卸し用、などに分ける事も多いです。

雑用の刺身包丁、刺身用の刺身包丁、刺身用の予備、のように、例えば3丁を用意しておけば、かなり安心だと思います。

人によりますが、雑用×2、刺身用×3、のように、用意をして使用していた方もいらっしゃいました。

そこまでしないと包丁の性能は完全には出しきれないと感じるのは、それだけ刃物と研ぎを知るからこそでもあります。

一つの研ぎにより、全てをまかなう事は可能であったとしても、個別の作業で見ると、本当にそれが適切であるのかが疑問になる事は多いです。

それは研ぎが下手な事や、刃物の性能に問題があるからではない事の方が多いですから、こだわりの範囲だと考えるのが妥当でしょう。

 

2024年11月 1日 (金)

見た目はほぼ変わらないのに・・・

私が仕事で使う道具類の中には、使い捨ての製品もあり、それらのコストはかなり高いです。

いくつか並べてみても、同じようなものや、色違いにしか見えないようなものもありますが、それぞれの価格も天地の差がある事も・・・。

仕事の内容に合わせ、同じような道具でも、使い分けをしていたりしますが、それは作業時間や仕上がりの違いにあります。

価格が安めの作業に、最高級品を使う事は出来ませんから、上級の仕事が入った時にしか使わないものも会ったりします。

ただそれがあるか無いかで、仕上がりや結果の差が大きくなるので、必要になる時の為の用意です。

ほとんどご依頼の無い作業専用の道具は、その時になって仕入れをする事もありますし、あまりにも入らない場合、その内容は廃止してしまいますが、必ずこの作業は入るけどいつか分からない・・・といった感じの作業の場合には、大体の準備はしてあります。

その為に何倍も金額が違う道具を保管しておきますから、コスト性は悪いこと間違いなしですが、レベルの高い仕事には安い道具は使えないので、それもまた致し方ない事です。

 

2024年10月31日 (木)

切れないけど切れる

私が思う切れ味は、一般で思う所では、驚くレベルにあるようです。

もちろん、無意味に刃の強度を潰してまで、切れ味を出すようなズルい事はしません。

バランスを考慮しつつ、切れ味と長切れの両立を含めても、なかなか体感されないようで、今までの研ぎは何だったのか?とおっしゃる方も多いです。

そんな状態が私の当たり前なので、自分で使う刃物の切れ味が落ちてくると、そろそろ研がないとダメだな・・・と思いますが、それでも忙しいとそのままで使い続けています。

切れないな・・・と思いながら我慢して使っていますが、その切ったものを他の方が見ると、これで切れないの?十分に刃が付いてますよね?十分に切り口が良いですよ?と思うようです。

感覚が切れる側に寄っていると、元々の状態がさほど切れる状態ではない方の研ぎより、まだ切れる状態にあるようなので、それで驚かれるようです。

研ぎは色々な要素を込めつつ、実用的に仕上げを行っていますが、それでも一般では体験できないレベルの切れ味にあるようですから、切れ味が落ちたと表現する事は、確かにその時点で未知の領域なのかもしれません。

必死になって細かい研ぎを行うとか、鋭くするとか、そういう方法での切れ味とは違い、しっかりとした刃の状態がある中で、そういった切れ味になっていますので、安心してご使用頂けると思います。

根本的に、刃物の扱いが雑な方や、使い方に問題がある方だと、その刃の良さを生かしきれない間に、刃の寿命を迎えてしまうと思いますので、まずは使い方とやってはいけない事を覚えていきましょう。

刃物は雑用と繊細用に最低限度として分けて使うのも、非常に良い方法の一つです。

 

2024年10月30日 (水)

僅かな差が大きな差になります

研ぎは上手い下手が明確に出ますから、本当に難しいです。

異常な神経を注いで研げば、とても良い研ぎになるという訳でもありませんので、根本的な技術力の問題ですが、それでも手抜きをすれば、悪く出てしまう事はあるでしょう。

人が削って磨いて研いだものを見ると、自分の作業したものとの比較で、非常に勉強になります。

お客様もまた、ご自身での作業品が、今一つな結果だとおっしゃる方の場合、明らかにダメなケースもあれば、かなり良く研ぎが出来ているのに、残念な結果な場合もあったりします。

明らかにダメなケースは、根本から勉強し直す必要性があります。

しかし、惜しいところにある場合、ちょっとした事で結果が伴わない状況になっている事もあるので、かなり勿体ないなと思います。

ほんの僅かに砥石の修正頻度が足りていないとか、一度研ぎの角度がズレてしまった場合もありますし、途中までは良かったのに、最後の仕上げで角度を間違えているなど、本当に勿体ないと言える程度です。

毎回のように安定して良いと言える研ぎが出来る方は、本当に一握りでしかありませんから、結果が伴う研ぎを自分自身に身に付ける事は、とても大きな財産になります。

 

2024年10月29日 (火)

掘り出し物あり!

当店では、古物商認可を受け、古物の取り扱いをしています。

道具と美術品が当方で取り扱い可能な範囲として申請済みです。

分かりやすく言うと、砥石、刃物、などの道具類や、日本刀、などの美術品が、販売や作業対象の中では含まれます。

それ以外でも、項目に属すものは、もちろん取り扱いが可能ですが、得意な範囲を基本としてやっていますので、上記内容を主としています。

現在も、委託販売として、古物の取り扱いを行っています。

信用のある方からの、出所のはっきりした商品のみを扱うようにしていますので、何でも依頼があれば取り扱う訳ではありません。

宜しければ、商品のご購入や、出品のご検討をと思います。

古物商のページはこちらです。

 

2024年10月28日 (月)

仕上がりが変わる事を祈って・・・

先日、ある商品を注文しました。

今まで使っていた製品の約3.5倍くらいの価格です。

※今までの物は数年前に購入した製品なので現在はもう少し上がっているかもしれませんが・・・。

最終的な仕上げの段階の一部で使うものですが、ここまで金額が変わってくると、かなり躊躇するものでした。

しかし、仕上げの改善をしたいと思っている範囲の事で、たまたま見つけてしまいましたので、一度だけでも試してみたいと思いました。

もしこれが使い物にならず、ゴミになったとしたら、かなりの大損ですから、こういう買い物は本当に賭けでしかありません。

逆に、使い物になったとしても、今後これを正式に導入するのか?と考えると、コストが3.5倍ですから、それをどのようにしてカバーしていくのか・・・です。

どちらにしても、良い点もあれば悪い点もあるので、製品の性能は確実にテストを行いまして、間違いの無い結果として見てから、あとはコスト計算次第になるでしょう。

どうしても性能の良い物を仕事で使いたいのですが、2倍でもかなり躊躇するレベルですから、心情はお察し頂けるとありがたいです。

 

 

2024年10月27日 (日)

研ぎの構成を最初に考えるのは大切です

それなりに研ぎが上手くなってきた方に良くあるのは、とりあえずワンパターンで研ぎを行う事です。

このワンパターンという表現は、語弊があるかもしれませんが、成功例の一つをパターン化してその通り研いでいると思ってください。

通常はそれで充分だと思いますし、最良かもしれませんが、状況が異なる場合、それでは不足になる事は色々と出てくると思います。

そういう時に他のやり方に変える必要性がありますが、そこに対応がどれだけできるのかというのも、研ぎの上手さの一つだと思います。

研ぎに入る前に、状況を良く確認して、切れ味が単純に落ちた事に合わせ、刃の消耗具合であったり、それ以外の部分としては、普段と何か異なる状況は無いか・・・と考えながら見てみましょう。

普段と異なる状況があれば、それが軽度か重度かで、何の作業から始めるのかも考えなければなりません。

もしワンパターンでいつも通りと思っていると、少しずつ不足が重なっていき、いずれ大きな修理が必要な状況になる場合があります。

刃物の状況悪化は、細かい事の見落としであったり、手抜きをした事により、後で大きな問題へと発展する事にあります。

状況を良く確認し、どこからどのくらいの研ぎを行えば良いのか、まずそこから入りましょう。

曲がりやねじれ等が出てしまう(歪、ひずみ)状況となっている場合は、絶対にご自身で直そうとしないでください。

直したつもりが悪化してしまったり、直ったつもりで研ぎを進め、本来研いではいけない場所が研がれてしまい、歪直しを後に行った場面で、研ぎシロが無くなっているパターンをよく見かけます。

ご自身で全てが出来る程度の話であれば、私達の方な専門家は存在していませんので、まともに一度しっかり直してから、その先の研いで使う事を安定させてください。

 

2024年10月26日 (土)

バランスの問題が大きいです

刃物で何かを切断する際に、研ぎは出来ていて、刃は十分についているのに、切り込みが悪かったり、素材を傷めてしまうという事で、悩んでいる方は非常に多いです。

初期からそうだったという例と、途中からそうなってしまったという例がありますが、いずれも状況が悪いからこそ、そのように感じる部分は大きいと思います。

あと稀にあるのが、個人的感覚の問題で、切断時に無抵抗なくらい、スルっと刃が入って欲しいという事で、それをおかしいと思っている場合もあります。

無抵抗というのは大袈裟な範囲で、それを叶える為には、色々なものを犠牲にする必要がありますし、刃物の性能が特別に必要な範囲がありますから、その辺りは十分理解した上で条件を整えれば、一応可能にはなると言えます。

それ以外の一般的な範囲で見ると、刃物の角度や厚みの問題であったり、研ぎの#(砥石の荒さを示す、メッシュ)が適切ではない場合なども、切断時に明らかな問題を起こす事があります。

丸みのある刃物の場合、どこにその丸みが多くあるかで、切れ方は大きく変わってきますし、刃先の段の大きさや角度などでも、かなり違いが出てきます。

現状を見て、何が悪いか分からないとおっしゃる方は、かなりの割合でいらっしゃいますし、それを改善する方法はなんとなく理解出来ても、ご自身で改善に持って行くのは難しいという方は多いです。

何とかご自身でやろうとする方もいらっしゃいますが、とんでもない労力がかかったり、最小範囲でそこまで直せそうもない場合には、必要以上に減らしてしまう事もありますし、失敗した時にもう戻せない事を考えると、専門家に依頼をする事をおすすめ致します。

金額が・・・と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、最短で最小の改善は、機材や道具が揃っていて、綺麗に改善が可能な専門家に出した方が、時間や労力の無駄にはなりません。

もし、ご自身が思っている状態の悪さと、現状の改善方法について、色々と見解の間違いがあったとしたら・・・。

実際に改善を経験すれば、今までと何が違って、何が悪かったのかなど、それらも分かりやすいと思います。

 

2024年10月25日 (金)

しっかり削るか、表面を撫でるか。

砥石の性質や硬度は、3~5段階程度で表現される事が多いのですが、刃物の硬度は平均的なところで同じとして考え、どの辺りが好きなのかの好みは分かれます。

私は3~4くらいの中硬程度を良く使います。

1~2は柔らかめで、刃物が減るよりも、明らかに砥石がどんどん減っていきますが、刃物に砥石が合わせてくれる感じがあって、研ぎやすいとおっしゃる方も多いです。

逆に4~5は硬めで、刃物が減って砥石は減りにくいので、砥石の面直しを的確に行い、正しく研ぎを行わないと、刃物の形状が変わっていく感じになります。

最初に、刃物の硬度は平均的なところで同じとして考え・・・と書きましたが、それだけではなく、鋼材の違いや地金の有無などでも、対する砥石の硬度の感覚は変わって来るでしょう。

硬めの砥石は、研ぎ滑りを起こさない程度であれば、刃物を削っていく印象が強く、柔らかめの砥石は、刃物の表面を撫でる感じでソフトな印象となります。

これら硬度の影響により、研ぎ傷が全く異なる場合もありますが、仕上がりの見た目が光りやすいか濁りやすいかというのも変わってきます。

基本的に、硬めの方が光りやすく、柔らかめの方が濁りやすいです。

最初に荒目の砥石で研ぎ、深い傷がしっかりとついている場合、その次の中荒くらいの砥石で傷を取ろうと思ったら、柔らかめの砥石の方が傷が取れそうなイメージではありますが、削る力は弱いので、表面が慣らされていく程度となり、実際は深い傷が取れない可能性があります。

ですので、中硬程度の中荒目の砥石で、目立てをしっかりと行って研いだ方が、傷は早く取れます。

しかしその次の段階では、その傷取りをした傷を今度は取る事も考えないといけなくなりますから、そういった流れも考えながら、砥石の構成を考えて行く事も大切です。

複数丁の砥石を使うとして、どこかで組み合わせの悪い砥石が一つ入ってしまうだけで、構成はおかしくなりますから、十分注意が必要だと思います。

面白い方法としては、例えばですが、#1000の中硬で研削性が高い砥石で研ぎ、#1000の柔らかい砥石で研ぐと、傷は収まりやすい傾向にあります。

同じ#の砥石を2個使うなんて・・・と思うかもしれませんが、#1000の中硬は#600~800程度と考え、#1000の柔らかいものは#1500~2500程度と思えば、納得できる部分はあると思います。

結局のところ、水研ぎを行う為のいわゆる角砥石は、#表記がメーカーや製品ラインナップで全く異なる事がほとんどなので、その砥石がその刃物に対し、どのような傷を付けるのかを知る事や、相性を知る事によって、傷取りや刃付けの場面で、その傷をコントロールする事が可能になります。

これらを色々と知る事は、研ぎのレベルを格段にあげるポイントにもなりますので、同じ#の色々な砥石を使ってみると勉強になりますし、面白い事も多くあると思います。

 

 

2024年10月24日 (木)

本当に刃物の性能の問題ですか?

