« 2023年9月 | トップページ | 2023年11月 »

2023年10月

2023年10月31日 (火)

積極的に挑戦しましょう!

研ぎの練習をどうやってやるか・・・ですが、ひたすら研いでみる!というケースが多いと思います。

ただそれだと、同じ事の繰り返しで、悪い癖がついてしまう事も多く、それが蓄積すると、悪い研ぎから抜け出せなくなるケースもありますので、その辺りは方向性がそれで良いのか、確認はした方が良いです。

あとは、自分で色々なやり方を良し悪しに関係なく試し、結果が良かったものを選択していくというのも、方法としてはありだと思います。

多分、チャレンジを多くする事で、刃物をゴミにしてしまうのが怖い方もいらっしゃると思いますが、ある程度の犠牲は仕方がないと思います。

私は過去に自分の研ぎの勉強用の刃物のお話をした事がありますが、低級~中級くらいの製品を購入して、短い期間で研ぎを多く行って、圧倒言う間に小さくなっていました。

人から預かったもので、無料で研ぎを行い、それについての評価を集めたりもしましたが、基本は全て自力で購入して勉強をしていました。

お付き合いのあるところから、刃物や砥石など、テスト用として製品外のものを支給して頂いたりもして、非常に助かった部分はあります。

いずれにしても、守られた環境として、職場での学びだと、自分の懐は痛みませんから、どうしても甘えも出ますし、私は自己資金での勉強や研究を推奨しています。

ある程度慣れてからは、かなり高額な刃物も購入して、実際に成果がどれだけ出るかなど、そういったチャレンジも行いましたし、砥石も数を色々と触って、相性や性能判断もしていたので、総額でけた違いの勉強をしました。

その差は今、明らかに大きく出ていますから、堂々とおすすめが出来るという部分もありますし、全てにおいてではありませんが、自分の自信に繋がった部分は多いと考えています。

完全に自己否定だけして、まだまだという事も、全てにおいて自分は出来ているというのも、正直簡単な事です。

ただ、自分が今、それらに関して、どのくらいのレベルなのか、確実な位置を確認出来る知識と技術が無いと、本当の意味での理解ではないので、これは負けていない!これは負けている!と、認めていく事は大事だと思っています。

素晴らしい技術を見ると、どうしたらこうなれるか・・・、これ以上もあるのだろうか・・・と、思い悩む事もありますが、それが成長に繋がると考えていますので、見なかった事にはしないようにしています。

そして、酷いものに関しても、その酷さの状態や原因を知る事で、そこから学ぶ事もありますから、最低ランクの刃物から、最上ランクの刃物まで、全てを見て触る経験を多くしないと、本当の意味での理解は出来ないと考えています。

異常なまでにきっちりと見ていく事から始め、ある程度できるようになったら、自分でいる内容といらない内容を分けていくと、それなりのものが完成していくでしょう。

私個人での勉強範囲は、通常はお客様やプロの方に、開示する事はまず無いのですが、特例として有料の勉強を受けたいという方には、必要範囲をお教えしています。

苦労とかかった金額を考えると、決して安くは出来ませんが、他ではまず得られない部分を、得る事が出来るでしょう。

逆に、当たり前とされる基礎や簡単な範囲の事は、当方で学ぶより他で学ぶ方が、確実で固定的な内容としての範囲も含まれますので、これもまた、当方が全てにおいて正しいという事でもありません。

 

2023年10月30日 (月)

砥石より怖いもの

砥石で刃物を研ぐ場面で、砥石の組織的問題が出てくると、刃物に大きな傷をつける事があります。

これは特に、中硬~硬い方面で多いのですが、稀に軟質のものでも出ます。

特に多いのは、ビトリファイド系ですが、これらの範囲外でも、当然そういう問題はありますし、砥石を使いきるのが1000という数字だったと仮定しますと、その中で1~10くらいは、あってもおかしくはないと思います。

実際に、この砥石なら大丈夫と思っていても、明らかに砥石からの問題が出る事はありますから、絶対はないと思っておけば、諦めもつきます。

それが一発勝負の仕事だった場合には、かなり怖い事になりますが・・・。

しかし、それ以上に怖い物があります。

それは刃物の「刃返り」です。

金属加工で考えると、バリと言われる範囲に近いのですが、刃物の場合には、研いで出て来たざらついた刃先の先に繋がるものは、刃返りと呼びます。

これがある事で、刃物の刃先は、その先にくっついた物の先端が先となり、刃物が切れない状態を作りだします。

また、その刃返りが大きく砥石に乗り留まり事で、刃物が研がれる際に、不用意な傷をつけてしまう事もあるので、早めに取り除くか、砥石の上に残らない研ぎ方をしていくしかありません。

刃返りは研ぎが出来ている象徴でもあるので、邪魔な扱いをしてはかわいそうですが、そういう事もあるというのは、知っておいた方が良いでしょう。

 

2023年10月29日 (日)

間違った研ぎの代償

ご自身で刃物の研ぎをされる方が、普段適当にしてしまったり、技術が無くて形を崩してしまう場合、それがいつまでも直せない事は多いでしょう。

多分、その状況に対し、気が付いていない方が半数以上だと思いますが、気付いている方は早いうちに解決しましょう。

ご自身で直そうとしてダメだった方や、最初から直せる自信がない方や、頑張ってみようと思ったけど、それ以上悪化させるのが怖い方は、状況が悪くても直す対応をしてくれる所に、刃物の研ぎ修理の依頼をしてください。

