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2022年11月24日 (木)

癖は取れるのか?!

刃物によくある、曲がり癖についてです。

歪取りをしても、どうしても同じ形にまで戻るというお話は、良く耳にしています。

戻ってしまう原因は、いくつかあるのですが、そのうちの一つは、歪取りが簡易的な場合です。

例えば、霞の和包丁の刺身系があったとしますが、その包丁の歪を取るのに、こじ棒と呼ばれる、歪取り棒を使った場合、高確率で戻ってきます。

しかし、新品時に仕上げまでされていて、歪を取りたい場合、それしか方法は無いので、致し方ないとも言えます。

当方の場合、ハンマーやタガネを複数本使い、金属を叩く事で、位置関係や刃物のバランスが変わるので、その状態で動きを抑え込みます。

それにより、ただ曲げるだけよりも、動きを止めやすくなるので、良いと思いますが、金床やその他を打ち台として使い、ハンマーやタガネを使う為、刃物にはどうしても傷がつきます。

その為、面の加工を許された場合のみ、この歪取りは出来る事になってしまいます。

この面は線がずれても削らないで!とか、この仕上げのままがいいから加工しないで!と言われると、この手の歪取りは出来ず、なんとなくの一時的な歪取りのみで、結局また崩れる状態になるので、おすすめはしません。

叩き方も色々ありますが、歪がある状態で、異常な研ぎをされていなければ、ほぼ直線を作れます。

よくあるねじれた状態の和包丁は、歪取りである程度取れたとしても、ここまで取れれば・・・と言える範囲までは、なかなか取り切れません。

ですので、あとは機械で削る加工で、合わせて行くしかありません。

元々の鋼の厚みが十分にあれば良いのですが、霞品の場合、鋼に限界がありますので、将来性を考えると、鋼系やステンレス系や粉末系などの本焼(全鋼)だと、削れる領域も調整幅もあるので、結局は寿命は長くなります。

特に、良い条件で使用し続けたい方は、霞ものより、本焼(全鋼)を確実におすすめします。

 

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