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2023年9月

2023年9月30日 (土)

研磨さえ良ければ・・・

お客様が刃物を購入されて、直ぐに当店へ研磨のご依頼を頂くケースが、結構あるというお話は、過去にも記載をした事がありますが、今回もその系統のお話です。

刃物を購入して直ぐは、良い状態でそのまま使って不満が無いレベルのモノは、ほとんど存在していません。

その理由は、機械加工による製造が基本となっている事や、そこまで研ぎと言われる範囲に、コストをかけていない事が挙げられます。

また、それっぽい事をやっていても、実際にはそこまでのレベルではなく、多少改善された程度であったり、残念な事も多いと言われています。

最悪の場合、いわゆる研ぎは受けて貰えず、機械加工として、刃物の初期化作業しか無く、新品のように戻ったとしても、あくまでもそこレベルで終わりになるので、求めているのはそういう事ではない・・・と、かなり苛立つ方もいらっしゃいます。

私が良くおすすめをするのは、まず購入時点で、そのまま使えるかどうか、試して頂く事です。

使ってみて、ご自身が今まで使ってきた刃物と比べ、どう違いがあるのかや、そのままでどこまで使えるのかは、多少なりともまずは感じ取っていただきたいです。

また、研ぎがされたものであったとしても、最上級を求めない範囲としてみて、まだ不足があるかどうかは重要です。

不足を感じたら、改善をどうしたいのかを考えつつ、ご依頼を頂ければと思います。

2割程度と結構な割合で、構成を最初から作り直す必要が出て来る事もあります。

その場合、歪取りから入り、全体的な削りによる加工と、手研ぎと合わせた精度や研ぎやすさの改善を行い、最終的に刃付けをするような形になるので、かなりの大掛かりな加工になります。

研ぎがされていないにしても、ご自身で研ぎを行って、どうもまとまりが出なかったり、上手く研げないと感じる場面が出て来る場合、なぜそのまま研いでもダメなのかというと、つまりこういう事になります。

刃の性質が悪くない事は結構多いのですが、結局研磨が良くないので、研ぎにくかったり、まともに研げなかったり、刃というものが作りにくい条件になってしまっている訳ですから、その為の改善は、削り直しから入る研磨とまともな手研ぎとなります。

厳密に考えると、固定器具などを使った加工が行われれば、正しく形が作れると勘違いをされる方も多いのですが、もちろん何も無ければ、そのように加工が出来ます。

しかし、業界でその手の加工や、全自動による機械加工で、精度の出た研磨が出来ない理由は、刃物が動く事にあります。

刃物は熱処理され、緊張感を持っている金属ですし、それぞれの部位が支え合っています。

それらのバランスが崩れたり、元々熱処理でのムラなどがあれば、全て加工時に癖として出てきます。

つまり、そういった加工を正しく行おうとしても、行えないのが事実としてあるので、これなら大丈夫という事はありません。

そうなると、かなりの精度を持たせる歪取りを行う能力や、機械加工で自由に造形出来る技術など、それらが必要になりますが、残念ながらその辺りはかなり難しい技術ですし、加工にかなり時間もかかるので、多くが流れ作業的に行われ、一つずつに対しての時間と技術とコストを盛り込めないというのもあるでしょう。

その理由は、刃物を購入する際に、少しでも安くと思われる事が多いからです。

刃物にコストをかけ、研磨にコストをかければ、それだけの製品が完成しますが、そうできない理由もあったりします。

簡単にだけ説明をしましたが、研磨の範囲をメインとした考えの中で、刃物を改善に導く為のお話ではありましたが、色々な事が関係しているという事を理解した上で、どこに研磨や研ぎを出すのか、良く考えてみてください。

実用品である刃物は、実用品としての研磨や研ぎが必要になります。

その事を理解し、どれだけの考えを持って、その刃物と向き合うのかで、かなり良い刃物ライフが送れると思います。

私自身、自分で使う刃物は、もちろん基本的に自分で研磨をし、研ぎを行っています。

その中で色々な加工をし、色々と試していますが、余程の無理な事や、冒険をし過ぎない限り、市販のそのままより、明らかに良い状態で使えていますので、まずは基本構成を変え、そこにレベルの高い研ぎをしっかりと行う事で、こうして刃物を使う事に対し、ストレスを無くす事が出来る事は、自らが体験をしている事です。

色々と苦労をされている方であれば、特にこのお話は良く分かる事だと思いますので、是非ご相談ください。

内容次第にはなりますが、改善するケースがほとんどなので、決して損にはならないと思います。

 

2023年9月29日 (金)

やはり正解で間違いありませんでした。

家庭用包丁の研磨の「三徳、牛刀、ペティ」でご利用頂ける、おまかせ研ぎに対して、導入をした研磨と研ぎですが、今回は特に評価を高く頂いています。

これは、私の中では今までにない考え方を含め、作業の確実性もあり、切れ味が明確に出やすく、永切れにも繋がるという、良い所が多くある研ぎに完成しています。

切れる事とは何なのか?!と、改めて考えた結果、これが良いのではないかという結論に、今は繋がりました。

強度を考えると刃は持ちますが、その代わり切れ味や使い勝手に不備が出やすく、切れ味ばかり考えると、刃持ちが最悪になる事もあります。

もちろん、使い手によって、大きく変わるお話なので、同条件の刃物と同条件の研磨があっても、完全に同じ話にはなりません。

またいつか、考えが変わったり、結果が良くなる方法を見つけるかもしれませんが、現状ではこれが一番良いと考えています。

毎年何度もご利用を頂いている方は、変化に気付かれると思いますが、初めてのお客様でも、当店の研磨にお出し頂いて良かったと思って頂けるでしょう。

今までの研磨だと、鋼材や硬度により、加工にばらつきが多少でていましたが、今のやり方ですと、かなり安定します。

この安定の意味が、酷いレベルではなく、使用に影響が出るようなものでもないのですが、一定の考えの中で見ると、多少あったというだけのお話です。

その影響が出るのは、一般のお客様で言えば、毎週研ぎを行ったとして、数か月~数年後と、まさに将来の可能性論の事で、今すぐどうこう問題が起こる話でもないので、気にされる方はほぼいらっしゃらないと思いますが、私は隠す事無く、普段からお話をお伝えしていますので、自分で思う所ではそうであるという事は、お話をさせて頂きます。

 

2023年9月28日 (木)

簡単そうで難しい

かなり人気がある(?)話題の一つに、小刃のお話があります。

小刃付けと呼ばれたり、小刃研ぎと呼ばれたりで、固定的な名前はありませんが、小刃を付けるという意味で、大体通用するでしょう。

その小刃についてですが、まだまだ誤解をされている方が多いです。

小刃の研ぎとは、極小サイズのものを指し、段刃を指している訳ではありません。

また、小刃研ぎばかり続け、研ぎにくいからと、ガタついた状態で研いだものは、多くが丸っ刃と言われる状態になってしまっていて、特にその恩恵はありません。

小刃としての効果が大きいのは、下地をしっかりと作る事です。

ベタ研ぎではなく、軽いハマグリ刃程度で構成された面に対し、少し角度を付けて軽く数往復だけします。

それで刃が付かない場合、基本となる面の研ぎが出来ていないので、正直やり直した方が良いでしょう。

そこで必死に刃付けをしようと、ひたすら多く研ぎ続けると、段刃が完成します。

では、その小刃の存在は、かなりシビアなのではないか?と、良くご質問を頂きますが、その通りです。

良く言われているような、小刃で刃を付けるというお話は、いわゆる研ぎの逃げでしかなく、私が良くお伝えをしている小刃は、あくまでも研ぎの補助的に、確実性や切れ方を大きく損なわずに、刃の耐久性を上げる意味があり、それで何もかもが決まる訳ではありません。

ですから、小刃について、ちゃんと学びたいと思ったら、面の構成や、安定した研ぎを基本とする為に、面修正をしっかりとしながら砥石を使ったり、均一に研ぎやすい砥石を使うなど、それなりの努力をしてから、最後の最後で、小刃に移るという形でなければ、何も生かせません。

大袈裟に聞こえるかもしれませんが、そうでなければ、小刃を付ける意味も無いというところでもあります。

この小刃のお話は、細かく色々と見ていくと、本当に難しい内容が多く含まれていて、これで性能を決定する訳ではないのですが、あまりにも間違った情報として、小刃の事ばかりが前に出てしまっている例も多く、皆さんが勘違いをされないように、何度でも記載を致します。

