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2023年9月17日 (日)

切れ味への勘違いが多数見受けられます

刃物の切れ味の話しで、多くの勘違いの話があるので、正確な情報をと思います。

それぞれ、切れ味に関するお話は、本当に何かを切る場面の中で、その切れ味という意味を考え、良い刃かどうかを判断します。

これは大前提として、当たり前の話です。

それ以外で、紙などの切断テストの話が良くありますが、これはあくまでも補助的な話でしか無いのですが、紙切りで全てが決まるような感じで考えている方はかなり多いようで心配です。

そもそも、紙が凄く良く切れる話をしたところで、それは何をどう切る時にどれだけ作用する刃なのか、理解をしていない例がある為、紙の判断はあくまでも簡単な判断をする意味でしかないというのは、念頭に置いて下さい。

紙だけを素晴らしく切れた所で、その刃がどれだけ実際に使える刃になっていて、どれだけ刃が持つのかを考えると、理解は出来るかと思います。

私が過去から刃のテストでとお話をしているのは、多くがコピー用紙ですが、その理由に、同じ紙を注文して使えば、ほぼ同等の性質を確認出来るという意味からです。

新聞紙は薄く切りにくいというお話もありますが、実際は繊維がスカスカで、最低限度の条件をクリアーすると、意外と切りやすい事や、不純物や砂や土などが表面についている可能性があるため、清潔で袋出しで条件が一致するコピー用紙を選んでいます。

中研ぎ以上であれば、新聞紙を当たり前に切れない時点で、問題外だと思います。

コピー用紙の話に戻りますが、その中でも、まあまあ薄めで密度が安定しているものは、状況が分かりやすく、正確な判断がしやすいです。

格安品よりは、少しだけ良質な紙の方が、かなり整っていますので、切れるときと切れない時の差は、結構分かりやすいでしょう。

切れる切れないと言っていますが、切れて当然が前提であり、綺麗に切れるか、切りにくいか、切りにくい箇所があるか、が正解のお話ですので、切れないの?という感じで、くだらない捉え方で思わないでくださいね。

そして、切れる切れないではなく、わずかに引っかかる感覚が明確に分かりますから、ピンポイントで見えない刃の欠落も分かりますし、研ぎは出来ていても、刃の厚みや刃の荒さの違いなども、部位ごとに細かく判断出来るので、ただ切れる切れないを見ている訳ではありません。

そもそも、切れる切れないだけでの判断は、意味は全くないので、色々な事を理解してから、紙でのテストをした方が良いと思います。

更に、紙を切る事だけに特化してしまうと、その刃は必ず細かい方面に向かいますが、私は細かければ切れる刃というのは、作用領域が狭く、切れ味の永切れにも繋がらない為、細かくし過ぎない事や、あえて荒目に仕上げる事で、切断の速度を速めるなど、そういった事まで考えるのが、刃の本当に必要な部分だと思っています。

過去にもお話をしましたが、この紙をこうして切れますか?や、この素材をこうやって切れますか?みたいな話は、紙を切る事に特化させるなら、なんとなくで適当に研いでも、私は普通にできます。

実際に、そういう意味が分かっていなかった頃に、良く言われているような事は、大体の事はやりましたので・・・。

その意味を理解すると、そこではないというのは、分かる事ですから、今はこういった質問があっても、基本的にまともに相手にしません。

以前にもお話をしましたが、なんとなく研げるくらいから、まともに研げる域に入り始めると、段々と細かい刃を求めたくなりますが、細かい刃に行きつくと、そこが頂点ではない事に気が付くはずです。

それに気付かず、ずっとそれだけをやっているのは、そこ止まりの考えと技術である事になってしまうので、ある意味では残念にも思えてしまいます。

そして、それぞれの刃物のそれぞれの切断物に合わせ、適材適所で刃のコントロールをする事を、細かく分析してから出来るようにしていきますから、10段階ある中で考えると、細かいだけの刃を求めるのは、下から3段階程度の話だと考えています。

そこをクリアーするのも大事だとは思いますが、確実に自分の手をぶれさせずに、研ぎが出来るようになっていけば、早い段階で可能にはなります。

こういった意味は、当店をご利用で、色々とお話をし、実際にご依頼を頂いている方々は、ほぼご理解を頂けている事と思いますから、あえて言う必要もないでしょう。

また、荒さと細かさと、それだけで刃を考えるのも、そもそもおかしく、刃の入りや抜けなど、そこまで計算をしなければ、刃先の意味すらも無くなってしまいます。

良く言われるのですが、私が整形や修正を行ったものは、切りやすいとお話を頂きます。

これは、全体の形成技術や、必要な要素をそこに考えて作業行っている事と、刃付けの意味を理解して、必要な刃を付けている為です。

何か一つだけでは、その切りやすさは生まれませんから、あくまでも総合的な知識と技術が必要であると、ご理解を頂ければ幸いです。

おまかせでも良いですし、細かいご注文を特注として頂ければ、それに合わせた作業プランをお作り致します。

それなりの刃物とそれなりの研ぎが揃えば、なかなか出会えない刃物となっていくと思います。

 

 

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