暑さと機械作業
刃物に対する機械作業は、水を使える場合と、そうではない場合があります。
機械の種類や部材により、それらは決まってきますし、単純に環境の問題もあると思います。
刃物の機械加工では、水を使えば大丈夫と説明されているケースがありますが、それは絶対ではありません。
水の回る量や、機械の速度、摩擦熱の発生率、などによって、大きく左右されるからです。
また、マニアックな話をしますと、瞬間的な摩擦量により、奥まではやられていなくても、表面的に組織がダメになるケースはあると考えていますので、熱や摩擦は避けられるなら、なるべく避けたい所です。
その為、機械作業より、手作業の方が良いと、そういう判断をされている方もいらっしゃいます。
手作業だけでやれば、その分、大きく金額が上がるのは当然の事ですし、機械でなければ綺麗に仕上げられない形やバランスもあったりするので、機械を上手く使いつつ、手作業で仕上げていく方法が、お客様にとってはメリットが大きいと思います。
話しを戻しますが、熱の問題は、刃物に良くないという考えから、出来る限りの冷却を行い、熱を持たないようにしていますが、同条件の中でも、冬と夏では、熱の上がり方が、全く違って出てきます。
その熱は、煙が出る程まで、上がるような使い方はしませんが、それでも触って温かい程度で済むはずが、手で触れない温度まで上がる事はありますから、差は結構大きいと思います。
そうならないよう、夏場は機械の速度を落としたり、なるべく冷却を早めるなど、注意して使うようにしています。
特に当方の場合、加工時に刃付けが直ぐに出来るレベルまで、刃を出して加工をしていますから、その分、熱との闘いは、非常にシビアです。
しかし、そのおかげもあって、その後の研ぎなどで綺麗にまとめ上げれば、刃がそこにある状態で刃付けを確実に行うので、刃を薄くする事が出来、特に切れ味にこだわるお客様からも、その後の面や小刃研ぎが、非常に楽だというお声を頂いています。
これは、加工する側からすれば、刃厚は確保し、焦げにくくしたり、機械が当たってチップする事を防ぎたいので、刃が直ぐに研いで出るような状況では、加工がおこなわれないのが一般的ですが、使い手側に合わせると、こういった選択になります。
日頃から良くお話をしている、実用重視であったり、使用者の立場的考えというのは、こういう所に差が出てきています。
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