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2022年9月19日 (月)

なぜ実用研磨なのか

日本刀の研磨は、色々な形式で行われています。

一番メインとなるのは、美術刀用の美術研磨で、並~最上といった感じで、ランクが設定されており、それぞれ研師の方の技量やランクなどで、金額もまちまちです。

仕上がりを見ると、著名な研師の方が研いだものは、別格に凄いと思いますが、金額も納期もかなり差がありますから、そこまで求めない方の場合には、一般的な上で十分だと思います。

そして、美術研磨の並よりも、下に存在しているのが、居合用と言われる研ぎで、良く行われているのは、品評会での出品で、大きな賞を取れておらず、まだ研師としての知名度が無い方や、安い研ぎ専門の研師の方が行う、居合用や抜刀用と言われる研ぎになります。

最後に、ほとんど存在していませんが、当方のように、美術的観点は無視して、実用を主な内容として行う、実用研ぎになります。

当方の場合、歪からくる、振る時のアンバランスさを取り除き、そこから調整を行いますから、型居合での使用でも、高い評価を頂いていますが、実際に斬る場面になると、形状や位置関係の直しも行っている為、刃の入りが良い事や、斬り抜けしやすいなど、それらも大きな特徴となります。

刃物は刃付けが命と思っている方は、決して少なくないと感じていますが、刃は最後の最後の話でしかありません。

他刃物でもそうですが、総合的に触っている身として言わせて頂きますと、刃の前段階として、面の構成や精度であったり、摩擦抵抗や切断時に作用する形状など、それらも全て含めた中で、最後の刃をどうするかが、とても大きなポイントになります。

ですから、綺麗に見せるだけで、面を付けて、刃もあかないか程度では、お話になりません。

刃物分野として考えれば、それらの研究がされておらず、まともに使える研ぎをやってもらえないという声があり、機会を与えて頂いた事から、私の日本刀研磨の研究は始まっています。

それから、私自身も居合抜刀試斬関連の方々と一緒に、試斬をさせて頂くようになり、斬る為の動作や技を得つつ、研ぎを検証しながら、現在へと繋がってきていますので、ただの研ぎを行っている訳ではありません。

色々と学ぶ中で、斬る技術に関しては、特別に上げないように、気を付けていました。

それは、斬る技術に頼るようになると、斬れ味の理解度が下がる為です。

ただ斬れ味を感じられるだけ、最低限度の技術さえあれば、あとは研ぎに左右される斬りとなりますから、はっきりと良し悪しが出ます。

そこを狙って学んだ事は、実際に非常に大きく役立っています。

腕でなんとかしようとする方も多い中で、それでも乗り越えられない所は、日本刀や拵や研ぎで何とか出来る事が多いです。

それは、私自身が身をもって体験した事でもあり、多くの方々からのご意見でも、そう感じる場面がありました。

腕でなんとかするというのは、本当の意味で腕がある方だけで、そういう方は僅かでしかありません。

しかも、そういう方々は、日本刀の性能や、拵の安定であったり、研ぎの重要さは、実は誰よりも知っています。

そこに頼るようになると、学びを忘れる方もいらっしゃるので、腕を大事にされている部分が多くあるのだと思います。

全てが揃えば、それ以上の事はありませんから、出来る事から揃えていく事も、良い方法だと思います。

実際に、技量がほぼ同じ人が大会で並び、難しい技術となれば、その時に用意された巻藁の運もありますが、ある程度の範囲までは、日本刀と拵と研ぎの状態で、クリアー出来る範囲が多くなります。

実際に当方では、大会に出ているとおっしゃる方も多く、人には教えたくない研ぎや調整として、良くご利用を頂いていますので、その方達の実績を見れば、違いがどれだけあるのか、誰よりも私自身が感じられている所です。

過去の研ぎと比べ、現在の上位の研ぎは、特に格段の違いが出ています。

それは、小さな差ではあるのですが、こういう時に・・・が非常に良く機能するので、性能特化の研ぎとしては、本当におすすめ出来ます。

研ぎ方も特殊ですが、それ以外にも、調整のバランスの計算など、他ではまず真似できない研ぎを、当方では行っていますので、是非ご利用ください。

多くの方のご利用があればある程、新しい研ぎの開発や、事例から得られる安定など、お客様には良い部分が増えていきます。

私は刃物を実用品として、ストレスなく使って頂きたいと思っていますし、使い手としての面も、決して忘れずに考えていますので、そういった考えの部分も、ご理解を頂けるようでしたら、ご満足頂ける範囲は、特に多くなると思います。

 

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