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2023年7月

2023年7月31日 (月)

信じて頂けて嬉しいです。

過去には、有名な職人や有名なメーカーの言葉は受け入れるが、それ以外の者からの話は受け入れないという方が多く、どんなに正しいと確証のあるお話をしても、まともに受け取ってもらえない事がありました。

これは正しい事を見定める判断基準が、有名であるという事だけに集中してしまっているのを、明確に物語っていると感じています。

ただこれは多分、過去からそうなのだと思いますから、特別驚く事では無いと思います。

しかし、以前記載した事がありますが、有名になった理由が、優れた技術や知識があったからではなく、商売上手だっただけな場合も多いですし、個人や団体的な職人で見ても、たまたまタイミングや他に比較される事無く、大きく伸びた場合もあったりします。

つまり、本質的な正しい見解や結果は、そこには無い場合も・・・。

そんな中、私はずっとHPやブログを通じて、技術や良し悪しに関して、説明や研究開発のお話をしてきましたが、やはり全体的に見ると、わずかな範囲でしかない方々しか、そのお話を信じて下さらない事もあって、非常に悲しい思いをした経験があります。

それが今年に入ってから急にだと感じていますが、私の発言と技術や知識を信じて、ご利用頂くケースが特に増えてきています。

これは長年変わらずに実用を!と言い続け、方向性を変えずに、世にも流されずにやってきた結果だと思います。

また、お客様の中には、わざわざ一生懸命に外で当方のご紹介を頂き、継続して仕事をして行かれるようにと、ご依頼を作ってくださる方もいらっしゃいますし、そういった方々には、本当に感謝の言葉しかありません。

特に近年の刃物への見解や技術論であったり、それに対する研磨や研ぎなどの技術に対して、大きく賞賛を頂く事も増えています。

今までご利用頂いていた所を批判する訳ではありませんが、大勢で多くの手と目があれば、それだけの結果が出る訳ではありません。

今でも職人の世界は、小さい規模のところの方が、特別な技術や信用を得ている所が多くあり、それらの力は幅広く利用されていますから、決して侮れないと思っています。

これだけ厳しい状況の現代で、この先どこまで生き残れるかは分かりませんが、私が技術に対して思う事は、昔から実用重視で変わりません。

実用が安く簡単だと思っている方達には、今一度、実用が一番結果を求められて、一番難しい仕事である事を、明確にお話しておきたいと思います。

磨いて誤魔化す事もせず、現実的な性能を発揮出来る技術をメインとして、当方では作業をお受けしています。

だからと言って、そこまで酷い見た目になるという訳ではなく、見た目を追い過ぎると性能を劣化させてしまう事を、私は十分に理解しているからこそ、出来たとしてもそこまでやらないというだけのお話です。

この先、まだまだ私には見据えた技術が色々とありますので、是非ご利用を頂く中で、更なる成長を見守って頂ければ幸いです。

信じてご利用を頂く事に、損をさせないだけの技術は、現状でも十分に保持をしているはずですが・・・。

 

2023年7月30日 (日)

ご購入をお待ちしております!

当店の販売品は、あまり手広く行わないようにしていますが、地道に販売は続けています。

特別多く売れてはいませんが、私がすすめているなら・・・と、ご購入頂ける事も多くあるので、大変ありがたく思っております。

在庫限りでの販売のものや、今後新規での販売を予定しているものがありますし、その他としましては、今までの取り扱い品をやめ、入れ替えでの販売を検討しているものもあります。

売れるものを売るのではなく、良品と思うものを売るというのは、今後も変わらずにやって行きたいと思っていますので、是非ご購入ください。

当方でご購入頂いた製品に関しては、使い方のアドバイスや、困った際の対応なども、色々と行っています。

刃物の場合には、切れなくなった際の研ぎや、欠けてしまった場合や、曲がってしまった時の直しなど、総合的に行っています。

また、砥石の場合、面直しや角を削り怪我や刃物に影響しないようにしたり、日本刀用の砥石の場合ですと、4方や2方の反り面付けも正確に可能です。

有料にはなりますが、出来る限りの範囲で対応をしていますので、是非ご利用ください。

最後に、以前掲示をしておりました、彫刻入りの日本刀の販売についてです。

まだ在庫がありますが、日本刀の販売はラスト一振りのみとなり、掲示中ですので、宜しければご購入を頂ければと思います。

 

2023年7月29日 (土)

掲示の準備に入りました。

以前に記載をしました、販売品になれなかった刃物を生かすお話ですが、一本完成しています。

それに関する掲載の準備を、少しずつ進めています。

可能であれば数日内にUP致します。

順次で追加生産はしていきますが、他の仕事の合間に、少しずつ進める形なので、次回はいつになるか分かりません。

また、長い年月で加工をして販売出来る程は、多くの数がある訳でもありませんので、早い者勝ちでの販売にはなってしまうと思います。

直ぐにお使い頂ける状態で、UPをしていきますので、宜しければご利用ください。

なお、メーカー品などで、基準サイズに満たない場合など、刃物自体に問題はないけど、自社製品としての販売が難しい場合や、加工途中だけど品としては良品である場合は、是非ご連絡を頂ければと思います。

廃品にせず、是非世の中の方達に使って頂く形を、わずかでも作って行かれればと思っています。

 

2023年7月28日 (金)

暑さで壊れる?

