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2024年1月

2024年1月31日 (水)

面白いと思うか、苦しいと思うか

刃物と砥石と研ぎの関係は、本当の意味で理解をするのに、かなりの勉強や研究が必要です。

これをどこまでの理解とするかは、個人の考えによりますが、実質的な技術の問題は、結果として表れます。

大体のところまでなら、早い方は短い期間で勉強は出来ると思いますが、色々な状況に対応出来るようになるには、その何杯も何十倍も努力が必要になります。

あとは、才能社会ではありますので、感覚も非常に重要になりますし、器用さは確実に必要ですが、ただ器用なだけで出来るものでもありません。

それらをクリアできれば、それ相応の研ぎにはなると思いますが、上には上がいます。

そこまで必要が無いと思う上の世界も、少なからず汁必要はありますし、多くの方がスルーする一番下の世界も知らなければ、理解した事にはならないと思っています。

自分の思う範囲だけを理解して出来ても、それは理解した事にはなりませんし、範囲を狭めて技術を得たところで、それは技術をマスターとは言えないと思っています。

全てを一人の人間が求めるのは無理だったとしても、それに近い所までは理解して出来なければ、人にそれらを的確に伝える事も出来ませんから、私は色々な範囲を大事に考えてみるようにしています。

 

2024年1月30日 (火)

こんなものも研げます

一般的な刃物で、使い捨てにされる代表が、一般のはさみです。

紙を切る事が主な用途ですが、良く使われる安物は僅かに数百円で、少しグレードが高いものは1000円台くらいでしょう。

それらは切れなくなると、買い直しをする事がほとんどで、一般的には研いで綺麗に切れるようにする方は、ほとんどいらっしゃらないでしょう。

近年だと、チタン加工のハサミなどもあり、そもそもの刃の強度が高くなっており、気持ち良く切れる刃ではなくても、永切れするようになっていますから、それはそれでありだと思います。

ただ、コーティング系の刃物は、コーティングを剥がしてしまう研ぎとの相性が悪く、コーティングが無くなったその刃物は、過去の性能を出す事が出来ません。

つまり、研ぐ事を前提のハサミでは無いので、切れなくなったら諦めるか、コーティング無しでの性能の限界を求めるか・・・。

デザインも色々と出ていますし、刃の性質も色々ありますから、そのハサミが研いで復活出来るタイプであれば、頑張って研いでみるのも良いでしょう。

ちなみに、当方では文房具的なハサミの研ぎは、基本的にお受けしておりませんので、あくまでもご自身で行う研ぎのお話です。

 

2024年1月29日 (月)

使いやすい刃物とは・・・

良く言われる「使いやすい刃物」とは、どういったものなのでしょうか。

昔から言われる良い刃物の特徴としては、刃の強度が高く、靭性があって粘り強く、研ぎやすい事というのが、良くある言われでした。

これに関しては、今でも変わっていません。

例えば、どんなに刃がしっかりしていても、研ぎににくい刃物は、いずれ研ぐ事が面倒になり、手を伸ばさなくなるという事がありますし、研ぎやすいだけで刃の性質が悪いものは、同じように使いたくなくなるでしょう。

一部の人が求める性能と、多くの方が求める性能は、かなり違いがあったりしますから、特別感があったとしても、それが本当に実用向きの設定になっているのかは、かなり重要なポイントだと思います。

特に近年は、粉末鋼やステンレス鋼などで、研ぐ事がどんどん大変になってきていますし、それに合わせて砥石がガリガリ削れる系を求められる事もあり、気持ち良く切れる刃を作る為の構成が、色々と崩れつつあります。

実用である以上、研ぎやすい事は非常に重要で、それを諦めてしまうと、結局は自分で管理する事が難しくなります。

色々な意味で刃物を考える事は重要ですから、総合的に見た時に、自分にその刃物が向いているのか、良く考えてみてください。

 

2024年1月28日 (日)

