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2022年1月26日 (水)

どうしても出る個体差

刃物の研ぎを行っていると、誤差レベルしか状況は違わないのに、どうも刃付きや切れ方に、大きな差が出る場合があります。

色々と調整を行って、それなりには直る程度のものもあれば、状態改善が難しい場合もあります。

元々刃物が持つ能力を、どうやって引き出すのかは限界があります。

表面的な性能を必死に出そうとすると、実用性は大きく損なわれます。

何をやっても異常な感じがする研ぎは、刃物としての性能を大きく殺す事にもなり、それによっておこる不具合が、刃物のせいにされたりしても、非常に困る訳です。

刃物には適正範囲がありますから、その範囲内でなんとか調整を行うのが、一番良い技術だと考えています。

稀に、異常な使い方の為に作られた刃物があり、それを通常通りに研いでしまうと、性能が出ない事もありますので、絶対に間違いだと言う訳ではないのですが、その意図を感じられない場合、やはりそこに繋がる研ぎはやるべきではありません。

そもそも、良いとされる幅広い範囲の研ぎを、どこまで把握して皆さんが研いで使われているかが、まだ見えない部分が多いので、そこを知る事で、刃物がどの辺りの性能を持っているのか、把握する事に役立つと思います。

残念ながら、そういうお話が細かく伝えられる人は、世の中には多くは存在していません。

それをどこで誰がやるのかで、色々と業界の客層も変わるとは思いますが、集客力とお金があって、そういう人を呼べるだけの環境が無いと、知っていただく機会を作る事すら、難しい事でもありますので、人が刃物を持って使う初歩的な部分から、それを学んでもらえるような環境を作れたらと思っています。

そうすれば、自然に良い刃物を知り、良い研ぎを知る事が出来るでしょう。

 

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