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2023年12月

2023年12月31日 (日)

良いお年をお迎えください

あっという間に12月が終わりました。

今日で一年が終了となり、明日からは新しい年です。

今年一年を振り返ると、思った事が何もできていなかったと思いますし、色々な面で不足が多くあったと感じています。

また、体調不良が続いた事もあり、仕事に力を投入できない場面も多くあり、歯がゆい思いもしました。

体調の管理だけではなく、体力の回復も落ちてきていますから、段々と体のメンテナンスに対する時間なども、これからは本気で考えていなければならないかもしれません。

しかし、そんなこんなでも、変わらずにご利用を頂いている常連様や、新規でご利用を頂き、そのまま何度かご利用を頂いた方もいらっしゃったので、本当にありがたく思っております。

ただ刃物を削って研いでいる訳ではなく、その意味と結果をしっかりと見ながらやっていますので、かなり精神的な部分と体力的な部分が削られます。

適当にやっている訳ではないので、その分の苦労は多くありますが、それがいつかもっと大きな発展へと繋がると信じて、これまでずっとやってきました。

色々な方面から、新しくお声がけも頂いていますし、それらが次の一歩になれば、また思う事をかなえられるようになっていくでしょう。

是非来年も、ご利用を頂きながら応援をして頂き、今後の技術や発展を見ていてください。

改めまして、今年一年、ありがとうございました。

良いお年をお迎えください!

 

2023年12月30日 (土)

本年もありがとうございました。

本日の営業時間で、今年の営業を終了致しました。

今年一年、ご利用を頂きましたお客様に、改めまして感謝申し上げます。

色々な新しい内容を準備していますが、私一人ではどうにもならない範囲もあるので、協力して下さる業者さんを探したり、準備に時間やお金もかかるので、その辺りをクリアすれば・・・。

まだ今年はやる事が残っていますので、あと少し頑張ります。

 

2023年12月29日 (金)

製品化したい

今年考案をした道具がありますが、それの製品化まではできませんでした。

多分それがあると、研ぎの場面で非常に便利になると思います。

自分で色々買ってきて、作ろうかと迷っていますが、誰かに作ってもらった方が早いでしょう・・・。

機材が揃っている所なら、大した時間はかからず、製造出来そうな道具なのですが、それが一般では難しい事です。

 

2023年12月28日 (木)

安い事は危険な事

刃物や研ぎは、安く良いものを提供するには、限度があります。

刃物は材料費や作業時間がかかりますし、研磨や研ぎは基材や道具や時間がかかります。

もちろんただそれらが高いだけで、良い作業品とは言えませんが、少なくとも格安で存在するものは、それなりという事です。

逆に特別高いからと言って、そんなに良いのか?と聞かれると、わずかにだけ突出したものもありますが、その下でも十分な場合はあるでしょう。

逆に何かを狙い過ぎて、結果が良くない場合もあったりしますから、その辺りは難しい判断です。

私が格安の範囲で、刃物や砥石を購入して、過去に色々なテストを行いましたが、使えない訳ではありませんでした。

しかし、それが実用品と言えるかと考えると、正直難しい範囲です。

良く何でも使えればいいから!とおっしゃる方もいらっしゃるようですが、その範囲に収まるかどうかは別問題です。

 

2023年12月27日 (水)

年末の仕事はまだ続きます

大きな納品は今日までとなりますが、仕事自体は30日まで営業となり、現状から考えると、多分31日もある程度は仕事をしているでしょう。

これはいつもの事なので、特別ではありませんが、流石に12月は色々とありすぎて、疲れも抜けなくなってきています。

必要な事は沢山あって、一人で出来る事には限りがありますし、タイミングや時間の影響で、どうしても後回しにせざるを得ない事もあって、そういったものはなかなか進みません。

しかしいずれはやらなければならない時期が来るので、その時になったら一気に終わらせます。

 

2023年12月26日 (火)

