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2023年8月 1日 (火)

ご希望に沿えるかどうか・・・

日本刀研磨は、特別に多くの数が来るわけではありませんが、ご意見は特に多く集まる刃物の一つです。

その中で多いのは、作業内容よりも金額面のお話です。

折角ならまともに安心して使える状況にしたいとおっしゃる方が多く、そこは外したくないので、当方にご依頼のお話が来るケースが多く、金額が安いからではない事がほとんどですが、お得な「おまかせ研磨」でもまだ高いというお話になる事もあります。

おまかせ研磨は、歪取りを行いつつ、常識の範囲内の修正研磨や拵の簡易修理を含み、簡易磨きと刃付けまで、おまかせ内容でのみ、ご依頼をお受けする内容です。

それぞれのサイズにより、金額は異なりますが、全部込みでの内容として考えると、自分で利用する事を考えても、これはかなりお得だと思います。

当方のメインの日本刀研磨となる、「居合抜刀用面精度研磨」に比べると、色々な面で劣る部分が多くありますが、それでも一般論として考えると、実用性能をと思う範囲は、おまかせ研磨でも十分含まれてはいます。

良くある居合研ぎとされるものの多くは、刃先だけ丸めて整え、表面を美術研磨のように綺麗目に仕上げてある例を多々見て来ましたが、これは斬れなくなる問題にしかなりません。

そもそも、斬れ味に関係ないとしても、まともな美術研磨が30~40万と言われているのに、5万前後で受ける内容の中に、綺麗に整える研ぎを含めたら、まともに仕上がるはずもありませんよね・・・。

どこを削減するかと考えると、実用の場合には、形や刃付けに関して、最低限度のラインというものがあると考えていますから、それを下回った時点で、まともに斬れなくて当然です。

当方では、実用に対しての仕上げを考えた場合、ただ見た目への満足を付け足すのは無意味と判断し、整形修正と刃付けを一番時間とコストをかける場所に位置付けています。

元々がまともな研磨の物がほぼ無いので、そこから歪取りや修正整形を行う時点で、かなりの時間がかかりますし、その先の研磨でも、ズレの調整をしていきますから、実はこの手の下地や形作りが、一番大変で難しい範囲であり、そこを特に大事にする場合、その時点で金額は高くなります。

色々と考えた中で、総合性能としての発揮が出来るようにするには、当方が掲示している金額はかかると判断して、現状での最安値としています。

ただ、これでもまだ、金額的に厳しいという声がある事は、理解をしていますので、更に金額を下げた内容が作れるか、今後検討はしたいと思います。

あとは、私自身の考えや必要とするラインの中に、研磨を作れるかどうかの問題が大きいです。

かなり厳しい選択になるかもしれませんから、頑固な私が受け入れられれば可能かもしれません。

なお、「居合抜刀用面精度研磨」の歪取りや、修正整形に関する範囲は、更に上のレベルを狙って行っていますし、面の構成も良くしていますし、特別枠となる上級者向けの「斬れ味重視」に関しては、総合的にシビアな設定と特別な技術を含める事で、より一層、明確な斬れ味や性能特化の研磨とさせて頂いていますので、是非そちらもご利用ください。

元々私が得意な範囲として、実用の理解と実際の使用経験を経て、研磨の開発を行っている部分がありますので、他との差別化はかなり明確に出ていると思います。

日本刀の場合、形で斬る部分と、刃で斬る部分があり、それらの融合を狙いながら、上級の実用研磨をご提供しています。

他刃物で培った技術を、色々と日本刀の研磨にも盛り込む事で、性能を生かす事を見据え、計算と構成を変えられるというのが、幅広く深くで勉強と研究をしてきた当方ならではです。

一つの刃物の世界だけしか見て携わっていない方達には、間違いなく真似が出来る内容ではありません。

 

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