もちろん当店でも大丈夫です。

もし、悪化したまま、それを研いで使い続けた場合、段々と直る事はまずありません。

なぜなら、状態が悪化したという事は、普段の研ぎでは不足があるので、そうなってしまった為です。

それを現実として受け入れ、別の方法でと考えると、研ぎを学んで悪化しないようにしたり、少しずつ直せるレベルにするか、先ほどの記載のように、研ぎ修理を依頼した方が良いです。

刃物は上手く使う方と、そうではない方で比較をすると、大体3倍くらいは、刃物の寿命に差が出ると考えられます。

実際に使えない領域を作ってしまって、それを直すために削る分や、切れなかったり刃持ちが悪く、研ぎが多くなって無駄な研ぎで消耗してしまう分もそうです。

今までの修正や修理の経験から、場合により5倍以上の差になる事もあると考えています。

そんな大袈裟な!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、状況次第ですが、刃物の使える領域の3分の1程度を一気に消耗して、修復をしたケースもあるくらいなので、決して大袈裟なお話ではありません。

まさかこの程度の修正で・・・と軽く考えている方も多いかもしれませんが、思っていらっしゃるよりも、プロの目からすると、意外と状態が悪いという判断になる事も多々ありますので・・・。

安く済ませて、安心して使い続けるには、早め早めに研ぎ修理にお出し頂き、修正や修復にならないよう、心がけて頂く事です。

 

2023年10月28日 (土)

なぜ刃物が切れないのか?

刃物は切れて当たり前!と思う方も多いのですが、刃物という名前なだけで、まともに使えないものは多数あります。

鋼材のレベルが低い事や、熱処理に不足がある場合がほとんどですが、それ以外の多くは、研ぎの不足が原因です。

最高レベルを望むのであれば、一部の製品以外ではそれはかなえられませんが、使えればOK!という場合には、大体は研ぎでなんとかなります。

もちろん、技術のある研ぎを入れないと、そうはなりませんので、レベルが高い刃物以外では、特に上手い技術を研ぎには求められます。

刃物が一生を終えるまでに、一番コストがかかるのは、研ぎの部分です。

とんでもない金額の刃物でも買わない限りは、ほとんどが研ぎにかかるコストですから、刃物を購入する金額の事だけではなく、その後のメンテナンス費用の事も計算に入れておくことをおすすめ致します。

ご自身で研ぐ場合には、研磨や研ぎの依頼で専門家に出すよりは安いかもしれませんが、砥石や砥石修正などの研ぎにかかる代金と、考え方によっては、作業時間コストが格段に上がってしまうので、それを安いと考えるかどうかです。

 

2023年10月27日 (金)

意外な結果

刃物の研ぎで、新しい研ぎの導入に向け、切れ味や刃持ちに関して、色々と検証をしてみました。

その際に、鋼の種類が分かっている刃物として考え、ついつい刃物の検証もやり始めてしまい・・・。

硬度は通常範囲より、少し柔らかめな印象ですが、それでも締まりは十分にありました。

研いだ時の反応は、研ぎ汁もそれなりに出るし、刃付きも悪くないようです。

しかも、そういった感じの刃物は、中途半端に良くない場合もあるのですが、想定よりかなり良く、刃持ちも決して悪くないというのは、製造の技術の良さとも言えます。

あとは使う人の想定を考えても、余程の事をしない限り、大きく損傷しにくいと考えられますので、その辺りも安心のポイントだと考えられます。

色々と砥石や新しい研ぎのテストなど、そちらをメインで考えていましたが、今回はどうも刃物の方が気になってしまい、ついでに見る部分が増え、結局は砥石と研ぎと刃物の全てを見てしまいました。

これに関しては、離して考えられない範囲ではありますから、本来はまとめて考えて、相性まで見て行った方が、組み合わせの勉強にもなるのですが、今回は予定外で、ついつい病気が出てしまったという感じです。

2023年10月26日 (木)

無事にテスト完了

新しく販売品に含める予定のある製品は、ある程度使い込んだ形でのテストを終えました。

最初に感じた良い部分や、不足を感じた部分は、大体がその通りではありましたが、思っていたよりもマイナス面は少なく、これは良い評価になるだろうと思っています。

あとは金額ですが、入荷や加工の関連で、予定よりも値段は高くしないといけないと考えていますが、それでも内容を考えると、全然安い方だと思います。

世の中の様々な金額が上がる中で、近い製品を見た場合、内容を考えれば、お得感は十分に残せそうです。

出来れば11月中には、販売品に含めたいと思っていますが、まだ段取りが組めていない部分がいくつかありますから、そこの解決次第かな・・・と思います。

 

2023年10月25日 (水)

必要だからこそ

かなり手の込んだ作業の場合、予定通りには終わらない事が多いです。

特に、一つの仕事だけを、ひたすらやる訳にはいかず、並行作業の場合も多いので、手間取りそうだと感じた場合、優先順位は比較的楽な方になります。

その後、長く手が空くタイミングを狙って、その手の込んだ作業を行いますが、その方が失敗もなく、他に気を取られる事も無いので安心です。

最近は手の込んだ作業の依頼は、以前よりは少なくなりましたが、たまに細かい内容指定で、特注の研磨の依頼が入りますから、ありがたい事だと思っています。

ただ、特注の場合、納期未定が基本となりますし、金額も完全に時価になりますので、それでも宜しければ、ご希望の内容での作業依頼を頂ければと思います。

色々な所をご利用になられた方のお話だと、細かい話を始めた時点で、直ぐに「うちはそういうのは・・・」と、拒否される事が多いようですし、あとは適当に受けたのか、内容通りでは全くなかったという事もあるようですし、やりたくないとかできないとか、そうなってもおかしくはないというのは、一般論だと考えても良さそうです。