研ぎは簡単な部分と、そうではない部分があります。

確実に研ぐという意味では、小刃は脇役でしかないので、まずは面の構成などから、きっちりと作れるようにしましょう。

完璧を求めないにしても、研ぎの基礎となる構成が、ちゃんと出来ていると思えるレベルの方は、そう多くはいらっしゃらないので、如何に研ぎが上手く出来ていないのかです。

色々とおしいと思える方が結構いらっしゃいますが、どこから何の情報を仕入れ、それを自分の研ぎに変えるかで、その先は大きく変わります。

間違った情報を受け入れ、方向性を誤ってしまうと、戻って来れない所に行ってしまう方も多いようですから、十分にご注意ください。

 

2023年9月27日 (水)

安全対策として、好みに合わせて

刃物の使用で、怪我をされた事は、皆さん大体の方はあると思います。

その理由は、使い方が悪かったか、変に力を入れてしまっていたか、他に気を取られてのたまたまだったなど、色々あると思います。

特に手を切った経験がある方の多くは、包丁に集中しています。

その包丁の研ぎで、子供用として、切先やアゴを丸く削る事も、当店では行っています。

そんな事をしたら、切先の使い方や、アゴの使い方が学べないじゃないか!と、思う方もいらっしゃるとは思いますが、まずは大きな怪我にならないよう、使い方を学ぶ意味では、これはありだと考えています。

子供用としてでは無くても、切先は特に使わないし刺さったら危ないから・・・や、アゴはこじって使いたいし叩いて傷みやすいから・・・と、刃をあえて落としたり、丸く削り取るなど、そういったご希望がたまにありますので、その方に合わせての加工は、このように行っています。

それにより、安心して使えたり、使い勝手が上がるなど、良い点も多くなり、その方に合った包丁に変化をしていると思います。

切れ方に関しては、真っ直ぐに刃が使えない方は、刃の欠損やまくれに繋がる可能性がある為、ある程度の鈍角気味に刃を仕上げたり、刃先をあえて分厚くしてから、鈍角刃を付けるなども、有効ではあります。

その場合、気持ち良い切れ味であったり、食材を傷めにくい切り方とは、少し方向性は異なりますが、それにより、損傷を回避出来たり、永切れする部分はあります。

結局、包丁の研ぎの多くは、基準があるにしても、包丁の性能や作りが一定化されていない事を考えると、こうしてカスタマイズをして使う事で、その方に合わせていく事が、実は正解なのでは無いかと考える部分があります。

それは絶対にやめた方が良いです!と、私が言い切るような内容以外は、許容範囲内に性能は収まると思いますので、必要に合わせて、研磨のご依頼の際に、ご希望をお伝えください。

※おまかせ内容などでのご依頼の場合には、あくまでおまかせでの対応となり、個別のご要望にはお答えできませんので、ご注意ください。

 

2023年9月26日 (火)

日本刀の斬れ味重視をご利用のお客様よりご報告を頂きました!

当店の常連で、日本刀研磨の初期段階より、ご利用を頂いているお客様より、研磨後のご報告を頂きました。

今回ご利用を頂きましたのは、居合抜刀用面精度研磨の「斬れ味重視」となり、私が研磨を行う中では、完全に上級者向けとしていますが、現状で一番の斬れ味と斬り抜けを計算した研磨となります。

以下、全文をそのまま転載致します。

 

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昨日やっと斬り稽古が出来まして

先日研ぎ上がった刀を試すことができたのでご報告いたします。

先ず

この前お話しした通り、この刀に関しては数年前までの記憶しか無いため

感覚に関して詳細には覚えていないので不確実な部分もありますが、

昨日の感じだと以前よりも確実に抜けが良く使い勝手が上がったように感じました。

何太刀かは、あたかも間合いを読み違って当たらずスカしてしまったかのような軽い切れ味と抜けの良さが有りましたので驚いたくらいです。

あとはどれだけこの性能が持つかだとは思いますが、それはこれから定期的な斬り稽古を重ねながら見てまいります。

素敵な研ぎをありがとうございました☆

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このようにご報告を頂きましたが、狙って開発をし、色々と調整を多く行う特別な日本刀研磨としては、まともに結果として表れていると思います。

色々と今まで、日本刀研磨を行ってきて、私が自ら試して来た部分と、特に上級の腕をお持ちのお客様からのご意見を含め、完成させたのが、この居合抜刀用面精度研磨の斬れ味重視です。

ただなんとなく、研ぎを変えた感じではなく、部分ごとのバランスや形状などの構成も含め、厳密に調整を行い、色々と変更も加える形で、腕に追い付く日本刀に仕立てるのが、この斬れ味重視です。

管理はシビアに行いますので、作業には納期と代金が多く必要になりますが、その分、確実に今まででは表現できなかったレベルへと、変化を加え、それを維持していく事も可能です。

これは、過去に本当研磨をご利用頂いた方々が、年々進化を感じて頂けた以上に、これまでにない飛躍的な違いだと言えます。

私自身、過去から記載をしてきましたが、重度の腰痛持ちの為、身体を大きくひねり、力を加える事が出来ません。

その為、軽い力と、最低限度の動きで、どれだけ斬れる状態を作れるのかを、ずっと研究してきましたが、年々進化を続ける中で、現状では最高レベルの所まで、引き出す事に成功をしました。

日本刀の性能と、使用者のレベルも、この研磨には必要となる部分がありますので、上級者向けとしての設定をさせて頂いていますから、斬り損じが多かったり、負担が多くかかる斬り方をする方には、不向きとなりますが、繊細で丁寧に、かつ早い動きに対して、この研磨は邪魔をする事無く、性能を引き出せるようになります。

大袈裟な話ではなく、これは実際に可能な内容です。

世の中の一般論が、私の研磨の考えや結果として、検証を行ったものと異なる事もあるため、当方がお話する事を、信用されない方もそれなりにいらっしゃいますが、色々な刃物の研究をしてきて、それを表現する技術があるからこそ、この研磨は完成された事です。

ですから、同じような事をしたところで、計算が分からない方達には、決して真似が出来ない内容となっています。

私は昔から、形状を見ただけで、部位ごとに刃物の断面図を頭で描けるので、それを使いながら、設計を行っていきます。

これはいわゆる特殊な能力だそうですが、線や面だけではなく、立体図も見る事が出来るので、様々な角度からのサーチで形状を見つつ、手のセンサーで重さのバランスなども感知しながら、こういった想定を研磨に盛り込む事が出来ますから、この時点でただ研ぎが出来るとか、そういうレベルでは出来ない事は、ご理解頂ける事と思います。

今後も、私にしか出来ない設計の研磨を行い、皆様の負担軽減や、ストレス回避になればと思っていますので、是非ご利用ください。

金額以上の価値を、感じて頂ける事と思います。

当店の日本刀研磨のページはこちらからどうぞ。

2023年9月25日 (月)

新しい砥石の販売開始!!!Rock Star!

私が日頃から良く使用しています、砥石メーカーのシャプトン社が、新しい砥石の販売を開始しました。

その名も「Rock Star」です!

Rockstar1 

Rockstar2

まさに砥石の中のスターになれるよう、名づけられたのであろうこの砥石は、なんとなく見覚えのある方もいらっしゃるでしょう。

短期間のみ国内では販売をされていました、硝子砥石がベースとなっていますが、強化ガラスの砥石ベースは無しになっていて、その分、砥石の厚みが、5mmから1cmに変わっています。

それと、過去には砥石ケースは存在しておらず、当時は刃の黒幕シリーズなどのケースを使用していた方も多かったと思いますが、今回はステンレス製の専用ケースが用意されています。

商品は、砥石のみの販売と、砥石+ステンレスケース付きの、2種に大きく分かれています。

砥石の#は・・・

・#320

・#500

・#1000

・#2000

・#3000

・#4000

・#6000

・#8000

・#10000

・#16000

となっており、日本国内のみ販売可能品となります。

あとは、オプション品として、砥石を安定させて使える「硝子研台」と、砥石の面修正に適した「硝子修正器」があります。

以前の硝子砥石としての販売では、Sと表記をされた、鋼品に合わせた別色の砥石も存在しましたが、今回それはありません。

また、過去に存在していた、#120、#220、#30000、硝子盆は、ラインナップにはありませんので、ご注意ください。

改めて、この砥石の特長をお伝えしますが、例えば刃の黒幕シリーズとの比較で言うと、「繊細」という一言になると思います。

刃の黒幕シリーズは、#ごとに特徴や相性を考えて作られている感じでしたが、この砥石は砥粒の無垢であるかのような、#相応の繊細さを持っており、仕上がりは刃の黒幕より、全体的に細かく感じられるでしょう。

