安くするた為の技術、高くする為の技術
技術の考え方は、色々とありますが、今回は作業レベルを基準として考えた場合の、技術開発についてのお話をしてみたいと思います。
私の場合には、基本的な考えとして、レベルの高い作業を主としていますが、作業内容が複雑で難しく、コストが高い作業にならばなる程、金額は高くなります。
技術の開発は、色々なやり方を試したり、色々なものを仕入れて片っ端から試し、それらを組み合わせてみたり、別の物を引っ張ってきて含めたり、かなりの時間と労力とコストを要します。
それにより、形になるものが出来れば、それで充分満足ではあるのですが、趣味ではなく仕事としてやっていますので、それらを仕事の形にしなければなりません。
ですから、今ある技術自体が、そもそも無料ではありません。
そして、それをどの範囲でどう使うのか、当方の場合には、色々な刃物の扱いがありますから、出来る限り、使えそうな所には、なるべく振り分けをします。
向かない物を、無理に組み合わせても、良い事はありませんから、そういった事はしませんが、少しでも幅広く使って行かないと、勿体ないという考えがあるので、100%同じではないにしても、似た技術を用いて、生かすようにしています。
その開発が、どの刃物の、どの作業で使う為に考えたのかは、その時によりますから、その都度、そこからの考えを他の刃物に変換し、組み合わせの可能性と、実際のテストを行い、それが可能となった場合のみ、導入をしています。
これが、レベルの高い作業への考えと、実際の流れとなっています。
細かい技術のお話を含めると、何となく刃物や研磨や研ぎへの知識がある方でも、十分にご理解頂ける範囲があるとは思うのですが、当方の場合、オリジナルの技術が非常に多いので、残念ながら、気軽にお伝えする事が出来ません。
話しは変わりますが、逆に、レベルを下げて、作業の金額を下げる場合は、上がったレベルを下げる事になるので、無意味な気もしますが、全てにおいてレベルの高い作業が求められる訳ではなく、なるべく良さそうなレベルを維持しつつ、金額を抑えようとしても、ついつい高いレベルの方に寄ってしまう事もあるので、それをまた戻す事も、行わなければならなくなります。
どうしても上を見ている事が多いので、性格上、仕方がないのだとは思うのですが・・・。
実は、上がったレベルを下げるというのは、非常に難しい事で、レベルが段々と上がるより、下げる事が出来ない場合もあります。
大袈裟に言って、良いか悪いかだったら、良い方が嬉しい訳ですから、その良さを知る者が、あえてそこから離れるのは、そもそもが難しい事なのでしょう。
例えば、これから始めるという人であったり、まだまだそこまでのレベルに到達していない人であれば、そこまでのレベルのものでは無くても、十分に難しく、そこにこれから届くか、それが精いっぱいなので、丁度良いとも言えますから、本来はそれが適任ではあると思います。
そうはいっても、自分でやるしかないので、なるべくコストを抑えつつ、仕上げのレベルを極端に下げて、まともに使えないような仕様にする事はなく、思う所に収めるしかありません。
今ある所から、レベルを下げる場合、どうやってコストダウンするのかや、作業効率を上げるかを考えると、難しい事も多いので、むしろ最初から開発をしてしまうケースも多々あります。
作業の段取りがいくつもある中で、最初の作業をどれにし、最終の仕上がりをどの程度に抑えるのかを考え、途中の流れを組み合わせ、構成を作っていきますが、その組み合わせさえできれば、後は自分自身が妥協できるかどうかです。
こうやって、色々な事を考えながら、色々と実際に試す形で、技術は開発をされています。
そういえば、昔はこうやって、こんな作業をやっていたな・・・と、ふとそれをやってみると、当時は難しかったり、仕上がりが不安定だったものが、綺麗にレベル高く仕上がる事や、思っていたよりも、コストが相当高くなっている場合もあり、今更ながら、時代の変化や、自分のレベルUPに、気が付く事もあります。
特に近年は、円安の関係もあって、道具代の値上がりが続いていますから、あの時のやり方では、もうコストが合わない場合や、入手できない道具もあったりして、似た感じで仕上がる所を探す事が、非常に困難になっている範囲もありますから、その技術は封印しないといけないとなると、心苦しい事ではあります。
皆さんのご利用と、ご意見のおかげで、どんどん成長を重ねてきて、まだまだやれると思う新しい技術の構成もあるのですが、そうではない逆の部分も、ちゃんと考えてはいますよ!というお話でした。
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