砥石の不具合

砥石は刃物を研いで復活させる大切な道具です。

しかし、砥石の問題により、刃がまともに復活できない場合があります。

例をいくつか挙げると、硬く荒い粒子の固まりが出てくる、亀裂から塊が出てきてしまう、砥石の粒子目が揃っていない、良質な材を使っていない、などがあります。

細かい説明は割愛しますが、ある程度の研ぎ経験や砥石を多く触った事があれば、大体理解出来る内容かと思います。

普段の管理や製品選びというものが、どれだけ大切なのか分かると思います。

どんなに良い刃物があったとしても、砥石が良い物でなければ、刃物はまともな研ぎにまとまりません。

刃物にはお金をかけるのに、砥石にはお金をかけない事は、かなりの損だと思って間違いありません。

良い砥石を購入し、良い管理を心がけて、良い研ぎにしていきましょう!

 

2024年1月27日 (土)

頑張ったのに・・・

かなり崩れた状態の形状をした刃物を直す場合、相当な労力が必要です。

製造時に熱処理された板から、刃物の形状を削り出すよりも、それは大変になる事もあるくらいです。

最終段階まできて、致命的な問題に遭遇すると、そこで作業を諦めなければならなくなる事もあります。

あとはお客様と相談の上で、その先を決める事になりますが、作業にかかった代金は頂かなければならないので、心苦しい事になります。

今までそういった事は何度か遭遇した事がありますが、割合的に見ると可能性は低いので、そこまで気にしなくても大丈夫だと思います。

どのくらいの状態が良い範囲で、どのくらいだと良くない状態で、どのくらいだと最悪なのか、判断基準は色々とあると思いますが、お客様からは相当シビアに見られる事もあります。

多分、良い状況を知れば、それもご理解頂けると思いますが、特別良いレベルでは無かったとしても、許容範囲というものがありますので、その範囲は超えて直せなければ、やる意味は無いと思っています。

かなり悪い状態だと、刃物のランクによっては、買った方が安い事もありますので、安く早くは難しいという事だけは、十分にご理解を頂ければと思います。

それだけ加工に時間とコストがかかりますから、致し方ない事です。

 

2024年1月26日 (金)

刃物の亀裂

刃物に亀裂が入っている場合、研磨で取り除けるかご心配になる方もいらっしゃるでしょう。

状況によりますが、亀裂方向に幅が十分あり、亀裂分を削っても問題が無い形状であれば、全く問題は無いと思います。

ただ、注意すべき所は、亀裂が目に見えている範囲だけではない可能性が高い事です。

目に見える亀裂は、十分に開いてるから見える事で、密着した亀裂やそういった部位に関しては、亀裂があっても見えない場合があります。

そうなると、例えば亀裂が3mmあったとして、その3~5割程度は、その先に亀裂があっても全くおかしくはありません。

もちろん、それ以下やそれ以上もありえますが、見えている部分だけでは無いと思っておく事は、非常に大切だと思います。

その亀裂だどうして入ったのか、いつから入ったのかは、判断が難しい部分がありますが、取り除く事が可能であれば、刃物は小さくなったり、幅が狭くなったとしても、使う事が出来ます。

鋏類に関しては、落として曲がったり亀裂が入ると、軸ズレや刃の歪や欠損により、初期の切れ味に戻す事は難しい事も多いので、落としたら終わりだと思った方が良いです。

厳しいお話かもしれませんが、シビアな設定が必要な刃物は、実際のところ、そういうものです。

 

2024年1月25日 (木)

切れなくなる原因

包丁が切れなくなる原因を、いくつか書いて行こうと思います。

切れ味が単純に落ちるのは、刃の摩耗が原因です。

研ぎ自体の問題が無く、使用や使用環境にも問題が無い場合、研ぎ方の改良で改善は可能です。

ダメなパターンとしては、硬い所にぶつけるケースが多いです。

例としては、器、ボウル、シンク、包丁立て、などがあります。

また、洗う際に、スポンジについた硬い部位(研磨剤あり、無しを含む)を使っていたり、たわしで擦っている方、サビ取り製品などで表面を削っている方は、それらもすべてアウトです。