また、砥石自体の減りは、かなり少ないと言われる刃の黒幕以上に、更に少ない状態となっており、寿命は長いです。

どのような方におすすめなのか?と聞かれたら、研ぎに繊細さを求められる方や、仕上がりに均一性が欲しいという方に、特におすすめです。

通常使用の砥石としては、珍しいくらい研ぎ目が揃っていますから、今までの砥石に対するイメージとしては、#によりますが、倍くらい細かいと想定しても、過言では無いと思います。

そして、個別の特徴的なものは、特にありませんので、必要と思う荒さと、それに合わせた段階的な研ぎを考え、#を揃えられると良いと思います。

私は過去からお伝えをしている内容として、出来ればシリーズでの段階的な研ぎの使用をおすすめしますが、最後の仕上げやその手前くらいから、この砥石を使うだけでも、かなり性能は発揮出来ると思いますので、まずはそれでも良いと思います。

なお、HPでの販売としてのUPは、もう少し先になりますが、このパンフレットをご覧になられて、そこからお選び頂き、ご注文をお受けできますので、ご購入をご希望の方は、お問い合わせください。

メーカー在庫があれば、数日内に入荷致します。

※当店はシャプトン社より画像の使用許可を直接頂いております。

 

2023年9月24日 (日)

使いやすい刃物には自然に手が伸びます

刃物を沢山お持ちの方や、今まで多くの刃物を使ってきた方の多くは、全てを均等に使う訳ではなく、使う刃物がある程度決まってきます。

それは、どうしても好みであったり、使いたいと思う気持ちが強く出る為で、他のモノがいらないという訳ではないはずです。

性能が気に入っている刃物は、切れ味や永切れ、研ぎやすさなど、普段の管理の事も含めつつ、使いやすいと思う部分が多くあると思います。

性能の良し悪しは、業界のプロから見た場合の答えと、使い手側としてのプロや素人などで、色々と異なる事も多いです。

その為、何がその人にあった刃物なのか?!を、見つけていく事が必要だと考えます。

私が思う良い刃物は、日頃のメンテナンスを含め、扱いやすい事が前提ですから、研ぎやすく、切れ味が出やすく、永切れしやすいモノは、自然に高評価となります。

人に研ぎを無償でやってもらえるなら、自分では研げないけどこれ!というのは、数多く存在していますが、この刃物の性能が良かったとしても、また次に研ぐのが嫌だな・・・と思ってしまうと、今の状態維持を考えてしまうので、結局はあまり使わなくなるかもしれません。

研ぎ修理での依頼は、色々な方面から来ますが、特に硬く研ぎにくいモノの多くは、面から研ぐ必要のある刃物でも、刃先側だけをひたすら研ぎ続け、どうしようもなくなって、依頼で来る事が多いです。

つまり、一般論として考えて、普段研いで使えるモノではないという事になります。

そういう刃物はかなり市場に増えましたが、加工修理をする側からしても、その手の刃物の削りや磨きであったり、研ぎの大変さというのは、かなり残りますから、お客様がご自身でと思った場合、それ以上に苦労をされるのは、目に見えています。

ですから、研ぎやすいという事は、一つ重要なポイントでもあるのです。

鋼類は色々と存在していますが、自分での研ぎなども含め、その先でどういった苦労があるのかも、良く考えて購入をなさってください。

どうしてもそれでなければならない理由があれば、もちろん必要なモノだと思いますが、そこまでの耐久性を手に入れても、その分研ぎの時間やコストが多くかかるようでは、維持をする事は相当大変になりますし、私は無理にそういったモノをおすすめする事はありません。

使い手側の意見として、私も刃物は見ていますから、良いモノの基準というのは、その方がどう感じるのかを、大事にして販売をしています。

これは、どの刃物でも、お客様が自ら研いで使用するものの場合、同じような考え方になります。

ちなみに、現在、当方で加工を行った刃物の販売に掲示のモノは、研ぎに異常な苦労をしない程度の硬度設定なので、まともな砥石をお使いなら、問題なく研げますし、サビにも強いので、おすすめです。

今後、他のモノも製品化して販売をしますが、今のところは、うちにある刺身系の和包丁の素材の中では、一般的に売られているモノと比較をして、標準的な厚みや形状に近いですし、かなりお得だと思います。

この先、別のモノも色々と入荷出来る予定がありますが、まだ形状や材質などは確認できていません。

いずれにしても、V10無垢の本焼で、まともな形に出来そうなものは、さほど数はありませんし、かなり貴重にはなるでしょう。

正直な所、いくつか加工品の中から、将来の為にと自分用に取っておこうかな?思っているくらいなので、それくらいの安心感があります。

 

2023年9月23日 (土)

体調は相変わらずですが・・・

8月からの体調不良ですが、まだ色々と状態が悪い部分が残っています。

でも、やる気だけは十分にありますので、とにかく回復次第かな・・・と。

作業中で止まってしまっていたものは、先々週より再開をしていますが、進みは昔程ではないので、まだ時間はかかるでしょう。

それでも進められないよりは、確実に少しずつ進んでいるので、まだマシだと今は思うようにしています。

今年はやる事が色々と出来てしまい、手が付けられない部分が多くなりそうですが、頂いているお仕事自体は、進めていきます。

いくつか新商品のUPをしないといけないのですが、そちらはなるべく早めにUPを致します。

 

2023年9月22日 (金)

良くも悪くも

情報は良い事も悪い事も知る必要があります。

100%良い事ばかりではないにしても、悪い部分を知ってそれを使えば、悪い部分の事は気にならない場合も多いからです。

一般的な宣伝や謳い文句は、良い事しか言われていませんので、それを使う事によるリスクを知らず、購入してから後悔するというお話は非常に多いです。

良くあるのは粉末鋼など、超硬系の刃物ですが、硬いとは聞いていたけど、一般的な砥石で普通に研げると思っていたのに・・・と、その後の研ぎでの苦労や、別の砥石を用意しなければならなくなるなど、そこまでは考えていなかったという所でしょう。

砥石も刃物も、それぞれに対し、良し悪しをちゃんと理解してから、購入をしましょう。

丁度良い所というものが、一般的にありますが、そこから違ったものは、必ず何かのプラスがあれば、まいなすも存在します。

それが軽い事であれば、さほど問題にはなりませんが、自分にとって重い事だったら?

そう考え、購入は慎重に行ってくださいね。

当方では、良し悪しのお話をお客様からご質問があった場合、良い事も悪い事も、ちゃんと素直にお伝えをしていますし、それに対する回避策があれば、それも合わせてお伝えをしています。

 

2023年9月21日 (木)

研ぎが辛い方へ・・・

近年、硬い刃物が増え、上手く研げれば良い結果になるけれど、簡単に研げなくて困っている・・・とおっしゃる方もいらっしゃいます。

そんな時、当店で販売を行っています、NSK工業の焼結ダイヤモンド砥石が、かなりおすすめです!

多くの#(メッシュ、番手の事)のラインナップがあり、必要な#にダイヤモンド砥石を導入する事により、研ぎの速度が何倍も変わります。

特に荒目の方面は、なかなか研ぎで辛い部分が多いと思いますから、荒砥~中砥を導入する事により、かなり楽になるでしょう。

一部ではありますが、サンプルや私が使用中のものもありますので、ご来店頂ければ、実際にお試し頂けます。

刃物の研ぎ部の構成がズレている場合、ちゃんとした検証は出来ない可能性が高いので、面直しをした砥石で正確に研がれた刃物を、出来ればお持ちください。

自信がない場合は、研磨のご依頼ついでに、砥石のご購入を頂く形の場合、予めお送り頂いて簡易的な研磨まで行っておきますので、その状態までやっておけば、研ぎのテストは十分出来るでしょう。

その場合、研磨は100%終わらせていないにしても、作業の途中までは一度行う事になりますし、その後は、再度削り直して仕上げまで進めてお渡しをしますので、2度手間にはなってしまいますが、折角の砥石の性能を、正しく理解して頂く意味では、こういった事も必要だと考えています。

刃物や砥石の検証は、過去から色々と行ってきていますが、条件が悪い物と条件が悪い物を組み合わせてのテストでは、何も結果が見えて来ません。

そう考えると、将来的な事も見据えて、刃物もまずが一度直しを行い、それと状態の良い砥石を組み合わせて、検証をして頂いた方が、違いは良く分かると思います。

正しい面となっている砥石に、正しくない面の刃物を当てると、一目瞭然となりますから、状況が悪い事が明確になってしまいますし、そうならない為の研ぎの事も、学んでおくと良いと思います。

研ぎ教室では無いので、細かい所まではご説明出来ませんし、お教えする事は出来ませんが、最低限度の範囲として、悪い部分は知る事が出来ますから、それは大きな進歩に繋がると思います。

 

2023年9月20日 (水)

教わって出来ますか???