刃物を切れないようにする

過去にも同じような内容を書いた事がありますが、刃物の研ぎというのは、完璧な刃の鋭さや切れ味を求めるばかりではありません。

刃物が切れすぎるような状況になっていると、帰って使いずらい場合もありますので、切れない状態の維持が必要な場合もあります。

刃と言える物と、一般で言うと刃ではないものがありますが、使い道によってはそれらは全て刃になります。

場面で必要な内容は、使用条件によりますので、刃が無い方が使いやすい場合があるのです。

しかし刃が無いなりに、刃の扱いとなる部分が均等である必要性があったりしますので、ただ刃が付いていないのとは意味が違います。

刃を付けないなら簡単じゃん!と思う方は、その意味を知って、刃を付けないなりの使用条件に合わせた研ぎを、勉強する必要はあると思います。

 

2023年12月25日 (月)

研げない

近年はお客様から、刃物が硬すぎて研げないというご相談を頂く事が増えました。

硬いという事は、いわゆるRHCの硬度が高いだけではなく、耐摩耗性の靭性、組織密度などの影響も受け、何かが理由となって研ぎが出来ないような状況になります。

砥石の面修正をしっかり行い、目立ても行っているのに、他の刃物のように研げない場合や、研ぎ滑りを明らかに感じる場合は、硬いという表現で合っていると思います。

その場合、中硬程度の良く使われる砥石類では、研ぎ滑りを起こしますので、ダイヤモンド砥石を使うか、柔らかめの砥石を使うと良いと思います。

必死に力を入れて刃物を研ぐような状況は、刃物の形を変えてしまう事になりますので、なるべく無理なく研げる環境を作りましょう。

当店では、扱いやすく性能が高いダイヤモンド砥石を、特別に販売していますので、是非ご利用ください。

2023年12月24日 (日)

緊急メンテ

普段メインで使っている機械の調子が悪く、調整整備を行いました。

表現をすると簡単な内容ですが、それをやって直して!と言われたら、1000人中999人は出来ないでしょう・・・。

やり方を教えたとしても、簡単には出来ません。

そういう調整が出来てこそ、機械はようやく生きてきます。

同じ機械を持っていても、使い方で仕上がりが異なりますが、こういう所での差が大きいです。

 

2023年12月23日 (土)

使ってみて納得

私は刃物のテストをする場合、お客様のものでは行いませんが、実際にその使用場面を想定した使い方を実際にやってみます。

その手前までの判断としては、十分に判断出来ていますが、細かい所になると勝手な判断をする訳にもいかないので、最後は実用で確認を行います。

その時、研ぎを変えて見たり、使い方を変えてみて、許容範囲がどこまであるのかを知ると、安心して販売が出来ます。

何となくの判断だけで、刃物の販売は出来ませんし、自分が使う刃物だったとしても、使っていて気分が悪くなるものは使いたくないので、こだわりは捨てません。

 

2023年12月22日 (金)

手研ぎは大事なのか???

機械研磨で終わらせるのではなく、なぜ手研ぎが必要なのですか?とおっしゃられる方も結構いらっしゃいます。

これに関しては、満足度の問題です。

機械研磨で終わらせても、構成が良い作業を行えば、切れない訳でもありませんし、使えない訳でもありません。

ただ、それがまともに手研ぎで作業されたものと比較して、どう違うのかを知ると、やはり手作業の良さというものを感じる事が出来るかと思います。

私は機械研磨を修正や修復のベースにしつつも、手研ぎでの作業による仕上げを大事にしていますが、これはどんなに良い機械を入れられて、良い作業が出来るようになったとしても、ずっと変わらないと思います。

替え刃の刃物の範囲で見ますと、それは素晴らしい完成度となっているものもありますが、それらは価格と必要な作業数も違います。

そして、その機械はとてつもなく高く、簡単に入手出来るようなものではありませんし、メンテナンスや管理もかなり厳しく必要になるはずですから、考えと必要な内容が違いますね。

 

2023年12月21日 (木)

削りで決まる結果

刃物研磨は削りでほとんどの事が決まります。

磨きでなんとかしようとすれば、その分だけ総合的なダレが出るので、削りの時点でどこまで出来ているのかが、とても重要なポイントとなります。

特に磨きを深くいれようとすればするほど、そこでの帳尻合わせは崩れに繋がります。

刃物の種類にもよりますが、ほとんどはこのような感じで、削りがとにかく大事です。

細かい調整は、削りと磨きの間までで、綺麗にまとまっていると、最終的な仕上がりが違います。

毎回満足のいく結果にはなりませんが、出来る限りそうなるようにと頑張っています。

 