エアコンや扇風機などが、この時期は壊れる率が高いそうです。

一番使う時期でもありますし、長い時間強く動かしていますから、負担も大きい事を考えれば、致し方ないのかもしれません。

毎年壊れるのではないか・・・とヒヤヒヤしていますが、今のところ、今年は壊れそうな感じはしていません。

まだ暑い時期が続くので、油断は出来ませんね。

さて・・・。

この時期は、刃物の研ぎが楽だと、多くの方がおっしゃっています。

それは、冬のように研ぎ水が冷たくて凍えるような事がなかったり、刃物の砥石乗りが良い事もあります。

刃物に関しては、お湯で温めれば同じ条件になりそうですが、なぜか冬場は研ぎ味が違うおっしゃる方が多いです。

私自身も、同じ刃物での研ぎで、やはりそう感じる場面は何度もありましたから、お湯を使うとかそういう問題では無いのかもしれません。

刃物はまだまだ不思議な事があります。

 

2023年7月27日 (木)

特徴を簡単にだけ・・・

当方では、刃物の研磨や研ぎを行っていますが、誰もが出来る事ではないレベルであったり、他で断られるような内容が、結構多く含まれています。

まず、誰もが出来る事ではないレベルでは、一例として、実用性能としての切れ方の調整であったり、仕上がりの精度、仕上がりの見た目の変更、などが含まれます。

一般的には、基準のようなものがあって、それに準じた加工以外、受けてくれない所が多いですが、当方では様々なパターンを持ち合わせていますので、必要に応じて内容をご相談頂き、作業内容を変更しまして、特注としての作業をお受けしています。

基準となる範囲も、十分にレベルが高いと言って頂けていますが、それ以上を求める方には、別のご提案をさせて頂き、違った作業にする事も可能です。

また、他で断られるような内容としましては、状態の悪い物の直しや、刃物形状の変更など、コストと時間をかなり使うもので、これらは高く金額を頂いたとしても、割に合わない仕事である事から、断られる事が多くありますし、根本的にそのような状態から、直す事が出来ない所の割合が非常に高いので、致し方ないのだと思います。

当方では、板材からの削り出しで、刃物の形状へ作成する事も可能ですので、その技術を生かして、今ある状況を脱するためのプランを、別途作成させて頂きます。

簡単に例をこちらには記載させて頂きました。

その他に関しましても、可能な内容が多くありますので、ご相談頂ければと思います。

 

2023年7月26日 (水)

動き

刃物は自然に動くと言われています。

この「動く」とは、刃の歪(歪)に関する事で、曲がりやねじれなどを指します。

完成から間もなく動く物や、長い年月をかけて、自然に動くものもありますが、研磨や研ぎを行うと、大きく動く事がありますので、その都度で歪取りが必要になります。

つまり、歪取りがまともに出来ないと、まともな研磨は出来ないという事です。

いわゆる安い研ぎと言われる研ぎ屋もどきに出して、状態が悪いままで適当にただ研磨されたものは、軸ズレを起こしていて、もうまともな範囲まで直す事は出来ない事がほとんどです。

あとで後悔をしない為にも、まともな研磨や歪取りが出来る所に、作業を依頼してください。

なお、歪取りは、どんなに上手い方が作業しても、止むを得ない事情で、破損する可能性がそれなりにあります。

異常な曲がりが出ているものは直せませんし、製造時に見えない亀裂が入っていたり、その後の使用などの影響により、内部損傷している場合、歪取りでの割れが出る可能性がありますが、それに関してはどうしようもない事です。

霞や合わせ刃物なら割れないと思っている方も多いようですが、異常に硬く作られ過ぎてしまっているものや、叩いても動いてくれないものの場合、動きそうな所まで攻めると、割れが出る事もありますので、その場合は可能であれば、削りだけで調整する方が良いでしょう。

その代わり、鋼の消耗は激しく、寿命を大きく削る事になりますが、リスク回避の為には、それも一つの手でしょう。

そもそも論を言うと、自然に大きく動く刃物や、削ったり研いだりでの歪の多さが明らかに出るものは、何かしらの問題を抱えていると思った方が良いです。

なぜなら、性能に問題が無い刃物でも、動かない刃物は加工しても全く動かない事もあるくらいなので、変な癖があるという事は、根本の部分に問題があると言えるからです。

 

2023年7月25日 (火)

「業者様向け」募集は継続しています

刃物研磨に関する、業者様からのご依頼に関して、たまにご連絡を頂きますので、改めて記載を致します。

一般のお客様には関係が無い内容となりますので、スルーして頂ければと思います。

ご依頼に関しましては、内容の調整を行いまして、ご希望に添える形の場合、契約により内容を決定させて頂きます。

月に頂ける「刃物の種類、研磨の内容、個数、納期の希望」など、必要な内容を含めまして、お問い合わせください。

必要に応じて、直接お会いしての打ち合わせや、実際に作業する対象に対し、有償の作業サンプルを作成致します。

また、作業に関する機材や道具等は、他社との決め事等も関係していますので、基本的に開示は出来ません。

機材や部材、道具等が別途必要な場合、それらの導入に関する費用も含め、作業代金を算出致します。

なお当方では、契約に関しまして、期間が長く多くで頂けるものを優先しております。

現状では、今後の枠はまだ埋まっていませんので、週に1~2日程度(内容と期間により3~4日程度も可)の作業まで、業者様からお受け出来る枠があります。

宜しければ是非お問い合わせください。

業者様からのご依頼に関する内容は、HPのTOPページ下方に常設しており、そこに大体の内容の記載がありますので、そちらでもご確認ください。

詳細なご相談は、メールにてまずは頂ければ幸いです。

HPの固定ページはこちらです。

2023年7月24日 (月)

