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2021年12月 1日 (水)

正しい目線で

物の良し悪しについて、これだけ情報が出回るようになった割に、正しい情報があまり出ていないのが刃物業界です。

もちろん分野によっては、厳しく議論をされたり、良し悪しが明確化されているような、実用刃物の部類もありますが、それ以外はほとんどの情報の集約されたものが、出所が分からなかったり、意図的に操作された内容や、レベルの低い人達が出した結果でまとまっていたりします。

私達の周りは、だいぶ厳しい方達が多いので、ちょっとくらいの事では、良いとは決して言われませんし、その評価の分布も、それぞれの好みであったり、相性などを考慮しても、大体の意見は一致するところにあるので、その差は大きく感じています。

本当の意味での良い刃物とは、どういうものなのかを、理解している人達がそれなりにいても、それに答えられるだけの職人がいないのが問題です。

良い物は良い、悪いものは悪いと、言いたくても言えないような状況にある業界もあり、そこではもう、本当の事は世に出て来ません。

私は気にせず、出来る限りの真実を伝えるようにしていますが、お付き合いのある方々の多くに、ご迷惑をお掛けしてしまう可能性も考慮し、具体的な話はしないようにしています。

簡単に言うならば、才能が無くやる気がない人達は、さっさと引退するなり、廃業してくださいという事です。

それなりに名のある地域で、名のある職人達程、周りの意見を受け入れなかったり、勘違いしたプライドを盾にしており、本当の意味での職人気質さやプライドなど、持ち合わせてもいません。

まともに親世代やおじいちゃん世代から、技術をしっかりと受け継いだり、それ以上の仕事をしていると言い切れますか?

出来てると思うならそれは大きな勘違いですし、頑張ってもそれすら出来ないなら、はっきり言って、手作りが良い時代はもう終わりだと思います。

昔と比べ、今は色々と機材や道具も良くなっており、昔より良い仕事が出来る環境を作りやすいはずなのに、それが出来ないという事は、才能や努力ややる気が足りていないのです。

工業品の性質は安定化しつつ、高性能となっており、価格や性能や安定と、全て揃いつつあるので、適当な事をやっている職人など、段々と不必要になってきています。

それが昔から続くものであろうと、新しく始まるものであろうと、それ以上となる価値と性能を持っていなければ、買うだけお金の無駄にもなります。

それに関わる職人や、卸業者、販売店、使用者の方、など、全てに悪影響を及ぼし続けるなら、そこには何も期待もしませんし、それを人にすすめる事もしません。

皆がそれぞれで苦労をし、少しでも良くなるようにと努力している人達を知っている身としては、そのままで良いとは決して思いません。

この先の時代、悪い部分の情報は、どんどん表面に出て来ると考えています。

その時、生き残れるかどうかは、本当の良し悪しを知る人達が、良いと言ってくれるかどうかにあると思っています。

 

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