2023年12月20日 (水)

潤いが足りないと起こる事

最近は車関連の問題が多く見られています。

コストより生産優先であったり、下請けへの金銭の支払いが厳しい状況で、TOPのメーカーが特別に多く儲かる仕組みは、今後も問題がどんどん出て来るかもしれません。

部品の性能や耐久性の確保、構造的な不備の発見など、それらはある程度、生産事に的確な検査をすれば、分かる範囲もあるようですし、命に係わる乗り物の話である事や、家の次に高額と言われる事を考えると、どこにどうコストをかけるべきか、直ぐに判断出来そうな事です。

利益を出す事が悪いとは言いませんが、利益の分散をもっとしっかりとやって、下請け側や生産拠点が余裕をもって、堂々と良い製品を作ったと言える状態を作り、その性能や信頼性に対して、注文があっての売り上げでは無いかと思います。

企業の規模や動く人員と金額が大きくなれば、出来る事はどんどん増えていきますが、その分、目が行く届かなくなる部分も多くなるのは当然ですし、勝手な判断をするような人達が出てきてもおかしくはないでしょう。

少数精鋭でそれぞれが独立した検査と技能を持つレベルで仕事が出来れば、それは問題になる事は無いと思いますが、それでもTOPの定期的なチェックを怠ってしまうと、理解して確認をしていたつもりでも、それは違った解釈や結果になっている可能性はかなり高くあります。

そういうお話は、どの業界でもある事ですが・・・。

 

 

2023年12月19日 (火)

完全に失敗

こういうパターンは珍しいのですが、加工を失敗しました。

お客様のものでは無く、自分で使う刃物なので問題はありませんが、失敗です。

簡単に表現をすれば、やらなければ良かったのにやってしまった事が原因です。

こうしたいという気持ちが前に出てしまい、やりすぎてしまった部分はあります。

ただ、想定もしなかった事ですが、それにより今まで見えて来なかった発見をしました。

正直な所、これは難しい作業だったので、やるべきでは無かったと思いましたが、もしこれが可能になるのであれば、むしろ強みに出来るかもしれないと思うような部分が見えたので、面白い発見だと思います。

お客様の刃物で色々とテストする事は出来ませんので、自分のものでは思い切って色々とやっていますが、このように意図しない事での発見もあるくらいなので、まだまだだなと思います。

ここまで来ると、細かい事ですら見つかる事も無いのですが、見えない&気付かないような部分に、大きなポイントを見つけられる事もあるので、本当に勉強にはなります。

 

2023年12月18日 (月)

どうしても譲れない事

私は刃物の研磨や研ぎで、素直に使いやすい状態を心がけています。

昔からある基準のような物がある場合でも、それが明らかに無意味で面倒な事になっている場合も存在しますから、その辺りは崩して考えています。

実際に変化を加え、お客様の使用や研ぎが改善された例もあり、これだけ研ぎが安定出来る世の中になったにも関わらず、過去のレベルでの刃物の仕上げでは、当然追い付く訳もないのですから、先へ進む為にはこういった思い切った改良も必要だと思います。

刃物が例えば板だったとして、それが曲がっていれば真っ直ぐに切る事は出来ません。

それを出来る限り、正しい形にしていく事で、お客様は研ぐ事も使う事も、ストレスが大きく減ります。

見た目を優先すると、これが出来なくなる部分が大きいので、無駄だと思う加工部分に関しては省略をし、その分を性能に持って行かれる加工範囲に使っています。

本当に不思議なもので、使い側の状況をどれだけ理解しているのかで、加工技術云々だけではなく、結果が大きく変わりますから、その物を理解するのではなく、まずは使う事をしっかりと理解する事が大切です。

そんな勉強を、かなり昔からやってきましたが、それが今、とても大きく役立っています。

 

2023年12月17日 (日)