研ぎの技術を教えて貰いたいと、結構ご連絡を頂く事がありますが、研磨や研ぎのお仕事の商用利用の方に関しては、有料での対応とさせて頂いています。

一般的な研ぎとして、刃物や砥石をご購入頂いた方には、簡単な所までは、ご説明をさせて頂いていますが、それ以外の奥深いお話は、現在対応をしていません。

色々と研ぎの事が心配になり、教わればそれなりに出来るようになるのでしょうか?と、ご質問を頂く事がありますが、ちゃんとした技術を持つ方に、ある程度の期間で教わって、それに関する勉強が出来れば、多くの方が研ぎをそれなりのところまでなら、出来るようになると思います。

ただ、その期間や時間であったり、それ以上のレベルなのかは、実際にやってみないと分からないと思いますし、特にレベルの高い作業になると、時間さえかければ出来る訳ではありませんから、その先は才能や努力の問題になるでしょう。

仕事で使う刃物をご自身で研ぐ場合、適当で良い訳ではありません。

最低限度のラインまでは、やはりちゃんと出来ないと、形が崩れたり、まともに研ぎが出来なくなって、面や研ぎの構成がグチャグチャの状態になり、大掛かりな修復的な研ぎの依頼をとなってしまいますので、ある程度のレベルをキープ出来るくらいは、学んでおくと良いと思います。

また、研ぎの事を仕事にする場合、それ相応の技術を持つ方から教わらないと、それなりのレベルの事は理解できないと思います。

周りに何となく見えている技術は、ある程度の領域の方からすれば、通過点でしかないレベルですから、本当に優れた内容をと思うと、表に出る事はなかなかないです。

色々な所でやっている技術は、基本の考えは大体同じですし、やり方も近いものがあると思いますが、誰がやるのかや、誰がそれを教えるのかで、意味合いは大きく変わりますから、教わる相手を間違えると、その先の可能性を潰してしまう事もあるのが、技術の世界の怖い所です。

 

2023年9月19日 (火)

ハマグリ刃のお話

以前に何度か書いた事がありますが、今日は違う視点で、ハマグリ刃について書いてみたいと思います。

ハマグリ刃をご存じない方の為に、少しだけ簡単にご説明をしますと、和包丁などで、研ぎ面「切刃(きりは)、刃先から鎬までの間の砥石で研ぐ面の部分」に対し、砥石にべったりと付けて研ぐのがベタ研ぎで、丸みを付けて研ぐ事をハマグリ刃と呼びます。

正式には、ハマグリの貝のような膨らみを指しますが、全体的に丸みがあれば、一応ハマグリ刃と呼ばれます。

そのハマグリ刃の調整について、ご相談を頂く事がありますが、ベタ研ぎの切れ方に慣れた方は、ハマグリ刃はまず軽めの所から始めると良いと思います。

あまり急激に、研ぎ面に丸みがある物を使うと、違和感を感じられる方もいらっしゃるからです。

また、適材適所として考えられるハマグリ刃は、出刃のように硬い素材相手だったり、叩くような刃の場合、結構丸みを強くする方が多く、薄刃や剥き物包丁のように、幅が合って鎬が高い位置にある包丁の場合には、比較的丸みは抑える方が多いです。

これは、強度と切り込みや切り抜けに対する事を考えた場合です。

素材で考えた場合、柔らかい物には、丸みは強めでもあまり影響はなく、硬い物相手の場合には、丸みは控えめにする事が多いでしょう。

その理由としては、柔らかい素材は押し開きに対し、素材が動いてくれますから、問題がありませんが、硬い素材の場合、丸みが強いと、食材が割れてしまう為、あまり膨らみを強く出来ないという理由もあります。

ここで問題になるのは、先ほどの強度や切り込みの話と、素材による適正の話では、強度の部分で話が合わなくなります。

つまり、刃物の研ぎの難しい部分は、この辺りにあります。

どんなに薄く弱い刃でも、綺麗に上手く刃を動かし、丁寧に使う方の場合には、全く問題が出ませんが、一般的にはそうもいきません。

また、丸みが強く、強度の高い刃の場合には、雑に扱っても大丈夫だと思っている方が多いですが、実際にはボロボロになった刃の状態で、研ぎ修理の依頼が来る事もありますので、実際にはそれだけで強度は大丈夫とも言えません。

包丁の基本的な性能や強度と、使う方の環境や対する食材、使い方の部分の影響なども考慮し、研ぎを構成していくのが、誰にでも出来る事ではありません。

どんな刃物でも、同じ形状であれば、同じ削りと研ぎを行うようでは、ここまで考えた調整は出来ませんので、かなりの知識と経験が必要です。

何より、いつもお話をしていますが、その刃物をそれなりのレベルで使える腕が無ければ、その研ぎが良いかどうかの判断すら出来ませんし、やはり使う事から覚え、プロと同じか近いレベルでその包丁の事を語れないと、それだけの事は出来ません。

そっくり同じに見えても、全然違う研ぎになっている事があるのは、何かが違うとすれば、そこにあるのは、こういった知識や技術の差だと思います。

私は過去に調理師経験者で、高級懐石をやっていましたから、そういった意味での信用は、非常に高いかと思います。

その他刃物に関しても、最低限度として、その仕事に関する技術の事も、学んで使えるようにして、その研ぎを学びましたから、もちろん使えない研ぎになどはしません。

 

2023年9月18日 (月)

正しい事は正しい

日頃から、間違った情報が多いとお伝えをしていますが、刃物や砥石や研ぎなど、色々な部分に対して、疑いを持つようになってくれた方々も多いです。

少しずつではありますが、私の研磨や研ぎに信用をして下さり、話も信用してくださる方が増える事は、本当にありがたいですし、嬉しい事でもあります。

こんな小さな一人が発信する情報ですが、一人でも多くの方に届き、間違いに気付いて欲しいと思っています。

今一度お伝えをしますが、ほとんどの情報は、間違っていますし、正しいと言い切れる情報の多くは、ほとんど表に出て来ていません。

素人が勝手に考えたり、どこかで仕入れてきた内容をネタにして、それが正しいかの判断も出来ないまま、情報が出されている事が多いからです。

またプロの世界でも、間違っている事や、出来ていると思っていても、全くできていない事も多くあります。

似た物でも、それは大きな違いな事もあったりしますし、そういう所まで見極められるようにならないと、本質には気付きません。

一番の近道は、信用出来る方とお付き合いを持つ事ですが、多分、それが一番難しい事でしょう・・・。

私はスタート地点が、信用が出来る方で、素直に真実を伝えてくださる方でしたから、私は道を間違わずに来ました。

ある時から、信用出来る人の意見以外は、私は聞かないようにしていますから、誰とでも仲良く出来る訳ではありませんが、そのおかげでどんどん正しい方向へと進めてきたと思っています。

 

2023年9月17日 (日)

切れ味への勘違いが多数見受けられます

刃物の切れ味の話しで、多くの勘違いの話があるので、正確な情報をと思います。

それぞれ、切れ味に関するお話は、本当に何かを切る場面の中で、その切れ味という意味を考え、良い刃かどうかを判断します。

これは大前提として、当たり前の話です。

それ以外で、紙などの切断テストの話が良くありますが、これはあくまでも補助的な話でしか無いのですが、紙切りで全てが決まるような感じで考えている方はかなり多いようで心配です。

そもそも、紙が凄く良く切れる話をしたところで、それは何をどう切る時にどれだけ作用する刃なのか、理解をしていない例がある為、紙の判断はあくまでも簡単な判断をする意味でしかないというのは、念頭に置いて下さい。