そう考えると、必要な事なので、出来る限りの対応はしたいと考えています。

2023年10月24日 (火)

苦労します・・・

技術のお話は特に、お話で何かを伝えるのが、非常に難しい分野だと思います。

最初と最後の結果だけを見て、何かが判断出来る訳でもなく、更に言葉を加えたところで、それに関しての事を100%理解してもらうのは難しいです。

どんなに細かく噛み砕いて説明をしても、見て見えない人にはその説明も意味がありませんし・・・。

もちろん、それ以外の範囲も、細かくお話をしていくと、意思疎通が難しい事もあるので、言葉の拾い方は大事なんだと思いますが、そもそもの目線の違いというものは、解消する事が出来ません。

難しく考えない場面でも、それは明確に出てしまう事があるので、読解力というのは本当に大事な事です。

私は一般的な勉強と言われる範囲は、全く興味が持てず、全然勉強をしませんでしたので、明らかに出来が悪い部分が多いです。

しかし、それ以外の範囲で、自分が興味を持ったことを、人に伝えたり、人に提供をする事に関しては、かなり向いているようなので、自分の出来る事や向いている事は、かなり頑張って勉強と研究をしてきました。

自分のできる範囲は、出来る限りやっても、それが必ず伝わる訳ではないので、それ以上にどう伝えるのかや、分かりやすく感じ取れる技術の提供は、非常に大切な事だと思っています。

作業の難しいか簡単かではなく、実際に使った場面でそれがどう感じて頂けるのか・・・。

 

2023年10月23日 (月)

ようやく終わりが見えてきました

長くかかってしまいましたが、手の込んだ作業の一つが、もうそろそろ終わりそうです。

伸びに伸びてしまいましたが、満足の内容の範囲には、十分入ったかと思います。

途中で何回か手を加え直して、ようやくここまできましたが、あとは仕上げのみです。

本当に長らくお待たせしてしまい、申し訳ありません・・・。

 

2023年10月22日 (日)

実用の為の実用研磨の意味

日頃から実用研磨のお話をしていますが、実用研磨とは何の意味があるのか、良く分からない方も多いかもしれません。

一般論としての実用研磨は、実用で使う為に研ぐ事を指し、見た目より使えるようにと、性能重視での仕上げという意味で良く使われますが、私の場合はそれとはまた異なります。

元々、日本刀研磨の部分から、比較として実用研磨という発言をする事が増えましたが、美術研磨に対し、実用で使う為にという意味で、ここに実用研磨を持ってきていました。

しかし今は、様々な刃物の範囲に対し、単純に使う為だけの意味ではなく、その後の使用での研ぎやすさや、使い勝手、切れ方の違いなど、良し悪しを明確に出す意味も含まれています。

特に、当方の研ぎで、明確差が出やすく、説明がしやすいのは、包丁の範囲でしょう。

包丁の研ぎは、色々なやり方があり、多くの方が行う方法と、一般的な説明や基本とされる部分が、大きく異なる場合があります。

そこに基準のズレがありますから、特に精度の上げ方を変えてあり、一般的には悪くない範囲でも、当方では悪いという扱いになる部分が出て来るので、そこまで調整をしています。

ただ見た目を綺麗にするには、どんなやり方でも、研磨や研ぎの目の荒さや向きを揃えれば、綺麗に仕上がった事になっていますが、当方ではそれ以上の部分で、手研ぎにて調整を加えていますので、想定より色々な条件に対しても、その研ぎが対応をしてくれる事になります。

色々なやり方があり、詳しくはお話できませんが、そこにはいくつもの技術が含まれ、知識と経験も関係してくるので、一言では説明が難しいです。

一部の方には、わずかな触り程度までは話した事がありますが、それ以上の事は、実は誰にも話していません。

それがどう違うのか、真似をしようとしても、そもそも真似は出来ないと思いますので、別にお話をしても構わないのですが、それを知ると、業界が混乱する可能性も出て来るので、あえて言わないというのもあります。

レベルの高い研ぎをご希望頂き、ご利用を頂いていれば、自然にそういった部分も含まれていますから、特にその内容を知らなくても、ご満足は頂けると思いますから、今後もお話をする事はないでしょう。

 

2023年10月21日 (土)

切れ味良好です

現在行っている家庭用包丁の研磨は、切れ味の部分だけで言えば、ある意味特別感があるくらいに、切れている感触がはっきり出ています。

これは過去にも記載をした事がありますが、完了後のお話になります。

切り込みと切れている感じを重視すると、荒いか丁度良いか細かいかの部分で、好みが分かれる所ではありますが、刃持ちとの両立を考えて、私は設定をしています。

その刃を形成する削りは、過去より強さを重視しているので、刃の痛みも減っているはずですし、総合的に良い方向にあると言えます。

特別繊細な方は、プロ用の研磨や、細かい設定が可能な、特注での研磨をご利用ください。

そうすれば、お好みに合わせた結果に近づける事も可能です。

 

2023年10月20日 (金)

最近のテスト色々

仕事をしながらなので、検証とは言い切れませんが、色々なもののテストは継続しています。

砥石や刃物など、色々なものをテスト中ですが、今触っているものは、大体良好と言えます。

そのうちのいくつかは、もう導入を決まっていますので、あとは段取りを組むだけになります。

高級部類や低価格帯など、それぞれの層に合わせ、性能と価格の判断をしています。

私のこだわりをご存じの方は、何もかもを高レベルで求めてるのでは?と思われるかもしれませんが、価格と性能のバランスは、私はむしろ大事だと思っていますので、何もかもが高レベルのものを・・・とは思っていません。

安くて最高レベルのモノが出てきてしまったら、それはそれで高級品を作っている所は、ある意味困ってしまいますよね。

だからと言って、完全に価格相応以下では、恥ずかしい結果になってしまうので、そういうモノを良いとは間違っても言いません。

少しずつ、製品の販売が増えていく予定ですので、気長にお待ち頂ければと思います。

 

2023年10月19日 (木)

花粉がひどい!