日本刀の研磨の内容を更新致しました。

当店オリジナルとなる日本刀の研磨に、色々と内容と価格の変更を行いました。

今回の大きなポイントとしましては、おまかせ研磨に関する部分が特に多く含まれます。

まず、研磨の基本形状の作り方を、居合抜刀用面精度研磨の基準に少し近づけ、より性能を出しやすく設定しました。

この基本部分は、非常に重要でもありますが、状況によっては一部機械作業を含む事がある事や、その先の高精度研磨を含まない事で、どうしても完全手作業との差が大きくありましたが、それを少し削減出来るようになりました。

その先の研ぎも、使う砥石と研ぎ方の改良により、以前より精度は上がっています。

また、価格に関しても、作業時間の短縮の影響により、価格も更に抑え、お得になりました。

なお、こちらのおまかせ研磨に関しましては、常時ご依頼をお受け出来る形としており、混雑が無ければ、1~2カ月程度と変わらずの対応をさせて頂いておりますが、その辺りの変更もありませんので、細かいご要望が無い方や、お急ぎの方には、特におすすめの内容となっております。

その他としましては、日本刀の研磨全体に対してですが、標準としています簡易磨きのやり方を、磨き過ぎる事により、斬れ味への影響が出る可能性の部分を、抑える方向での仕上げ方として、少し変更をしました。

今までよりも、油の弾きが少なく、切断時の摩擦も抑えるよう、肌目の調整を行う事で、歯の入りや抜けも少し良くなったかと思います。

是非ご利用ください。

最後に、以前掲示をしておりました、彫刻入りの日本刀の販売についてです。

まだ在庫が御座いますし、日本刀の販売はラスト一振りのみとなり、掲示中ですので、宜しければご購入を頂ければと思います。

 

2023年7月23日 (日)

是非評価を頂きたいと思います。

ここ数年で刃物研磨の変更は、かなり導入をしてきました。

仕上げ方や切れ方へのこだわりと、実際の実用場面でどれだけ活躍できるかは、使う立場での部分で、お客様からのご意見を含め、導入としてきていますので、大きくズレた内容では無いと思います。

実際に自分自身も使う立場として、色々な研究開発をしていますので、どう誤魔化すかではなく、使った時の良さを多く感じて頂けるよう、方向性を定めていますから、これには変わりはありません。

特に、以前ご利用を頂いた経験のある方には、改めてご利用頂きまして、どう変わったのかを是非評価して頂きたいと思っております。

ご意見の多い方向性の範囲は、だいぶ変更されてきていますから、今では当時より更に良くなったと言って頂けるかと思います。

実際に定期的なご利用を頂いている方達からは、多くの範囲において、進化を感じて頂けてますが、しばらくご利用頂いていないお客様には、かなり大きな変化になるかと思います。

もしかしたら?や、何となく?ではなくて、確実に!という範囲に収まるよう、努力を続けてきていますから、その変化は多くの方に、明確に漢字て頂ける事と思います。

 

2023年7月22日 (土)

新品のような・・・はもうやめましょう!

刃物研磨業界では、新品のような切れ味!のような表現がされます。

これに関して、違和感があるような内容だと感じています。

そもそも、新品状態が良く切れるというのは、一部の業界だけには存在していますが、それ以外に関しては、新品時の切れ味の悪さに、愕然とする方が多いのが事実です。

そこに基準を持たせた表現で研ぎを行う事は、価値があるのかと大きな疑問を感じます。

専門家やプロと言われる方達の中でも、製造方面の場合、一つずつに大きな手を加えられないのも分かりますが、やれない訳ではありません。

実際にそのような形を取っているメーカーや刃物屋さんも、少なからずありますから・・・。

例えば、見た目に関して、新品同様に!であれば、製造時と同じ機材と同じやり方でやれば、そのようになるかもしれません。

しかし、切れ味に関して言えば、製造時のレベルを基準とすると、まともに切れないというのが、切れ味を知る方達の意見でもありますから、新品=凄く良い加工であり凄く切れている!というような話になると、大きな勘違いをする方達も出てきます。

また、以前にも近いお話をしましたが、これだけ欠けていてもこんな一瞬で!みたいな表現をしていた例も、実際に同業の方達からは、お客様から簡単に直せるなら安くしろ!みたいな言い方をされて困ると聞きました。

その欠けだけをただ取るには、機械で刃を潰すだけなので、早い時間で終わるかもしれません。

しかし、その刃を潰した事で、刃先の厚みが分厚くなり、形状や角度などを適切な範囲に戻すまでに、相当な労力を必要としますし、更にそれだけ加工量が増えれば、本来は触らなくても良かった部位まで、削り直しや磨き直しにもなり、かなりの時間とコストを要しますから、まともな説明もなく、一瞬で!と表現されると、分からない方達からすれば、大きな勘違いに繋がる事を、十分に理解して発言をして頂きたいと思います。

これから先、どこまで私達が必要とされるのかは分かりません。

だからこそ、出来る限りの範囲で、お客様に近い存在として、研磨や研ぎをお受けしていきたいと考えていますから、時間をかけて正しい説明をし、刃物や研磨や研ぎの事に関して、理解を深めていく活動というのは、重要だと思っています。

 

2023年7月21日 (金)

刃付けをしないという選択肢

刃物=刃を付けて使うのは、当然のお話ではあるのですが、たまに刃付けをしない状態での納品の仕事もあります。

例えば、出刃包丁の水洗い専用の物は、鱗をかいたりするのに、身に刃が入ってしまう事を避ける為、刃付けを好まない方も多いです。

これに関しては、そんな事ないでしょ?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、刃付けらしい刃付けをしないだけで、刃の基となるところまでは形成されているレベルなので、刃が消耗した状態に近いというのが、正解な表現かもしれません。

