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2022年5月27日 (金)

刃物は熱に弱いです

刃物修理のご依頼で、機械で削った痕跡がある物の多くに、変色やボロ欠けが見られる事があります。

これは、焼が戻っている状態です。

焼が戻るとは何の事なのか?!と言いますと、刃物は鋼剤への熱処理により、焼き入れと焼戻しが行われ、硬度と靭性を持たせていますが、その熱処理をした状態が、失われる事を指します。

つまり、焼く前の生の鋼に戻ったと思って頂くと、分かりやすいかもしれません。

その状態になってしまうと、もうまともな刃付けは出来ませんし、刃の組織も死んでしまっているので、その先は使い物になりません。

加工が出来るかどうかの問題で言えば、可能ではありますが、刃物としてはもう使えないと思ってください。

短時間で加工ができるのは、機械の良いところではありますが、グラインダー、両頭グラインダー、ベルトサンダー、などで、一般的なモノを使う場合、一瞬で焦げて焼が戻る可能性があります。

もちろん、その事を理解しつつ、良い部材を使用していれば、比較的熱は入りにくくなりますが、それでも一瞬で変化するので、それを読めない方は、絶対に機械での加工はやめた方が良いです。

せめて、水を使う研磨機を使うとか、速度コントロール付きの機械で、低速で行いつつ、頻繁に水で冷やすなどが、必ず必要だと思ってください。

ちなみに、私達が使う機械は、50万とか100万円台など、そもそもの機械のレベルが違いますし、使っている部材も、場合によっては安い機械が買えてしまうくらい高いものを使用しています。

そして、使用環境も、瞬時に色々と出来るよう、準備がされていますので、一瞬で大きく変化する事は、十分に認識した上で、機械を使っている事は、十分にご理解ください。

自分で機械を使って失敗した事を考えると、かえって高く付いてしまうので、面倒であったり高いと思ったとしても、ちゃんとした専門家の所に依頼する事をおすすめ致します。

 

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