使い方としては、その包丁の許容範囲を超える使い方をしている場合や、明らかに負担を考えない使用をしている方は、包丁の性能が追い付きませんから、傷んで当然です。

研ぎのご依頼を頂いて、その包丁の状況を見ると、ほとんどの事が把握できますが、それが包丁の問題なのか、研ぎの問題なのか、使用者や使用環境の問題なのかは、明確に出ていると本当に大きな問題であると感じます。

 

2024年1月24日 (水)

複雑で難しく専門的な知識と経験が必要な刃物

当方でお受けしない刃物の代表として、爪切りがあります。

これは専用の機材が必要ですし、それぞれのメーカーで設定が異なるので、研ぎ直しが出来るものと出来ない物があります。

性格に言うと、研磨になりますが、ご自身で絶対に加工をしないでください。

少しでも設定が変わると、まともに切れなくなります。

爪切りは高い物だと、1万円以上しますが、研磨し直しが出来る品だと、決して高い買い物にはならないでしょう。

10年以上使っている爪切りがうちには2丁ありますが、それはかの有名なメーカーの製品で、未だ研磨に出した事はありませんが、使い方と管理を間違わなければ、このように長くまともに使えます。

安物は最初からまともに切れないし、直ぐにちゃんと使えなくなったり、爪に対しての負担が大きく、ボロボロになりやすいので注意です。

ネイルの世界だと、切る事よりも、ヤスリで削る事を推奨していますが、それは爪の構造や負担を考えての事のようです。

 

2024年1月23日 (火)

新しいものが良いとは限らない

刃物も砥石も、色々と新しい商品が販売されたり、改良が加えられて販売されています。

新しい製品や改良品は、絶対にそっちだ!とおっしゃる方もいらっしゃいますが、私はそうは思いません。

完全に100%の可能性と信頼をもって、それらが販売されているとは限らないからです。

実際に過去20年の実績を色々な範囲で見て来ても、初期段階での製品の失敗例や、言われている程の良さが出ていなかった例も多数あり、それらは市場に出てから意見が集まり、変更されて良くなった例もあります。

全く改良もされず、そのままでの良品と言える物もありましたが、改良もされずに短期間だけ目立ってそのまま消滅した製品もあります。

逆にロングセラーで、定番としてかなり年数が経っても、それを使用している方が多い製品もあるので、本当に良し悪しの問題は難しさがあると思っています。

製造側の思う良さと、使用者の思う良さの違いがあると、リピートで購入してもらう事は難しいので、販売品を作る苦労は重々理解していますが、それが求める内容に適しているのかと考えると、そこの調査はもっと必要な場合もあります。

幅広く理解をしている人達がそれらを検証し、それなりの確証をもって販売出来れば良いのですが、そういった事は難しいのでしょうか・・・。

色々なご意見を良く耳にしますが、こうじゃない感が強い製品で、謳い文句とはかけ離れた結果である場合も多いですから、どう考えればこういう答えになったのか?と、疑問すら感じてしまう結果だと、それを次に買おうと思う事は無いのかもしれません。

逆に、良い評価だったのに、販売がされなくなってしまった製品もあったりするので、そういうものは長く販売を続けられるように、段取りをしてもらいたかったな・・・という残念な思いもありますし、使う側は販売側から、意外と翻弄されているというのは事実なので、そういった考えも大事に製造販売をして頂きたいという思いもあります。

私は性格上、新しいものへの興味はかなり強いので、出来る限りで試していますが、近年では忙しさや資金の問題もあり、可能性の高い物以外は、検証対象に含めない事がほとんどですから、まだまだ把握のレベルとしては、足りていないと思います。

それでも出来る限り、信用出来る情報は入手し、先取りもするようにしていますので、全くアンテナを張っていない訳ではありませんから、その意識は捨てずにやっていきたいと考えています。

 

2024年1月22日 (月)

効果はあるのか???