砥石のせいでは無かった

ある刃物を自分で研いで使い続けていますが、ある時期から、どうも不安定な状況になりました。

それが機械による研磨のせいなのか、手研ぎによるものなのか、なぜ急に変わってきてしまったのか、色々と悩んでいました。

そして疑ったのが砥石です。

使う砥石は変えていなかったので、何か変化がある訳でもないと思いつつも、長く使っている砥石だったので、もしかしたら変質があったのかもしれないと思い、新しい物を出して使ってみました。

結果としては、誤差すら感じないであろう程度でしか、変化は見られませんでしたので、研ぎの誤差範囲だという判断です。

あとは、機械加工の際の不備も疑い、普段よりも細かく繊細な仕上げにしてから手研ぎをしましたが、これも無意味に終わりました。

特別に異常な荒さで削ってそのままにでもしない限り、刃付けの時点で表と裏から研ぎが入れば、軽い線傷程度は直ぐに消えますし、そういうレベルでもなかったようです。

欠けが出ている訳でもないので、勿体ないとは思いつつも、少し刃を多めに削り取ってみましたが、それでも何も変わらず。

その際に、少し面の形状を変えたので、少し使い勝手は良くなりましたが、刃の性質はどうも良くないままです。

これに関しては、今後も経過観察といったところでしょうか。

これが販売品で、お客様が同じものを手にしてしまっていたとしたら、原因不明に陥ってしまっていたと思います。

部位や時期を考えると、鍛造や熱処理の影響だと思われますが、時間がある時に、思い切って多く刃を落としてみて、位置から刃を作り直してみます。

 

2023年12月16日 (土)

掲示待ちが増えてしまっています

販売品や委託品に関して、それらの掲載準備が追い付いておらず、まだ掲示できていませんが、予定だけはちゃんとあります。

年内にUPをと思っていますので、もうしばらくお待ちください。

始めてしまえば何日もかかる内容では無いのですが、写真と説明文を作り、それを打ち込んでUPしますので、一通りの流れをまとめてやれる日がないと、なかなか進められません。

今年は特に、仕事以外の用事で時間を多く取られてしまう事が増えていますので、時間を自由に使えなくなっている状況を考えると、仕方が無いのだとは思っていますが、手と頭が余分に欲しいところです。

 

2023年12月15日 (金)

注文が出来ませんでした

海外から取り寄せをしている機械の部材が、売り切れとなってしまっていたようで、注文をする事が出来ませんでした。

売り切れの表示をちゃんとしてくれると良いのですが、日本ほどはそこまでやってくれていません。

注文してみたら、在庫が無いけど注文を待つ?キャンセル?と連絡が来て、ようやく状況が分かる事の方が多いです。

急ぎで欲しいものでは無かったので、入荷待ちで注文をお願いしましたが、いつになる事やら・・・・

国内で同品や同等品が手に入ると良いのですが、海外からの送料や関税を考えても、そちらの方が安い場合もありますし、性能の問題で結局それを選ぶしかない事も良くあるので、結局は海外品に頼っている部分は結構色々とあります。

日本だと箱買いとなり、その代わり一般買いより安いという形がほとんどなので、少数からの注文が可能だと本当は助かるのですが・・・。

 

2023年12月14日 (木)

12日で年内納期受付は完了しています。

数日前になりますが、12日(火)の営業時間終了をもって、一般刃物類の研磨に関する年内納期をお約束出来る期間は、終了とさせて頂きました。

HPの方には、記載を行っていましたが、こちらのブログに書いたかどうか・・・。

インスタの方は、豆ねこ管理でやっていますが、掲示はしていました。

明日以降の一般刃物研磨のご依頼に関しましては、来年の営業開始以降が納期となりますので、どうぞご了承くださいませ。

2023年12月13日 (水)

悲しい事実

刃物はどれも良さそうに思えていても、現実はそうではありません。

硬度や靭性、組織の具合など、それらの影響により、刃物としての評価が高くつけられないものは、相当な数があります。

それは良いモノを知るからこそ、はっきりと見えて来る事で、上には上があると思えば、致し方ない事ではあります。

金額でもなく、鋼材でもないというのが、今思える答えですが、当たり外れの一言でしかないのでしょうか・・・。

高額で良いと思えない物を購入してしまう事は、本当に悲しい事ですから、作り手や研ぎ手の責任は非常に大きいです。

 

2023年12月12日 (火)

効果は高いのか?

