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2022年1月 8日 (土)

まともな表現ではない

先日、ある販売サイトを見ていたら、包丁の販売がされており、超硬と書かれているのにHRC62という表記が・・・。

HRC62で耐摩耗性が良くあるタイプだとしたら、特別に硬い部類には入りません。

規定通りの製作をすれば、HRC67が出ると言われる鋼材がある中で、62だと5も差があります。

このHRCはロックウェル硬度と呼ばれ、傷付けテストによる硬度を数値化したもので、機材が高すぎて簡単に数値化する事は出来ませんが、ちゃんとテストしてある場合、その数値は硬度は間違いないと言えます。

ただ、そこにあるのは、あくまでも傷テストであって、密度や配合された物質の影響による耐摩耗性などについては、含まれていません。

つまり、私達が砥石で研いだ場合に、どう研ぎが進むかどうかは、別問題であるという事は、知っておく必要性があります。

話を戻しますが、HRC5の差はとてつもなく大きく、研ぎに慣れていて、判断能力をお持ちの方であれば、HRCが1違えば大体は分かります。

それ以上に繊細な方になれば、HRC0.5の差でも気付くくらい、差が大きいのです。

なので、超硬と言いつつも、HRC5も差があるのは、超硬レベルには達していないと言えます。

ちなみに、私がHRCだけでの判断として、硬いと感じる範囲は、RHC64からです。

もちろん、鋼材や熱処理や鍛造の影響などにより、感じ方が変わる事はありますので、絶対にこの数値という訳ではありませんが、今まで色々なテストをしてきた中で、研ぐのが明らかに辛くなるHRCが64からだったというだけの事です。

研いでのテストとして考えると、鋼材によっては、HRC61前後でも、もうきつかったモノもありますので、耐摩耗性による研ぎへの影響は、非常に大きいと思います。

という訳で、今回は硬度のお話でした。

言葉の表現は、どこから変えるか、難しい問題ですが、超硬チップが付いたチップソーやホールソーなどの超硬部分が、HRC62だった場合、あっという間に消滅して終わりを迎えるので、そう考えると超硬ではないと言えるでしょう。

タングステンやタンガロイが、超硬チップとしては良く使われていますが、一般的な刃物では、これに傷を付ける事すら難しいです。

だからこそ超硬という訳ですね。

 

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