砥石を使う事として、面修正は必須項目ですが、良くご質問を頂くのは、修正後の砥面に関してです。

修正の種類によりますが、面の状態が大きく変わるのは、ご自身で研ぎを行う方のほとんどの方が理解している事だと思います。

いくつか例を挙げますが、近年良く行われる電着ダイヤやダイヤモンド砥石系での修正だと、砥面は面一になりやすいです。

ここでいう面一は、砥面の大きな凸凹を直す過程で、細かい砥粒の凹凸も削られ、イメージとして言うとツルツルで鏡面のような段差のない面になります。

それに対し、荒砥での修正や、金板やセラミック板に荒い砥粒を撒いて使う修正だと、砥石の面はその荒い粒子の凹凸に近いザラザラとした凸凹が残ります。

今挙げた2種での比較は、同じ砥石の修正で考えても、ツルツルとザラザラで、非常に分かりやすいでしょう。

ツルツルの砥石は、研ぎ汁が出にくく、その砥石での研ぎは細かめに仕上がります。

ザラザラの砥石は、とぎ汁が出やすい、その砥石での研ぎは荒めに仕上がります。

研ぎの効率や仕上がりなど、考え方によって相性がありますし、そもそもの砥石の硬さによって、研ぎの考えも変わってきますから、必ずではありませんが、このような構成になる事は、覚えておいてください。

それらを使いこなし、研ぎの段階を考えた場合、どの辺りまでザラザラな荒めに修正をし、どこから細かくしはじめ、どこからは極力ツルツルにしていくのか、考えがまとまって来ると思います。

上手く研げないとおっしゃっている方は、砥石を良いものに変えるのと、砥石の使い方も変えてみてください。

それだけで今までの研ぎとは、何もかもが大きく変わって来ると思います。

使用する砥石の構成や、修正について考え直したい方は、当店でのご購入を前提としてご相談を頂ければ、細かくお話をさせて頂きます。

 

2024年1月21日 (日)

決まった研ぎと決まっていない研ぎ

刃物の研ぎにはいくつか種類があって、内容が完全に決まっているような研ぎと、そうではなく自由構成の研ぎがあります。

もちろん決まっている研ぎでも、人ぞれぞれの決まりは違いますので、世の中で決まっているという意味ではありません。

分かりやすい所だと、決まりがある研ぎは鉋や鑿などの研ぎが多く、自由の範囲だと包丁やナイフが多いです。

なぜ鉋や鑿が決まった研ぎになりやすいのかというと、使用条件がほぼ一定化する事にあります。

鉋や鑿は木材相手で使う刃物ですので、対する木材によっての設定はある程度変わりますし、好みもあると思いますが、同等の素材に近いものに使う刃物は、基本同じ設定で使われます。

毎回のように、使用条件に合わせて刃物の設定を変える事は基本的に困難ですから、条件の異なる使用の場合には、別の刃物を用意している方が明らかに多いはずです。

そうなると、色々な範囲で使う方ほど、多くの刃物をお持ちで、それぞれの設定を変えていると言えます。

一つの刃物の研ぎ方として、固定的になりやすいのは、必要条件が明確な事が挙げられます。

今回の内容と照らし合わせ、これに関して言うと、あくまでも個別の設定が決まっている事になるので、色々な研ぎを一つの刃物に行うという訳では無いことは、ご理解頂けるかと思います。

次に、ナイフや包丁などに関してのお話ですが、これらは多くの刃物を用意している方は少ないと考えられます。

一つの刃物で、いくつかの作業を行うのが割合的に多い為で、例えば包丁で言うと、柳刃包丁一本で、幅広く使う方はそこそこ多いので、そうなると用途の幅に合わせた研ぎで、色々と毎回変えている方も多いです。

実際のプロの現場で考えると、柳刃のような刺身系包丁は、一人で2本~5本など用意して使い分けている方も多いので、そう考えるとこの話はおかしいのではないか?と思われるかもしれませんが、そこには大きな違いがあります。