刃物の良し悪しについて、色々と語られているお話を良く耳にしますが、その話の多くには問題があります。

色々な部分からの比較を考えても、そういう答えになる事はあり得ないだろうと思われる答えが多いのです。

その理由の多くは、研ぎの技術の問題や、使用技術の問題にあります。

凄い高得点を付けられる程の腕が必要とまでは言いませんが、最低限度としてそのものを評価するに値するだけ知識と技術があって、それなりの数を触った事が無ければ、正しい評価は難しいと考えますが、そうでは無い方がかなりの割合を占めています。

ご自身でそれに気付いている方は、多くを語ればそれが自己評価のマイナスに繋がる事を理解していますから、むやみやたらに良し悪しの話はしません。

そして、ご自身で分からないからこそ、専門家の意見を求め、それを後の目標であったり、ご自身の知識や腕が上がった際に、良い想定となるようにと、今と将来を見据えた考えもお持ちになる場合もあります。

刃物や砥石は、いつどこで何に使う為にそれを購入し、どのように使って行くか?と言う所で、必要な要素が決まってくると思います。

何も考えず、ただそこにあるだけで購入すると、後で損をする可能性も多いですから、良く考えて購入する事や、良く考えて使用する事が大切だと思います。

私自身としては、過去にどんなレベルのものでも手を出し、色々と使ってみたタイプですが、その分だけとんでもない金額を使ってきました。

現在も仕事に使うもので、色々と試してみる事も多く、その金額はいつまで経っても安くはなりません。

私の場合には、それが仕事で必要なものでもあるので、少しでも良い性能や仕上がりになる物をと探し続ける必要がありますが、お客様の場合にはそれを続けていく事で、とんでもない金額が飛んでいく可能性もありますから、その辺りの心配をしてしまいます。

ご予算に余裕があり、色々とお試しになりたい方は、むしろどんどん色々と購入してお使いになると良いと思います。

なるべく最小範囲で、良いものをご案内したり、良い技術をご提供できるよう、色々な比較なども含めてご案内をしています。

少なくとも、格安で良いものはあり得ませんので、それなりの最低ラインはあります。

 

2024年10月23日 (水)

砥石の使い方は刃物との相性により変えます。

砥石ごとに、特性が色々と異なりますが、それをどのようにして使うか、ある程度定まった形として一番良い方法があったりします。

しかし、対する刃物によっては、その一番の形では相性が悪い事も出てきます。

そんな時に、砥石をどのようにして使うのか、いくつかのパターンを作っておくと良いと思います。

砥面をツルツルにして使ったり、砥面を荒らしてザラザラにして使ったり、その他も含めて色々な方法があります。

砥石はどうやって使ったら良いのか?と簡単に聞かれる事がありますが、そんな簡単に一言では表せない世界です。

 

2024年10月22日 (火)

久しぶりに気持ち良く切れる刃物に出会いました

何度かお話をしてきた事がありますが、特別切れ味が良い刃物に出会う事があります。

今回もまた、新たに出会いがありました。

普段通りに研ぎを行い、その時点で誤差範囲以外はまともに切れる状態になりますが、誤差とは思えない切れ味が明確に出ていました。

何とも言えないようなぬるっと刃が入る感じは、本当に素晴らしいです。

次回はいつ、こういった刃物と出会えるのか、また楽しみにその時を待ちます。

 

2024年10月21日 (月)

寿命と性能のどちらを優先しますか?

刃物は研ぎを行わないと、まともな切れ味を維持出来ません。

その為には、刃物を研ぎ減らす事になります。

刃物は付け足しが出来る物ではありませんので、初期が最大のサイズであり、その後は小さくなっていく一方です。

それを考え、切れ味が多少落ちた程度では、研ぎを頻繁に行わないという、プロの方が過去に数名いらっしゃいました。

それで刃物が充分に使い物になるのであれば、悪くは無いと思いますが、また買い直せば良い事なので、私は研ぎを頻繁に行って、極力性能を発揮できる範囲で使う事をおすすめしています。

それは研ぎを行う立場だからではなく、刃物が切れる事の大切さを知っているからです。

現代では刃物が非常に高価になってしまい、過去から高価だったものは、更に高価になりました。

そう考えると、そう簡単に買い直しをとは言えない部分はありますが、それでも数年は余裕で使えますから、そんな短い期間・・・では無いと思います。

研ぎ減りが早い方はサイズ維持の為に、毎年のように同じ刃物を購入され、研ぎ減った物は他の用途に回したり、形状を変えて用途別にするなど、工夫して使用している例も聞いた事があります。

こだわると必要な条件が変わって来るので、金額はだいぶかかるかもしれませんが、その分、ストレスや使い勝手の問題からは解放され、良い刃物ライフが送れます。

 

2024年10月20日 (日)

食材への影響

「切れる包丁だと食品が美味しくなる」と言われているのは、紛れもない事実です。

これに関しては、プロの料理人だけではなく、素人の方でも明らかに感じられる部分だと思います。

それ以外としては、意外と皆さんが気付いていない範囲として、他にもいくつかあります。

例えば、切れる包丁で切った食材は、煮たり焼いても崩れにくいとか、切って使わない食材を保存する際に、痛みが出にくくなるなど、それらからも利点は十分に感じられるでしょう。

それだけ組織を傷めないと言われる事が、実際に作用していると言えます。

食感や味にも影響があるだけでは無く、こうした他の部分でも変化はありますので、是非とも切れる包丁を使い、料理を楽しんで頂ければと思います。

 

2024年10月19日 (土)

計算された構成

何かに対しての代用品となるものは良くありますが、どうしてもそれでは能力を発揮しきれないような、特別な性能というものはあります。

刃の黒幕#1000と復活砥石の関係性です。

今の所、これ以上の組み合わせはありません。

電着ダイヤでの修正が主として考えると、砥面はほぼ面一となり、中硬程度の硬度や高い密度の影響により、研ぎ滑りが起こる事があり、特に硬度の高い刃物が相手だと、それは明確に起こりやすい部分が唯一の欠点です。

性能を発揮する為には、この砥石の性質は致し方ないものと見ると、この復活砥石を使わなければ損でもあると考えます。

簡単で確実となれば、使わない理由はありませんし、どうしても必要な場面には、安心の組み合わせとも言えます。

当方でもこれらの販売はありますので、宜しければ是非ご利用ください。

なお、当方でお買い上げを頂きました商品に関しましては、使い方などの簡単なアドバイスも行っていますので、良い結果の為に是非ご利用ください。

販売ページはこちらから飛べます。

2024年10月18日 (金)

本来あるべき姿形を生かしましょう

洋包丁や和包丁では特に形の変形が良く見られます。

これは、全体を均等に研いでいないという事が要因でもありますが、他には一部の欠けや刃の落ち具合に合わせ、そこを重点的に研いでしまっている事も挙げられます。

また、研ぎの癖により、砥石当たりが強くなる部位とそうではない部位があり、その影響も出ていると言えるでしょう。

基本的な考えとしては、購入当初の形という表現をあえてしませんが、本来あるべき姿形を大事に考え、そこからあとは個人で使いやすいように設定をすると良いと思います。

形状のアレンジは、ある程度の基本的な研ぎ方や使い方をマスターし、それで用途として不足を感じた場合以外は、変える必要はありません。

大多数の方がそれで使えている状況を考えると、バランスが取れた形で、現代の洋包丁や和包丁の形は構成されていると言えると思います。

メーカーや職人事に、それぞれ形状の違いはありますが、これは良し悪しの判断にしている方も多くいらっしゃるので、形の意味を考える事は、非常に重要な要素になると考えられます。

いずれ必要な時が来れば、同じ刃物を何本も用意し、使い分けをする事になると思いますので、一本で無理に特別な事をやろうとしなくても、その時を待ちましょう。

 

2024年10月17日 (木)

何を重要視するのか・・・

色々な研究の中で、刃物の切れ味と長切れの問題は、永遠のテーマになると思いますが、それをかなり解決できる方法はあります。

刃の強度が高く組織の状態が良いものを選ぶ事です。

何の分野の何用の刃物なのかで、その強度の問題は変わってきますが、組織に関しては同じような考えで良いと思います。

繊細な刃の為には、組織が細かく綺麗に分布していて、不純物が少ない事がまず挙げられます。

それが可能な鋼材は、一部に限られてきますし、上手く製造をするとなると、メーカーや鍛冶屋も一部に限られてきます。

そしてその中でも、鋼のロットによる当たり外れや、良し悪しが必ず出てきますから、本当にこれは!という当たりを引行けた方はラッキーと言えるでしょう。

全てを兼ね備えた刃物は、100%では存在していませんので、どうしても何かに特化したものを用途別で選ぶ形にはなりますが、それでも分野や鋼材によっては、それがある程度は叶う事もあります。

少なくとも、安い刃物の部分にはそれは存在しませんので、多くを求めるのであれば、それなりの金額を出す必要はありますから、簡単に手に入るとは思わない事です。

それが簡単に叶うのであれば、多くの方が悩み苦しむ事は無い訳ですから・・・。

 

2024年10月16日 (水)

繊細さが確実に必要な刃物です

鉋は木材の表面を削る為に作られており、刃を細かく研ぐ必要性があります。

しかも、研ぎは表裏共に平面で、刃が直線化するよう綺麗に仕上げる必要があります・

その為には、砥石の面修正が絶対的に必要になります。

また、台調整も極限の削りになると、非常にシビアになりますし、本当に難しい部分になります。

そこそこまで使えるようにすれば、慣れればある程度は行けると思いますが、最初は何もかもが難しく、グチャグチャにしてしまって終わるでしょう。

平面研ぎは研ぎの基本を学ぶのに、非常に勉強になる要素が多く含まれていて、それを綺麗に仕上げられるようになることは、とても大切な事だと思います。

鉋だと難しいとおっしゃる方も多いので、まずは切出小刀から研ぎの勉強をする事をおすすめします。

平面研ぎが綺麗に出来るようになって、いつでも木材を綺麗に切れるようになってみると、次は切れ方や長切れの勉強も必要になります。

 

2024年10月15日 (火)

刃物を生かす使い方とは?

刃物と砥石が良いのに、研ぎを頑張っても、どうしても刃持ちがしない、切れ味が出ない、とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

その辺りは、研ぎ方のレベルに影響される事も多いのですが、あとは使い方による部分もあります。

例えば、刃物の使用方法が、刃物にとって良く無い使い方だったら?

負担が大きくなればなるほど、刃は持ちが悪くなりますし、切れ方も直ぐに悪化してしまい、場合によって一発で刃をダメにしてしまう事もあります。

ですから、研ぎ方を良くするのも大事ですが、使い方を丁寧にしたり、欠けなどが出来る事がなく、刃の単純な摩耗だけで抑えられるよう、使って行く事も大切な事です。

そんなに気を遣って刃物を使えません!とおっしゃる方は、雑用の為のものと、繊細に使うものを、分けてご使用ください。

雑用の為の物は、切れ味よりも強度を重視した設定とし、繊細に使うもは強度と切れ味のバランスを取るか、切れ味を優先した設定にすれば、それで多くは解決でしょう。

雑用で使うものは、大まかに直して使うのでも良いと思いますし、そこには無理に丁寧さを色々含める必要はありません。

このような感じで、一つの刃物でなんとかしようとせず、回避策として複数本の刃物で役割分担をさせると、かなり良い結果に近づくと思います。

それに合わせ、それぞれに合わせた良い研ぎも導入し、ストレスから解放されるようにしましょう。

 

2024年10月14日 (月)

改めて比較をすると違いが分かります

先日、お客様からのご依頼で、ある刃物の新品を研いでほしいとの事でした。

実物を拝見すると、結構綺麗に仕上げてあって、一般で言う所のいわゆる「よく切れそう!」な状態です。

しかし、全く切れないに等しいとの事で、刃や研ぎの状態を良く確認すると、いくつもマイナス面が見つかりました。

まず刃先にあるはずの「刃がほぼ無い」状態です。

これに関しては、その刃付けだけの問題ではなく、次に挙げる「面の構成が悪い」に繋がります。

研ぎを行った面の構成が、切れる要素を潰す形状となっており、手研ぎでやったというのは見て分かりますが、とにかく構成が悪い。

使った砥石に関しては、手磨きを入れてあるので分かりませんでしたが、砥石の面修正はそれなりに行っている感じでした。

また、部位ごとに刃を構成する部分の厚みにバラツキがある事から、研ぎが安定していない事も分かります。

当方でもお客様のご依頼に合わせ、似たような作業をする事は良くありますので、やろうとしている事は分かりますが、それじゃない感が非常に強く、高額を払っての新品に対する仕上げだったようですから、お客様はかなりガックリと来ている感じでした。

私が同じ立場だったら、それなりに金額をかける意味を考えれば、やはり同じ思いになっていたと思います。

たまたま作業をした人の当たり外れなのか、そこでの仕上げレベルはそれが限界なのか、それっぽくだけ見せて誤魔化すのがやり方なのか、その辺りははっきり分かりませんが、多分やり直しをお願いしても、良くはならないでしょう。

刃物が何かを切断する事に関しては、切る為の要素を研ぎに含める必要性がありますが、これはこのブログや直接ご来店を頂くお客様にも、ご説明の中で頻繁にお話をしている事です。

ただこう研いでこう磨いてこう刃付けをする・・・と教わったところで、その技術には何も価値がありません。

今回のような例はかなり多く、名前のあるメーカーや職人による作業だと、それに文句を言いにくいという方もいらっしゃいますし、自分が間違っているのではないかと、悲観的になってしまうお客様もいらっしゃいます。

私自身も、過去からそういった経験を使い手側で感じる事がありましたし、そういったお客様に現実をお教えしたり、実際の技術であるべき姿を感じて頂くようにしていますから、ある意味では得意分野とも言えます。

もちろん、お客様側の見解や求める部分がおかしいケースもあるので、全て作業をした側が悪いとは言いません。

これは、他を悪く言う為の材料にしているとかではなく、実際にお客様がお代を支払い、それに見合った対価を得られていない事のお話でしかないので、世の中の刃物業界を見て、こういう現実を知る意味では、非常に有効な資料だと考えています。

なぜこういうお話をするのかというと、もう一つ理由があり、私自身も逆にお客様がお持ちになられた刃物から、他での作業品を拝見し、学ぶ事がありますから、私が全て正しいと言っている訳でもありませんし、お互いにそういう事はあるだろうと思い、自分への戒めでもあると思っているからです。

お客様としてご利用を多く頂いている方は、なんとなく濁したお話や、気を遣った話をされても、現実を知る事は出来ないので、良くも悪くもはっきり言って欲しいと言われる事が良くあります。

それは、お客様自身が現実を知りたがっており、そこから学べるものを大事にしたいという考えの表れですから、私はその為には良い事も悪い事も自ら受け入れつつ、出来る限り正しい情報や、お客様に合った方法をご提案する事に繋げています。

メーカーや技術の業者に言える事は、まともに出来ない職人に、重要な仕事をやらせるべきではないという事です。

そこでは新人や次のステップに進む為、勉強の為にはどんどんやらせなければいけないという部分はあるかもしれませんが、お客様からすれば一流の職人が作業をしても、まだレベルが低い職人が作業をしても、お支払いする額は同じはずです。

その時にお客様からの評価がこのようにマイナスになれば、どんどん評判は落ちますし、二度とそこの話や商品や技術を信用する事は無くなりますし、お客様はこのような悲しい思いをする事になります。

その仕事を任せても問題が無いレベルになるまで、実際にお客様のその仕事をさせる事なく、今まともに出来る他の仕事をしつつ勉強を別でして、その評価を正しく見てから、お客様の同じ仕事をやらせるべきと思います。

もしくは、その仕事を熟知している職人が、しっかりと面倒を見る事で、遜色なく作業する事が出来るようにするなど、そういった事も大切だと思います。

良くあるのは、指導する人自体の作業がとても上手いとしても、教える事は下手で正しく下が育たないとか、検品をする係の人の基準が甘く悪い状況を見抜けず悪いものが商品として出てしまう事が多いなど、その手の話は本当に良くあります。