ここ1カ月ほどでしょうか、秋の花粉の影響が始まっていて、特に今回は酷いです。

秋といえば、ススキやブタクサが有名ですが、私の場合はそのどちらもでしょう・・・。

鼻がムズムズして、点鼻薬を頻繁にやって、なんとかしのいでいます。

出来れば飲み薬は増やしたくないので、表面的な薬で誤魔化してみます。

春はさほどではなかっただけに、今回の秋はかなりきつそうな予感がします。

 

2023年10月18日 (水)

最近はまっているもの

最近私がはまっているのは、刃物の研磨や研ぎに対し、あり得ないくらい適当にやる事です。

お客様から頂いた仕事として、そういった事は間違ってもやりませんが、自分が使っている刃物に対して、あえてそうしています。

実はそれで見えて来るのは、今自分が思っている標準的な部分と、適当にやった場合の差で、その差がどれだけ小さいかが、ある意味での実力だと思っています。

大袈裟に言えば、全力で頑張った研磨や研ぎに対し、適当にやった研磨や研ぎがどう違うのかで、より差の違いも見る事が出来ます。

実際に、ここ数か月でこれを試していますが、結果として見ますと、差が出る刃物と、ほとんど差が出ない刃物があります。

差がでないものは、何となく想像がつくかと思いますが、研磨や研ぎで基準が厳しい範囲の刃物です。

当たり前な形で、当たり前に研磨や研ぎを行わないといけない刃物は、手抜きをしたとしても、限界があります。

その為、大きな差にする事が出来なくなっています。

それに対し、差が出る刃物は、基準がさほどなく、何となくでも研磨と研ぎが出来る部類で、これに関して言うと、自分の性格も出てしまって、あえて悪くして見ようと思って、酷くなっている可能性もあります。

違いが出ないと面白くない!と思ってしまえば、そうなるのは当然かもしれませんが、どうしても人のやる事ですから、何らかの気持ちが入ってしまうのだと思います。

それこそ、目隠しでもして、研磨と研ぎが出来れば、面白いと思うのですが、怪我をしたり、刃物に取り返しのつかない事をしてしまう可能性もあるので、そういった事はやるべきではありませんし、考えなかった事にします。

 

2023年10月17日 (火)

テストは良好???

少し前からテストを始めたある道具ですが、予想通りの部分と、予想より良かった部分が多くあり、これは採用でいいかな?と思っています。

それに関して、まだ乗り越えなければならない部分が、いくつか存在していますので、それをどうするのかが決まれば、販売は出来そうです。

あとはお客様に、良かったと言って貰えるかどうか・・・。

過去からずっと言っていますが、私が良いと思ったものしか、販売品には含めません。

ですから、安心してご購入ください。

特に力を入れている、刃物と砥石は特に、実際に自分で使って試しているものがほとんどなので、物の理解もちゃんとしていますし、適材適所の使い方やおすすめの部分をちゃんとお伝え出来ます。

 

2023年10月16日 (月)

使えていたはずなのに・・・

過去には十分に使い物になったのに、最近使おうと思ったら、まともに使い物にならないと感じるようになった道具は、身近にありませんか???

刃物や砥石の場合、時代の流れで、他の物の方が良いと思えば、もう使えないという判断になってしまう事があると思います。

過去からずっと変わらず、一番好きだと思えるものも、中にはあると思いますので、古い物が必ず悪いという訳ではないので、その辺りは勘違いをなさらないでください。

過去の刃物を、今でも越えられないと思うようなものも、数多く存在していますし、実際にそれを触って感じ、凄さを実感した事もあります。

現代は道具も機材も、過去よりかなり良くなっているはずなのに、それを表現できないのはなぜか?と、逆に考えてしまう事もあります。

人の才能が落ちたのか、その人が特別に凄かったのか、幅広く見ると分かりませんが、現代は忙しすぎるのも問題なのかもしれません。

じっくり仕事と向き合えたら、それで出来る事も増え、更に性能も上げられるとなれば、芸術肌の方であれば、やってみる価値はあると思います。

 

2023年10月15日 (日)

面白いデータが取れた

不思議なもので、意図的じゃない時に限って、面白いデータが取れます。

これがいつか、何かの仕事に生きる技術として、表に出て来る事があるかもしれません。

予想しない事は、意図的だとそれは無いと考えてしまいがちですから、かえって見えて来る事があるのでしょう。

頭を柔らかくと思っていますが、どうしても色々な結果が見えすぎていると、堅い考えになってしまうのかもしれませんね。

 

2023年10月14日 (土)

