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2023年7月26日 (水)

動き

刃物は自然に動くと言われています。

この「動く」とは、刃の歪(歪)に関する事で、曲がりやねじれなどを指します。

完成から間もなく動く物や、長い年月をかけて、自然に動くものもありますが、研磨や研ぎを行うと、大きく動く事がありますので、その都度で歪取りが必要になります。

つまり、歪取りがまともに出来ないと、まともな研磨は出来ないという事です。

いわゆる安い研ぎと言われる研ぎ屋もどきに出して、状態が悪いままで適当にただ研磨されたものは、軸ズレを起こしていて、もうまともな範囲まで直す事は出来ない事がほとんどです。

あとで後悔をしない為にも、まともな研磨や歪取りが出来る所に、作業を依頼してください。

なお、歪取りは、どんなに上手い方が作業しても、止むを得ない事情で、破損する可能性がそれなりにあります。

異常な曲がりが出ているものは直せませんし、製造時に見えない亀裂が入っていたり、その後の使用などの影響により、内部損傷している場合、歪取りでの割れが出る可能性がありますが、それに関してはどうしようもない事です。

霞や合わせ刃物なら割れないと思っている方も多いようですが、異常に硬く作られ過ぎてしまっているものや、叩いても動いてくれないものの場合、動きそうな所まで攻めると、割れが出る事もありますので、その場合は可能であれば、削りだけで調整する方が良いでしょう。

その代わり、鋼の消耗は激しく、寿命を大きく削る事になりますが、リスク回避の為には、それも一つの手でしょう。

そもそも論を言うと、自然に大きく動く刃物や、削ったり研いだりでの歪の多さが明らかに出るものは、何かしらの問題を抱えていると思った方が良いです。

なぜなら、性能に問題が無い刃物でも、動かない刃物は加工しても全く動かない事もあるくらいなので、変な癖があるという事は、根本の部分に問題があると言えるからです。

 

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