一人仕事でやっている場合、この手の話はほとんどない事で、状況次第ではあると思いますが、誤差範囲で収まる事が多いのです。

最終的な結果でお客様は評価をするものだと私は考えていますから、最初にどんなに疑うような事や、細かく面倒な事を言われようとも、良かったと言って頂ければそれで解決だと思って作業をやっています。

 

2024年10月13日 (日)

サビは厄介です

刃物がサビると、表面的にサビを落とせたつもりでも、同じ個所で何度も再生するケースがかなり多いです。

削ったり磨いたりしても、研いでも駄目な場合がありますが、それはまだサビが少し残っている事が原因だと思われます。

表面的なサビに見えて、そこを取り切れたと思って軽めに終わらせず、もう少し先も考えて多めに取り除きましょう。

研いでも問題が無い場所だったら、研ぎで落とせば良いですし、ダメな場合には、サビ取り剤を使用しても良いと思います。

ただ、サビ取り剤は薬品臭の問題があるので、食品や加工で匂いがわずかにでもついてはいけないものの場合、使う事はやめた方が良いです。

まだ、サビ取り剤で錆を取り除いたあと、そこから再度サビが出てきますので、錆を取り除いてすぐに表面を何かでコーティングし、そこから自然なサビが始まらないようにしなければなりません。

ですから、サビ取り剤を使うにも、それなりに覚悟が必要です。

簡単に落ちると思えても、実際はその後が厄介なのが薬品ですから、出来れば削るか磨くかが良い方法だと思います。

ご自身で荒い加工をして取り除いたサビ箇所は、後に思いっきりサビる可能性があるので、それなりに素早く細かく仕上げる必要性があるますから、後で処理に困る事を考えると、私達のようなプロにご相談ください。

研ぎのついでにサビの事をご相談頂ければ、通常時でも注意をしてサビを取り除く加工をしていますが、特に気を付けて再発生を抑えるように出来る限りをします。

なお、サビを取り除くにしても、浸食している場合には、結構削る必要があったり、場合によってはごっそりと刃を削り落とす必要がある事になる可能性もあります。

しかし、そのサビが今後進行するものかどうかも見方がありますので、そこも含めて判断をさせて頂きます。

 

2024年10月12日 (土)

砥石の使用の組み合わせについて

刃物の研ぎで、中荒砥、中砥、仕上げ砥、超仕上げ砥、と段階的に研ぐ場合、どんな砥石をどう組み合わせるのが良いのかを考えるのは、難しい問題ではあると思います。

こういった件に関しては、過去にも似たような内容を書いた事があります。

一般的に理想と考えられる範囲としては、同社の砥石シリーズから、必要な#を選んで使用する事です。

そうする事によって、各社や各種の砥石の#(荒さ)表示と、現実的な荒さの流れは、大体一致してくる事になります。

あとは、それなりの数の砥石をお持ちの方は、色々な砥石の組み合わせをご自身で結果から作り、それを段階としている例も多くあります。

流れが何パターンか作れれば、刃物の形状や硬度などで変えて使う事が出来ますので、余裕があればそのようにしておくのも手だと思います。

絶対にやってはいけないのは、#1000の後に#8000で仕上げようとするなど、無謀な形にならないようにする事です。

理想としては2倍までの荒さで、ギリギリ3倍くらいまでだと思いますので、その辺りは十分にご注意ください。

砥石の数を増やしたくない事や、数多く研ぐと面倒だからという事で、無理に少なく使用し、細かく仕上げる事はまず無理です。

また、ある程度の荒さの砥石からスタートし、刃を再生しつつ傷を取っていく事も大事なので、超仕上げ砥石だけで何とかしようとするのやめましょう。

必死に超仕上げで研ぎを行おうとする時間と、面倒でも中研ぎから例えば4段階で研ぐ時間を考えると、後者の方が確実で早いです。

ちょっ刃先を小刃として仕上げたいだけの場合でも、現状でどのくらい消耗や痛みが出ているのか、それがどのように研ぐと直せるのかを、それなりに理解出来るようになるまでは、特に手抜きをしないようにしましょう。

 

2024年10月11日 (金)

しっかりと要素を含めています

刃物の研ぎは、ただ研ぐだけではダメだと、ここで何度も書いて来ました。

その意味はご利用を頂いている常連様や、色々とご相談を頂いて内容をそれに合わせて研ぎを行い、ご満足を頂けたお客様であれば、十分にご理解を頂けている事かと思います。

刃物の性能や使用に合わせた設定を行う事は、その刃物が生きて使い勝手が良くなり、使う事が楽しくなる事や、ストレスが無くなるのが特徴的です。

自分は感覚がそこまでないし良く分からないから・・・とおっしゃる方も多くいらっしゃいますが、それでも使用して体感頂くと、そんなに違うものなのかと思われる方が多くいらっしゃいますから、その差は大きいと思います。

いつしかそれに慣れると、当たり前になってしまうかもしれませんが、とても幸せな事だと思います。

私自身が刃物を扱う色々な経験の中で、感覚が麻痺してしまっている部分が多くあると思いますが、お客様からのお話を頂くと、改めてちゃんとした事を真面目にやる大切さを思い出します。

 

2024年10月10日 (木)

刃物は金属の塊ではありません

刃物を構成するのは、鋼材と呼ばれるものです。

鋼で作られているという説明も出来ますが、現代風に言うと、鋼の刃物と呼ぶのは、炭素鋼(白紙、青紙、その他など、)が鋼というくくりで言われますので、鋼材とするのが正しいと言えるでしょう。

ほかに良く使われるのは、ステンレス鋼、粉末鋼、ハイス鋼、ダイス鋼、などがあり、それぞれに細かく分類があります。

刃物を購入する際に、鋼材だけを見て購入されるケースが多いと思いますが、製造メーカーや職人により、その鋼材の性質は大きく異なる場合もありますので、鋼材がこれなら大丈夫!とは思わない方が良いです。

実際に、上質とされる鋼材を使った刃物でも、天地の差を多く見て来ました。

手作り品でも工業品でも、ばらつきは必ずありますから、本当に良いものに当たる率は、かなり低いと思ってください。

それは良品を本当に体験したからこそ言える事です。

綺麗に作られていれば、それは性能が高い証拠でもありません。

ただ綺麗にしたいだけなら、そういう加工方法はいくつもあります。

最高級品レベルでも、加工する職人やその時により、かなり違いが出てきますので、誤差や製品差もありますから、それを見極められるようになるまで成長しないと、完全な当たり品にはまず出会えないでしょう。

そこまでして、上質な刃物を皆が求めるのは、その刃物の性質や性能が、研ぎや使用だけでカバーできない領域を持っているからです。

その為に、いくつも購入を繰り返し、ようやく出会える人もいれば、そうではない方もいらっしゃるでしょう。

当方のお客様の中には、そういったものを望む方は結構いらっしゃいますので、情報も色々と頂けますし、私自身も勉強をさせて頂ける部分があります。

 

2024年10月 9日 (水)

改めて感じる良さ

昔からずっと言われてきた事ですが、鋼の刃物の切れ味の気持ち良さは、やはり今でも健在です。

ステンレスや粉末鋼も良くなってきましたが、まだ越えられない領域は先にあります。

もちろん鋼の刃物が出来の良いものである事は、前提として必要になりますし、研ぎが良い事も当然の事です。

何となく研いでいる程度だと、それぞれの違いや良さははっきり見えないと思いますから、しっかりと想定通りに研ぎが出来る事は必須ですし、その判断も何をどうする時にそうなるのか、明確に理解する必要性もあります。

鋼の刃物で、本当の意味の良いものは減りました。

本当に良いと言えるもので、当たり品を引いたとしたら、それはずっと大切に使って頂きたいと思います。

今後は今よりもっと、鋼の刃物が減っていくと思いますから、手に入りにくくなっていくでしょう。

 

2024年10月 8日 (火)

如何に切れない状態で刃物を使っているのか・・・

世の中の刃物の多くは、まともに切れない状態で使われています。

それはプロが使う刃物も同じです。

プロなら刃物を上手く研いで、上手く使いこなしていると思われるかもしれませんが、そんな事はありません。

素人の方で趣味で研ぎを行う方と比べると、仕事で使う刃物をゆっくり研ぐ時間はありませんから、意外と切れない状態で使っている事も多いですし、形の崩れもあっという間に進行します。

では、どうやってその刃物を使って、仕事をしているのか?というと、使う腕があるからです。

もちろん、それは良い事ではありませんし、理想的でもありませんが、成り立つ範囲がある事は理解しています。

しかし、それ以上の上を見る場合、必ず刃物の質や研ぎに関しては、必要項目になってきますので、大事に考えて頂きたいと思います。

刃物が良い形で上手く研げて切れれば、それだけでかなり補助的な力を発揮してくれる事になるでしょう。

試しに少量でも良いので、良い条件になっている刃物を使用し、仕事をしてみて頂きたいです。

そこから得られるものは、腕が上がったような感覚や、今までどれだけ損をしていたのかという後悔になるでしょう。

 

2024年10月 7日 (月)

研ぎは簡単に出来ません

どうすれば簡単に良い研ぎが出来るのか?と聞かれれば、答えは簡単です。

通常の範囲ではそういった簡単に良い研ぎは出来ません。

しかし、ある程度の道具類を揃え、最低限度を学んで使えるようになれば、その頃からだいぶ楽に研ぎは出来るようになるでしょう。

早く・・・となれば、必要な道具は一気に増えますし、綺麗に・・・となれば、それ以上に余分な道具が色々と必要になってきます。

コストをかけずに良い研ぎはまず不可能ですから、それなら研ぎに出した方が楽で安いというお声もあるくらい、かなりの金額が必要になるでしょう。

簡単に安く良い研ぎが出来るのであれば、だれも苦労しませんから・・・。

 

2024年10月 6日 (日)

まだテストは必要なようです

新しい技術のご案内は、少し先延ばしにする事にしました。

理由は万全な体制ではないからです。

色々な調整や実験をもっと繰り返し、一回で上手く結果を出す事を最優先としたいと思っていますから、発表はもう少し先にします。

基本とする場面の形は完成していますので、それ以外の範囲の部分がまだ不足だと感じています。

もっと時間に余裕があれば・・・とこういう時は思います。

 

2024年10月 5日 (土)

色々な材の加工

仕事で使う道具は、市販されていないものが結構あります。

それらはどうするかというと、自分の思うものに近い製品を購入して、それを改造して使うか、材料だけ買って自分で作ります。

木材、樹脂系、金属、など、その他を含めて色々な素材を使います。

直ぐに破損するような材を使う事もあるので、結構慎重に行いますが、それでも作り直しになる事は結構あります。

そして使い続けていると、形状が変わってしまったり、消耗して小さくなる事もあるので、その場合は一から作り直します。

そんな事を年に何度か行っていますが、それがあるのと無いのとでは、結構な差ありますし、場合によってはそれが無いと加工出来ない場合もあります。

ちなみに、この手の道具類は、個人的に考えて作ったものばかりで、誰かに教わったものは一つもありません。

その理由は、それぞれで加工のやり方が違ったり、体格や体の使い方も異なるので、同じ道具では成り立たない部分があるからです。

ある意味で、これらは企業秘密的なものになるのかもしれませんね。

 

2024年10月 4日 (金)

基本的にはHPに記載の内容の刃物や作業のみの取り扱いです

HPに全く記載すらしていない刃物の研磨や研ぎのご依頼について、お問い合わせを頂く事がありますが、基本的に取り扱いはありません。

もし通常でお受けしているのであれば、その記載があるはずですので、それが無いという事は、取り扱いが無いという事です。

以前も記載をした事がありますが、実際はその刃物が扱えたり、その作業が出来たとしても、理由があって載せていませんから、もしかしたらやってくれるかも?や、当たり前に出来るでしょ?とは思わないでください。

常連様にのみで、ご提供をする作業やサービスは存在していますが、それらは理由があって表には出していませんので、頻繁に研磨のご依頼を頂きまして、常連様となってからのお話です。

また、作業自体は出来ても、おすすめが出来ないという事で、載せていないものもあります。

お問い合わせ数が多い内容で、やろうと思えば通常作業に出来るけれど、そうしない刃物というのも存在していますが、それは内容の問題ではなく、金額がかなり高額になる事の問題で、値段じゃなくやってくれるなら・・・と、おっしゃって頂けるようであれば、その手の物は載せても良いかと思っています。

 

2024年10月 3日 (木)

研げないとご相談を頂くケースが増えました

近年の刃物は、本当に硬いものが増えました。

硬いと言っても色々な見解があるのですが、分かりやすく研げない、研ぎが進まない、といった範囲のものを、硬いと表現する事が多いので、こういうパターンのお話の際には、その認識でお願いします。

これは良い刃物だ!と言われて、すすめられるままに購入をし、その後の取り扱いに困っている例は本当に多いです。

素人だけではなく、プロからのご相談も多く、全体的に硬い刃物の生産が増えている関係で、そのようになっています。

砥石は過去より性能が上がっていますが、それでもただの人造砥石では、太刀打ちできない事も増えています。

そこでご自身で研ぎを行う方には、ダイヤモンド砥石をおすすめしています。

ダイヤモンド砥石は、過去と比べ、刃物の研ぎやしやすく、仕上がりも良くなっています。

古くからあるタイプは、ダイヤが全く生きないものであったり、性能にバラツキが多くみられるものもあり、ほとんどがおすすめ出来ませんでした。

現在ですと、当方で販売をしていますダイヤモンド砥石であれば、余程の事が無い限り、研ぎ滑りは起こらないと思います。

しかも、取り扱いに苦労をしないタイプですから、普段使いから特別な場面での使用でも、かなり楽に作業と管理が行えます。

販売のページはこちらにありますので、宜しければご利用ください。

 

 

 

2024年10月 2日 (水)

こんな作業も出来ます

刃物研磨や研ぎと一言で表しても、何をどうするのか分からないと思われる方もいらっしゃるでしょう。

当たり前に刃物の研ぎを行ったり、面や形を削って直したり、それらは当然のように行っています。

それ以外で、こういう所も?!という部分としては、刃物の角や縁を削り取って磨く事により怪我を防いだり、刃物の種類によっては、切断対象の素材を傷めないようにする意味合いがあります。

また、研ぎや研磨を行わない面に関しても、可能場合は磨きを最低限度は入れていますが、それも素材への引っ掛かりを防ぐ事や、例え綺麗に見えていたとしても、見えない汚れが付着している可能性が十分にあるので、それを取り除く意味合いもあります。

特に包丁関連ですと、おまかせの内容の場合や、鏡面(木砥)だから絶対に磨かないで!と言われない限り、基本的には全面に磨きを軽くは入れています。

汚れの付着に関しては、初期段階で取り除けば、分厚い付着にはなりませんが、気が付いて汚れが凄く溜まったな・・・と思った頃には、簡単には落とし切れず、落とせたと思っても、実際には汚れの膜が残っている可能性が高いので、また直ぐに分厚く付着をします。

刃物の種類や用途によっては、刃部以外の面や角も、作業で使う場合がありますので、そういった場合には、こういう作業に使うから角はそのままで!とおっしゃって頂ければ、特別に角や縁を削り磨く事はしません。

ほかにも色々と細かい部分で、刃物の掃除を行う事も多いのですが、刃物ごとに説明をしなければならなくなるので、割愛させて頂きます。

 

2024年10月 1日 (火)

1000円では出来ません!

