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2022年9月12日 (月)

刃返りは取れていますか???

ある程度で定期的にお伝えをしているお話ですが・・・。

刃物の研ぎを行った後、最初は切れ味が何となく渋い感じで、少し使っていると、切れるようになってくると、おっしゃる方が結構いらっしゃいます。

その原因の多くは、研いだ後の、刃先についた刃返り(簡単言うとバリです)が、取りきれていない為、本来、刃先になるべく場所の先の先に、刃先があるのと同じ状態になっています。

そして、使用中にそれが取れると、刃がまともになったような感じで、いきなり切れるようになったりします。

場合によっては、その刃返りを刃先で潰してしまい、刃が欠損し、結局は切れ味が出ないままで、終わってしまう事もあります。

刃返りの簡単な取り方は、新聞紙に刃先側ではない方へ横向きに動かし、刃先をなでるように当てます。

表裏とそれを繰り返していると、そのうち綺麗に取れるはずです。

無理な方法で取ろうとすると、刃先を傷めますし、間違って刃側に向かって、刃返り取りをしようとしたら、刃が食い込んで危険になりますし、破損の原因になりますので、絶対にやめましょう。

そこまで研いだ事が、一瞬で無駄になります。

もし、この方法で取り除けず、刃返りが残っている場合は、適正な角度で研げていない可能性があります。

ここでいう適正とは、その刃物の名前の適正角でもあり、その刃物自体の性能から来る適正角でもあるので、その辺りは柔軟に考えてください。

また、角度を直しても、全然取れない!とおっしゃる方は、刃物の硬度や靭性の影響か、刃先をが研がれる時に、力を入れすぎていて、刃先の先がまともに研げず、その手前を研いでしまって、刃先側全体が弱っていたり、刃付けが完成していない可能性もあります。

その場合、研ぎの最初からやり直しです。

刃物は意外と、ちょっとした力で、砥石に当たっているようで、動いて浮いてしまう事があるので、十分に注意しましょう。

研ぎに力が必要な場合、砥石の目立てをしたり、段階的な研ぎの段階を、もっと近い範囲で増やすか、根本論として研磨力の高い砥石に替えるか、いずれかが必要になります。

特に高硬度の刃物を、良かれと思って買われて、一般の方には研ぐことが難しい場合もありますから、そういった時は、当方のようなところに研ぎに出して、ついでに色々とご相談ください。

 

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