紙だけを素晴らしく切れた所で、その刃がどれだけ実際に使える刃になっていて、どれだけ刃が持つのかを考えると、理解は出来るかと思います。

私が過去から刃のテストでとお話をしているのは、多くがコピー用紙ですが、その理由に、同じ紙を注文して使えば、ほぼ同等の性質を確認出来るという意味からです。

新聞紙は薄く切りにくいというお話もありますが、実際は繊維がスカスカで、最低限度の条件をクリアーすると、意外と切りやすい事や、不純物や砂や土などが表面についている可能性があるため、清潔で袋出しで条件が一致するコピー用紙を選んでいます。

中研ぎ以上であれば、新聞紙を当たり前に切れない時点で、問題外だと思います。

コピー用紙の話に戻りますが、その中でも、まあまあ薄めで密度が安定しているものは、状況が分かりやすく、正確な判断がしやすいです。

格安品よりは、少しだけ良質な紙の方が、かなり整っていますので、切れるときと切れない時の差は、結構分かりやすいでしょう。

切れる切れないと言っていますが、切れて当然が前提であり、綺麗に切れるか、切りにくいか、切りにくい箇所があるか、が正解のお話ですので、切れないの?という感じで、くだらない捉え方で思わないでくださいね。

そして、切れる切れないではなく、わずかに引っかかる感覚が明確に分かりますから、ピンポイントで見えない刃の欠落も分かりますし、研ぎは出来ていても、刃の厚みや刃の荒さの違いなども、部位ごとに細かく判断出来るので、ただ切れる切れないを見ている訳ではありません。

そもそも、切れる切れないだけでの判断は、意味は全くないので、色々な事を理解してから、紙でのテストをした方が良いと思います。

更に、紙を切る事だけに特化してしまうと、その刃は必ず細かい方面に向かいますが、私は細かければ切れる刃というのは、作用領域が狭く、切れ味の永切れにも繋がらない為、細かくし過ぎない事や、あえて荒目に仕上げる事で、切断の速度を速めるなど、そういった事まで考えるのが、刃の本当に必要な部分だと思っています。

過去にもお話をしましたが、この紙をこうして切れますか?や、この素材をこうやって切れますか?みたいな話は、紙を切る事に特化させるなら、なんとなくで適当に研いでも、私は普通にできます。

実際に、そういう意味が分かっていなかった頃に、良く言われているような事は、大体の事はやりましたので・・・。

その意味を理解すると、そこではないというのは、分かる事ですから、今はこういった質問があっても、基本的にまともに相手にしません。

以前にもお話をしましたが、なんとなく研げるくらいから、まともに研げる域に入り始めると、段々と細かい刃を求めたくなりますが、細かい刃に行きつくと、そこが頂点ではない事に気が付くはずです。

それに気付かず、ずっとそれだけをやっているのは、そこ止まりの考えと技術である事になってしまうので、ある意味では残念にも思えてしまいます。

そして、それぞれの刃物のそれぞれの切断物に合わせ、適材適所で刃のコントロールをする事を、細かく分析してから出来るようにしていきますから、10段階ある中で考えると、細かいだけの刃を求めるのは、下から3段階程度の話だと考えています。

そこをクリアーするのも大事だとは思いますが、確実に自分の手をぶれさせずに、研ぎが出来るようになっていけば、早い段階で可能にはなります。

こういった意味は、当店をご利用で、色々とお話をし、実際にご依頼を頂いている方々は、ほぼご理解を頂けている事と思いますから、あえて言う必要もないでしょう。

また、荒さと細かさと、それだけで刃を考えるのも、そもそもおかしく、刃の入りや抜けなど、そこまで計算をしなければ、刃先の意味すらも無くなってしまいます。

良く言われるのですが、私が整形や修正を行ったものは、切りやすいとお話を頂きます。

これは、全体の形成技術や、必要な要素をそこに考えて作業行っている事と、刃付けの意味を理解して、必要な刃を付けている為です。

何か一つだけでは、その切りやすさは生まれませんから、あくまでも総合的な知識と技術が必要であると、ご理解を頂ければ幸いです。

おまかせでも良いですし、細かいご注文を特注として頂ければ、それに合わせた作業プランをお作り致します。

それなりの刃物とそれなりの研ぎが揃えば、なかなか出会えない刃物となっていくと思います。

 

 

2023年9月16日 (土)

新しい商品を検討中です

このところ、入荷の問題が多くなっており、販売する機会があるのに、商品が売れないという事が、だいぶ前からかなり増えています。

このままだと、売るものが無い状態になってしまうので、色々と商品の入荷先の追加や変更なども、今後は検討をして行こうと思っています。

販売の機会を失う事は、損以外のなにものでもありませんし、それよりも、お客様が直ぐに欲しいと思っても、入手がいつになるのか分からないという事では良くないので、出来る限り在庫で直ぐにお使い頂けるようにと考えています。

お待ち頂く期間は、一般的な範囲で考えると、限界が半月だと考えています。

折角ご購入を検討頂くお客様に、良いものを早くお届け出来るよう、商品の販売にも、より一層力を入れていきたいと思っています。

 

2023年9月15日 (金)

下地と仕上げをしっかり!

研ぎでしっかりと失敗の無い刃を形成したいと考えた場合、研ぎのどこの段階でも、適当は絶対にだめです。

例えば、下地だけ頑張る方や、仕上げだけ頑張る方が、良くいらっしゃいますが、それだどそれ以外の事が影響して、研ぎは成功しません。

研ぎは全ての段階が、良し悪しに影響すると思ってください。

特に、刃先だけではなく、面の研ぎから行う必要がある刃物の場合、段階的な研ぎがしっかりできていないと、仕上がりは決して良くなりません。

傷が面に残るのは、さほど影響しませんが、刃先に傷が残ると、それは荒傷が消える時まで、その部位の刃は荒れる事になります。

このくらいいいだろう・・・と思っていると、大きな問題に繋がる事もあります。

また、何をやってもちゃんとした刃が付かないと、おっしゃる方もいらっしゃいますが、その原因が何なのか、早い段階で専門家に見て貰ってください。

その刃物の鋼材、使っている砥石の種類や#、普段の研ぎ方、など、それらをちゃんと説明し、刃物を見て貰ったり、実際に研いで確認をしてもらえば、研げない理由が分かると思います。

いわゆる格安刃物の場合には、良い鋼材を使って、良い造りをされている訳ではないので、そこに期待をする事だけは、無駄だと思ってください。

 

2023年9月14日 (木)

硬い砥石は有効なのか

砥石の好みは人それぞれだと思いますが、特に硬い砥石を好まれる方は、どのような事を目的として、その硬さを選んでいるのか・・・。

砥石は表面の砥粒が外れたり崩れたりして、新しい砥粒を出す事で、研削性や研磨性を出しています。

これを自生作用と呼びますが、この自生が遅いものが硬い砥石で、とぎ汁が出ないもの程、硬いと思えば分かりやすいでしょう。

硬い砥石の利点は、一般的には、砥石の減りが少ない事で、面の崩れが少ないという部分です。

その分、研磨力は低く、あくまでも面の保持優先とされています。

それでも柔らかめの刃物相手なら、刃物への食い付きが多少増えますから、自生は促されますし、とぎ汁もある程度は出るかもしれませんが、硬いと感じるのは変わりません。

あとは、面直しだけではなく、目立てをしてから研ぎを行う事で、研ぎの進行を早める事が出来ますが、硬い砥石の場合、その目立ての部分が終わると、その先は自生が促されない場合も多く、その都度、研ぎ味が落ち始めたら、面直しや目立ての必要性はあると思います。

なお、一般的に普通と言われる硬度物や、ある程度硬めのものでも、面修正はそれなりに頻繁に起こなった方が良いです。

それは、面の減りがそれなりにある為です。

硬い砥石の場合、減りがほぼ無いという事は、面修正は研ぎに致命的な精度の問題を発生させます。

つまり、面修正が十分すぎる程の精度を出せていないと、その面の通りに刃物は形を合わせて行きますので、高精度での修正が出来ない方は、硬い砥石を使うのは、やめた方が良いです。

逆に、柔らかい砥石は、どんなに精度良く修正を行っても、その精度を維持したまま、研ぎを続ける事は不可能なので、使用中に頻繁な修正が必要になります。

簡単に硬い砥石がどういうものなのか、他の硬度の話も含めつつ、お話をさせて頂きました。

正直な所、そこまで硬い砥石を使うメリットは、ほとんど無いと考えています。

それなりに硬めの砥石でも、密度が高い砥石の場合、そこまで明らかな減りが一気に来る事は無いので、全体をまんべんなく使うつもりでいれば、それで精度はそれなりに保持されますし、研ぎ味は十分に良い状態は確保され、更に面直しも大変ではありません。