以前にあった事ですが、この作業をやって1000円で出来ますか?のように聞かれた時のお話です。

具体的なお話は避けますが、あるところではその作業を1000円で出来ると言われたそうです。

当方ではその作業は5000円かかります。

人によっては、5倍も取るなんておかしいだろ!!!と思うかもしれません。

もしくは、1000円でやってるところなんか危ないだろ!!!と思うかもしれません。

当方での作業の場合、そもそも作業に使う機械で使う部材のコストだけで、もう1000円を遥かに越えています。

そして、その後の作業として、手作業で研いで綺麗に仕上げを行うなど、それらも含めると、3倍でも利益どころかコストオーバーの話でした。

つまり・・・。

簡単な計算でしかありませんが、当方からすれば、そんな価格でまともな事が出来るはずがないと思いです。

1000円でやる方法が無いかと言われれば、あの方法を使えば出来るかな?と思うところはありますが、それが精度や性能良く仕上がるのではなく、ただ見せかけの形としての作業で精いっぱいだと考えます。

そういった感じで、世の中の作業では、コスト削減と効率ベースの加工は、かなりの割合であります。

そういうものがで回る事で、お客様は初期から苦労に見舞われ、どこに出しても症状を改善出来ず、苦労が続く状況に陥る事となってしまいます。

当方では一点相手の作業として、加工を行っていますから、その点でまず考えと作業のやり方と考え方が違います。

安く済ませたいのであれば、安い所はいっぱいありますから、そういった所に依頼をされると良いと思います。

当方では、色々な苦労を重ねてきて、満足を得られなかったというお客様が多くいらっしゃいますから、そういった方達を救える場所として、難しく面倒な事を特にお受けしています。

低価格の所での作業は、高額で依頼をすれば良くなると思っている方もいらっしゃいますが、何倍も払った所で、出来る内容や精度に限りがありますので、そういう結果には繋がらないというのが、私が色々な方面から得た情報です。

当方は実用としての性能を優先としていますが、どういう範囲が得意なのかがそれぞれで異なりますので、希望する内容やご予算に合わせ、お店や職人を選ぶと良いと思います。

少なくとも、安く済ませようとして、細かい要望を聞いてくれる所はまずありませんから、その場の標準かそれ以下の作業となる事は、十分にご理解を頂いておいた方が良いでしょう。

特別に高額のご依頼を頂く場合、何度でも何時間でも何日でも、細かい調整をやり直して、良い結果になるようにしていますが、そこまでやると利益は全く出ないので、面倒だと思われるとそもそも通常は依頼を受けて貰えないでしょう。

 

2024年9月30日 (月)

期待しすぎです・・・

色々な製品は、大量生産品、量産品、単品製作や特注品、と、大まかに分けると3パターンで製造されていますが、刃物もそれは同じです。

大量生産品への期待度は、特に大きくない事は理解していますが、量産品への考えはかなりハードルが高い事になっているようです。

色々なお客様とお話をしていると、そう感じています。

実際に量産品というのは、大量生産から製造数が落ちた事で、流れ作業の速さや丁寧さが変わって来ますから、それなりに良くなっていますが、それでも単品製作との差を考えると、かなり遠い所にあると考えています。

結局は製造速度やコストの問題で、加工の削減をされていたり、丁寧に行う所を短時間で済ませたりしますから、その差は大きいでしょう。

価格帯や仕上がりを見ると、大体の事は分かるかと思いますが、大量生産品に対して色々と細かい所を見て、ダメだしをされる例もあるようですが、それが価格相応の事なので、期待をし過ぎな話だと思います。

それ以上を求めるのであれば、まずは金額をもう少し出して、量産品クラスを狙っていきましょう。

しかしその話をするにも、近年の大量生産品は、バラツキが少ないそれなりに高品質の製品化に成功している例も多く、そこから量産に変えて製造をしているようなケースだと、予想よりも仕上がりが良く無い単品製作品よりも、かえってぱっと見では良かったりしますし、製品の性能も決して悪くは無かったりします。

それは上手く製造できる流れを良く作れているという事になりますから、もう特別な単品製作は必要無いとも思えてしまう事があるくらいです。

まだ試せてはいませんが、かなりの評判で、高級メーカーだと20万くらいで売られているタイプのものが、3万円台くらいで買えるとなると、あえて20万円に行く必要があるのか?と思ってしまうでしょう。

実際にはそれ相応の差はあるはずですが、今の商品で十分に満足があれば、それ以上に行かないという形も十分あり得る事なので、そこまでして何倍も高い刃物を買わなくても・・・と思う事は、おかしい事では無いと思います。

予算と考え次第で、一番上を必ず買う必要性はありませんから、私も必要な内容やご予算に合わせ、丁度良い所をご案内するようにしています。

まずは中級くらいからスタートして、それ以上が必要だと思ったら、少し上やそれより上を購入するのも良いと思います。

いきなり一番上に行こうとすると、それまでの違いや良さも分からずに終わってしまい、ただ高かったと考えるようになってしまい、必要無かったものを買って高いで終わってしまいますから、ある程度の段階を踏んでご購入される事をおすすめ致します。

一つ言える事は、無駄にお金を出す必要は無いですが、多くを望むのであれば、高額な資金が必要になるので、その世界を知りたければ、頑張って購入をするのもありだと思います。

それぞれの刃物に対し、私はそれ相応の資金を投入して、自ら勉強をしてきたタイプの人間ですから、損も得も多くの経験をしています。

その中から言える事は、求める領域と予算をしっかりと考え、求めすぎない事も大切だと思います。

 

2024年9月29日 (日)

満足するところまで

刃物や砥石や研ぎに関しては、深く広く色々な事が混在しています。

これらの組み合わせや使い方で、本当に幅広く深く、違いが大きく出てきます。

何をどこまで求めるかは、個人での違いが大きい所ですから、こうしなければならない!のようなものはありませんが、最低限度のラインというものは、一応設けておく必要性があるとは思っています。

ご自身で設定が難しい場合、どのように考えると良いのかや、知識と技術が不足しているからなのかと、色々思う所はあると思いますが、一番分かりやすい考え方としては、満足するかどうかだと思います。

色々なレベルがあって、基準を作る事が難しい場合も多いと思いますが、それについての事を調べて勉強しようと思うと、時間も労力もお金もかかります。

ですから、特に何も考えない中から、その結果が満足かどうかを見る事で、自分に合う部分を見つける事が出来ると思います。

こだわりは必ず持たなければならない事ではありませんし、最上級だけが全てでは無いと思っていますので、満足を感じるかどうかという所から、まずは体験してみて頂きたいです。

 

2024年9月28日 (土)

参考になりますか?

ブログを色々と長年書いて来ましたが、技術に関する部分のお話は、お客様からあの内容を見ました!とお話頂ける事が結構あります。

見てくださっている事を、普段は認識する事が出来ませんので、そのようにお話を頂ける事は、ありがたい事でもあります。

またその記事をきっかけに、ご利用を頂くケースも多いですから、なるべくちゃんと書こうとも思っています。

自分の声を自分で書く事で、今までの認識がどうなのかや、ご自身での知識と技術が理解できる範囲にあるのか、その比較にも使ってくださっている方はいらっしゃるようです。

私がお話する事は、あくまでも私が思う範囲であり、それが全て正解だとは言いません。

あとは好みの問題もありますし、使う刃物や砥石の違いでも、色々な見解がありますから、一例として捉えて頂ければと思います。

そして年数が経てば、私の意見や結果論も変わる事がありますし、使う砥石や刃物が変わってきたり、研ぎ方に変化が出て来れば、お話する事が変わっていく場合もあると思いますから、ずっと変わらずに新しい内容を見て頂けると良いかと思います。

ただ変わらないものは、私自身が刃物は実用品として、性能を重視しているという所です。

これは開店から10年以上経った今でも、変わらずに研究してご提供を続けている技術の基本としています。

 

2024年9月27日 (金)

音に注目

研ぎを行う際に、色々な注意点がありますが、私が注目すべきと思うのは、音にあります。

音は色々なものを表現してくれますが、砥石や刃物の関係性を明確化してくれる一つの要素です。

音の大きさもそうですが、鳴る音の高い低いや、継続的に同じ音なのか、断続的なばらついた音なのか、それらでもある程度の事が見えてきます。

研ぎをマスターする中で、選択する砥石は色々と変わってくると思いますが、音があまりしない砥石もあります。

その手の砥石に関して言えば、研削性が低いと考えるかもしれませんが、意外と音が少なく小さい方が、思いっきり削れているケースもあったりするので、その辺りは特性の違いを読み解くのも大事です。

同じ砥石を同じ条件で使った場合に、刃物ごとに音が異なるのであれば、それは色々な違いです。

もちろん刃物の種類によっては、全鋼と地金との合わせがあり、その違いだけでも音はかなり変わりますが、刃先を小刃として研ぐ場面では、面から研ぐ場合との比較でみると、そこまで大きな差には出ない事もあります。

他にも研ぎで気にすした方が良い点はいくつかありますが、今回は音に関してのお話を少しだけ書かせて頂きました。

 

2024年9月26日 (木)

本来は当たり前の事です

刃物が色々な意味を含め正しく研げていて、それがまともであれば、刃の切れ味というのはほぼ確実に出ます。

しかし、それが現実的に当たり前ではない事が多く、研ぎに出しても初期のような切れ味が出なかったとおっしゃる方が多いのです。

そもそも初期は、製造業者が製造をしており、製品製造の専門業者が研磨や研ぎを行っています。

販売をしている所は、実は加工は特に行っていないという事も多く、初期の状態に近い設定や研ぎが出来ない為、メーカーに出したのに・・・の声が多いのです。

また、加工する方の当たり外れもあったりしますので、その時の上手い下手は出やすい傾向にもあります。

それと、刃物にはそれぞれの特性や癖がありますから、それを読み取れない場合、切れ味とは無縁に仕上がってしまう事も多いです。

その辺りは経験や年数的な話だけではなく、読み取る力も必要ですから、上手い下手だけの一言の問題ではないと思います。

使用の場面を考えれば、いつもお話をしていますが、ただ刃を付けるのか、その刃に意味を持たせるのかで、全く違った研ぎという言葉に変わりますから、意味のない刃付けから卒業できなければ、本当の意味での良さを理解する事は出来ないでしょう。

使う砥石も人造砥石と天然砥石で、賛否がありますが、私は特別な例がない限り、人造砥石を使います。

過去に色々と試した際に、比較的低価格の天然砥石~超高額の天然砥石まで、色々と試しましたが、今はほぼそれらを使う事は無く、それでむしろ評価が高い部分もあるので、天然砥石を使った仕上げに対して、もう特に価値を感じていない部分もあります。

今でも一部の刃物やお客様には、天然砥石での仕上げでご提供をしていますが、それはあくまでも相性と用途の問題に対しての良さなので、人造砥石が明らかに劣っているような表現になる事は無いと感じています。

ただ、そう感じられるのも、使う人造砥石に良い部分が多くあるからで、人造砥石の9割以上はそういった刃にならないので、結局は砥石をしっかりと選んで使う事を忘れてはいけないのだと思います。

 

2024年9月25日 (水)

厳しい状況

刃物研磨や研ぎでの作業は、どんな状態でも完璧に直せる訳ではありません。

まず大前提として、直しの量が多くなればなる程、完璧に近い直しをしようとすれば、刃物はどんどん小さくなります。

そして場合により、鋼量が減らす事にもなりますので、極力最低限度の範囲を狙い、まずは直す事を考えます。

例えば、浸食サビが深く入っている場合、研いだ部分やその他がどのような状態であったかに関わらず、その浸食サビを取る為には削り込みが必要になります。

また、歪が酷く、そのままの状態で研がれてしまったものは、歪取り後に位置関係が全く合わないものは、全体的に削りでの調整が必要になります。

元の状態が良く、わずかにだけ欠けた場合や、研ぎで少しだけ形が崩れた物に関しては、分からない程度で直す事が出来ますし、最初からこうだったのではないか?と思う程、綺麗に直ります。

あくまでも状態次第で、直せるかどうかや、どのように直すかの選択肢が多いか少ないかも決まりますので、まずは状態の確認とお見積りのご依頼をと思います。

最低限度のラインとしましては、この先、研いで使える状態にするところから始まり、出来る限りの内容を盛り込んでやるのが一番最高地点になりますが、元の状態と合わせ、ご希望になる内容により、納期と金額は大きく変わりますから、ご予算も含めてご相談ください。

状態がかなり悪いor最悪なのに、超低価格で直せるという事は、業界を知る限りでは無いので、むしろそういうお見積りが出るような所は、作業の内容ややり方に大きな問題があるかもしれませんので気を付けてください。

自社製品は安く作業を受けて、他社製品は高いというケースはたまにありますから、安いと感じても、内容や条件など、出来る限りの事を確認の上で、修理や調整をご依頼される事をおすすめ致します。

最終的には、依頼先の知識や技術力であったり、ご相談をされる方のご要望と打ち合わせやご質問のやり方にもよるとは思います。

良い結果の為には、良い知識と技術を持ち、やり方が一つではないような、幅広く対応が出来るところにご依頼ください。

あとは相性の問題だと思います。

 

2024年9月24日 (火)

上級品と低級品

厳密には分ける事が難しい事ですが、刃物のランクで考え、上級品と低級品があったとします。

それらに同じ研ぎで良いのか?と、疑問をお持ちの方が多いようですが、それに関しては私も考えるところです。

実際に今までお話をしたお客様の例で言えば、上級の刃物にはプロ用の研磨と研ぎを行い、低級の刃物には家庭用としての研磨を行うという事が多いです。

仕事で使うかどうかで、刃物研磨や研ぎについての事を決める事が、普段は多いかもしれませんが、上級の刃物に対し、安い研磨を行ってしまうと、勿体ないという部分があります。

当方で行う研磨や研ぎは、プロ用の研磨で無ければまともに切れないという事はありませんが、それでも細かい範囲を見ていくと、作業や加工の方法が色々と異なるりますし、仕上がりの見た目にも違いが多くありますので、高い研磨にして良かったというお声が多いです。

そう考えると、上級品には上級の研磨と研ぎを行う事をおすすめ致します。

考え方を変えますと、日頃から5000円の刃物までしか研いでいない所に、10万円の刃物の研ぎを出せますか?

日頃から30万の刃物を研いでいる所であれば、10万円の刃物の研ぎを出しても安心ではないでしょうか?

