ご質問やご相談の色々
お客様からのご質問やご相談を頂く部分を、いくつかピックアップして掲載します。
・刃物についた指紋を消したいけど消えない
これはまず、刃物の表面に乗った指紋なのか、刃物と結合してしまった指紋なのかで、落とせるかどうかは変わります。
例えば、錆に強い刃物の表面に、さっき触って付いただけの指紋の場合、綺麗なタオルやティッシュで拭けば落ちます。
それでも落ちない場合には、中性洗剤で良く洗い、水気を綺麗に拭き取れば、大抵は問題ないでしょう。
水を使いたくない刃物の場合には、アルコールスプレー(出来る限りアルコール濃度は高め)と綺麗なタオルやティッシュでふき取れば、落ちると思いますが、そこまでしても取れない指紋は、結合しているという事になります。
しかし、長期的においてしまった指紋は、錆に強いとしても、錆びない訳ではないので、白錆化して結合している可能性があり、それはもう磨かないと落ちません。
特に、サビる可能性がある刃物の場合には、指紋がついて数時間もすれば、取れなくなるケースもあります。
湿度の高い時期や、夏場で汗をかいた指で触れば、特にそうなりやすいのですが、その場合は、サビにくい刃物に比べ、多く磨かないと取れなかったりしますし、場合によっては削りまで入れないと難しい場合があります。
・サビが出て落としたら余計サビるようになった
サビを取り除いたつもりでも、加工のやり方によっては、サビが増える場合があります。
元の状態よりも、荒い加工をした場合には、特にそうなりやすいですし、さび落としのやり方の問題ではなく、落としたサビの処理が適切でないと、拭き取って伸ばしている可能性もあるので、全体に広がる例もあったりします。
そもそも、サビが出た原因が何なのかで、錆のタイプも変わってきますが、綺麗にサビを落としたつもりでも、サビが残っていた場合、表面が膜のようになって、進行しなくなっていたり、完全に進行がストップしていた場合、中のサビが表に出る事で、そこから急激な進行をしてしまう事もあります。
これを防ぐには、完全にサビを取り除き、そこから発生しなくなるようにする事と、表面の汚れが乗りにくい処理にする事で、よりサビにくくはなります。
・実用で日本刀を使った後の良い処理方法を教えて欲しい
一般的日本刀の油を塗る話だと、ネル布で丁子油を塗り、保管という形で言われていますね。
これは、ネル布の使いまわし問題があり、ティッシュを使用し、毎回使い捨てが理想と言われています。
更に、実用の場合では、汚れが付着します。
その為、近代での考えを含めますと、汚れを取り除きつつ、その後は保護機能があり、水気を寄せ付けないような、オイルやスプレーなどを使い、処理をするのが良いと思います。
その際に、サビを取り除くような話の記載があるものは、サビは取っても、その後のサビを誘発する可能性がありますので、使ってはいけません。
長期保護の観点から、金属に浸透しやすく、保護剤入りタイプだと、なお良いと思います。
なお、単純なシリコーンスプレーやフッ素スプレーのようなものは、綺麗な状態で使う分には問題はありませんが、汚れが残った状態で膜をかけてしまうと、内部からサビが出る可能性がありますので、保護剤だけの意味合いのものは、使用しない方が良いです。
道場などで、スプレーをプシャー!と日本刀に直接かけてる人がいると、たまにお話を聞きますが、道場の床を滑らせ、ケガ人を作る可能性がありますので、絶対にやめてください。
スプレーを使う場合、布やティッシュに近づけて軽くだけスプレーして、それを塗り伸ばすようにえば問題はありません。
周りの方への配慮も、必ず考えてご使用ください。
・長期的に使わないサビる刃物の保管方法が分からない
例えば、和包丁が錆びも無く研いである状態で、一年使わないとします。
その場合、箱や鞘に入れておいても、絶対に錆びないという保証はありませんし、赤錆が出ないにしても、白錆くらいは出てもおかしくありません。
その場合、刃先を自然消耗している可能性もありますから、研ぎ直しが必要になりますし、気がかりですよね。
その場合、椿油を塗って、新聞紙で刃を完全に包み込んで、箱に入れて保管をする方法が、一番身近だと思います。
その場合でも、古くなった油は、固着したり、酸化してサビに変わる可能性は0ではありませんので、定期的に油を塗り直し、鮮度を保つ事をおすすめ致します。
さて・・・。
こんな感じで、色々とご質問やご相談を頂く事がありますが、日頃の管理は考えてやらないと、後でとんでもない大きな代償に繋がる事があります。
あの時にちゃんとやっておけば・・・という事にならないよう、色々な事を考えつつ、保管管理をなさってください。
また、ちゃんとやったつもり!だと、余計な事をやって、ダメにしてしまう事もあるので、良し悪しを考えて行ってくださいね。
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