迷宮

刃物や砥石や研ぎの絡みは迷宮と同じです。

固定的な答えがある訳ではなく、簡単に理解も出来る世界ではありません。

そこそこ理解はできているけど、実際に研ぎが出来ない方や、研ぎはそこそこ出来るけど、理解は出来ていない方など、両方を持ち合わせるのは難しい事です。

何かを学ぶ事は、一つではないので、全てをとも思いますが、時間も労力もコストも、相当かかる世界だと思いますので、のめり込めるような方でなければ、少ししか理解して出来るようにならないと思います。

それらの中にも、機械での作業があったり、手作業も会ったりしますし、それらの融合もありますから、かなり幅の広さはあります。

奥が深い・・・と、一言で簡単にまとめる方もいらっしゃいますが、そんな程度の深さではなく、広く深い所が多くあるので、それを探っていく事が、最終的な結果に繋がります。

何をやっても結果が出ない刃物で、必死にそれを探しても、決して良い結果は生まれませんから、幅広く理解をする意味では、超低級~超高級まで、触って理解をしていくしかありません。

 

2023年10月13日 (金)

どうしてこうなった???

刃物の状態は、千差万別ですので、言うならば新品じゃないの?と思うような、長期間使用をした刃物もあれば、短期でどうしてこうなった・・・と思うような、酷い状態に出会う事もあります。

違いの多くは、使用者の問題がかなりの割合を占めますが、刃物や研ぎが問題の場合も、もちろん少なくはありません。

その判断を確実にするためには、実際に刃物を使う場面を見ないと、何とも言えません。

そこに全く問題が感じられなければ、研ぎや刃物の問題です。

いつでも安定して、刃物を使っている方は、異常に丁寧な使い方をしていると思われるかもしれませんが、意外と多くの方と変わらずに、使っていらっしゃるケースも多いので、自然と刃物が傷まない使い方をしている場合もあります。

使う事を身に着けるか、研ぎや日頃の管理を身に着けるか、だと、研ぎは人に任せる事が出来ますので、絶対的な自分の範囲である、使い方を身に着ける事は、優先的に行った方が良いでしょう。

研ぎは人に頼んだ方が、良い場合も多いと思います。

 

2023年10月12日 (木)

刃物の切れ方

刃が切断物に作用する際に、どのように作用しているのか・・・。

この話は、何度かした事があると思います。

最近の色々な刃物を触っていると、過去に思っていたような、荒さや細かさのお話が、これに当てはまらない事があり、その理由を探っています。

一番の変化は、刃物の組織の違いだと思いますので、それと研ぎの関係がもう少し解明出来ると、面白い研ぎが出来るかもしれません。

今考えている研究テーマは、かなり多くありますので、それらを解明する為にも、より多くの条件で、刃物を触って行きたいと思います。

 

2023年10月11日 (水)

安くても外れない刃物の買い方

安物と言っても、もちろん最低レベルは無理ですが、中級より安い刃物の中でも、使えるものは沢山あります。

せめて、下の上~中の下くらいでも、意外と使えるモノはあります。

買い方のポイントとしては、上級の刃物を使っている方に、お話を伺うと良いと思います。

良いモノをお使いの方は、ほとんどの場合、幅広く色々な刃物を使ってきていますので、良し悪しをそれなりに理解されています。

途中経過として、安いけどあの時のあの刃物は良かった・・・という例を、ご存じだったりします。

そのお話を伺えば、あのメーカーのあの刃物は結構いいよ!と、教えてくれると思います。

私は高ければ絶対に良い刃物であるとは思いませんので、無意味に高い物を買う必要はありません。

中級以上を買えば、研いで使う事に問題はありませんので・・・。

その下でも、隠れた良いものもありますよ!というお話でした。

 

2023年10月10日 (火)

未定ですが予定です

まだ未定ですが、新しくご依頼をお受け出来る作業を、一つ導入の予定です。

状況次第ではありますが、通常は受けている所が結構少ない範囲の事なので、手間やコストを考えると、割に合わない部分はあるかもしれません。

それでも、当方で可能になるとすれば、それは大きな事ですから、検討をしている所です。

これに関しては、自分自身でも、ずっと興味がありましたし、やりたいと思っていた部分でもありますから、出来れば現実化したいな・・・と。

今後も新たに、色々な技術が必要になりますし、本当にひとつずつ、少しずつですね。

予算があるなら、私の性格上、一気に全てやってしまうのですが、そんな余裕は当然ありませんので・・・。

こんな導入の話は今まで沢山してきましたが、本当に可能だったものは半数程度で、あとは順番を入れ替えて、後で出てきた事を先に導入したりしてきましたから、実際に導入になるとしても、順番は分かりません。

実はまだ、今すぐ思いつく所で、3つの導入を考えています。

やりたい事が多すぎて、それに追い付いていない状態なので、色々と改善をする事の方が先なのかもしれませんね。

 

2023年10月 9日 (月)

わずかな事で大きく変わります。

研磨の世界は、ぱっと見分からない程度の事で、非常に大きく変わる事があります。

また、ぱっと見で大きく違いそうなのに、実際には何も影響が出ない事もあります。

この差が良く分からずにいます。

ちょっとした部分が気になっても、それがどう影響を及ぼすのか、見ただけでは分からない事も多いのです。

ですので、なるべく良さそうな物を・・・と、簡単に言う方もいらっしゃいますが、実はそっちが外れな場合もあるかもしれません。

 

2023年10月 8日 (日)

涼しく(寒く?)なってきましたね

ようやく涼しくなってきまして、暑がりの私としては、かなり体力的には楽になってきました。

まだ体調不良が残っている事もあり、十分な体力や余裕をもって仕事が出来ている訳ではありませんが、暑さによる体力の低下は抑えられています。

未だに作業中は、Tシャツでやっていますが、それ以外の時間は、もうそろそろ長袖の準備が必要になりそうです。

今日はやる事が全く終わっていないので、短いですがここまでとします・・・。

 