それがお店や職人が持つ、仕事のランクの違いであったり、その刃物に必要な研磨や研ぎではないかと考えます。

実際に、20万円の刃物を、2000円で研いでくれる所に出して、取り返しのつかない事になった例も耳にした事がありますので、刃物のランクに合わせ、研磨や研ぎのランクも考えて行きましょう。

私自身、自分でお金を使い、一般の範囲での高額とされる以上の刃物を購入して、研いで使って色々と勉強もしてきていますので、そもそも高額品を触る怖さがありませんし、良し悪しも下から上までかなりの範囲を把握していますから、そういう点は特にご安心頂ける材料かと思います。

 

2024年9月23日 (月)

表面的な事ばかり見ていると本質を見失います。

刃物や研ぎの世界は、奥深く繊細なものです。

何となく理解した感じや、それっぽいものが非常に多く、実際にそれでは不足ばかりなのですが、なぜだかそれを最高であると勘違いをしてしまっている方が多いです。

その理由は、物の売り方であったり説明に問題がある事が原因で、どうしてそんなものが一番良い扱いになっているのかと、疑問に思う事も良くあります。

好みの問題であれば、人それぞれで・・・と思いますが、明らかに間違った内容を正しい事とされてしまっている事も、決して少なくはないので、その辺りは懸念材料でしかありません。

ですから、規模や名前で判断をせず、そこに何が存在するのかは、確実に見ていなければならないと考えています。

分かりやすく例えて言うと、ある企業があって、そこが知らぬ間に名前を変え、似たような事業をしていたとしましょう。

その場合、新しく無名の会社に見えても、今まで培った技術や生産性を発展させ、0スタートのように見える形で凄いものを販売したとしても、それに誰も気付く事はありません。

しかも、無名で存在が良く分からない所の話は、簡単に耳を傾けてもらえないので、その情報が本当は正しくても、実績が無いと判断をされて信用されませんよね。

しかし、現実は実績も経験も豊富で、それが新しく見えただけの事なのですが、結局人が見ているのはそういう所です。

また、よく言われるような信者化したユーザーは、一つの形だけを信じ、他は間違いだと勘違いをしてしまう例も多く、そこで情報の受け入れ態勢は消え去っていますので、他に正しく良いものがあっても、なかなかそこから動こうとしないという事も多いです。

色々な範囲で幅広く見て、良い道具や技術をお探しの方は、誰かの意見に惑わされる事なく、現実を的確に見ている場合が多いのですが、そこまで到達するには、ご自身での知識と技術であったり、経験もそれなりに豊富に必要ですし行動力も大事なので、気を付けないと一つの事だけで頭を固めてしまうようでは、それっぽい情報に取り込まれて終わります。

私自身、色々な経験の中から、良し悪しを見て来ていますが、全てのメーカーの全ての製品を、100%良いと言った事はありません。

おすすめ出来る製品もあれば、あまりおすすめ出来ない製品もあったりします。

それはお客様に素直にお伝えをしていますが、ただおすすめ出来るか出来ないかではなく、その理由も色々と述べた上で、あとはお客様がご自身でそれが良いと思うかどうかんも判断をして頂いています。

つまり、否定をしているとか、売れるものではないという扱いをしているのではなく、プラスがあればマイナスもあるという事を、現実値としてお話をしているだけの事です。

逆に使いようによっては、あるところに性能特化する事もあるので、そういう所を読み取って頂く為にも、誰にでもおすすめが出来る訳ではないという事をお伝えしています。

刃物と砥石と研ぎについて考えると、幅広くおすすめ出来る範囲と、そうではない場合がありますので、色々な事を考え、気になる事があればご質問をして頂き、そこから表面では見えない深い場所の本質について、しっかりと見て頂きたいと思っています。

私自身、今でもお客様からのご意見や情報に、色々と助けて頂いている部分が色々とありますので、お互いに良い方向へ進めるように、偏った考えではなく、正しい見解をしっかりと維持していかれればと思っています。

 

2024年9月22日 (日)

必要か、不要か

砥石の面直し後、砥石の目立てを行うかどうかは、人それぞれです。

私は効率と仕上がりの為に、それぞれ目立てを行う事がありますが、100%ではありません。

本来砥石は、どんな状況であっても、砥石の表面が研ぎで自然に崩れながら、目の調整も行われるものです。

ではなぜ目立て必要になるのか?ですが、砥石が全体的に硬い方向に変わってきているからです。

一時期、意味も無く硬いだけの砥石がいくつも販売されていた時期もありましたが、その手の物は使い勝手が悪く、効率も悪いので、直ぐにブームが去りました。

そういった異常に硬いだけの砥石の場合や、天然砥石の岩のように硬いタイプを使うには、名倉で擦ったり、自分で好きな砥石をカットして、それを名倉にして使ったりして、砥面の調整をされる方が多くいらっしゃいました。

そうしないと、研ぎを進める為のきっかけが作れない為です。

私は硬めは好きですが、タイプにもよりますが、5段階で言えば3~4くらいの硬さを好みます。

柔らかい方が良いような高硬度刃物や、高靭性で耐摩耗性が高い刃物も現代では増えたので、3辺りが実際は必要な感じもしますが、その辺りは硬さだけの問題ではなく、砥石の粒子がどう作用するのかも大事なので、硬さだけでは言い表せない部分はあります。

使う砥石の硬度が変わると、それに対する目立てのやり方や考えも、色々と変えなければ効果が薄れますから、色々な方法での目立ては一応出来るようにしてあります。

可能であれば、砥石のみの性質を使用し、上手く研ぎが出来れば良いのですが、微妙な相性の調整に対しては、有効性は高いと思いますから、私は目立ては100%とは言わないにしても、いつでもできる状況は作っておいた方が良いと思っています。

 

2024年9月21日 (土)

価格以上?

先日、ネットで色々な刃物を検索していて、良さそうなのを一点見つけました。

どうも情報を見る限りでは、新しい鋼材を使用し製造されているようですが、私が知る限りですが、大企業の刃物製造としては初めてのようです。

評判はかなりよく、低価格なのに高性能と言われているようで、一般の方やプロの方など、総合的に評価は高いようです。

サイズがもっと大きいものがあればと思いますが、その辺りは家庭用として作られたものなら仕方ないと思います。

今後機会を作り、是非体験をと思っています。

もしそんな低価格で噂通りの性能だったら、高級品を買う必要はなくなるかもしれません。

色々と細かい所を見れば、価格相応の部分はあるかもしれませんが、刃物の基本となる性能部分がどうなのかで、価値はそれ以上に変わりますから、正確に判断をしたいところです。

 

2024年9月20日 (金)

まだ猛暑日が・・・

少しだけ涼しくなってきたかな?と思う日もあったりしますが、相変わらずで猛暑日がちらほらあります。

夏が苦手な私は、夏の活動力がどうしても落ちてしまいますが、それでもやらなければならない事はあるので、そうも言っていられません。

出来れば夏以外を頑張って、夏は暑さを避けて、雪が降る寒い地域で生活をしたいくらいです。

今年は梅雨の雨が少なく、水不足が懸念されていましたが、その後の雨の多さで関東に関係するダムの貯水率は、かなり高い値を維持しています。

水が無ければ私の仕事は出来ませんので、水不足は死活問題ですから、雨はそれなりに降って貰いたいと思いつつも、線状降水帯やゲリラ豪雨のような危険性のある雨だけは無しにしてもらいたいものだと考えています。

 

2024年9月19日 (木)

結局は作業をする人で決まります

お客様からのご相談で、あるメーカーで同じ刃物を毎年で購入されていた方から、製品のレベルが下がったというお話がありました。

研ぎを行う限りでは、誤差の範囲の性能差だと思いますが、お客様が気になったのは仕上がりだそうです。

見ると確かに、機械加工された範囲で、下地の傷が大きく残っている部分が多く、以前のものはそれが見られません。

もちろん、使用傷は多少なりともありますが、製造時の傷は見え方が別なので、違いは分かります。

これは過去にも記載をした事がありますが、メーカーが改良を加え、製品が変わる事はありますが、業務の委託先や、自社生産だったとしても、作業をする人が変わったりすれば、そういった見た目の違いは大きく変わる事があります。

正直なところ、機械加工の場合で見た目にこだわった仕上げ作業では、段階を踏んだ作業をまともにやっていれば、そこまで目立つ下地傷が出る事は無いのですが、それでも傷を残してしまうような加工品が出回る事はあります。

その時は、外れだと思うしかないでしょう。

もしくは生産基準が変わり、そういった傷はスルーする生産になったなど、裏事情があるかもしれません。

その刃物を過去に購入し、その時の感動や安心感を!と思えば、やはり遜色ない状態というのは求められますから、最低限度の品質管理として、管理責任者の責任は大きいでしょう。

手作業品に関しては、100%同じにするのは難しいので、機械加工とは違う見解になります。

当方での機械作業と手作業でも、レベルの高い範囲に関しては、年々良くなっているとおっしゃって頂けていますので、見た目重視ではなく、実用の刃物の性能を引き出す研磨や研ぎとしては、安心してご利用ください。

 

2024年9月18日 (水)

ご案内が少し遅れていますが・・・

8月末か9月頭に・・・と思っていたご案内が、いくつか遅れてしまっています。

そのうちの一つは、出来る限り早めにと思っていた内容で、何となくのご説明ではなく、正しく書かないといけない内容なので、簡単にだけ書き出してある内容を文章にまとめ直し、掲載をしなければと思っています。

 

2024年9月17日 (火)

苦労は必ずします

研磨や研ぎの仕事だけではなく、どんな技術職であれ、慣れた仕事であろうとなかろうと、大変さはありますし、毎回難しいと感じます。

もしそれが、余裕で適当にやっても完璧に出来る!と思うくらいなら、それは本当の意味でまだまだ出来ていないのでしょう。

ある程度の誤差があるにしても、毎回状態の把握と作業の進行を見つつ、その都度で色々やり方を調整したり、基準をどこに作るのかなど、模索しながらやらなければ、良い仕事にはならないと考えています。

同じように見える刃物でも、それぞれに色々な違いがありますから、全く同じではありません。

そこから考えると、同じ作業を同じようにしているのでは、結果が良くはなりませんから、やはりやり方を色々と変えながらやります。

正直なところ、加工出来る範囲に限りがある作業の場合、元の状態に依存した作業になるので、終了時点で想定が変わってしまう事がありますが、それはどうしようもない部分です。

何もかもを加工出来れば、それは回避できる事もありますが、削り過ぎていたりするものを調整するのは、かなり困難な事なので、製造時の状態であったり、使用中で現在の状態など、それらがどうなっているのかというのは、本当に大きな問題点になります。

ですから、無理にご自身で直そうとせず、お早目に調整や修理などのご依頼をなさってください。

 

2024年9月16日 (月)

ジャンル違いです

以前にも似たようなお話を記載した事がありますが、日本刀研磨に関してのお話です。

お問い合わせの中で、居合抜刀試斬にお使いの日本刀の研磨を、美術研磨の方にお願いしようとして、斬る為の研ぎをとお願いしようとしたら、お断りされたとの事でした。

理由は美術品として綺麗に仕上げる事が、美術研磨における仕事となっていますので、実用性を求めたお話はお断りされるという例が多いと聞きます。

逆に当方のように、居合抜刀試斬用の実用研磨を行っている側からすれば、美術研磨のように綺麗にして欲しいと言われれば、それは美術研磨の領域になりますので美術研磨の研師さんにお出し頂いた方が・・・と、必ずお話をしています。

同じ刃物であっても、それぞれで得意分野が異なりますので、確実に分けて考えた方が良いと思います。

良くある居合研ぎと言われるものは、美術研磨の作業の流れを省略しているものなので、厳密に実用品でもなく、どう捉えて良いのか分からないとおっしゃる方がいらっしゃいますが、美術研磨の綺麗さに近い状態を安く得られるという意味では、見た目を気にされる方が低価格で研磨に出す為の範囲との認識です。

残念ながら、美術研磨程の厳密な形状や面の構成、拭いや刃取りの精密さや綺麗さ、実際に斬る場面でしっかり生きる刃、は存在していませんので、そこは価格相応の事と判断される方は多いようです。

美術研磨の高額な作業は、日本刀展示などの場で品評会の賞を取らないと、なかなか仕事が貰えないようですから、名前が売れるまでのつなぎや、仕事が暇な時にのみ受けているとされるのが、居合研ぎになります。

美術研磨は美術品としての芸術的研磨を受け、居合研ぎは美術と実用の中間の研磨受け、当方のような実用研磨は実際に試斬に使う為の研磨を受けています。

そういった判断をされる方が多いですし、私もそのように考えています。

一番の理想を言えば、美術研磨で素晴らしく斬れる事だと思いますが、それだとあまりにも金額が高くなり過ぎて、綺麗さや刃をキープしきれない実用の場合には、適さないとは思いますので、丁度良い頃合いが居合研ぎになったのだと考えられます。

私が明確に実用研磨としてのお話をするまで、日本刀の世界では実用研磨を大々的に売りにするところはありませんでした。

日本刀の美術研磨としての正式なやり方の流れはもちろん把握していますが、その流れの中からだと、本当に実用に向いた斬れ方を表現する事が難しい事が分かりましたので、他の色々な刃物研磨で培った技術を色々と含め、実用の為だけの日本刀研磨を開発しました。

ただの刃付けではなく、形状や構成、研ぎの段取りなど、それらの違いが特にはっきりと出るのが、刃物に対する実用の研磨や研ぎになります。

それは日本刀でも例外ではなく、必要な構成が不足していれば、そこを生かす事はやはり出来ませんので、研究や開発を色々な方々のご協力も頂きまして、こうして完成をしてきました。

特に試斬や斬稽古が多い道場の方のご利用が多く、ご意見もフィードバックしてきていますので、間違いなくおすすめを致します。

美しさにかける部分を、実用性能に全て持って行っている分だけ、別格や別物と言われる違いは表現出来ているかと思います。

日本刀を造る刀工の方でも、ご自身の日本刀を居合抜刀試斬方面に販売されたい方は、是非ご相談ください。

過去の特注での日本刀販売に関する実績などもありますし、当方は割合的に多くの方が実用メインの方なので、そちらの方面で実用刀を欲していらっしゃる方は多いです。

中古で買うにしても、実用性能がどうなのかが分からないので、購入を躊躇されている方が多いと感じていますが、性能に対しての安心感が出せれば、新作刀のご購入は増えるはずです。

なお、拵の製作や修理なども合わせて当方でお受け出来ますので、総合的におまかせを頂ければと思います。

それと、古物商の免許を正式に持っていますので、日本刀を堂々と扱えますから、売買をご希望の方も、是非ご相談ください。

 

2024年9月15日 (日)