例えば、鉋で言えば、台があってそこに刃が収まり、その時の刃の角度や刃付けの内容により、削りの際に結果が異なってきますから、ある領域からは経験を基にして、同じような研ぎに収まる事が多いのです。

しかし包丁の場合、台がありませんし、使用条件や素材の幅が多くありますので、こういうパターンだとこういう研ぎというのは、人それぞれでかなり変わって来るという所です。

ここまで来ると、頭がこんがらかるかもしれませんが、使い方が固定化される刃物と、自由に使える刃物とでは、考え方と使い方と結果と、それぞれが大きく変わりますので、結局は同じ研ぎか違う研ぎかが、人に左右されるかされないかという差があるというお話です。

もう少し表現を変えてご説明すれば、もっと変わりやすい部分もあるのですが、刃物の刃がどう作用するのかが難しい計算になる刃物と、いくらでもとは言いませんが、刃を自由に使える刃物との差が、考え方として大きく異なるというのが、簡単なまとめです。

ご自身でお使いになる刃物に対する研ぎが、どう考えて行けばよいのか、方向性を間違ってしまうと、残念な刃物として研ぎが完成されてしまいますので、色々と考えて経験をして、これは!と思う所を見つけてみてください。

 

 

2024年1月20日 (土)

今になって必要になりました

過去にタブレットを仕事に使っていましたが、今はやめてしまっています。

しかし最近になって、ここぞという時にあの画面の大きさが必要になる事もあり、たまにしか活躍しないにしても、持っておかなければならないと思い始めました。

最近のものはだいぶ値上がりもしていますし、選ぶ機種や内容によっては、ノートPCのそこそこスペック品よりも高い場合があるようで、気軽に購入は出来ないと思っているところです。

何もかもが値上がりで、本当に厳しい状況ですね・・・。

 

2024年1月19日 (金)

良く出来ました!!!

自分で自画自賛するのもどうかと思いつつ、良いものは良いと認めたいですし、悪い物は悪いと認めたいので、今回は素直に良く出来たと言いたいです。

これが表に出るには、まだ先になるとは思いますが、自分が思う以上に技術を得ていたと思うと、努力をしてきて良かったと思えます。

ちゃんと表に出せる形になるまで、あとは色々と煮詰めていきます。

問題は道具の不安定さです。

かなりシビアな道具選びになるので、そこをクリアーさえすれば・・・。

 

2024年1月18日 (木)

改善をします

今ある技術の中で、自分で思う所のダメな部分を見つけてしまいました。

これは過去にも、なんとなくそうではないか?と思う場面があり、状況を見てきていましたが、機材と自分の両方に問題があると感じました。

はっきり言って、現状で大きな問題になるレベルではなく、分かる方が見て使ったとして、これを問題と思う方はほぼいらっしゃらないと思います。

しかし気になってしまった以上、それを放置する訳にもいかず、何とかしたいという思いがあります

どうしてそうなるのかまでは、確認が取れましたので、あとはどう改善するかです。

こういった部分は放置せず、必ず解決をしたいと思います。

 

2024年1月17日 (水)

硬いから永切れする訳ではありません

刃物が硬い事によるメリットは、しっかりとした刃が付きやすい事にあります。

例えば柔らかい刃の場合、砥石に負ける部分が多く、想定した刃になりにくいですが、硬めの刃の場合、砥石の悪い部分の影響を受けにくいというのはあります。

そして、それ以上に硬すぎる領域になると、そもそもの下研ぎの傷が簡単には消えなくなり、仕上げにもかなりの時間がかかりますし、損傷に弱くなる傾向があります。

しかし、靭性が上がった状態で、耐摩耗性が確保されていれば、大きな損傷は出にくいはずなので、研ぎの苦労が特別上がると思えば分かりやすいかもしれません。

高硬度刃物は、組織が良いとは言えない物も多くありますから、そうなると意外と刃の持ちがそこまでよくは無いので、その手前の硬さくらいの方が、良いと感じる方が多いと思います。