全く切れない訳ではないが、簡単には切れない刃を必要とする場面のお話です。

また、日本刀の場合でも、刃引きをしての納品は、比較的多くありました。

型で使う場合に危険回避の為、刃引きをして使用するパターンですが、手や指を守る意味もありますし、鞘を切ったり割ったりしてしまう率を下げられますから、それもありだと思います。

あとは、刃先が出ていると、刀身の損傷にも繋がる事がある為、それを防ぐ意味もあります。

刃先の先は、わずかな事でも損傷する可能性が多くありますから、欠けを作って動作で引っ掛かりを感じるような事になるよりは・・・。

他には、刃物をスクレーパーのように、こそぎ落とすような使い方をする場合、刃よりも角が必要になるので、その角を形成だけするというのもあります。

研ぎ=刃付けではなく、このような感じで、刃を付けないという選択肢がありますが、だからと言って、研磨や研ぎを行わないのではなく、適切に刃をコントロールすると思って頂けると、分かりやすいかもしれません。

 

2023年7月20日 (木)

お盆期間中にご来店予定の方はいらっしゃいますか?

表題にあるように、お盆期間中のご来店予定の方はいらっしゃいますでしょうか?

豆ねこが裏方仕事の影響で、お休みを頂く可能性があり、表が使えなくなるかもしれません。

そうなると、接客室へのルートが無くなり、入店できなくなりますから、当店だけの為に入り口を開け閉めしての対応が、出来なくなります。

予め、ご予約のお話を頂いてあれば、その日は出来る限り被らない形で、営業をと思いますので、お早めにご予約のご相談を頂ければと思います。

多分数日内に予定が決まりますので、間に合わなかった場合には、どうぞご了承くださいませ。

 

2023年7月19日 (水)

値下げしました!!!

   先日改めてUPしました美術品となる日本刀の販売品ですが、それについての記載を忘れていました。

更新時に金額もかなり下げましたので、だいぶお得になったかと思います。

手元にありますので、即取引可能です。

日本刀を入手する場合、日本刀と登録証を組み合わせての売買となり、所持者変更の手続きを行うだけで、誰でも所持が可能です。

あとは、普段の保管管理や、最低限度のメンテナンスを行うだけで、特に難しい事はありません。

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2023年7月18日 (火)

安易にお受けてしている訳ではありませんので・・・

とんでもない状態の刃物の研磨や研ぎを、当方では出来る限りお受けしているお話を何度も書いてきましたが、最近も少し書きましたね。

その件について、少しお話をと思います。

・他でばっさりと断られた!

・そこそこ刃物の知識はあるが直すのは無理だと思ってる!

・異常とも言える高額請求の話をされ諦めた!

・加工を受けてくれたが途中で作業を中断されそのまま返された!

・有名な所に出したがグチャグチャにされて戻ってきただけで直っていなかった!

など、この手の内容から、当方へ助けを求めてこられる方も多くいらっしゃいます。

先日も書きましたが、面倒なだけで時間とコストがかかり、リスクも高い為、儲からないと判断をして、お断りされるケースが多いと思いますが、そもそもそういった状態のものを、加工した経験がない所も多いので、単純に受けられる技量が無いのもあると思います。

といった感じで、今までのお話の流れと、ここまではあまり変わりませんが・・・。

本題に入りますと、こういうお話を書きますと、何でも受けて貰えると、勘違いをされる方もいらっしゃるようです。

実際には、シビアにお話をさせて頂き、何度も念押しをするくらい説明と、ご依頼のご意思のご回答をお伺いしてから、お受けするような形なので、決して安易にお受けする訳ではありませんから、軽く考えないで頂きたいと思います。

そもそも、その状況のものを、直せたとしても直す事は、容易ではありませんので、時間もコストも相当かかりますから、金額は相当高くなります。

他の仕事に影響しない程度に、少しずつ進める形になるので、納期も未定になります。

納期も金額も同じレベルでお考えであれば、そもそもお話を持ってきて頂いても、こちらがお受けする事はありませんので、その辺りは十分にご理解を頂ければと思います。

なお、こういったご依頼のお話の際には、十分に注意事項をお伝えし、ご納得を頂いてから、ご依頼をお受けします。

正直、何があるのか分からない訳ですから、こちらもリスクを負う事は出来ませんし、保証は一切つけられません。

また、場合によっては、途中で大きな問題が出て、この後どうするのかというのを、ご相談する必要性が出て来る事もあります。

状況確認から、色々な見解と可能性をお話し、それに対して少しでも渋い反応が少しでも見られる場合には、後にクレームを言われても困りますので、お断りさせて頂く形になります。

いいからやってくれ!出来るかだけでも試してもらえれば!くらいに、どうにかしたいというご意思があり、是非という反応がある方の場合には、こちらも出来る限りを尽くして作業をさせて頂きます。

 

2023年7月17日 (月)

研磨や研ぎは簡単ではありません!