たまに訪れる別格で良いと思える刃物

研磨のご依頼品の中に、研いでいてしっくり来るものがたまにあります。

これは何となく良いかも?程度ではなく、明確に違いがあって、これは凄い!と思うレベルです。

今回もそれがありました。

商品の金額が高いものなので、全ての製品がそうであって欲しいと思いますが、ほんの僅かな事の違いなのでしょうけれど、それでなぜかこれだけは・・・のような特別なものが現れます。

それを引いた方はラッキーだと思いますが、ご自身でそれをどこまで感じられるのかは、私が研磨する事にもかかっていますので、良いと感じてもらえると嬉しいのですが・・・。

 

2024年9月14日 (土)

切れる刃物と切れない刃物の差

刃物を研いで使うのは当然ですが、その刃物が切れるか同課の問題には、色々な事が関係しています。

刃物の性質、使う砥石、研ぎの技量、などが主な部分となります。

その中でも重要なのは、やはり研ぎの部分です。

同じ形の刃物を10本持っていたとしても、研ぎに問題があれば、10本とも生きてこないからです。

良い刃物と良い砥石を持っていて、砥石修正もしっかりして、研ぎは安定している状態でも、まともに切れる状態を作れない方も多くいらっしゃいます。

その理由は、刃物に刃付けをする事にだけ注目している為です。

刃物で切断をする場合、刃物の刃はもちろん重要ですが、その形に大きく影響されます。

刃が鋭角になって行く方と、鈍角になっていく方は、いずれも良くいらっしゃいますが、それ以外にも丸みが強くなったり、段が大きくなったり、色々なパターンもありますので、それらの組み合わせにより、刃が付いているかどうかではなく、切れなくなる要因が増えます。

切れないと一言で言っても、切りにくいで済めば良いのですが、切り込めない、切り進められない、などの問題に直面する場合もあります。

刃物が切断対象に対し、どのように作用するのかを考えると、その刃やその形状では難しいという事が判断できますが、慣れていない方の場合や、一般的に当たり前のような研ぎしか行わない所では、それは理解できない部分になります。

何かで表せるようなものではなく、実際に作用する具合というのは、私は総合的な「現実値」としています。

それは、数字では表せられないような、感じ取る事や実際に起こる状況として表現をしているので、数値で表されているのに、どうも違う感じがする事が多い中で、納得のいく表され方になるでしょう。

体感をただ伝えるだけなら、その一本の刃物で出来ますが、この現実値に関しては、他との比較を含めた表現が必要でありますから、経験や知識などを豊富に持たないと、表現が出来ませんし、話を受け取る側も理解するのは難しいでしょう。

入り色な方々とのやり取りの中で、こうした現実値は生まれてきますが、これから目に見えない感じた部分を大切にと思う方は、少しでも多くの経験と知識を持ち、交流を深めて行かれれば、どのように刃物を購入し、それをどう研いで使って行けば良いのか、まともな方向性が見えてくると思います。

私が色々な商品や技術をご案内する場合、自分がどうであるという意見も勿論含めますが、色々なパターンに合わせ、適切に一致しやすい内容をお話させて頂いています。

お客様側としましても、ご自身がどういう考えをお持ちで、実際に自分の今の状況がどうなのか、理解をしてお話する必要もありますから、望む部分だけを表に出すのではなく、それがどういった方向性や立ち位置になるのか、ご理解頂く事も大切かと思います。

 

2024年9月13日 (金)

梱包は非常に大事な事です!

色々なところでネットから商品を購入するようになり、荷物を多く受け取るようになった頃から、ずっと気にしている事がありました。

それは、荷物の梱包についてです。

自分が購入して届いた中で、何度も商品の破損を経験しており、なぜこんな状況で送って大丈夫だと思ったのか?と不思議でなりませんでした・・・。

一言に梱包と言っても、色々な箱のタイプがありますが、箱自体の強度はさておき、梱包がどのようにされているのかを、過去から興味がありました。

丁寧なところは箱の縁が整っており、強度の為にテープの補強貼りがされていたり、中には緩衝材を丁寧に入れてあり、商品が絶対に破損しないように!という気持ちが強く出ている所もありました。

箱ものの中に箱が入っているのに、更に2重箱のようにしてあったり、商品との間に緩衝材や段ボールで衝撃をおさえるようにしてある事もありました。

特に割れ物の場合や、曲がる可能性がある物の場合、梱包には色々な計算が必要となります。

私が開業する前に、色々な企業の方や、様々な分野の開業をされている方などに、色々なお話をアドバイスとして頂きましたが、その中に梱包のお話が僅かですがお聞きする事が出来ました。

元々荷物で色々な商品を受け取っていましたし、この梱包はどうなんだろうか?と思う事も多くありましたから、やはり梱包に気を遣う必要性は強く感じました。

開業から現在まで、梱包不良による商品などの破損は、今まで一件もありません。

特殊な刃物も扱っていますので、その辺りのご心配をされる方もいらっしゃると思いますが、色々と検証をしてそこから計算をした梱包方法も考えてありますし、そのおかげもあると思います。

梱包が開けにくい!ゴミが多く出た!そんな大きな箱で送ったら送料が高くなる!と、お叱りを頂いた事が過去に何度かはありましたが、破損してお届けしてしまうよりは良いと思っていますので、そこはご理解を頂くしかありません・・・。

余裕をもった梱包により、衝撃から守れる範囲が多くありますから、なるべく大きめの箱に入れるようにしているのも特徴です。

そこまでやらなくても大丈夫では?と言われた事がありますが、万が一であっても破損は極力避けたいので、同じような条件であっても、出来る限りの事はやっています。

見る方からすれば、それは丁寧で神経質で職人としての信用もあると、非常に嬉しいお言葉を頂けた事も多くありましたので、ご理解を頂ける事は非常にありがたいと思っています。

私が状況を確認して、お見積りを作成し、作業をして、梱包をして、お届けとなっていますので、一貫して私の目と手で繋がっていますから、そこには複数の目や手など人を介したような、どこかで一つの問題も基本的には起こりません。

よく言われるお話ですが、料理のコースを食べて、一品でも美味しく無かったら、そのコース自体が美味しくなかったと感じてしまう方が多いとされるように、それぞれが大切な事だと思っています。

真面目に刃物と向き合っていますし、正しい情報をお伝えしようとしていますので、その辺りは厳しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、お客様のご機嫌を損ねないように・・・と、上手く話を合わせてご機嫌取りをして嘘を伝えるような形ではないので、信用をして頂ければと思います。

実際に今まで、色々なところで刃物研磨をご利用になり、何が悪いのか解決出来なかった方が、当方をご利用になって、使用や研ぎに問題がある事を知り、なぜ今までのお店は真実を伝えてくれなかったのか・・・とショックになられている方もいらっしゃいました。

真面目に向き合うと、悪く聞こえてしまう事もあるかもしれませんが、真実を知らずにずっと恥をかき続けるより、改善の道に進める方が良いと考えていますので、率直に状況や改善の内容をお伝えしています。

自分が正しかったのか間違っていたのか、お店が正しかったのか間違っていたのか、お互いに正しかったのか間違っていたのか、それらが分かるだけでも、その先の刃物ライフは大きく変わります。

いくらでも厳しくと言われれば、私がその刃物の状況を色々な方法で確認をし、何が良く無いのかを細かい範囲までお話も出来ますので、ご予約の上でご来店なさって、刃物のこの先の為にご相談ください。

 

 

 

 

2024年9月12日 (木)

粉末系の鋼はサビるのか

粉末鋼や粉末ハイスと呼ばれる鋼は、管理が悪いと当たり前のようにサビが出るタイプと、サビにくいタイプとで分かれています。

それは鋼を製造する時に含める成分の違いで、言うならば「鋼系」と「ステンレス系」のような違いです。

サビが出る場合、全体がサビるタイプと、点サビだけ出るようなタイプがあり、これらは上記の鋼とステンレスの違いのようなものです。

どうしても炭素部分はサビが出る可能性がありますので、良く言われるサビにくいとされるステンレスやモリブデンでも、使用状況によってはサビは出ますから、決して「サビない」とは言われていないと思います。

もし万が一、絶対にサビません!と言われたら、それは残念ながら嘘です。

粉末系のものでも、全体的に錆びやすいものは、強度と硬度を重視した感じで作られており、鉋や切出小刀、革包丁などに使用される事がありますが、鋼の延長線上として高強度の鋼扱いだと思うと分かりやすいでしょう。

包丁方面でそれらが使われる事がありますが、家庭用の物で左右にステン系で挟んだものが多く、刃の部分だけがサビるような例が多いです。

また、サビにくいタイプの場合は、包丁に良く使われていますが、全鋼での使用より、ステン系との2枚合わせや、左右にステン系で挟んだものが多くあります。

鋼が高価である事や、扱いが難しい為、地金を付けた方が加工性が良く、破損にも強くなる為とされていますが、その辺りは同じような粉末でも性質の違いなどもあり、靭性が十分にあるタイプや、製造方法により靭性を確保できる場合には、一枚鋼でも製造されていますので、その辺りは製造や販売次第と言えるでしょう。

粉末鋼が出始めた初期は、刃がボロついたり、想像よりも耐久性が低いと言われた時期もありますし、切れ味の初期低下が早いなどと言われた事もありしたが、粉末冶金法の進化により、それはかなり改善されています。

それに関しては、よくある鋼系やステンレス系と比べ、研ぎ方次第で性能差が特に変わりますので、粉末鋼の場合の良い研ぎ方というのを、どれだけ解明出来るかで、生きる刃が作れるかどうかになりますので、この辺りは大きな難関になるかもしれません。

その辺りは私の研究材料として、解決策を見つけてありますので、それだけでかなり回避が出来ます。

中研ぎ~中仕上げ程度までなら、そこまで気にしなくても良いと思いますが、超仕上げクラスの研ぎをと思う方は、想定より良い刃に仕上がらないという事はかなり多いようですから、知識として知っておくのは良いと思います。

 

 

2024年9月11日 (水)

注意書きについて

当店のHPには、各作業や販売ページに、注意書きを色々と書いています。

今までご質問頂いた内容や、予めお伝えをしておいた方が良い内容を、出来る限りで書いてあります。

特に研磨や研ぎの事に関しては、注意事項が多く書いているページもあります。

こういう場合には・・・は非常に重要な事です。

それらを必ず良く読んでください!と、何度かブログでも記載してきましたが、実際にご利用の場面になって、それは知らなかった!とならないように、必ず良く読んでください。

書いてあるそれ以外でも、もしかしたら・・・と思う事やご心配があれば、遠慮なくご質問ください。

必要に応じて出来る限りでご回答を致します。

よくあるご質問は、事前見積りですが、これに関してはHPに記載の通り、参考価格を書いてありますので、そちらでご確認ください。

作業として可能性のある範囲や、オプションとしてご選択を頂いた場合はそれらも足して、送料を含めれば大体の金額になります。

注意書きを書いてあるのは、色々な理由がありますので、是非しっかりと読んで頂き、必要に応じてご質問も頂ければと思います。

なお、お客様に絶対これだけは自己判断しないで頂きたいのは、刃物が曲がっているかやねじれているかどうかの判断です。

これに関しては、大変申し訳ありませんが、ほとんどの方が曲がりの見方をご存じありませんし、見方を知っても見えない方がほとんどな状況です。

ですから、私の目や高精度ゲージで確認をするまでは、正しい情報とする事は出来ません。

もし、曲がりはありません!、とご連絡を頂いても、そうおっしゃるなら歪取りは不要ですね!と、素直に受け入れる事は難しいので、そこは当方の判断におまかせください。

逆に曲がりが大きいなら、それはお伝え頂いておいた方が良いのですが、カメラのレンズや撮影で歪みも出ますので、良くも悪くも、やはり実物確認をするしかありません。

良い結果になる為に、必要な事が多く含まれたお話でもありますので、是非ともご協力をお願い致します。

 

2024年9月10日 (火)

店頭でお使い頂けるお支払方法のご案内です!

店頭では以前より、現金とカードと電子マネー(一部)でのお支払いが可能でした。

本日このブログ更新時点より、可能な範囲が増えましたのでご案内を致します。

「現金、カード、電子マネー、QRコード、IC(交通系電子マネー)」、など、幅広く対応となりましたのでご確認ください。

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ご予約により店頭をご利用で、私が直接対応をする場合や、豆ねこ経由で刃物をお返しする場合にも、現金とこれらのお支払方法を合わせてご利用頂けます。

また、ネットからのご利用の場合、現金のお振込み以外のお支払いに関しましては、「PayPal」経由でカードによるお支払いのお手続きも頂けます。

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※ネットからのご利用で、「Square」経由も可能となっており、店頭ご利用の場合と同じカード6種が対応可能です。

必要に応じて、「PayPal」か「Square」からご選択ください。

これらの情報は、HPにも常時掲載を行ってありますので、こちらからご確認の上でご利用くださいませ。

 

2024年9月 9日 (月)

正確には覚えていませんが・・・

過去、始めて砥石を手にした時から、現在までに所持や触った事がある砥石は約500丁です。

その中には、頂き物で似たようなサンプル品なども含まれていますが、一応別物ではありますので、それらもカウントに入れていました。

途中から数える事をやめていたので、正確な数は分かりませんが、500丁は多分超えています。

その経験からお話出来る事は、かなり多くありますが、特に数から得られた情報としては、砥石とは何なのか?という所です。

砥石は刃物用のもので、人造砥石、天然砥石、ダイヤモンド砥石、があります。

その中でも多いのは人造砥石で、製法も何種類かあります。

人造砥石の利点は、安定した性能の品を手に入れられる事で、誤差等は仕方が無いと思いますが、改良がされていない限りは、ほぼ同等の製品を何度でも購入できますので、私は一番おすすめをしています。

天然砥石に関しては、色々な荒さの物を使用しましたし、特に仕上げ関連の物に関しては一番多く試しています。

不純物が出る事がありますし、層が変わったところで性質が変わる事もありますから、天然砥石はおすすめしにくく、良品に出会うのはギャンブルを重ねる必要があります。

厚みの比率で見ると、寿命が長い所は良いですし、特に炭素鋼系との相性は良いと思います。

上手く使いこなすと、成果が出るタイプの砥石になります。

それらの内容から、気軽に砥石を使いたい方にはあまりおすすめはしていません。

ダイヤモンド砥石はいくつかの製法がありますが、研ぎで良く使われるのはレジンボンド系の物でしょう。

電着系やセラミック系で見ると、研削性は高いのですが、攻撃性が高すぎて、刃物との相性が悪い物が多いですし、レジンボンド系がおすすめしやすいです。

レジンボンド系は過去製品だと、研ぎ滑りや目つまりする物が多く、力も弱く感じてしまう場合があり、想定の#より荒目を使っている事も多くありましたが、現代では研ぎ味の良いレジンボンド系も出ていますので、そちらはかなりおすすめです。

