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2022年9月21日 (水)

加工に制限はない方が良いです

刃物の研磨やその他修理もので、加工の内容に関しては、出来る限りでご要望をお伺いするようにしています。

その理由は、用途や使い方や使用条件などが、それぞれで異なる為です。

例えばですが、刺身用です!と言われても、水洗いから入り、鱗も骨も皮も身も、全部一本で行う事を、刺身用と考えている方も多くいらっしゃいますが、それは刺身用ではありません。

正式に言うと、魚全般という扱いになり、骨が硬い魚は扱わないよ!と言われても、刺身を引く条件と同じではないので、刃の欠損が必ずあります。

つまり、刺身用とプロの方達が呼んでいるのは、あくまでも、刺身を引く場面だけです。

ですから、下処理には使わずに、刺身を引くだけで使います!と言われると、納得する場面がありますが、刺身用という一言だと、色々な憶測が出てきますので、もっと細かくお話頂きたいな・・・と思います。

同じように、肉を切ります!野菜を切ります!でも、色々な使い方があるので、使用範囲を定めて頂けると、よりそれに合わせた調整で、良い結果になります。

それらがクリアー出来たとして、刃物の状態や性能の判断から、どのように加工をするのかが決まりますが・・・。

ここでたまにあるのが、この部位はそのままの見た目にしておいてほしい!とか、この形は変えないように加工して欲しい!など、それらが含まれて来ると、他の加工で直す際に、どうしてもそこも触らないといけないので、それにつられて加工が出来なくなってしまう事があるのです。

確かに、通常の加工では、その表面を維持できない場合もあるので、あえて残したい気持ちは分かりますが、実用性能に対し、条件が整っていない中で、同じように研ぎだけで何とかしようとすると、結局はズレた問題点は、そのままで直せないので、同じような状態で、なんとなくだけ良くなってお返しをする事になりますから、良い事はあまり無いと思います。

刃物の状況と、今後の事を考えると、それらをご理解を頂けている方は、良くなるように任せるから条件なしで好きにやってくれ!と言われる事が多いですし、もしくは、希望でそのようなお話があったとしても、軽くご説明をすると、致し方ないという事で、受けて入れてくださる方の方が、ほとんどです。

しかし、そうでは無い方の場合には、その中で何とかして欲しいと言われたり、出来ないならいいや!みたいな感じで言われてしまう事もあるので・・・。

正直な所、出来る限り、同じような状態に戻して、お返しする事は可能です。

ただ、製造時と使用後の場合では、加工に対する条件が、色々と異なる為、可能な作業も、不可能になってしまいます。

例えば、縦や横や斜めで当てたい作業も、柄が付いていたら、横しか当てられないので、目の揃えや向きであったり、傷取りが完全に出来ないなど、それらも関係してきます。

そして、上記の例を考えた場合ですが、全部含めての高い仕上げ関連になると、基本の修理代金にプラスで、高額な仕上げ方を行い、柄の交換も行う事になりますから、削って磨いて研いで・・・の作業の、倍以上になると思って頂ければ・・・。

そこまでやるなら、状態の良いものを買い直した方が、安い場合も多々ありますし、納期も非常に長くなりますから、実用物としての性能を望むのであれば、そこまでは・・・と私は考えます。

この辺りは、好みによるものなので、作業や結果との相性もありますから、仕方がない事だと思います。

特別な加工系は、そもそも金額が高いので、十分なご予算をご用意の上で、お話をして頂ければと思います。

 

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