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2023年9月 4日 (月)

日本刀の購入で気を付けるべき事

居合抜刀試斬用として実用で日本刀をお使いになる方が、日本刀を購入する際に、気を付ける事がいくつかあります。

一つは、刀身がしっかりとしている事。

二つ目は、拵がその刀身用に作られた拵である事。

三つ目は、刃文が明確である事。

これらが大丈夫であれば、実用刀として、ひとまず問題にはならないと思います。

順に説明をしますが、刀身がしっかりしているというのは、同等もしくは近い形状や重量の日本刀があった場合、一方は振っても刀身が揺れないが、もう一方はふにゃふにゃと揺れる事があります。

これに関して、靭性という方もいらっしゃるようですが、正確に表現をすると、素材の弱さや、鍛えの弱さや、熱処理の問題、と言えます。

かなり古い時代の刀は基本的な素材が弱いので、それに関しては除外をしますが、江戸期~現代刀の辺りの場合、これらは明確に表れます。

刀身がふにゃふにゃと揺れる事の何がいけないかと言いますと、簡単な事ですが、素振りをしたり、振りを止めるだけでも、刀身が大きく動く可能性があります。

それが実際の試斬となれば、なおの事、動きは大きくなり、刀身は真っ直ぐ切り込む事が出来ません。

だからと言って、あまりにもガチガチに硬く、動かないものに関しても問題があり、振る事に対しての影響はなくても、試斬時に斬り損じたり、向きを間違って斬り込んだ場合、動かないようで変な向きに形が変わってしまう例もあるようです。

次に、拵の問題ですが、その刀身用に作られた拵である事は、非常に重要です。

その刀身にぴったりと合っている範囲で作られたものは、拵が使用時に動く事もなく、簡単に抜ける事もありませんが、寄せ集めの材料で合わせただけの場合、ガタツキがあって振りが安定しないのと、刀身が抜ける可能性があり、大変危険です。

稀に、目釘があるから大丈夫!とおっしゃる方もいらっしゃいますが、目釘はそこまでの耐久性はありませんので、知らぬ間に目釘の強度が落ちてしまい、折れたり外れてそのまま刀身が飛んでいく例も多数あるそうなので、大変危険です。

目釘一つにしても、素人作成の物で、全く意味を成していないものが付いている場合もありますが、目釘も必要な原理があるので、それらをちゃんと理解した人が作ったものを使ってください。

最後に、刃文が明確である事ですが、刃文は多くの場合、化粧研ぎの影響により、目だって見えていますが、実際の刃文は研ぎ方により、あまり見えない状態になります。

その見えにくい状態でも、見えやすいものは、かなり刃文がしっかりと出ているので、焼きがはっきりと入っている事になりますし、硬度や強度の影響を及ぼす炭素量も、それなりにしっかり入っているという判断が出来ます。

化粧研ぎの状態で、刃文の上と下の化粧の乗りを見ると、色合いにかなり違いがある場合は、焼がはっきりとしている状態です。

その手の物は、研いだ時に、良い刃が付きやすい傾向がありますので、一つの判断基準となります。

簡単にだけ記載をしましたが、こういった内容の確認で、安心して使える部分を、ある程度までなら判断が可能です。

あとは、日本刀研磨と拵の修理を、定期的にしっかりと行い、いつでも状態良く使う事で、長く安心して使う事が出来るようになります。

当方では、日本刀の性能を重視し、研磨と拵の修理を合わせて行い、安全性も考慮した、全体的な実用の為の研磨を作っています。

色々な設定のご用意がありますので、HPの「日本刀の研磨」「拵の修理」ページより、内容をご覧頂きまして、是非ご依頼をと思います。

実用刀への研究は、自ら使う所から始めており、身体への負担も考えた構成を行っていますので、扱いやすくなると思います。

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