ダイヤモンド砥石の良い所は、硬質刃物への対応力が高い事や、研ぎ減りが少ないので、砥面管理をしやすい所にあります。

金額的には厚み比率で見ると高額になりますが、人造砥石と同じmm数だけで見るより、何倍も多く研ぎが出来ますし、特別な性能として考えれば、異常に高いとは思わないでしょう。

それらの砥石の使用経験から言える事は、刃物との相性だけではなく、砥石として全く機能しない製品が意外と多いという事です。

500丁として見た場合、100丁以上は使いどころが無いと言えるような性能でした。

ただ研磨剤を固めただけでは、砥石として機能しない事が、そこからは良く分かります。

良いとされる砥石の製造は、研究開発ので苦労があり、非常に繊細な世界でもあると感じています。

詰まり、砥石を扱いには、その性質を良く知り、性能を生かせるような使い方が大切になります。

研ぎが早い事は非常に助かりますが、仕上がりが悪ければ意味がありません。

そして、仕上がりが良くても、研ぐのに時間が異常にかかれば大変になってしまいます。

丁度良い頃合いがありますので、その範囲で相性良く使える砥石を見つけ、使いどころに合わせて砥石を変えていく事が正解であると、私は過去から強く感じています。

良い砥石とは何なのか?と考えると、良質の材で研究の末開発された砥石であり、その砥石を使う事の安心感があるというのが、手を伸ばしやすい砥石にもなると考えます。

研ぎを学ぶのはもちろん大切ですが、それと合わせて刃物や砥石を知る事で、研ぎは格段に良くなります。

実際に私がお客様のご使用に合わせ、おすすめした砥石や砥石修正器などを使用した事で、一気に研ぎが飛躍したケースが多くあります。

それ程に良い砥石は、研ぎをサポートしてくれますから、良品を使う意味は大きいと思います。

当店で砥石や砥石修正器をご購入の場合、ご使用方法も簡単な範囲までならお伝えしていますので、良い結果に繋がるようなお買い物を是非なさってください。

 

 

2024年9月 8日 (日)

研ぎによる「光沢」や「濁り」の違い

刃物と砥石の関係性により、仕上がりの見た目は大体が決まってきます。

どうしても思う見た目にならない!のように、ご相談を頂く事があります。

刃物硬度や砥石のタイプにより、その結果が変わって来ますし、それぞれの硬度によってもそれは変わりますから、大体の事は把握をしておくと良いでしょう。

まず刃物の研ぎで光沢が出やすい場合ですが、刃物の硬度が高く、砥石が硬い場合に多く見られます。

硬い同士だと表面が擦れる程度で、研ぎ汁も出にくく、砥石の表面で刃物を研ぐような感じですから、光りやすい状態になります。

逆に刃物が濁りやすい例としては、刃物硬度が低く、砥石が柔らかい場合に多く見られます。

刃物が柔らかいと、砥石を多く掘り出し、砥石の攻撃性が上がったのと同じ状態になり、研ぎ汁が多くなりますから、濁りやすくなります。

このように、とぎ汁の量によって、濁り具合が出やすい傾向がありますから、硬めの刃物と硬めの砥石の場合でも、予めと研ぎ汁が多く出るように、砥石の修正を荒くしておいたり、砥石の面直しなどの方法でその砥石の汁だけが出るようにし、その状態で研ぐ事でも結果が変わります。

また、力加減としては、強い力で研ごうとすると光沢寄りになり、弱い力で研ぐと濁りに寄ります。

とぎ汁を流しながら研ぐ事で、濁りにくくなるというのもありますので、研ぎの環境や状況を変える事で、研ぎの仕上がりを変える事も可能です。

最終的な仕上がりの状態により、切れ味の変化が出る事はありますか?と聞かれる事もありますが、同じ刃物と同じ砥石の組み合わせでも、研ぐ方によりかなりの差が出ますから、明確に変化は出る!とお答えできます。

研ぎの上手い下手をそこで議論するつもりはありませんし、個人の好みの問題ですから、その辺りはご自身での判断になりますが、刃の性質や切れ味を上手くコントロールするという意味では、これらをいくつもの方法で扱えるようにしておくと、意味のある研ぎが完成しやすくなると思います。

良く言われるような、刃物の厚みや角度などで表される研ぎの性能や切れ味とは異なる視点で、こういった内容も合わせて考えていくと、更に良い研ぎへと繋がって行くでしょう。

逆にそれが出来ないようでは、一流のプロの研ぎとは言えないと思いますから、研ぎをお願いする場合、色々なコントロールをして表現が出来る方なのかは、良い研ぎをお願い出来るかどうかの判断基準の一つでもあるでしょう。

お代を頂く以上、プロとしての技術を盛り込んで、ご満足頂ければと思っていますので、何も考えずに作業をするような事はありません。

お客様にお返しをし、それが良かったと言って頂ける事で、ようやく安心できるのが私の仕事ですし、その先もお使い頂いてどうだったのかは、気になる事なので、その場しのぎの研ぎで、瞬間的な良さで誤魔化すような事はしません。

 

2024年9月 7日 (土)

代金は変わりますか?

お客様からの刃物研磨のお問い合わせで、刃物の種類、メーカー、刃物の名前やランク、鋼の種類、などの詳細情報を頂けるケースが多いです。

当方としましても、お問い合わせで何をどうしたいのかというご要望だけではなく、どんな刃物なのかが分かれば、お話出来る内容が多くなりますので、どんな事に関しても細かくご記載頂いた方が良いです。

ご自身で把握をされていない場合、想定的なお話でしかありませんので、なんとなくだけ可能性論をお話するしかありませんし、実際に実物を確認してみたら、状況が大きく異なり、その想定も大きく外れてしまう事はあります。

特に気にされるケースが多いのは、粉末系の鋼のご依頼の場合です。

高硬度系は研磨が難しく、簡単には削れてくれないので、代金が上がるケースがありますが、そもそも削れるのかどうかという所をご心配になる方もいらっしゃいます。

当方では、高硬度鋼にも対応できるよう、色々とご用意がありますので、その辺りは問題ありません。

他の鋼類に比べると、確かに加工には時間がかかりますし、機械で使う部材の消耗も早いので、その分の代金は高くなってしまいますが、加工自体が出来ないという判断にはなりませんので、その辺りはご安心ください。

実際に高硬度刃物の研磨は、断られたというお話は多く耳にしますので、機材や道具などが対応出来ない所は意外と多いと思います。

唯一お受けしていないのは、セラミック系の刃物です。

削って刃付けが出来ない訳ではありませんが、製造メーカーが加工しているような専用機材や部材は持っていませんので、相性の問題で良い条件を作り出せませんから、メーカーに直接お出し頂く事が一番良いと思います。

それ以外の鋼に関しては、ほぼ問題なくお受け出来ます。

あとは実際の硬度や形状次第になりますので、それぞれの各種刃物研磨のページに記載の内容をご確認頂き、情報が不足している場合には、直接お問い合わせください。

少なくとも、メーカーと商品名などが明確に分かり、メーカーHPや販売店の説明書きが確認できれば、可能かどうかの事は大体分かりますので、詳細と合わせてお問い合わせください。

 

2024年9月 6日 (金)

研磨や研ぎで直せるものと直せないもの

欠けやサビなどにより、研磨と研ぎでの直しのご依頼は良くあります。

軽い物であれば、いずれも問題なく直せる事の方が多いのですが、その辺りでもご心配な方は多いようです。

例えば、サビと一言で言っても、どのくらいが軽度で、どこから重度になるのかの判断は、一般の方では難しいと思いますので、このくらいは大丈夫!とは簡単に思えないのも分かります。

表面的なサビというのも、軽そうに見えて浸食している場合もありますから、実際は作業をしてみないと分からない場合もあると言えます。

浸食している場合、表面だけ軽く磨いたり削る程度では取れないですし、刃先側に浸食している場合は、穴になる可能性があるので、その場所は研いでも刃が付きませんから、削り混んで取り除く必要性があります。

欠けに関して言えば、ほんのわずかに見えるか見えないかの欠けもあれば、大きくごっそり欠けているものもあります。

大きな欠けの場合には、全体的にその欠けの分を取り除きますから、かなり大掛かりな作業になります。

一番怖いのは、欠けだけだと思っていたら、内部に亀裂が入っている場合で、亀裂は見えにくく確認もしにくいですから、様子を見ながら削って確認をしていくしかありません。

表面的に見えている亀裂も、亀裂が綺麗に合わさって見えていれば小さく見えてしまうので、実際は大きく入り込んでいる事もあります。

これらで直せないのは、全く無いように見えるかもしれませんが、刃物の性能や寿命面を見れば、正確に言えば直せない場合もあります。

その刃物が、このくらいの厚みと幅が必要である!という場合、削り落として直すしかないものは、極端に小さくなりますから、今と同じ状況を維持する事を条件で可能かどうか?と聞かれれば、NOと言わざるを得ません。

この辺りは考え方によるのですが、100%の条件を維持する事は不可能なので、何も変化せずというのは何をやろうにも難しいです。

直すという事がどういう事なのかを理解すれば、そういう状況にならないように使う事がどれだけ大切な事なのかも分かるでしょう。

調整と言える範囲の直しで収まるように、刃物は大切に使ってあげてください。

それが低コストで長寿命の刃物ライフを送る良い形になります。

 

2024年9月 5日 (木)

鋼材や製造方法により刃物の性質は大きく異なります

同じ形状の刃物でも、大きく違いがあるのは、鋼材の違いや、鍛造、熱処理、などで変わる範囲です。

細かいお話をすると長くなるので割愛します。

良くあるご質問は、同じ鋼材なはずなのにこれとあれがこんなに性能差があるのはなぜなのでしょうか?というお話に繋がります。

一番の違いは、熱処理温度によるものだと思いますが、どう考えてもおかしい硬度のものはたまにあります。

そういった場合、鋼が違うのではないか?と疑われやすいのですが、中にはそういうものもあるでしょう。

現代では金属の成分分析が試験で行えますから、鋼を偽ると大問題になります。

もちろん製造方法を偽って販売する事も、商品を偽った製造販売になりますので、大問題になります。

食品で言えば有名なお話になりますが、産地偽装と同じようなものです。

どれだけ大きな問題なのかを考えれば、製品の製造方法や鋼を偽る事で、わずかな利益差を獲得したところで、後に残る偽装企業としての汚名の方が将来を潰す事になるので、正常な考え方としてはやらない事だと思います。

刃物の硬度は色々な表現がありますが、分かりやすく砥石で研ぐ事で感じ取れる硬度として考え、硬いか柔らかいかの違いが、意図的に狙ったものなのか、意図せず変わってしまっているのかで、その刃物の使用範囲や価値は大きく変わるでしょう。

実際に買ってみないと刃物の性質は分かりませんので、どこの誰が薦めているのか、何をメインに考えて薦めているのか、良く考えてその方の意見を受け入れましょう。

有料案件による、ただの宣伝目的の紹介も多いので、それが本当に良いとした紹介とは限りませんから、十分にご注意ください。

 

2024年9月 4日 (水)

ジャキジャキ???

包丁で色々な野菜を切る時、ジャキジャキ・・・のような凄い音がしていませんか?

この原因は、刃がまともについていない場合か、小刃やその付近ばかりを研ぎすぎていて刃の厚みが分厚くなっていたり、刃角が鈍角過ぎる場合、などが多いです。

これらの回避の為に、刃先方面の厚みを抜く研ぎを行いますが、ご自身で日頃から上手く研ぎながら使う方と、普段は小刃付近のみを研いで、厚みが増えてきたら当方のような研磨のプロの所にお出し頂き、直される方も多くいらっしゃいます。

あまり極端に薄くし過ぎると、強度が低下しますので、野菜がバリバリと裂けるような感じにならないギリギリを狙うと良いと思います。

当方でこの手の直しを依頼される場合には、想定より少し鋭角気味にします。

それでは先に記載をしましたギリギリを・・・の話とは違う感じに見えてしまうかもしれませんが、小刃の研ぎを多く繰り返す方の場合、厚みが早い段階で増え始める傾向がありますので、初期は傷めないように気を付けて使って頂き、少し小刃研ぎを行った頃合いで、丁度良い感じになるところを狙っている為です。

日頃から厚みの事を意識して研ぐ事は、結構大変な作業になりますし、時間もかなり必要になるでしょう。

特に研ぐ本数が多い方の場合、毎日の研ぎは重労働になりますから、そこから解放される意味では、定期的に当方にお出し頂き、厚み抜きやその他調整を行って頂くと、普段の研ぎ自体も楽になりますし、良い状況を維持できます。

包丁の研ぎは、ただ刃を付けるだけでは不足なので、出来る限り環境に合わせ、研ぎを色々と変えていきましょう。

それにより、食材へのダメージを減らすだけではなく、気持ち良く刃物を使えますし、ストレスから解放されます。

 

2024年9月 3日 (火)

手が込んだ作業が増えました

当方で現在行っている日本刀研磨は、大きく分けて4種あります。

・お急ぎ実用研磨 ※作業内容の指定不可、ネットからのお申込みでお荷物でのみ対応)

・おまかせ研磨 ※作業内容の指定不可、ネットからのお申込みでお荷物でのみ対応)

・居合抜刀用面精度研磨(通常の磨き)※当店の日本刀研磨の基準となる研磨

・居合抜刀用面精度研磨(斬れ味重視)※切り損じをしないレベルの上級者の方用

となっています。

これらのご説明は、何度か書いてきていますので、割愛させて頂きます。

詳しくはこちらのHPでご確認ください。

さて、お急ぎ研磨はまだ開始して長い年月が経っていませんので、お伝えするレベルでの変更等は特にありませんが、それ以外に関しては、大きな改良をお伝えしている以外にも、細かい改良は色々と行っています。

ご依頼を頂く性能や状態などにより、色々なパターンの日本刀を見て来ましたたが、想定される範囲とは異なるものも稀にある為、それらにも対応が出来るように技術を追加をしたり、少しでも良い状況が作れるようにやり方を変えるなどしています。

一番多く変更されたのは、おまかせ研磨で、過去に比べ機械の使用量を減らし、手作業部分を多くしました。

それは、お急ぎ実用研磨が出来た事で、そちらは機械ベースの作業としていますから、レベルUPをしたかったというのがあります。

お急ぎ実用研磨とおまかせ研磨だと、結果にどのくらい差がありますか?とご質問を頂いた事がありますが、日本刀の現状の状態や性能により・・・としか言えません。

居合抜刀用面精度研磨と比べ、厳密で高精度な作業を主な部分としていませんので、現状の状態から斬れる状態に持って行く事を重要な部分としています。

その中でも、おまかせ研磨の方は、居合抜刀用面精度研磨のような高精度な面の構成は作りませんが、手研ぎにより調整は行っていますので、お急ぎ実用研磨よりは精度が良く、総合バランスは上になります。

