実用の為の実用研磨の意味
日頃から実用研磨のお話をしていますが、実用研磨とは何の意味があるのか、良く分からない方も多いかもしれません。
一般論としての実用研磨は、実用で使う為に研ぐ事を指し、見た目より使えるようにと、性能重視での仕上げという意味で良く使われますが、私の場合はそれとはまた異なります。
元々、日本刀研磨の部分から、比較として実用研磨という発言をする事が増えましたが、美術研磨に対し、実用で使う為にという意味で、ここに実用研磨を持ってきていました。
しかし今は、様々な刃物の範囲に対し、単純に使う為だけの意味ではなく、その後の使用での研ぎやすさや、使い勝手、切れ方の違いなど、良し悪しを明確に出す意味も含まれています。
特に、当方の研ぎで、明確差が出やすく、説明がしやすいのは、包丁の範囲でしょう。
包丁の研ぎは、色々なやり方があり、多くの方が行う方法と、一般的な説明や基本とされる部分が、大きく異なる場合があります。
そこに基準のズレがありますから、特に精度の上げ方を変えてあり、一般的には悪くない範囲でも、当方では悪いという扱いになる部分が出て来るので、そこまで調整をしています。
ただ見た目を綺麗にするには、どんなやり方でも、研磨や研ぎの目の荒さや向きを揃えれば、綺麗に仕上がった事になっていますが、当方ではそれ以上の部分で、手研ぎにて調整を加えていますので、想定より色々な条件に対しても、その研ぎが対応をしてくれる事になります。
色々なやり方があり、詳しくはお話できませんが、そこにはいくつもの技術が含まれ、知識と経験も関係してくるので、一言では説明が難しいです。
一部の方には、わずかな触り程度までは話した事がありますが、それ以上の事は、実は誰にも話していません。
それがどう違うのか、真似をしようとしても、そもそも真似は出来ないと思いますので、別にお話をしても構わないのですが、それを知ると、業界が混乱する可能性も出て来るので、あえて言わないというのもあります。
レベルの高い研ぎをご希望頂き、ご利用を頂いていれば、自然にそういった部分も含まれていますから、特にその内容を知らなくても、ご満足は頂けると思いますから、今後もお話をする事はないでしょう。
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