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2022年9月27日 (火)

何を信じれば良いのか・・・

刃物の研ぎの依頼は、色々な方面から頂いていますが、製品の性能のレベルは、本当に幅広くあります。

何が良いかは、その人の判断によります。

手作り品では特に違いは多くありますが、鋼が同じでも、別の鋼ではないか?!と思うようなものも、多数存在しています。

現代だと、嘘の販売品は、大問題になりますから、流石に鋼を偽って販売するような所は、無いとは思いますが・・・。

工業品でも、製造メーカーにより、良し悪しが言われていますが、同じ鋼品でも、必ず同じレベルになる訳ではありません。

これらが、多少の違い程度なら良いのですが、それが大きくバラツキ始めると、その製品の価値が大きく下がります。

刃物は鍛造や熱処理による問題で、硬度や靭性が変わりますが、それとは別に、研磨のやり方や上手い下手でも、性能が大きく変わります。

また、加工中に、熱を持ったりして、言うならば、はっきりと焦げてしまうような状況がでて、焼が戻るような事があれば、熱処理のレベルうんぬんは、もう関係なくなってしまいます。

過去に、刃物を炙ってみたり、高速で回る機械に、どのくらい当てたら、刃物の焼が戻るのか、色々とやってみた事がありますが、鋼系は下手に当てると一瞬ですし、見た目では焦げていなくても、硬度が落ちる事例もありました。

また、熱処理の温度が高いステンレス系や粉末系も、色々と試しましたが、粉末系は性能の明らかな落ちはなく、ステンレス系は鋼程の低温では、変化はさほどはありませんでしたが、それなりに硬度の変化が出ている事は確認できました。

これらのように、データ的に言われている温度は、あくまでも熱処理の問題であり、それ以外の範囲では、意外と簡単に刃物はダメになります。

当方では、機械加工の際は、水を極力多く使い、熱持ちをなるべく下げるように行っています。

過去に使っていた大型の水研機も、水が回っている状態であろうと、ずっと当て続けると、実は結構な熱を持つ事が確認されたので、当て方や速度など、かなり気を付けるようにしていました。

そのくらい気を付けないと、刃物の性質に、影響を与えてしまいます。

これらを知るか知らずかは分かりませんが、超高速でガリガリと当てるのが、業界のやり方です。

低速なら大丈夫という訳ではありませんが・・・。

熱くなり過ぎないようにする事は当然ですし、冷却も頻繁に行う事で、これらの回避は、かなり可能になります。

ただ、作業効率が大幅に落ちますし、作業内容によっては、速度が必要になるものもあるので、難しい問題ではありますが、

一つ言えるのは、軍手や手袋などをして作業をしていると、温度が分からないので、気が付かない事も多いはずです。

私は絶対に素手では出来ないような、やむを得ない作業以外は、全て素手で作業を行います。

危ないとか、そういう話もあるようですが、軍手や手袋は、機械に巻き込む可能性が高いですし、それがあるから大丈夫という過信も生まれるので、私は素手で怪我をしないように、確実な作業を行えるようにしてきました。

そのおかげで、温度を直に感じられますから、触れなくなるような温度になる前に、冷却が行えます。

冷却自体も、バケツなどにたっぷりと水を入れて、そこで冷却をしますので、熱くなった刃物を、その水に入れるまでに、入れ方を躊躇するような状況にならないよう、瞬間的な動作が行える形にしてあります。

そして、加工に使う機械に装着する部材類は、なるべく新しいものを使用し、削りがしっかりと入るようにしています。

その為、削れた事による熱は持ちますが、削れない事による無駄な蓄熱は抑えられます。

相性の合わない部材は、刃物に良くないので、それらも必要に応じて、色々と変更します。

これらが、当方の考えている、刃物へのいたわりの機械作業です。

そんな感じで、色々と考えて作業をしていると、コストはかなり大きくなってしまいます。

その代わり、刃物には優しく、必要な作業を的確に行えるという部分はあります。

また、刃物への磨きも、良い事が正直無いと思っているので、荒バフ~鏡面など、高速で当てるような作業は、特別な注文が入らない限りは行わず、手研ぎと手磨きを行うようにしています。

こういうお話を始めると、時間がいくらあっても足りなくなるので、一部だけをお話させて頂きました。

 

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