硬い砥石は、どちらかというとデメリットの方が多いと思う部分がありますが、この辺りはお好みでご選択ください。

なお、今回のお話の中に、ダイヤモンド砥石は含まれていません。

2023年9月13日 (水)

決まり事はありません

研ぎのやり方で、これが「基本なんですよね?」や「こうしないといけないんですよね?」と、おっしゃる方は非常に多いと感じています。

そういうご質問の際に、私がお答えするのは、「基本と言われるものはありますが、それが正しいという訳でもなく、基準でもない」とお伝えをします。

そして「こうしないといけないと決めたのは、どこの誰でもなく、自分でしかない」と。

結局、どこかで植え付けられた考えでしかなく、それをやって結果が出ないのは、知識や技術が難しい事はあっても、出来る要素がそこには少ないというのも、理由の一つだと考えますから、もっと分かりやすく、一つずつ確実に進む方法を、しっかりと伝えてあげる事が、それこそ必要な事だと考えています。

例えば、研ぎの癖が人にはありますが、その癖は悪く出る事が多く、良い事に繋がる癖もあったりします。

それらを全て潰してしまうのではなく、生かす方向として、思う正解に近づくように、導いてあげる事が出来れば、解決は近づきますし、良し悪しの理解も出来るはずです。

以前にも記載をしましたが、人から習っただけで、良いと思われる(あくまでも思われるだけです)方法しか学ばない人は、状況が悪くなる理由も分かりませんから、そういう事をしっかりとお伝えする事は出来ません。

どうしてこうなるのか?

どうすればそれを回避出来るのか?

意外と簡単な事で、その繰り返す失敗を回避する事は出来ます。

結局、上手く出来ないのは、間違った見解での頭と、物を見ても理解しきれていない事や、実際にそれを表現できない技術部分にあるので、それらを少しでも多く、理解して上手く出来るようになるよう、総合的に見てあげる事が必要だと思います。

そして、それなりに出来るうようになってからは、自分で自分に合った方法を見つけたり、より良くなる為にどうしたら良いのかを、探す事も大切になります。

難しい事を考えないとして、結果が良ければ、それで良いと思いますから、結果の為に何が必要で、何が不足しているのか、何が今のままで良いのか、それらを確実に知る事が、その先に繋がる事になりますし、それをまず理解する事から始めてみましょう。

最低限度として、砥石の面修正や目立ては知らないと、上手く研ごうと思っても、それでは精度が足りないですし、研げる可能性を潰してしまいますから、そこは絶対に外してはいけないポイントです。

良い砥石を使い、良い修正を行い、良い目立てをする。

それが出来るだけでも、研ぎの初歩となる基準がそこに完成されます。

そこそこ出来るようになったら、良いと言われてる砥石や修正器を買おう!と思っている方は、まずそこに原因がある場合も多いので、今あるのもで何とかしようと思わない事も大切だと思います。

折角の可能性を潰すのは、非常に勿体ないので、後で!ではなく、今!だと思います。

 

2023年9月12日 (火)

勉強と研究はいつでも必要です。

新しい鋼材が増え、新しい刃物の作成方法が確立され、砥石が新しく販売されたり、砥石が改良されたり、気が付いたら進化している事もあります。

そう考えると、新しいものにどれだけついて行かれているのかは、非常に重要な事です。

一部鋼材では、国内だとほとんど刃物として使われていないものもありますから、そういったものまでの把握は難しいですか、それなりに流通しているものに関しては、十分に進化を見ておく必要はあると思っています。

ほぼ出会う機会が無い鋼材や、同じ鋼材でも、造り方が違うものの場合だと、その都度で試しながら、相性を見ながら作業をすれば、それなりの条件は見つけられますが、普段触り続けている鋼材や製品と比べると、細かい部分で不足は出ると思います。

刃物と砥石と、気になった物に関しては、なるべく情報を集めるようにはしていますが、それにはお金も時間が必要になるので、いくらでも・・・や、直ぐに・・・は、なかなか難しいです。

砥石の場合、同じ製品でも、#のラインナップがある場合、#ごとに違いや相性や良し悪しもあるので、全部触りたいと思いますが、なかなかそこまでは用意できないので、良く使う#辺りで1試してみて、良さそうだったら2・・・3・・・と試す事はあります。

今試したいと思っている刃物や砥石は、色々とありますが、どの順番にするのか?と考えると、悩む所が大きいです。

そもそも予算の問題もあるので、様子見しながらにはなります。

あとは、お客様からの研磨や研ぎのご依頼で、そういったものを触れる機会もあるので、そういった意味での勉強は、かなり幅広く出来ていると思います。

 

2023年9月11日 (月)

自分流

私が皆さんに提供をさせて頂いている技術の多くは、自分で学んでつくりあげた技術です。

初期段階の入り口として、全く知識の無い刃物に関しては、基礎的内容を各種専門家の方の所で学ばせて頂いたものもありますが、長くても数日程度だけです。

そこからあとは、自分で同じような技術になるように、色々な事を解明して、実際に出来るようにしました。

作業する事に機械の違いや、使う道具の違いもあって、実際の結果は異なる事もありますが、そこに近い所までは大体が可能でした。

そしてその後、自分の技術として思うものを、色々と含めて改良をし、自分の技術に変えました。

自分で基礎から勉強と研究をして、現在に至る刃物の方が、実は多いのですが、それらは特に、使う勉強から入り、研ぎを学んで、その後、機械での研磨の勉強に変わりましたから、まずそこにあるのは、手研ぎによる刃付けと整形でした。

今思えば、良くやってたな・・・と思うほど、色々な検証をして、色々な研ぎを生み出し、そこからいくつかのパターンを考え、構成を今に残していますが、かなりの時間とコストをかけ勉強をしました。

特に、機材が無かった時代は、全てて手作業で行っていましたから、無謀と言えば無謀ですね。

ただ、それらの経験は、何も捨てる事のない内容で、失敗や理解不能だった時代の事は、特に勉強になったと思います。

一般的にどこかに就職をしたり、弟子入りをした場合、基本的な良いやり方を教わります。

つまり、右も左も分からず、そこから完成形を作る事はないので、失敗の理由や、失敗する流れを知らないのです。

ですから、教わった事が出来るかどうか・・・という部分だけで、その先に進んで行きますから、無駄が無いと言えばそうですが、無駄こそ一番の勉強なのに、そこを通過していないという事は、完成形しか見えていないので、職人人生としては、決まった内容や、同じ事しか出来ないだけで終わる事になります。

それでも、仕事にはなりますし、職人としては成り立ちますが、様々なケースでお悩みの方に、どうしてこうなったのかや、何がいけないのかを、可能性のお話であったり、明確な答えとして、お伝えをする事は出来ません。

私は刃物の事や、お客様の事を考え、今よりもどうすれば良くなるのかと、それを日々考えていますが、当方をご利用頂く事で、悩みが一気に解決した!とおっしゃって頂けるケースが多い事は、まともな勉強をしておいて、本当に良かったと思っています。

どうしてもここが・・・というような、細かい部分の話になると、まだ出来ない事が多くあります。

そこはただ機材が手に入り、加工の練習をすれば、それが出来るという話ではないので、この先それらをどこまで可能になるのかで、更に良いと言って頂けるようになると思っていますので、細かい所も含め、色々な研究は進めたいと思います。

もしかしたら、今まで一般の方では出来なかったものが、可能になる道具が今後出て来るかもしれないので、そこに期待をしたいと思っています。

もちろん、それだけで完璧にならないので、必要な修正は作業依頼としてお出し頂いて、それ以外を日頃ご自身で頑張って研いで頂く事は、良い流れになると思います。

結局、修正修復が多く必要になると、それだけ金額は高くなるので、基本範囲+少しの修正までに収められれば、刃物も長く使えますし、コストも使用によるストレスも、抑えられると考えられます。

私はいつもお話をしていますが、刃物優先です。

あくまでも刃物が今どうなのか、そしてその先にどうしたいのか、その声を聞いて加工をして研いで、ようやく先が見える事なので、刃物が良い状況になる事は、非常に大切な事だと思っています。

 

2023年9月10日 (日)