プロですから簡単に・・・とか、一瞬で・・・みたいに、適当な事を言うような業者も多くいます。

それらの影響を受けるのは、他の業者や職人です。

その内容を読み解いていくと、実際は一瞬で終わるはずもなく、終わった物はとんでもなく酷い状態で、私からしてみると、まあこのレベルなら確かに一瞬で終わるよな・・・と、笑ってしまうような程度の話です。

以前にも記載をしましたが、機械を使えば何でも早い訳ではありません。

そのまま仕上げるのであれば、確かに早い場合もありますが、当方のように、その先で大きな手作業を行う事がメインの場合、機械の何倍も何十倍も時間のかかる作業が待っている訳で、機械作業を含む場合でも、あくまでも下作業でしかありませんから、そこから手での合わせや調整も含み、まだまだ加工は前半の半分も行けば良い方です。

そして、機械を使うと必ずズレが出ますから、それを調整していく為に、手作業での時間を多く使います。

完璧と言えるような機械があったとしても、刃物は熱処理された鋼であり、加工で動きが必ず出るので、それを調整するには、手で研ぎながらの調整になります。

特別レベルの高い機械を使い、完全に固定して、完璧な動きで加工を行えたとして、なぜそれが業界に導入されないのか?

また、それっぽいものが導入されていても、それが高く評価されないのか?

その辺りを考えて頂ければ、答えは見えて来るかと思います。

まともな仕事をと思うと、そんなに楽で簡単では無いからこそ、職人が必要な訳で、ただの作業員では出来ない仕事です。

 

2023年7月16日 (日)

身につくという事

技術職は身についてこそ・・・と良く言われますが、それは単純で表面的に見られる事がありますが、私はそうではないと思っています。

例えば、決まり通りの仕事を、決まり通りに行う事。

それはそれで、しっかりと作業が出来ている事になるでしょう。

しかし、基本的な部分で、構造体にばらつきがあったとしたら?

それに対して対処する事は、相当難しい事となります。

あくまでも決まった条件の中で、決まった物を加工するだけなら、誤差範囲に収められる可能性は十分にありますが、そうではない事が多い場合、それを理解して加工を行えないと、全くの別物になってしまいます。

もちろん、どうしようもないような基本であった場合、基準に近づける事すら、難しい場合もありますから、それは除外しますが、そういう事も視野に入れつつ、加工をしなければならないのは事実です。

全く問題が無いものであれば、見なくても加工ができるくらいまで、レベルを上げる事は可能だと考えますが、それも一つの熟練の技ではあります。

バラつきがある中で、少しでも良くしようと加工を行おうと考えたり、実際に加工を行う事と比べ、同じようなやり方と考え方だけでは、良くしようにも、悪化する可能性が高くなりますから、それは身についたとは言えないと考えます。

正直な所、どうして・・・て思うような状態のものや、他で断られたようなものも、当方には依頼が来る場合がありますが、可能な限りは対応をしています。

こういうものは直せないと、単純に断られたり、細かい話をすると、面倒だからと断られる事も多いと思いますが、一番は時間の無駄が多く、儲からないという考えになるでしょう。

それと、あとでクレームになるのが怖いというのもあると思います。

その手の物を、当方でお受けする場合、必ず注意事項やあらゆる可能性の話をしますが、それらを理解した上でのご依頼であれば、出来る限りを頑張って作業させて頂きます。

時間と労力と技術と見解と、それらをきっちりと相談と理解をした上で、ご依頼先を決定なさってください。

断られる事に理由がある事は、もちろんしっかりと考える必要性もあります。

 

暑すぎる・・・

クーラーと扇風機を駆使し、頑張って日々作業を進めていますが、それでも地熱を感じる程で、暑さでかなりバテています。

毎年何度も書いている事ですが、昔から夏は苦手で、活動量が極端に減りますが、今年はやらなければならない事が重なりすぎてしまい、何とか必死に作業をしています。

しかし、冬場と比べると、それでも作業の進みは悪いのが現状です。

また、暑さによる体力の消費が著しい為、普段より休憩時間と睡眠の時間は、多めに取るようにしていますが、なかなか回復が難しいです。

私の行っている作業の場合には、筋肉と頭を使うので、ずっと汗が引きません。

体の芯から暑くなってしまい、熱が逃げなくなるので、冷えるまで非常に時間がかかるので、休憩はちょっと座って終わりではなく、なるべく冷やし切るまでやります。

色々と遅れた作業もありますが、頑張って進めてはいますので、順番での納品をお待ちください。

 

2023年7月15日 (土)

新しい研磨

数年に一度、大きな研磨内容の変更を、順番に加えていますが、いくつかの更新待ちとなっています。

細かい物は、こっそり変更済みだったりしますが、お客様にとって悪い内容ではないはずなのと、特別大きく変わらない部分が多い場合は、このようにこっそり更新になります。

大きな更新は、内容の変更に関して、告知を行っていますので、情報をご確認頂ければと思います。

多分数か月に渡って、色々な更新が入りますので、その都度ご確認をと思いますが、中には値上げの話も出てきますので、変更までの期間を長くご用意できない刃物もありますので、何かしらの刃物研磨のご依頼をご希望のお客様は、お早めにお申し込みを頂く事をおすすめ致します。

なお、販売品の一部では、交渉次第になりますが、金額を変更が出来る物もあります。

個人売買品や日本刀など、ご興味がある方は、まずはお問い合わせください。

 

2023年7月14日 (金)

情報の速度

当方で一番情報が早いのは、このブログになります。

多くはツイッターやインスタに移行していますが、私が直接更新をしているものとしては、このブログが最速です。

新しい情報があれば・・・と、たまにお声がけを頂く事もありますが、個別でのご連絡は、基本的に行っておりませんので、ブログでの更新内容を頻繁にご確認頂くのが、最短の情報の入手となります。

今月か来月に、大きな更新も予定していますので、その内容のUPに関しても、こちらのブログで告知を致します。

ものにより、数量に限りがある物も、今後は色々と出てきますので、お見逃し無いように!

1点物だと、時間勝負になる可能性もありますが、その辺りはご了承ください。

 

2023年7月13日 (木)

再入荷します!