2023年10月 7日 (土)

ダイヤモンド砥石は必要です

近代の刃物は、全体的に硬くなってきていますから、人造砥石で研ぐ事は、かなり厳しくなってきています。

過去には、荒砥~超仕上げまで、色々な天然砥石も使用していた時期がありましたが、もうその手の力程度では、まともに研ぎが乗りません。

そして、人造砥石であっても、そこそこ性能が良いとされていた物ですら、研ぐ事が辛い時代になりました。

そこで必要なのは、ダイヤモンド砥石です。

過去にダイヤモンド砥石は、あえて使う必要が無いような立ち位置だったと思いますが、早く研ぎたい方や楽をしたいという方が使うモノという認識でした。

しかし今はもう、使わないと厳しいと思う刃物が増えてきているので、普段使いする必要性が出てきています。

特別硬い刃物を研がない方は、まだ必要無いと思いますが、それでも使えば便利で早いという利点はありますので、お使いになる事をおすすめします。

人造砥石で研ぐ場合には、砥石を5段階で使用して研がないといけない場面があったとして、それがダイヤモンド砥石で研ぐ場合、2~3段階で済みます。

それだけ研磨が早く楽になり、傷も早く取れるという利点があるので、その分だけ楽になります。

あとは、刃物の種類やタイプにより、硬度などの相性もあるので、その辺りはご相談ください。

当方で現在メイン販売しているダイヤモンド砥石はこちらにあります。

 

2023年10月 6日 (金)

直接的な効果

砥石の種類によって、研ぎの質が違います。

良い悪いの意味では無く、効果と考えれば分かりやすいかもしれません。

例えば、研ぎ汁が多く出るタイプは、研ぎでの刃物の仕上がりは濁りやすく、研ぎやすい感じがするでしょう。

それに対し、研ぎ汁が出にくいタイプは、光って仕上がり安く、研ぎにくい感じがすると思います。

この中間が幅広く存在していますが、どの砥石を使えばこうなるよ!ではなく、刃物と砥石の相性の問題ですし、地金がある刃物と、全部鋼の刃物とでは、砥石への乗り方がそもそも違うので、その辺りも含めて考えると、色々な砥石を用意して、適材適所で使う必要性はあると思います。

私はガチガチに硬い砥石はあまり使いません。

過去には、硬い方向を使っていた時期もありましたが、硬すぎる砥石は、硬く荒い粒子が含まれていたり、集合してしまっている場合には、それが荒い傷となって明確に出てしまうので、それを避ける意味もあります。

中硬~気持ち硬めが、特に良く使う部類にはなりますが、それも先程のお話のように、相性によって変わってきますので、その時によって使う幅が違います。

砥石自体の組織的部分を考えると、均一な粒子のタイプと、複合的な荒さのタイプがあり、同条件でも全く違う仕上がりになりますから、実際に研いでみてどうなるかで、判断をしていくしかありません。

必ずしも、研ぎ目にバラツキがあってはいけない訳でもなく、揃い過ぎても良いとは限らないのが砥石なので、表面的な考えだけでは、砥石の効果は見えてこないと思います。

今は便利な確実な砥石の面修正器も出ていますし、それをどう使っていくかでも、結果が色々と変わっていきますから、とにかく色々使って試していくしかありません。

 

2023年10月 5日 (木)

優れた刃物と優れた風の刃物

刃物の良し悪しについては、数えきれない程の数で色々と書いてきました。

お客様とのお話の中で、使いたいと思う刃物の姿は、色々と見えてきています。

好みはそれぞれでありますが、幅広く好まれる刃物というのは、一番重要なポジションにあると考えますので、その辺りを大切に考えています。

丁度良い範囲に含まれる刃物は、そこそこ程度の価格物も多いですから、このくらいで安心して購入できるなら!とお考えになる方は多いかと思います。

バランスよく使いやすい刃物は、本当に安心して使えますね。

それに対し、最高の製品を求めると、最悪の場合もあったりしますから、その辺りは十分に考えて購入した方が良いでしょう。

私も色々な刃物を触ってきて、こうじゃない感・・・が強い刃物は、多数ありました。

最高の刃物とは何か?!と考えると、総合バランスであると、私は考えていますので、そういうものに出会う瞬間は、特別にわくわくはしませんが、この範囲で良かった・・・という安心度は非常に高いです。

世の中には、優れた刃物風の刃物が多く存在しますから、それらに魅了されないよう、気を付けてください。

 

2023年10月 4日 (水)