10月からの見込みを少し

だいぶ前にお話をしていた技術の話の一部を、10月から導入します。

導入する刃物は、包丁類(一部を除く)、ナイフ類(一部を除く)、です。

他にも導入するかもしれませんが、今のところ、確実に成果が出たのは、これらになりますので、一応そこから始めて行きます。

さほど金額的な差は無いと思いますが、少し準備は必要になるので、内容を別にするか、基本に入れるかで、多少違いは出るかもしれません。

一部範囲の鋼材に関しては、なぜだか結果が見えにくいので、それを考えると残念ではありますが、元々そういう鋼材だと思えば、特に驚く事ではありませんので、気にしない事にします。

それでも、今までより、良い結果が出やすいのはありますから、それだけでも価値があると思います。

面倒な鋼材は、面白みもあるものもあれば、何をやっても大体同じになる場合もあるので、必要性能の違いと読むのが妥当でしょう。

 

2023年9月 9日 (土)

やる事が終わらない・・・

先月から続く体調不良の影響などで、仕事が思うように進んでいません。

7月までは、結構順調に来ていただけに、だいぶショックが大きいです。

いつになったら全開で動けるようになるのか分からないので、色々と不安はありますが、出来る限りで進めてはいますので・・・。

 

2023年9月 8日 (金)

必要な所を必要に応じて

刃物や砥石は、いくつあっても損はしません。

なぜかというと、ここぞという時に、全てを少ない数で何とかする事は、不可能と言えるからです。

言い方は悪いですが、何をやっても悪い結果の率が高いものは、多く集めても意味がありませんが、良質な物でも、色々なパターンがありますから、それらを幅広く用意する事は、非常に良い事だと思います。

私は刃物も砥石も、かなり多く持っていますが、普段使う範囲は、かなり限られています。

しかし、必要に応じて、色々と引っ張り出してきて、上手く組み合わせながら使いますが、それにより、刃物や砥石を使う事のストレスは、相当減っていますし、良い結果にもなります。

贅沢な考えかもしれませんが、良さそうな物は、なるべく多く集めておいて、後で色々と入れ替えをして使ったり、自分の思うものでは無かったら、誰かに譲るなども可能ですから、良い状況で刃物屋や砥石を使いたいと思う方は、可能な限りで色々なものを集めてみてください。

私の勉強の一つの方法は、刃物や砥石をとにかく触って、色々と検証をする事でした。

それと合わせ、手研ぎでの限界がどこまでなのかや、雑にやってどれだけ成果が出るかなど、あえて色々な事をしました。

知識と技術の考えとその結果は、一致する必要がありますが、100%と言えなくても、条件さえ整えば、十分な結果に出来るようになったのは、刃物や砥石と直接向き合えた事にあるので、凄い金額を使って勉強と研究をしてきましたが、その差は確実に出ています。

 

2023年9月 7日 (木)

一つの完成が見えてきました。

久しぶりに、良い技術が完成しました。

今年の発見としては、2番目に大きな結果で、幅広く使える内容なので、かなりの成果と言えます。

刃物研磨や研ぎは、ある程度まで来ると、微調整や新しいものを取り入れたやり方でしか、変化はつけられません。

それを見つけられる事は、非常に大きい事だと思っていますし、大事な宝にもなるので、結果の出るように確実性を高くしてから、世に出したいと思います。

 

2023年9月 6日 (水)

刃物のお話を色々

刃物の鋼材は、色々とありますが、どんな場面で何をする刃物なのかで、適材適所となります。

私が良くお話をしているのは、包丁関連が多いのですが、使い方がある程度まで定まっている中では、使用する環境がかなり一致しやすく、安定したお話がしやすいからです。

鋼、ステンレス、粉末、と大きく分けてありますが、これらの中にも細かく凄い数の鋼材があります。

・どんな場面で使う刃物なのか

・どの鋼が好きなのか

・切れ方の好みはどんな感じか

・刃持ちをどう考えるか

・研ぎの苦労をどう考えているか

など、その他も含めまして、色々と考え方があります。

一種類の形状の包丁に対し、なんであんなに鋼材の違いで、製品が沢山販売されているのか?と、思う方もいらっしゃると思いますが、それは好みや環境による影響があるためです。

ただこの包丁がいいよ!と言われて買ったら、思っていた物と違う・・・なんて事は、良くあります。

特に高額な包丁の場合、買った事を後悔して、ずっと使い続けるのは、かなりつらい事になりますから、良く考えて購入をしましょう。

また、購入後、その刃物を販売するところで、まともなメンテナンスを受けられない事もあります。

そのメーカーや販売店と呼ばれている所では、あくまでも仕入れを行っているだけで、メンテナンスに対する知識と技術が不足している事は、むしろ一般的でもありますから、用途やその人の思う刃に合わせ、加工修理や研磨と研ぎが出来る所で、出来る限り購入しましょう。

それだけでも、将来的な安心は生まれると思います。

こういうお話が聞きたい!というリクエストがある方は、是非ご利用の際に、お話ください。

そういうネタがあったか!と、気付いて書ける事も沢山あると思います。

私はからにお客様に近い方向として、使用者の側で刃物を考えていますから、絶対的におすすめをしない事以外は、それについて皆さんがあまり知らないようなお話も書けると思います。

 

NSK工業の焼結ダイヤモンド砥石の販売ページはこちらから。

当方で加工を行った刃物の販売ページはこちらから。

日本刀の販売ページはこちらから

2023年9月 5日 (火)

研いでも切れないのはなぜ???

良くお話をしている事ですが、このブログを一部しかご覧頂いた事が無い方もいらっしゃると思いますので、少し改めて書きたいと思います。

研いでもまともに切れない理由が、必ずどこかにあります。

全てを疑い、全てを一つずつ確実に確認し、解決するしかありません。

それを出来るようになる為には、知識と確実な技術も必要になります。

分かってる風では改善はしませんから、必ずまともな専門家に見て貰い、改善が出来そうだと言われたら、作業の依頼をしてください。

最初だけでも、改善の状況まで一旦戻さないと、簡単にまともな状態には戻せません。

良くあるパターンは、自分よりちょっと出来る知り合いに聞いて、これが悪いこれが良くないと言われ、それを鵜呑みにして、解決に繋がらないケースです。

素人は素人でしかありませんし、プロもかなりのプロと、素人以下であったり、素人に毛が生えた程度の人もいます。

まず、内容や金額を見て、幅広く確実なものを望めそうな所に、依頼をするようにしましょう。

それだけで、今までの悩みが一気に改善します。

当方でも、悩み苦しんだお客様からご利用を頂き、明らかな改善をした事が多くありますから、安心してご依頼ください。

事実を見て感じて理解する事で、その先は大きく変わります。

 

2023年9月 4日 (月)

日本刀の購入で気を付けるべき事

居合抜刀試斬用として実用で日本刀をお使いになる方が、日本刀を購入する際に、気を付ける事がいくつかあります。

一つは、刀身がしっかりとしている事。

二つ目は、拵がその刀身用に作られた拵である事。

三つ目は、刃文が明確である事。

これらが大丈夫であれば、実用刀として、ひとまず問題にはならないと思います。

順に説明をしますが、刀身がしっかりしているというのは、同等もしくは近い形状や重量の日本刀があった場合、一方は振っても刀身が揺れないが、もう一方はふにゃふにゃと揺れる事があります。

これに関して、靭性という方もいらっしゃるようですが、正確に表現をすると、素材の弱さや、鍛えの弱さや、熱処理の問題、と言えます。

かなり古い時代の刀は基本的な素材が弱いので、それに関しては除外をしますが、江戸期~現代刀の辺りの場合、これらは明確に表れます。

刀身がふにゃふにゃと揺れる事の何がいけないかと言いますと、簡単な事ですが、素振りをしたり、振りを止めるだけでも、刀身が大きく動く可能性があります。

それが実際の試斬となれば、なおの事、動きは大きくなり、刀身は真っ直ぐ切り込む事が出来ません。

だからと言って、あまりにもガチガチに硬く、動かないものに関しても問題があり、振る事に対しての影響はなくても、試斬時に斬り損じたり、向きを間違って斬り込んだ場合、動かないようで変な向きに形が変わってしまう例もあるようです。

次に、拵の問題ですが、その刀身用に作られた拵である事は、非常に重要です。

その刀身にぴったりと合っている範囲で作られたものは、拵が使用時に動く事もなく、簡単に抜ける事もありませんが、寄せ集めの材料で合わせただけの場合、ガタツキがあって振りが安定しないのと、刀身が抜ける可能性があり、大変危険です。

