そのまま研がないでください!!!
刃物分野での歪は「ゆがみ」ではなく、「ひずみ」と言います。
色々な方向への曲がりや、波打つように蛇行したような状態、ねじれ(よじれ)た状態などを、総合的に「歪(ひずみ)」と言い、それを取り除く事を、「歪取り(ひずみとり)」と呼びます。
これは専門用語としては、一般的なモノになりますので、覚えておいてくださいね。
その歪取りですが、これはとても重要な作業です。
研いで切れるかどうかなどは、一般の方からプロまで、凄く気にされる方が多いのですが、その刃物をどう研ぐか考えた段階で、歪があるを気にしなかったり、歪がある事が見えていても、そのまま研いでしまう方がいらっしゃいます。
それをやってしまうと、後におかしな状態を保持したままで、直せなくなるような場面も出てきます。
ですので、歪取りの作業というのは、とても重要ですし、まずは一番最初にやるべき作業でもあります。
もちろん作業中にも、位置関係が動く事がありますので、途中で何度も歪取りを加える事もあります。
ここで明確にお伝えをしておきますが、歪取りに関しては、一般の方は絶対にやらないでください!
大袈裟な言い方に聞こえるかもしれませんが、そのままで受け取ってください。
これに関しては、むやみやたらに直そうとしても、簡単に直せるものではありませんし、細かい所まで出来る限り取って、必要に応じて削りと合わせて精度を調整し、その先でやっと研ぎが行えるものです。
そして、プロの世界で見ても、それがまともに出来る方は、かなり少なかったりしますし、簡単なものでは決してありません。
ですから、確実に作業が行える所に、必ず依頼をしてくださいね。
機械作業でも、手作業でも、まず歪取りの上手い下手で、その先の作業レベルも、大きく変わる事が多いですから、研磨分野総合で考えても、これが出来ないと一流にはなれませんし、それ以上には認められる事となると、なおのこと、常識のある見解を持っている方達の間では、「通常」はありえません。
それ程に難しく必要な作業なのですが、そもそも歪が見えない人や、確認すらまともにしない人も多いのが、非常に残念な事です。
大袈裟に言えば、定盤を使って精度確認をするくらいのつもりで、やるべきだと思っています。
一流品とされる刃物を購入し、砥石修正を確実と言える範囲まで行って、まともな研ぎを行っても、どうもおかしい・・・と感じる方が、結構いらっしゃるのですが、その場合も多くは、加工された時点での、歪が原因です。
条件や状態によりますが、簡易的に直る場合と、大々的に行って直さないとダメな場合があり、いずれの場合でも、専門家に依頼をしてください。
それを直す事で、その先の研いだり使ったりが、非常に楽になったり、安定する事が多いので、おすすめというお話ではなく、確実に行って頂いた方が良いです。
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