これらはいずれも当方の中では並研磨としていますが、機械研磨を行う時点での精度が、良くあるような機械研磨のように凸凹ではありませんので、それだけでも無駄な膨らみがあったり、やり過ぎた凹みが出来る事により、強度が部分的におかしくなるような事は出ませんから、実用刀としての研磨では、十分信用には値すると思います。

なお、お急ぎ実用研磨とおまかせ研磨は、現在お使いの日本刀に限りますので、打ち下ろし刀や加工途中のものなどの対応は、例外を除きお受け出来ません。

特に打ち下ろし刀の場合、最初のバランスや調整の作りによって、将来の方向性が大きく変わってしまいますから、バランスや精度をしっかりと持たせた下地から作る居合抜刀用面精度研磨のご利用が最適です。

あと、居合抜刀用面精度研磨は、過去と比べて磨き率を落としました。

これは、手抜きをする方向に持って行ったという意味ではなく、試斬時に必要な性能の為に、あえてそのようにしました。

それ以外の部分で、研ぎの段取りを数段階多くし、調整をより厳密にしつつ、使う砥石も変えた事で、どうしても細かくマイナスが生じやすかった部分の研ぎの範囲が、ほぼ解決していますので、高性能化を実現しています。

実際に過去の居合抜刀用面精度研磨と、現在の居合抜刀用面精度研磨で比較の場合、現在の方が斬れ味がそもそも出やすく、元から切っ先まで幅広くお使いになる方のご意見では、部分的なバランスの差が感じにくく、安心感が増したというご意見を頂いています。

分かる方は、素振りの時点で、今までとは違う総合的なバランスを感じられたり、振る事に対しての違和感が払拭されたケースもあるので、斬る前段階で、もうご満足頂くケースもあるくらいです。

日本刀は長物ですから、研ぎにはどうしても色々なズレが生じやすいのですが、必要範囲に待たせる精度のズレは、極力無くしたいというのがあり、当方ではその技術の開発に成功をしています。

更に斬れ味重視では、特別な調整や設定を行いますので、その作業の違いにより、格段に性能の飛躍がされますが、繊細な設定内容の為、斬り損じをしないレベルの上級者向けとさせて頂いています。

いずれも、実用刀としての斬れ味には、それぞれに違いがあっても、自信を持っておすすめをしていますので、ご予算や納期や内容に合わせ、ご選択の上でご利用頂ければと思います。

 

2024年9月 2日 (月)

修正、整形、修復

刃物の研磨には、まず初めに、サビを取ったり、欠けを取る作業が良くあります。

それらは手作業では難しく、綺麗にするのは大変ですから、基本的には機械作業です。

機械が使えない刃物や作業内容の場合は、それらも手作業にはなりますが、特殊な刃物や形状の場合なので、通常の範囲であれば問題ありません。

また、修正や整形は、それなりに大きな直しを行ったり、崩れているバランス(購入初期から、使用や研ぎにより)に関しても、極力正しい状態になるように直します。

一般的に直すとお話をしているのは、これらの修正や整形を行う事を指します。

調整としてのお話の場合、歪取りや位置関係の直しなども含まれます。

そして、修復として表現をするものは、ほとんどがかなり状態が悪く、直す事が非常に大変な状態を指します。

かなり大きく削ったり、色々な面の構成も直す必要が出て来るので、正直なところ、作り直した方が全然楽だとお話される職人さんも多いくらいです。

製品化されているという事は、あり得ないくらいに削り直す程は、削りシロが無いという事ですから、最小で収めるのは難しい技術になります。

ここまで来ると、時間とコストがかなりかかりますので、金額はだいぶ上がり、納期も長く頂く事にはなりますが、大切にお使い頂き、今まで以上に条件良くお使い頂ける可能性もありますので、いけるだろうと踏んだ場合には、無駄にはならないと思います。

ある程度の範囲は、完全体にするのは難しく、掛けのような範囲は出てしまいますが、それでもそのレベルで刃物をお使い頂いた事が無いくらいの所までは到達するでしょう。

高い金額をかけても良くならない可能性が高い場合には、買い直しをおすすめする事もありますが、基本的には直しでの復活をお受けしています。

止むを得ない場合や、ご予算が合わない場合、将来性を見据えた流れを見た場合など、それらによっては、買い直しの方が良いと思える事もありますが、直せるなら直そうと思う気持ちは、出来る限り大切にしたいと思っています。

 

2024年9月 1日 (日)

日本剃刀は素晴らしい

近年、製造がほとんどなくなった「日本剃刀」ですが、10~15年程前まではある程度の生産があったようです。

それが良質で有名どころのものなどは、新しいものが入手しにくくなり、オークションなどでの取引が増えています。

当方では、日本剃刀の研ぎのご依頼が昔から結構多く来ていて、大掛かりな整形や裏と表の鋤直しなども、良くご依頼があります。

サイズは小さいものですが、色々な技術が凝縮されていて、厳密な研ぎが求められますので、ちょっと上手く研ぐ程度では性能は出せません。

相性に合わせ、使う砥石の選定もかなり厳しく行っていますし、研ぎの精度の為に面修正もしっかりし面管理をして、必要に応じて鋤き直しも行い、刃物に合わせた適切な圧力での研ぎも行い、気持ち良く使える刃に仕上げています。

替え刃式も素晴らしい研磨技術で製造されていますが、それでも切れ方や長切れに関しては、鍛え上げられて精密に製造された上質な日本剃刀に、高レベルな手研ぎを行った状態には、さすがに適わないようです。

実際に色々とご使用になられているお客様のご意見からすると、日本剃刀の素晴らしさというのは、本当に明確にあるようです。

他の和式刃物もそうですが、全体の歪取りであったり、整形修正、鋤作業、研ぎの厳密さ、など、色々な調整修理的な要素が必ず必要になりますから、それらが可能なところで研磨のご依頼をしてください。

そこそこの研ぎ程度では、それだけの感動の研磨にはまずなりません。

感動する切れ味を是非とも体感頂きたいです。

 

 

2024年8月31日 (土)

良好な関係図

刃物と砥石は相性があります。

いずれも良品同士の場合なら、幅広く相性が合うケースがありますが、研いで使って良いと感じるには、やはりこれといった相性は見つけた方が良いです。

砥石側で見ると、まず間違いがないと言われている範囲がありますが、砥石や砥石修正が構図として完成されていればの話です。

刃物に関して言えば、同一の刃物を購入しても、性能を極力あげて製造されている場合、必ず違いが表れますから、少し控えめの性能の物の方が、バランスは取りやすいです。

研ぎで苦労される方の多くは、刃物と砥石の相性がまず良く無い関係性になっていますから、どちらかの買い直しをおすすめする事もあります。

買い直した場合、今使っているものは?と聞かれますが、売却をするか、サブ用に回すと良いでしょう。

刃物も砥石も、いくつあっても損は無いので、色々と用意をしてどれをメインに持って行くのか、試してみると良いと思います。

 

2024年8月30日 (金)

必死に研いだら結果は出ません

研ぎのお話で、ひたすら早くパワフルな動きで研いでいる方が結構多く見受けられます。

余程慣れた方でなければ、早さは攻撃性に変わり、動作の不安定にも繋がるので、安定して研ぎが決まりません。

これはプロの世界でも同じで、早く動かせる人が上手く、研ぎが早く終わる訳ではありません。

この辺りが理解できないと、本当に意味での良い研ぎには繋がりません。

ですから、急いでいるから早く動かして研ぐというのは、マイナスの行動です。

ただ、一部の刃物分野では、動かし方の意味が分かっていて、早く動かす事が有効な範囲もあります。

それらは実際に意味があって、あえて早く動かして研いでいる事なので、それもまた理解があれば納得な話です。

もちろんどんな刃物でどんな条件であれ、基本の部分が安定し、段階ごとに綺麗に研ぎが進められている事が前提なので、最後の仕上げで何とかしようとするのはやめましょう。

一つずつの段階が全て大切なので、ここは適当で・・・が通用するものではありません。

機械作業で見ても、上手い人と下手な人の差は、明確に表れます。

どんなに綺麗に加工されているように見えても、荒傷が多数残っていたり、見た目は完璧に近くても、精度が悪かったりと、そういう事も多いです。

修正整形を含む修理作業の場合、削れる範囲が限られますので、当方の場合には、性能に対して不必要と思う範囲に関しては、全てを完璧に直すまではやりませんから、部分的に身が無い部分は加工を加えられず、ズレたように見える事がありますが、それは意図的です。

そこを削り落としてしまう事で、他は更に無駄に削る事になり、寿命を極端に減らす事もありますから、それを合わせて加工出来ないのではなく、あえてしないのです。

それでなくても、大きく直す必要性があるような作業が多いので、それを直すだけでも最短で行わないと、寿命を大きく縮める事になります。

常連様で色々な刃物の研磨をご依頼頂いているお客様は、意図的に無理に加工をしない場合がある事をご存じです。

意味のない事は当方ではやりませんし、そこを直して見た目での評価を高く貰える事よりも、性能が出てご満足頂ける事の方を大切にしていますので、そういったやり方を優先します。

もちろん、どんなに小さくなっても良いので、見た目や精度を完璧に近く直したい!と言われれば、遠慮なくやらせて頂きますが、その場合、皆さんが想定するより、相当小さくなるでしょう・・・。

そして料金も合わせて高くなります。

 

2024年8月29日 (木)

実用の為の日本刀研磨の進化系

現在当方で行っている日本刀研磨は、「居合抜刀用面精度研磨(通常の磨き)」をベースとして、かなり完成されたオリジナルの研磨になっています。

綺麗に見せる美術研磨は、綜合的に見て決まり事が多く、バランスと見た目の構成が決まっています。

しかし実用の場合、個体差のある日本刀を全て同じ研磨にしてしまうと、性能が全く発揮されませんから、まずはそこから改善を行っていきます。

「居合抜刀用面精度研磨(通常の磨き)」は、綜合的なバランスに優れ、歪取りや修正整形はもちろんですが、斬る事に合わせた構成を作り、研ぎによる面の精度を高めるオリジナルの研磨を行い、「正しく振れて、正しく斬れる」を極力作り出すのが売りの作業となっています。

それにより、振りやすく斬りやすい状態が作り出され、使用する事が楽になったとおっしゃられる方が非常に多いです。

この研磨が完成したのは、実力のある試斬をされる方々のご意見や、私自身の身体が運動による古傷を抱えて負担をかけられない状況の為、それでも楽に斬れる状況を作り出そうという所から始まっていますから、間違いのない結果に繋がっています。

それ以上を求める場合には、「居合抜刀用面精度研磨」の「斬れ味重視」の場合、特別な設定の追加と精密な調整を極力行い、斬る為に特化した状況を作り出しています。

この斬れ味重視は、斬り損じをしないレベルの上級者の方向けとしてあり、非常に繊細な設定を行っています。

逆を言えば、上級者以外には適切な条件になりませんので、「通常の磨き」の設定までのご利用として頂いた方が良いです。

斬れ味重視の意味は、稀に勘違いをされる方がいらっしゃいますが、この研磨を施せば誰でも斬れ味を体験できます!という意味では決してなく、上級者には必要な性能を発揮できるようにしてあります!という意味です。

これを使いこなすには、繊細な使用技術が必要なので、上級者向けとはっきり書かせて頂いております。

なぜそんな難しい設定を作っているのか?と聞かれた事がありますが、腕だけでカバーできない「斬る」という範囲が存在しているからです。

特別な一部の方は、条件に関係なく、何でも上手く斬れてしまうので、そういった方には不必要ですが、状況により斬れ方が全く異なる事を知る方には、この結果の違いは大きくなります。

近年では、この斬れ味重視をご依頼頂くケースが増えましたが、必ず「斬り損じをしない上級者向け」と、説明書きでご確認を頂いていますので、ご自身の実力を考え、無理に背伸びをしてこの「斬れ味重視」をご利用にはならないでください。

ここまで標準となる居合抜刀用面精度研磨の2種を簡単にご説明してきましたが、他にも当方としては簡易作業側になりますが、日本刀研磨の設定があと二つあります。

「お急ぎ実用研磨」は最短納期での作業が売りで、とにかく急ぎで使える状態にしたい方向けの作業となっています。

「おまかせ研磨」は納期は通常より短めで、他におまかせ研磨のご依頼が無ければ、1ヵ月程度での納品が可能です。

これらは、居合抜刀用面精度研磨までは必要無く、今お使いの日本刀に対し、なるべく価格は抑え、早く使える状態に出来れば・・・というお声で作った研磨です。

簡易作業側と書きましたが、それは機械作業を含む為(それぞれ機械作業の割合が異なります)で、細かい事が気にならない方の場合、使用には全く問題は無いレベルで仕上げますので、とにかく頻繁に試斬を行う方の場合、早く安いというのは重要なポイントになるので、おすすめです。

機械作業を含む場合でも、一般的にある日本刀研磨と比較して、すべてを手作業で行うより、こちらの機械研磨を含む研磨の方が精度は高いくらいです。

ちなみに、他で良く行われている機械研磨の場合、当方のような高いレベルの精度は出ていませんので、機械加工=精度が高い訳ではありません。

何か一言に対し、必ず同じような扱いで見る方々がいらっしゃいますが、それぞれに大きな違いがありますので、誤解の無いようにご説明をさせて頂きました。

複数振りあり、色々と使い方を変えていらっしゃる方は、まとめて研磨をご相談ください。

それぞれの日本刀性能や、用途のお話に合わせ、どんな研磨をどれに行えば、上手く実用刀としてまとまるかも、合わせてご案内させて頂きます。

 

2024年8月28日 (水)

しっかりしている方が安心して使えます

砥石を購入して使用を続けると、砥石は薄くなっていきます。

結構見かけるのは、不安定な場所に薄い砥石を置いて、結構力が入った状態で研いでいる方です。

これではまともな研ぎは出来ません・・・。

まずは安定した研ぎ場を用意し、そこに安定した砥石台を置いて、厚みのある砥石を使ってください。

もし環境は良くても、砥石が薄くなってきた場合は、砥石が割れないにしても、たわんで研ぎが安定しない状態になります。

裏に頑丈なものを貼り付け、強度を持たせましょう。

昔は木材を貼る方が多くいらっしゃいましたが、近代では、アルミ、石材、樹脂材(人工大理石や各種合成板)、などの方法があります。

薄くなってきた砥石を、新しい同じ砥石に張り付けている例も見た事がありますが、これはやらない方が良いです。

理由としては、接着剤が砥石に染み込むと、砥石の性能が損なわれるからです。

砥石の製造方法や密度にもよりますが、使用する接着剤に関わらず、新しい砥石接着面の数ミリは少なくとも、接着剤が浸透して性能が出ない状態になっている可能性がありますから、そこを捨てる事になるかもしれません。

砥石の接着には、なるべく浸透をしないタイプで、がっちり固まるか、軽く柔軟性がある程度のものがおすすめです。

水で溶けたり剥がれたりするような接着剤が多いので、色々と試して、自分で思う良いものを見つけてみてください。

 

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