稀に、目釘があるから大丈夫!とおっしゃる方もいらっしゃいますが、目釘はそこまでの耐久性はありませんので、知らぬ間に目釘の強度が落ちてしまい、折れたり外れてそのまま刀身が飛んでいく例も多数あるそうなので、大変危険です。

目釘一つにしても、素人作成の物で、全く意味を成していないものが付いている場合もありますが、目釘も必要な原理があるので、それらをちゃんと理解した人が作ったものを使ってください。

最後に、刃文が明確である事ですが、刃文は多くの場合、化粧研ぎの影響により、目だって見えていますが、実際の刃文は研ぎ方により、あまり見えない状態になります。

その見えにくい状態でも、見えやすいものは、かなり刃文がしっかりと出ているので、焼きがはっきりと入っている事になりますし、硬度や強度の影響を及ぼす炭素量も、それなりにしっかり入っているという判断が出来ます。

化粧研ぎの状態で、刃文の上と下の化粧の乗りを見ると、色合いにかなり違いがある場合は、焼がはっきりとしている状態です。

その手の物は、研いだ時に、良い刃が付きやすい傾向がありますので、一つの判断基準となります。

簡単にだけ記載をしましたが、こういった内容の確認で、安心して使える部分を、ある程度までなら判断が可能です。

あとは、日本刀研磨と拵の修理を、定期的にしっかりと行い、いつでも状態良く使う事で、長く安心して使う事が出来るようになります。

当方では、日本刀の性能を重視し、研磨と拵の修理を合わせて行い、安全性も考慮した、全体的な実用の為の研磨を作っています。

色々な設定のご用意がありますので、HPの「日本刀の研磨」「拵の修理」ページより、内容をご覧頂きまして、是非ご依頼をと思います。

実用刀への研究は、自ら使う所から始めており、身体への負担も考えた構成を行っていますので、扱いやすくなると思います。

HPの形式を変更しました。

HPは当初より、フレームを使ったTOPページとなっており、メインページと左フレームにより構成されていました。

この度、フレームの内容をメインフレーム内に移動して、左フレームを削除致しました。

しばらくは見慣れない状態になるかもしれませんが、慣れるまではどうぞご了承くださいませ。

まだ改良途中でして、今後は見やすいHPへと、少しずつ変えていく予定です。

もし不具合等がありましたら、お知らせ頂けるとありがたいです。

HPのTOPページはこちらです!

2023年9月 3日 (日)

いつもご覧頂きありがとうございます。

当方のブログは、開店当初から書き始め、365日更新にしてから、もう何年経過したでしょうか・・・。

同日に数件のUPをした事も多々ありまし、正確な年数は覚えていないのですが、もう少しで4000という大きな数の記事となります。

これも、毎日のように見に来てくださる方や、ブログ見ました!や内容が良かったです!勉強になりました!と、おっしゃってくださる方達のおかげです。

本当にありがとうございます。

私は細々と地道な活動を続けてきて、色々な事で大変な思いもしてきましたが、今もまだこうして、ここにいるという事は、お客様のおかげだと思っています。

ブログを見て利用しようと思いました!と、その声を頂く事が、かなり多くありますが、記事の内容についても、お話のネタにしてくださって、それがまた新たなネタに変わる事もありますから、やり取りの重要性を強く感じています。

私はクソ真面目で、融通の利かない所はあると思いますが、刃物の事を第一に考え、使用者の方がどう使うのか、刃物にどうなってもらいたいのか、それを伺って、刃物の性能を見極めながら、その都度作業を変えています。

そして、様々な研ぎ方があり、様々な仕上げ方があるので、それらを多く取り入れ、好みにあった仕様になるよう、出来る限り盛り込んでもありますから、そういった点は珍しいと思います。

この刃物はこう研いでおけばいいだろう・・・と、それが一般的な研ぎの世界ですが、私の思う研ぎは、色々なコントロールが出来て、それを実用品としての性能に生かせる事が、とても重要だと思っています。

いつもお話をしていますが、見た目で誤魔化さない、実用の為の研磨や研ぎを、当方では今後も変わらず、大切にしていきます。

実用を知り、刃物を使えるからこそ、分かる世界があり、それらを感じ取って表現を出来る事が、私が得られた技能でもあるので、それを生かしながら、他では出来ない技術をご提供していきます。

色々な技術の発展として、新しいものを研究していますが、それには時間とコストがかかりますから、今はなかなか進められない状態です。

より多くのお客様にご利用を頂く事で、今後の可能性が多く増えて行きますし、それがお客様へにご提供する形で反映できますから、是非ともご利用を頂ければと思います。

 

2023年9月 2日 (土)

彫刻の入った美術刀を販売中です

以前より掲示をしていますが、日本刀の販売に掲示の日本刀はまだ残っています。

刀身と彫刻と研磨と、いずれも最上と言える作となっております。

詳細はHPに記載していますので、是非ご確認の上、ご興味がありましたら、まずはご連絡ください。

実物の確認は、ご予約の上、ご来店を頂ければと思います。

お支払いにつきましては、現金とカードで対応が可能です。

 

2023年9月 1日 (金)

研ぎや研磨はどこでも同じではありません

〇〇の研ぎ 〇〇円

こんな感じで、どこでも書いてあると思いますが、それについてお話をと思います。

一般的な研ぎ屋とされている所は、店舗を持たず、簡易的なおもちゃのような安い機械を車に積んで、スーパーやホームセンターなどに出店許可を貰い、作業をしています。

買い物中に終わる事もあるらしく、それは良いかもしれませんが、当然それ相応の作業しかされておらず、むしろ悪化して戻ってきたというお話がかなりの悪愛を占め、問題視されています。

また、店舗を保有している所でも、まともな機材を揃えていなかったり、技術が伴っていなくて、入荷した商品を販売する事がメインとなり、その後のメンテナンスについては、金額の割にはっきり言ってお粗末なレベルも多くあります。

これらは過去からはっきりわかっている事ですが、それについて、結局はお客様の判断により、利用をしての結果ですから、大丈夫と言えるお店以外の利用は避けた方が・・・としか言えません。

そういった状態の悪い刃物が、更に状態が悪くなって戻ってきたり、その先で直しようがない事も多くあるので、そこそこの刃物をお持ちの方は特に、その刃物が良くなって戻って来ると期待をするのは、本当にやめてください。

プロと言える世界でも、上手い下手があり、必要な条件に満たない事も多くありますし、大手や個人など、可能性のある何か所へも作業を依頼し、結局ダメだったという事で、当方をご利用になるケースもありますが、95%以上はそれで解決しています。

不足分は、元々どうしようもない状態で、直せないというケースや、直せてもとんでもなく高額になるなど、そういった場合もありますので、ご依頼を頂けなかったものは、解決とは思っておらず、それは除外せずに考えています。

本題に入りますが、代金だけで何かを見るのは、本当に危険な事です。

例えばある刃物の研ぎが、1000円でやっている所が多かったとしましょう。

その1000円で利益が上がるのは、加工する範囲が少なく、簡単に終わるし、色々な負担が少ないからです。

では、その作業で、本当に充分と言えるのでしょうか?

その刃物と同じ条件のものが、例えば当方では3000円だったとします。

今までのお客様のお話を合わせて考えますと、当方での作業時間は、1000円で加工を行った人達の3倍以上かかっています。

そして、使う機材や部材、道具類などの価格も、比にならない程の違いがあります。

もちろん結果は、当方の方が良いのは確実ですが、それには、全体的な改善と高性能化を目的とし、使いやすくストレスなく使う為に、状態を良くするという事をやっているからです。

つまり、利益率が低く、まともな作業をやっている事を考えると、お客様にとっては十分な得があるという事になります。

良く言われる、真面目な職人程、儲からないと言われるのは、そういう所にあります。

また、見た目はほぼ同じでも、結果が大きく違う事は、技術の世界では良くあります。

その辺りを、見極められる力があると、騙される事は無くなると思いますが、表面的な謳い文句に騙されず、本質を見る事や、結果の判断を信じるなど、その辺りも必要になると思います。

確実な測定のできる目と、感じ取れる感覚と、それを総合的に判断出来る知識があると、様々な事が見えてきますし、それに対しての対策であったり、結果の為に必要な事は何かが、自ずと見えて来るはずです。

判断が難しい方は、是非刃物をお持ちになり、研磨のご相談とご依頼のついでにでも、状況の確認のお話をなさってください。

それがどういう事なのか、色々なお話が出来ます。

 

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