砥石を使う場面で、目立てを行うかどうか、かなり意見が分かれる場合があります。

昔からの言葉で言えば、いわゆる名倉扱いの事を指しますが、それには使用するポイントがあります。

砥石よりも荒い物を使う事や、砥石よりも少し柔らかい物を使う事が、大切なところです。

硬い名倉扱いの物を使うと、砥石も直せるイメージがあるかもしれませんが、名倉扱いの砥石から出て来た荒めの粒子を含んだ汁で、砥石側が荒れて欲しい事や、荒れた組織を取り除いて欲しいので、実際は柔らかめが必要になります。

同じ硬さで同じ砥石を使い、共名倉という使い方も可能ですが、それが出来るのは同じ砥石同士を擦って、粒子を含む汁を出す事が可能な柔らかめの砥石の場合です。

ここまでお話をすると、十分なヒントになるかと思います。

私自身、もう20年くらい前でしょうか・・・。

電着ダイヤの修正器をメインで使うようになってから、名倉の使用を全くしないか、思いっきり使うか、状況がはっきりと分かれましたが、修正の精度がどれだけ必要になるのか、目立ての状況で砥石の乗りが大きく変わるのかと、色々と学ぶ事が増えました。

 

2023年12月11日 (月)

カレンダー

来年のカレンダーを買うのを忘れていました。

小型のスタンドで、月表示&書き込めるタイプのものを、仕事用に毎年買っています。

それと、仕事場の冷蔵庫に貼るために、大きな年表示のものも買いましたが、真四角タイプが売り切れで、仕方なく少し縦長のタイプに。

これらがあるだけで、直ぐに予定を組めるか確認出来るようにしてあります。

外出中に予定を組まなければならない事もありますので、スマホで一括管理にした方が、本当は便利なのでしょうね・・・。

 

2023年12月10日 (日)

砥石の使い分けのポイントは・・・

刃物に合わせ、砥石を選んでつかっていきますが、その際に重要なポイントは、何を目的とするかです。

・研ぎやすい?

・結果優先?

この二つでまずは選択する方が多いかと思います。

研ぎやすい砥石は、結果が良い訳では無い場合も多いのですが、使いにくい砥石を無理に使い、結果が伴わないよりは、ストレスが少ないかもしれないというのが、一つの考え方です。

私の場合には、研ぎやすさを選択したい気持ちは強いのですが、仕事として研ぎを行っていますから、結果を優先する方を取っています。

一緒に考えたいのは、鋼材との相性です。

・鋼系

・ステンレス系

・粉末系

と大きく見て3種で分けた場合、それぞれの特性との相性が、まず大きく分かれます。

細かく見ていくと、同じ部類の中にも、配合されている素材の違いや、製造の影響などで、砥石との相性も変わりますから、そこでの見方としては、最初に使った砥石の傷を、次の砥石で取り除く事が出来るのかどうかという所です。

それをいくつか繰り返し、段階を踏んで研ぎ進み、研ぎが完成していきますが、それぞれの砥石がどんなに良いものであろうとも、その段階での傷が取れないような構成で研ぎを行っても、切れ味はしっかりと出ませんので、#を飛ばし過ぎない事です。

理想は2~3倍程度で収める事で、メーカーや砥石のシリーズによっては、最大で4倍まではギリギリ行けると考えています。

その範囲を超えると、傷を取るのはまず難しいです。

ここまで書いた内容は、ほんの触り程度ですが、初期段階としてこれらを無視し、何でも砥石があれば研げると思っていると、確実に大きな損をします。

疲れるだけで、研ぎでの結果には繋がる事はありませんので、初歩の初歩から確実に一つずつ、研ぎの考えをまとめていきましょう。

 

2023年12月 9日 (土)

どうして???