しばらく売り切れとなっていました、豆ねこママ(三徳)ですが、明日入荷の予定です。

そこから刃付けやその他加工のお時間を頂きますので、土曜か日曜から、再度販売を再開できるかと思います。

なお、入荷数は僅かな数となり、入荷を予約待ちのお客様もいらっしゃいますし、豆ねこの方でも販売をしていますので、早期に売り切れる可能性もあります。

豆ねこ包丁シリーズの入荷状況は、現在不定期となっており、次回の入荷は直ぐに入って来るか、数か月先になるか、全く分からない状態となっていますので、どうぞご了承ください。

続きまして、最終販売となる中華包丁についてです。

こちらはメーカーにももう在庫はありませんので、当店のこの一丁で終わりとなります。

当時、ステンレス鋼での販売が主となっており、特別に作られたうちの一つだそうです。

細かい情報が残っていませんが、花梨瘤のハンドルを作っていたのは、相当前になりますので、その期間に製造をされたものです。

状況としましては、保存状態が良いので、表面の仕上げ直しと、ご希望に合わせた刃付けだけで、出荷が可能となっており、これだけ状態の良いものは、もう残っていないと思いますので、かなりのレアだと思います。

最後に、以前掲示をしておりました、彫刻入りの日本刀の販売についてです。

まだ在庫が御座いますし、日本刀の販売はラスト一振りのみとなり、掲示中ですので、宜しければご購入を頂ければと思います。

 

2023年7月12日 (水)

硬すぎる・・・

最近仕事で研いだ和包丁が、異常に硬すぎました。

機械での削りも全然進まず、手研ぎでも砥石がほぼ乗りません。

たまにこういうのが依頼で来ますが、作業はかなりきついです。

そう考えると、一般のお客様がこれを研いで使うのは、ほぼ無理でしょう。

特別硬い鋼材でもないので、硬く焼きすぎ(焼き入れと焼き戻しの問題)だと思われます。

良い刃物と言えるものは、少し硬め~まあまあ硬めに多いとおっしゃる方もいらっしゃいますが、ここまで硬いとなると、もう自由に研いで使える感じではありません。

良いとされる硬さに入っていないものは、多くが組織があまり良くない感じのものが多いと思います。

研ぎを頑張って、しっかりと研ぎきっても、性能は出ないとなると、やはり必要な硬度に収める事は、非常に大事な事なのかもしれません。

硬い話ばかりですが、基本的に柔らかい系は、性能が極端に落ちているケースが多いので、そちらももちろん注意です。

 

2023年7月11日 (火)

完成形はどこにあるのか

研ぎは決まった形でやる刃物以外、完成形がありません。

それぞれの思う研ぎをし、使われていますが、私達はそうもいきません。

それなりに定番となるような研ぎがあり、それぞれのオリジナルがあったとしても、基準を完全に捨て去るような研ぎは、やるべきではないと思っています。

その理由は、標準的な部分に、いずれ戻す可能性がありますが、それが出来なくなるからです。

あまりにも改造をするような研ぎをし、製品の初期に近い状態にしようと思っても、もう直せない事がほとんどですから、そうならない為には、特別なご要望でもない限り、基本とされる部分をベースにしたまま、アレンジを加えた研ぎをご提供する事が多くなります。

完全に基本と言われるものは、時代遅れな内容も多かったりしますし、近代の砥石や修正、目立てなどの研究結果から、出来る事も増えているので、それらを駆使する事で、より可能性のある研ぎをご提供出来るようになっています。

当たり前を当たり前にやる事は、とても難しいので、それをしっかりクリアしてから、それ以上良くなるようなアレンジを含めています。

改善は理想ですが、改悪は絶対に避けなければなりませんので、正確な情報をお伝え頂ける色々な方の意見を、しっかりと含めて改善をしています。

 

2023年7月10日 (月)

熱中症は大丈夫ですか?

先週くらいから、急激に暑い日が続くようになってきました。

用事での外出が増えており、その都度、外を歩かなければならない事もあって、熱中症の症状が出る事もあります。

昔から何度も書いていますので、こちらのブログをご覧頂いている方は、またか!と思われるかもしれませんが、私は昔から夏に弱く、外の暑さに耐えられません・・・。

仕方なく外で何かをする事はありますが、出来る限り避けたいという思いです。

症状で良く出るのは、頭痛や汗が止まらなくなるなど、その辺りですが、場合により数日続く事もあります。

しかも、治ってきたかな?と思っても、また追加で熱中症の影響を受けるので、また悪化してしまいます。

これを繰り返していると、本当に色々やられてしまいそうですが、避けられない用事がほとんどなので、致し方ない事と思って、なんとか乗り切ろうと頑張っています。

いつかきつい症状になって、休まないといけなくなる事もあるかもしれないので、そうならないように、極力無理はしないようにと思っていますが、そもそもが暑さに弱いので、どこまで今年は耐えられるか・・・。

 

2023年7月 9日 (日)

最近見かけなくなった

販売品としては存在していると思いますが、いざ買おうと思ったら手に入らなくなっているものが結構あります。

念入りに探して、ようやく売っている場合もあるのですが、本当になくなってしまったのか・・・。

更に調べていくと、メーカーでは商品のラインナップに含まれていても、ネットでの販売が見つかっていないだけであったという事もあります。

多分、売れないからという訳ではなく、さほど出ない物は、過去のように在庫販売をしているお店が、減った事も理由だと思います。

正直な所、ネットでの販売は、多くが1円でも安くして売ろうとするような、低価格競争化していますから、それに勝てないと思うと、販売を辞めてしまうケースもあると思っています。