研げないと言われても・・・

体調を崩してからもう2カ月以上となっていますが、未だに波があり、全体的に見ると、状況が悪い時ははっきり悪いです。

病院には行っていますし、投薬治療も続けており、最悪の状態よりは良くなりましたが、回復したと言えるまでには、まだ時間がだいぶかかりそうです。

さて・・・。

余談はそのくらいにして、刃物を購入したけれど、研げないというご相談が、ここ数年は増えています。

鋼材の基本性能に関わらず、硬度や密度や耐摩耗性や靭性などの影響により、砥石で研ごうとしても、刃物がまともに研げない事があります。

その現象に関しては、かなり昔からですが、自ら体験をして理解をしていますので、その方々のご苦労は十分に分かります。

これが手作業だから大変なだけで、機械でやれば全く同じように削れるでしょ???と思っている方も、多くいらっしゃるかもしれませんが、そんな事はありません。

一般論で言う所の、「硬い」と表現される刃物は、機械で削るにしても磨くにしても、当然時間がかかりますし、場合によっては、機械でも滑りが多く削れない事があります。

そういった刃物は、耐久性が高いからという事で、受けが良い部分もあるのですが、もしお客さがご自身で研ぐ場合、ダイヤモンド砥石の準備は、必須になるかもしれません。

どんなに目立てをした良質な砥石でも、ダイヤモンド砥石程の力は出ないので、砥石の上で滑っているだけという事も、十分にあり得る話です。

私個人としては、硬質刃物も好きですし、完全否定はしませんが、一般的におすすめをするという意味では、硬すぎる刃物や、研ぎが大変な刃物は、おすすめをしません。

それなりに研ぎが出来て、それでいて刃持ちが良いとか、強度が高いのであれば、問題は無いと思いますが、必死になって研がないといけないような刃物は、いずれ使用のメインから外し、使わなくなると思います。

もしくは、100%で当方のような研磨や研ぎを行う所に出し、自分は使用するだけにするか、小刃だけを軽く研いで使い、段がそこそこ付いてきたら、早めに研磨にお出し頂く形であれば、問題は無いと思います。

最悪なのは、ちょっとでも欠けた場合です。

わずかな欠けだから・・・と思っていても、それは一般的な硬度の刃物であって、砥石を弾くような力を持ってしまった刃物では、そのわずかな欠けが、膨大な欠けに感じる事でしょう。

それでも覚悟があって、そういった刃物を使うのであれば、利点はもちろんありますので、良いと思います。

丁度良い頃合いがあるというのは、こういう硬度でも当然言える事なので、ギリギリのラインを超えると、大きなマイナスが増える事も、十分に理解をしてください。

相当高い金額を出して、意気込んで買って、そういう思いをするのは、非常に悲しいと思いますので、程々のところまでにしておいた方が、失敗は無いと思います。

 

2023年10月 3日 (火)

研ぎ修復修理修正研磨に関する考え方

表題がごちゃごちゃで、分かりにくいかもしれませんが、一つずつ・・・。

研ぎとは砥石を使って研ぐ場面。

修復はかなり状態が重度な物を回復する為に行う大掛かりな研磨。

修理は直しを入れるという中度の研磨。

修正は修理と同じような感じでも軽度の範囲。

と思って頂けると分かりやすいかもしれません。

これらを総合して、研磨や研ぎと言われていますが、それぞれの所で、表現は異なるかもしれません。

簡単に研ぐ場面や、軽度~重度の削り直しなどを含む作業を行う事に関して、今回は書きたいと思います。

例えば、中度~重度の状況となっている刃物があり、それを普段はお客様が研いで使っているとしましょう。

まずはそれを前提に・・・。

そして、その場合、こちら側としては直しの方法がいくつか選択できます。

例えば、一般的なお話になると、出来る限り直しを入れるという意味で、比較的簡易的な作業によるものや、綺麗になるように完全に直すなど、考え方があります。

その中にも、必要箇所のみを簡易的に直す事で、一気に寿命を縮めるような加工を行わず、一部だけの必要部位を研いで使えるようにする場合と、やはり手の込んだ仕上げに合わせ、出来る限り直すという場合があります。

この選択により、刃物の寿命をどれだけ残せるのかという意味と、今後、また短期で研磨の依頼をされる可能性があるのであれば、その時まで状態が維持出来る範囲までというのも、考え方に含まれます。

一般的には、決まった形があって、その通りに研磨の依頼を受ける所がほとんどだと思いますが、こういう考え方を、当方では行っています。

そんな中途半端な修理で、ちゃんと使えるようになるの???と、ご心配になる方もいらっしゃると思いますが、刃物の種類によっては、それでも十分に効果が出て、普段通りに使う事は可能です。

そこにあるのは、一気に直しすぎて、いきなり小さくなったとか、薄身になったとか、軽くなったなど、今までとは違った刃物への変化を嫌う方に、特にこういったお話はしています。

実際は、出来る限り直す事を、私はおすすめしていますが、それでもその直しは、半永久ではなく、いずれまた、整形や修正などが必要にはなると思いますので、それまでの期間が長くなるというところです。

良くある刃物のお話として、刃物を購入して、一切プロに研磨の依頼を出さず、使い終わる事は、難しいとされていますが、それは刃物の初期状態が、最後まで使える計算にはなっていないからです。

そこまで出来ている刃物は、本当に僅かだと思います。

特に、研ぎに癖を持っていて、通常減らさない場所を減らしてしまう方や、部分研ぎをどうしてもしてしまう方、手抜きを重ねて直せなくなって困る事がある方は、どんなに状態が良く出来ている刃物を手にしても、ある程度の期間ごとに、直しが必要になります。

そうなると、毎回きっちりと直し続け、寿命を確保する事は、難しくなりますので、そういう必要部分を上手く加工して、そのまま使い続ける選択肢もありかな?と思います。

分かりやすく言うと、整形を完全にしないとか、裏鋤部がベタになりかけても、刃先側だけを鋤いて裏押しが出来るようにするとか、鎬がズレていても気にせず使うなど、そういう部分が特に目立った内容になるかと思います。

まずは研ぎが出来る状態にするまでが、最低限度のラインとなり、その先に初期状態に近づけるよう、簡易的に作業を行う事があり、更にその先には、より状態が良くなるように、出来る限りの手を尽くす事があります。