時に驚くような歪(ひずみ、曲がりやねじれの事)が多く出た状態の刃物と遭遇します。

蛇のように左右にうねり、ねじれが出た状態だと、直す事は簡単ではありません。

取り切れない範囲は、削りで合わせていくしかなく、直して気付く事ですが、多分元から状態がおかしくて、それを一生懸命に研いで、頑張って歪を取ろうとした結果なのだろうと・・・。

こういう姿を見ると、製造や販売者の責任は、本当に大きいと思います。

見た目がどうという問題はあるにしても、刃物の歪問題は何よりも大きな問題なので、まともに研いで使う事が難しいです。

ですから、どんなに瞬間的に見た見た目が綺麗でも、そこでは無いという事だけは、絶対に外してはいけません。

見るべき部分は歪が大きく出ていないか・・・という所です。

これが初期にある時点で、直しからのスタートになりますし、構造的に直しが難しい物や、加工領域が狭い刃物の場合、改善は結構難しい問題だったりします。

歪の問題は、焼き入れ刃物である以上、どうしても出てしまう問題なので、僅かなら許容範囲と考えるしかありませんが、明らかなものは絶対にアウトです。

いずれ合って来る程度までなら、OKとは言いませんが、一応セーフだと思いますが、歪は無ければない程、確実に良い方向であると考えています。

2023年12月 8日 (金)

実際に試して確認しています

新しい研ぎが完成すると、特別な準備が必要ではない刃物の場合、私個人が自分でその研ぎを確認しています。

研ぎ方を大きく変えるというより、砥石による影響が大きいのですが、その砥石での研ぎの結果がどうなるのか、確実に状況を見ます。

私がこれではダメだと考えていたような範囲も、改めて今の技術力でやって試してみると、意外と良い結果だったりする事もあるので、決めつけは無くすようにして、改めて同じような事を試しながら、今思う刃の表現を探しています。

最近の大きな変化は、荒い方向への研ぎの変更で、もちろん刃物によってですが、そういった方向性も良さだと感じています。

どうしても細かく研がなければならない刃物は、そこから変更する事は出来ませんから、もちろん余計な事は考えません。

ただ自分自身が使う場面では、効率化と確実性を求める為に、やり方を変えたりはしています。

それを提供する事はありませんが、自分で使う範囲ならそれで良いかなと思う程度には収まるので、現場仕事でそういった研ぎを行う事は、悪くはないと思います。

答えが見つからないのが研ぎの世界なので、永遠に色々と悩み、技術の向上を狙いつつも、刃物と砥石の進化との対決を続けていく事になると思います。

 

2023年12月 7日 (木)

加工の改善

自分の問題ではなく、機材や部材や道具の影響で、これ以上加工で上手く調整が出来ないという範囲がありますが、そこの改善をこの先行おうと考えています。

理由は分かっていても、それを回避できない事が問題なのですが、求めるものが手に入らない限り、仕方がないと考えていました。

何をやっても回避できない部分は、色々と多く存在していて、他ではどうしているのか?と考えた事がありますが、そういった部分はやはりどこでも上手く出来ていないようです。

それに関して分かっているのか、ただ出来ないだけなのか、その辺りまでは分かりませんが、そこが何とな出来ると、色々と大きく変わる部分も出てくるので、何とかしたいという気持ちは強いです。

その為だけに、機材や部材や道具を用意すれば、解決を出来るような感じで甘くは無い事で、これは原理の問題だと考えると、その原理から考え変えていかなければならず、本当に難しい問題です。

絶対にこうではないというやり方で、回避出来る可能性はあるのですが、それをやる事の弊害もあり、結局100点の加工は難しいのかもしれません。

そう思いつつも、まだ何とかしたいという思いがある以上、改善は成し遂げる事で解決としたいので、今後このような問題に関しては、自力での解決を頑張ります。

他が出来ない事であれば、それもまた、分かる方からすれば大きなポイントになると思いますし、より多くの方に良いと言って頂ける加工に変わればと思っています。

 

2023年12月 6日 (水)