実際に、どこで買っても同じ製品で、特に説明や保証問題が特別でなければ、安い方が助かるという気持ちは分かります。

ただ、サービス内容が異なる場合や、個別での人的才能の違いによる製品や技術の場合、そういう訳にはいかないので、金額で決めずに、必要な内容を如何に盛り込むのかを、優先させた方が良いと思います。

安く済ませようとして、結局は買い直したり、技術を別の所に依頼しなければならなくなる事もあるので、大きな損失になります。

話しが反れたので戻しますが、手に入らなくなっていた製品の、6~7割程度は、入手方法を見つけていますが、それ以外はもう諦めなければならない状態になっています。

これが仕事で使うものだと、非常に困ってしまう事もありますし、本当に大きな問題です。

近い物で、同等かそれ以上のものが見つかり、価格も同じ程度であれば、そちらに変更する事で、問題は回避する事が出来ますが、唯一無二のようなものだった場合、どうしよう・・・と本当に困ってしまう事もあるので、是非同じ製品を作り続けるという事は、続けて頂きたいと思います。

 

2023年7月 8日 (土)

多分ギリギリ

現在、諸事情により、色々と行動に制限がかかっています。

止むを得ない理由なので、その辺りはご了承ください。

納品ものは、全体的にだいぶ遅れており、納期はギリギリになるか、遅れる場合もあるかもしれません。

個別の連絡をしている時間が無いので、こちらのブログでのご連絡とさせて頂きます。

 

2023年7月 7日 (金)

面白い発明

私は今まで、素人時代から、現在のようにプロになってからも、色々な面白い発明をしてきました。

その一部は、無償で企業や職人に情報としてお話をし、製品の中に生かして頂いたり、新しい製品として生まれたものもあります。

こういうお話をすると、特許でもとっておけばいいのに!と言われる事がありますが、そこで考えつく事は、他にも誰かしら考えている可能性がありますし、そういった価値よりも、製品化や機能性のUPに繋がり、それが世に早く出る事の方が、意味があると思っていますので、自分の事よりも世の中に役立つ事を考えています。

ただ、刃物研磨や刃物の研ぎなど、製品というよりも、技術的な部分での開発は、人には簡単に教えません。

それは大きな財産であり、苦労した末に得られた結果で、莫大な時間と労力とお金がかかっているからです。

一部の良い所だけを簡単に得ようとすれば、それは楽で確実かもしれませんが、それまでの色々な研究の中から、良し悪しを理解しての開発になるので、実際は結果だけを見ても、理解できなかったり、その意味を感じ取れなかったり、その作業自体を出来るようにはならない可能性があります。

何事もそうですが、段階がありますから、一歩ずつ進んだ結果、そこにたどり着けるようなものも多く、最後の結果だけ拾おうとしても、それを理解したり、技術としてそれを得る事は、まず難しいです。

それなりに長く、その事を教わり続け、ノウハウを得られたら、ようやく身につく可能性が出て来るので、それだけの覚悟があり、そこに価値を感じる方にしか、教えない事にしています。

それらを知ると、こういう場面でどうしたら良いのかも、一緒に繋がる形が見えてくるので、失敗から学ぶ成功へと、未知が開けると思います。

簡単なコツとか、そういうレベルの話ではないので、根本論から解決をするには、基本からの学びと、こういった頭と体の両方での理解が必要になります。

 

2023年7月 6日 (木)

頑張りすぎないでください!

前にも同様の内容を書きましたが、改めて。

刃物の状態が相当悪くなってから、修正の依頼を頂く事があります。

正直な所、もう手遅れであったり、直すのが相当大変な場合も多く、金額と納期は長くなります。

まだ直せる範囲なら、なんとか・・・とおっしゃる方も多いですが、金額の問題で諦める方も。

安いからといって変な所に出して、致命傷になる事も多いようですから、まともな作業が出来る所に依頼をして、状況の確認を正しくして頂き、作業まで進めるべきかどうかの判断をしてください。

大きな修正は、かなりの手間がかかり、生産時よりも時間を要する場合もあるので、決して安くは出来ません。

購入をし、研いで使い始めて、ある程度経った頃には、おかしい場合も感じられるでしょう。

その時、何がおかしいのか、早めに確認をしてください。

そのまま様子見になるか、早めに調整や直しを入れるか、そうすればその先の刃物の活躍度は、大きく変わると思います。

違和感を感じた時に、刃物が悪いのか、砥石が悪いのか、自分が悪いのか、まともな見解と技術を持つ方に聞けば、それは解決出来るはずです。

なんとかしようと研ぎを無理に進め、むしろ直せなくなる事は、大きな損失になります。

特に高額刃物の場合には、勿体ないがまず来てしまいますね・・・。

一般的にやってはいけないと言われている事は、まずやらないでください。

それをやるには、どこまでならやっても良いのかを、十分に知ってからやりましょう。

そこには重要なポイントが含まれている可能性が高いです。

 

2023年7月 5日 (水)

工業の世界でも不安定はあります

刃物は手作りより、工業製品の方が!と、過去に思った事があります。

実際にそういった声も多くなるほど、手作りの不安定さが目立つ事も・・・。

工業製品として生まれて来る刃物は、全く同じで完全に安定しているのか?と聞かれれば、答えはNOです。

鋼が同ロットでも、熱処理のばらつきはそれなりにあります。

細かく知ると、その中での当たり外れもあるので、刃物選びは本当に難しいです。

当たりに近づくには、それ相応のリスクも必要だと思えば、ローリスクを狙いたいと思うでしょう。

その為の行動としては、いいものが欲しい!と言ったところで、それが手に入る訳ではないので、ある意味運任せです。

2023年7月 4日 (火)