もっと細かく分ければ、色々な部分を調整出来る場合もありますが、分かりやすく三通りにまとめました。

こういった考えも、打ち合わせや金額の事などもあり、面倒に思うお店や企業が多いと思いますが、私が使い手側の考えがメインとなっているので、出来る限りで選択肢を作りたいと思っています。

おまかせの内容の場合、どの刃物でも、こういった選択はお受けできませんが、その都度のお見積りになる内容の場合には、この手の内容をご選択頂く事も可能ですので、必要に応じて、ご相談ください。

また、HPに乗せてある以上の内容で、研磨や研ぎをお受けする事も可能です。

その場合、完全に時価となりますが、ご希望の内容を全てとは言えないものの、かなり多くの事が可能になります。

無理のない範囲で、ご用命頂く分には、それに合わせてお見積りをしますので、お問い合わせ頂ければと思います。

 

2023年10月 2日 (月)

同じ砥石なら同じ研ぎになる訳ではありません。

過去にも記載をした事があるような内容ですが、砥石と研ぎの関係についてです。

砥石は使い方で、色々と変化をします。

砥石の面修正の観点から見ますと、荒砥のようなもので修正するタイプや、粉末(砥粒)を撒いて修正するタイプや、電着ダイヤなどで修正するタイプがあります。

その他にも色々とありますが、多く使われるタイプはこの辺りなので、一応3種のみを記載しました。

この3種で見ても、修正の具合は異なります。

面の精度に関しては、修正のやり方や、修正砥石や修正器の精度にもよるので、一概には言えませんが、一般的にやりやすいのは、電着ダイヤのタイプでしょう。

細かいお話は割愛しますが、砥石の修正目がそれぞれ異なり、それにより、研ぎの目も変わります。

また、修正の細かさなどによっても、研ぎ汁の量も変わり、研ぎやすさやスピードにも影響します。

それをまずベースに考え、次は研ぎ方と修正の頻度によっても、研ぎ目は変わります。

ここで考慮すべきは、硬い砥石を使うか、柔らかい砥石を使うかで、当然その辺りの影響も、変わってきます。

そして、刃物の硬度も、研ぎ方だけではなく、根本として影響を色々と及ぼします。

つまり、何もかもが影響して、研ぎが変わるのです。

もう頭が混乱した方は多いかもしれませんが、ここで砥石の話に戻します。

砥石での研ぎは、こうして色々な影響により、同じ研ぎは出来ませんから、その砥石をどう使うのかを考えつつ、仕上がりに何が変わるのかを考えてみましょう。

このお話の減点は、お客様と同じ砥石を使い、同じような感じに研いでいるように見えても、全く研ぎ上がりが異なった事がかなり多い事から生まれた話です。

その理由は、色々とありますが、同じ段取りで研いだはずなので、同じような仕上がりになると思うのが一般的でしょう。

ただ、砥石の使い方一つで、全く異なる刃になるという事を、理解して頂く事が大事です。

砥石を使いこなすだけで、色々な事が大きく変わります。

それっぽい研ぎで終わるか、それなりの研ぎになるか、それ以上の研ぎになるかは、あなた次第です。

 

2023年10月 1日 (日)

改善と改悪

本当にその改善は、改善と呼べるのでしょうか???

何をもって改善と考えるかですが、私が思う改善は、幅広く良いと言って頂ける範囲を、如何に作り上げるかだと思っています。

改善という名の改悪が多く、それは単純なコスト削減であったり、改善をしたつもりになっているだけだったりする事も、決して多くはありませんので、前に戻してもらいたい・・・と思われる方も、結構いらっしゃるでしょう。

私も過去に、改善という形で、行き過ぎた加工をして、改悪になってしまった経験があり、その時の反省を生かして、今の研磨を形としてきています。

お客様に・・・と、良く軽々しく口にするケースがありますが、改善はそんな簡単な事ではありません。

結局、自分や企業としての思う形を、ただ改善としただけで、その改善という名の改悪で、使う人が良くないという判断をしてしまえば、それはマイナスにしかなりません。

良かれと思っての改善での失敗は、次に生かせると思っていますので、他では出来ない事を、思い切ってやる事もあります。

しかし、悪くなる可能性があったり、悪くなる事を理解した上で、それを改善と考えているのであれば、まさに悪だと思えますから、信用性に欠ける決断だと思います。

あまりに行き過ぎた改善では、他を犠牲にする事が多くなります。

一般的な範囲からではなく、それなりにレベルの高い範囲からでは、そうならないよう、回避する部分を考えつつ、良い事が多くなるようにするのが、改善だと思っていますので、方向性を間違わないようにだけは、いつでも考えている事です。

瞬間的な良さもあれば、その先長く使っての良さもあります。

使う事に苦労が出るなら、それは改悪と言われても仕方がないので、そうならないよう、総合的な使用の範囲を考えつつ、改善をするようにしています。

これだけ色々な事をやり込んで研究しても、まだ細かい所で色々と考えと結果が出て来るので、それをさらに追及し、思う性能を生かせるように、研磨や研ぎに力を注いで行きたいと思っています。

色々と機材や道具も、もっと増やして行けば、出来る事が増えますし、面白い事も出来るかもしれませんから、刃物や研磨や研ぎに対して、意欲を持って接していきます。

今後も、色々と新しいご案内が出来る事が、増えていくと思いますので、情報をチェックしておいて頂ければと思います。

現在もいくつか、新しい内容を用意していますので、それらが皆さんの刃物ライフの助けになればと思います。

 

« 2023年9月 | トップページ | 2023年11月 »