最近増えています

過去の刃物と比べ、硬い傾向のモノが極端に増えてきていますが、それらの多くで見られるのは、組織の悪さです。

以前のものだと、組織が悪いと言われつつも、繊細な研ぎを行った場合でのみ判断が出来る程度でしたし、回避策はそれなりにあったのですが、最近のものはそれが出来ません。

つまり、組織の悪さが明確化してしまっているという事になります。

これは荒めに研いでも細かめに研いでも、評価が大きく変わる事がないので、悪く言えば組織崩壊とも言えるでしょう。

何をやっても良い刃にならないという事は、それを使う価値すら考えなければならなくなります。

厳密に研ぎこんでみて、それでも大きく改善できない場合、それは外れで残念だったと思うしかないでしょう。

本来あるべき姿が、刃物の世界から消えつつある事は、非常に残念です。

そして作り手側は、その状に気が付き、早い改善をすべきと考えます。

 

2023年12月 5日 (火)

まとまりのある研磨に

ただ綺麗に削って綺麗に磨き上げる事だけが、正しい研磨と言える形ではありません。

一番重要なのは、性能に直結する研磨で、研いで使う場面で、それが明確化します。

ずっとそのままで研いで形を一切崩さずに使う事は、ほぼ出来ないと考えられますから、それまでの期間で良い結果となるように、必要箇所に要点を置き、そこをしっかりと直す事の方が大切です。

先の先まで考えすぎると、そこへの作業は無意味になってしまう事も多く、どうせその先で直すのであれば・・・と考えれば、理解も出来るお話だと思います。

何より大切なのは、研いで使うという事を考えると、まずは研ぎを行いやすくする事にあります。

機械だけでの加工で精度を出す事はほぼ不可能なので、そこにて作業を多く含め、研ぎで位置関係を調整していくので、その後の調整の楽さが全く異なります。

見ての理解と使っての理解は、全く別物であるという事は、知っておいて損は無いと思います。

研ぎを行って急に形が変わってしまったとか、思うように砥石が研ぐ面に当たらないなど、それらは使い手を考えていない研磨だと考えています。

 

2023年12月 4日 (月)

進んではいるのですが・・・

新しい取り組みをいくつか進めていますが、順調に進んだ範囲と、そうではない範囲があります。

進む方は良かったで終わりですが、進まない方は、どうすればよいのか・・・と悩む原因になっています。

資金や時間があれば解決出来る範囲もありますし、技術的な問題の部分もありますし、その他も含めて色々な理由ではありますが、何とかしたいという思いは強いです。

今まで私が考え行動してきた部分は、もう不足を感じる所も出てきていますので、大幅な改善の為にはそれらも必要範囲となりますし、今すぐにでもと思う範囲もあったりしますので、非常に悩ましい問題です。

新規で始める部分と、改善の部分とでは、やり方も求められる内容も異なるので、その辺りを見失わないようにしなければ・・・。

 

2023年12月 3日 (日)

12月は色々と・・・

毎年の事ですが、12月は色々と忙しくなります。

その他の予定も色々と入っており、止むを得ない事情も含みますが、それらは来年の前半まで続く事になりそうです。

作業時間の確保を優先としていますので、それ以外の時間は、色々と長く頂く事になるかもしれませんが、どうぞご了承ください。

技術内容に関して、手抜きをせずに、確実に作業は行っていますので、それだけはご安心頂ければと思います。

 

2023年12月 2日 (土)

一般刃物の年内納期に関して

一般刃物の研磨は、毎年12月になりますと、年内納期が確実に可能な日程で、締め日を設定させて頂いております。

今年は12月12日(火)の研磨のご依頼確定の方までとさせて頂きます。

お申込みはそれより前までに行い、ご依頼の確定までお急ぎください。

なお、年内納期が確定したお客様は、年内の営業日内にお引き取りか、お荷物で発送をさせて頂く事が、必須条件となります。

研磨作業完了品に対し、保管管理の問題として、場所の確保等もありますので、長期的に保管は行えませんので、予めご了承くださいませ。

 

2023年12月 1日 (金)

12月限定の価格です!

掲示をしています日本刀の販売品に掲載のものを、価格変更致しました。

以前よりかなりお安い価格となっていますので、この機会に是非、ご購入を頂ければと思います。

この手の彫刻入りのまともな日本刀は、海外への流出が多く、国内の現存品が少ないとも言われています。

ご興味のある方は、まずはお声がけを頂きまして、実物をご確認の上、ご購入を頂ければと思います。

 

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