どうしてこうなるのか・・・

必要なのは悩む事です。

自分の思うように、研ぎが出来ないとおっしゃる方は、そこに何が原因となっていて、それを解決できないのか、それを知る必要があります。

刃物自体に問題がある場合と、研ぎ自体に問題がある場合と、両方に問題がある場合があります。

もしくは、全く問題がないのに、問題があると思い込んでしまっている方も、稀にいらっしゃると思います。

何がダメで、何が良いのか、というだけではなく、それらをどこまで許容し、受け入れられるかで、妥協点も必要だと思います。

満足を100%に近く得るには、相当な努力と勉強や研究をし、研ぎを自分のものにして、安定して表現できないと厳しいですから、満足とは何かを、考えてみるのも良いでしょう。

 

2023年7月 3日 (月)

芸術は目指していません

お客様から、綺麗に仕上げて頂いてありがとう!と、良くおっしゃって頂いています。

研ぎの痕跡のズレや、総合的な傷汚れなど、それらは上位の研ぎでは出来る限り取り除きますので、元々の状態からすると、かなり綺麗にはなりますので、まともに仕上げているという意味では、それに対しての成果を評価して下さっていると思っていますので、大変ありがたく思っております。

しかし私の中では、最高位までは綺麗にしていません。

出来る限り、目の揃えはしようとやっていますが、芸術性を高める為だったら、もっとやりようはいくらでもあります。

では、出来るのになぜやらないか?ですが、そこまでやると、性能や使い勝手を落とす可能性が高いからです。

今まで色々な研磨や研ぎを学び、研究開発してきましたが、何をどうやっても、性能を出せる範囲と仕上げでの見た目は、比例しない事は分かっています。

完全体と言えるような見た目の為には、細かい傷や段を取っていきつつも、精度を維持しなければなりません。

しかし、それが兼ね備えられた研磨や研ぎは、今まで一つも見た事が無いのは、私はそういう理由だと考えています。

その為、「仕上げは出来る限り最低限度で性能を維持」というのを、メインに考えています。

見た目が欲しいとおっしゃる方には、別項目でご用意している刃物も多くありますが、少しだけ見た目を良くすると、性能が変わらないか、ほぼ変わらないか、の状態になり、それ以上の見た目のUPは、性能低下の可能性が十分にあります。

綺麗にすればするだけ、金額は高くなりますし、性能も損なわれ、その見た目の維持も大変になるのであれば、直ぐに戻せるレベルで十分だと、私は考えています。

それぞれ、性能を引き出す意味で、仕上げを変えていく事もやっていますが、それは面白い試みだと考えています。

この辺りは、実際に研磨と研ぎをしつつ、使用してテストを重ねた結果なので、あり得ないくらいの時間を要して、丁寧にやれば、性能が落ちないとか、そういうレベルの話ではない事だけは、明確にお伝えしておきます。

何事も、丁度良い頃合いがあって、それ以上をやる事は、場合によっては無駄になるという、良い例ではあると思っています。

 

2023年7月 2日 (日)

もう少しで終わります・・・

長期に渡り、かなり苦労をした作業が、あと少しで終わります。

今までに例が無いレベルでは無かったのですが、最終的な結果に繋げる為には、どうしても余分にやらないといけない事が多くありました。

そこをクリアするまでに、一番の時間と労力を使い、ようやく終盤に入っています。

他の作業と並行して進めていましたので、余計に時間がかかったのはありますが、単発で作業をしていたとしても、通常の何倍もの労力と時間を費やしていた事は、確実ではありますが・・・。

やり方次第で、早く簡単に終わらせる事も出来ます。

しかし、それをやってしまえば、結果には繋がらないので、うちでは一番重要な部分としている、性能という結果を求める為に、とんでもない遠回りをしているので、致し方ない事です。

金額や納期ではなく、うちだから出来る作業は、色々な範囲に存在していますが、今回のこの件も、もちろんその一つです。

 

2023年7月 1日 (土)

どのくらい必要か?!

刃物が生きる環境作りを、私はかなり前からご提案しています。

刃物単体だけをどんなに良くしても、使用する条件が揃わなかったり、使い手の意識の問題で、必要なレベルで管理されない場合、その刃物は性能を生かし切れず、悪い評価になる事もあるからです。

刃物はどんなに頑張って作られて、どんなに良い研ぎをしても、そこまでの結果を、その後の使用や管理の場面で、全て潰すような事もあります。

良く言われる、使い手次第とは、この事だと思っています。

ただ上手い下手だけではなく、どこまで刃物という道具に対し、意識があるかどうかで、それを強要する訳ではなく、望むレベルに合わせ、扱いを変えていきましょう!という意味です。

もし、刃物に不満があって、どうにかしたいという方がいらっしゃれば、刃物や砥石の購入、研磨を含め、是非ご相談ください。

刃物の状況が物語る結果が、そこには見えてきますので、どうすれば良いのかをご説明いたします。

私は良い事には、あまり着目をしません。

なぜなら、当然のように良いものは、まともな範囲で使えば、安心して使える良いものだからです。

しかし、悪い物に関しては、悪い部分を見つけない限り、結果に繋がる事はありませんので、悪い方を特に重要視してみています。

良かった悪かったの話しは、まともに理解をしてこそ、その良し悪しが正しいかどうかが決まります。

その判断をする前に、まず判断をしてよい側にいるのかは、自ら知っておく必要性はあると思っています。

 

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