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2022年8月26日 (金)

おかしいものは無視しません

刃物に対し、機械で削ったり磨いたり、砥石で研いだり、手で刃物を磨いたり、色々な加工を行っていますが、総合的に触る状態なので、色々な刃物の状況が見えてきます。

大袈裟に言えば、同じ製品があっても、硬度が違っていたり、部分的な違いがあったりと、そういった細かい変化は、研ぎでも相当細かく拾えます。

もちろん、これに関しては、感覚や判断基準が、それぞれで異なりますので、皆がまともに見えている訳ではありませんので、感覚的なものと頭の中での見解が、一致するような特別な人以外は、信用してはいけません。

多くの人は、分かっているつもりでも、全然感じ取れていませんし、原因や状況確認すら、まともに出来ず、間違った作業で刃物を傷める結果になっている為です。

刃物の悪い部分が見える時は、結構はっきりと出る事も多く、こんな状態のものを良く製品化したな・・・と、驚くような事もあります。

それらを全て取り除いて販売すると、売れるものが無くなってしまうので、仕方がないと考えるか、信用の為に良いものを出すように心がけるかで、全然違いがあると思います。

色々なメーカーや鍛冶屋の刃物が、当方にはご依頼で研ぎのご依頼で頂きますが、初期状態でも状況は様々ですし、使い込んでから良さが見えるものや、悪さが目立つものも、将来性としての信用も見えてきますから、当たり外れの探し方の難しさは、毎回考えるところです。

当方での作業の場合、悪い部位が見つかれば、作業で取り除くようにします。

浸食サビや、熱の影響を受けて焼が戻った部位など、刃の形状や長さにも影響をしてしまいますが、必要と判断した場合には、そこは刃物として成り立たなくなるので、取り除きます。

直接のご依頼ではなかったり、お客様からのご要望があれば、その部位を残し、最低限度で加工する場合もありますが、状況によっては、使用中止をおすすめしなければならないものも、たまに出てきます。

刃持ちが悪い!研いでも良い刃が付かない!と言われる場合、硬度や組織の悪さが出ている事がありますが、単純に研ぎ手のレベルに問題がある場合もありますから、必ずしも刃物が悪いとは言い切れません。

そういった部分も含め、総合的に判断出来るよう、簡易検査くらいは出来るようにしてあります。

なんとなくで見て、なんとなくの作業しかしていない所と、そうではない所の差は、とても大きいです。

マニアレベルの方や、感覚が鋭くて一般的に加工する側より理解度が高い方など、そういう方からすると、ただの研磨や研ぎをするところでは、決して満足される事はありませんので、自分がおかしいのか?!と悩まないでください。

もちろん、勘違いさんも多くいるので、自分が実際のところ、どういう位置にいるのかは、定期的に確認をしておいた方が、どこかで恥をかく事は無いと思います。

 

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