昔から良いとされる硬度の領域は、やはり良い事も多いですから、特別柔らかくなったり硬くなったりするよりも、適切と言えるのかもしれません。

 

2024年1月16日 (火)

順調に進んでいます

作業の流れ自体、順調に進んでいます。

今年に入ってから、色々と病院に行く予定もありましたが、12月のうちに急遽用事が済んでしまいましたし、1月は最初から流れは悪くないです。

遅れている部分がありますが、これも早い段階で解消できそうですし、あとは新規の仕事がどう入って来るかですね。

気候の影響で、持病の腰痛はそれなりに出ていますが、動けない程ではないので、まだ大丈夫でしょう。

今年は強い湿布に出来る限り頼らず、作業が出来ればと思っています。

 

2024年1月15日 (月)

当たり前だと思ってはいけません

刃物が良い活躍をしてくれる事は、良い刃物と良い研ぎがあり、良い使用があってこそです。

それぞれ使う領域や必要な要素が異なるので、揃えていく内容は違ったりしますが、これはダメだと思う状況にならないように、一つずつ揃えていく必要があります。

始めはそこそこ程度のものでも良いと思いますが、そこから色々と発展をさせていき、自分が満足出来る領域を探します。

段々と色々な知識や使用や管理を覚えれば、答えが見えて来るはずです。

ここで一番重要になるのは研ぎです。

刃物と使用の間に位置し、それらを繋ぎ使える状態にするのが、研ぎの重要な仕事だからです。

ですから、刃物と使用は直結していないとも言えます。

また、研ぎを行う者は、刃物を知り使用を知らなければ、研ぎの良し悪しの判断は出来ませんし、ある程度の把握は必要になります。

ご自身で刃物を作る方はなかなかいらっしゃいませんが、研ぎを行う方は多くいらっしゃいます。

研ぎが分からないし出来ないという方は、しっかりとした知識と技術のある方から、研ぎを学んで使用に役立ててください。

当方で研ぎ教室をやっていれば、そちらのご案内も出来るのですが、今のところ当店内では再開出来る見込みはありませんので、どうぞご了承くださいませ・・・。

 

2024年1月14日 (日)

残すべき技術

この先消えていく技術もあれば、残すべき技術もあると思います。

私がこの仕事をやっていて思うのは、手研ぎによる技術というのは、しっかりと後世に残さなければと・・・。

機械研磨が進化し、早くて良い結果の研磨が確立されたとしても、刃物の性質を確実に読みながら、必要な研ぎを行う事は、手研ぎにしか出来ない範囲が多くあります。

そして、何もかもを機械研磨の業者が行うのではなく、お客様が自ら手研ぎを行い、その刃物の性能を維持し続けられる事は、非常に重要な事です。

機械が悪いとは言いませんが、機械には出来ない仕事もあるのです。

未だに手研ぎで行っている刃物が多いのは、その為です。

その研ぎの技術は、簡単な物から難しいものまで、幅広く存在していますが、特に難しい方面は、どうしても機械ではなんとかならない範囲が多いので、そのレベルの維持と将来への継承は、今後必要になってくると思っています。

私も色々な方面から、色々なお声がけを頂いていますが、どのような範囲で結果を出し、それを残せるのかというのは、考えなければとは思っています。

並の努力や才能では、まず無理な部分が多いですから、全てを刃物の研磨に捧げて、将来の為に頑張れるような逸材でなければ、そういった範囲の事は得られない事なので、簡単な事ではありません。

あとで困るのは、一番末端のお客様でもありますが、国も技術という財産を失う事になり、それは大きな痛手となるでしょうから、本気で大切に考えて頂きたいと思います。

 

2024年1月13日 (土)

やって見なければ分からない?

刃物の研磨や研ぎは、100%の結果が保証出来る訳ではありません。

私の思うレベル以下で考えると、それっぽい研ぎのようなものと表現をする範囲として見れば、どんな刃物でもそこには合格出来る部分はあるかもしれませんが、そういうレベルの話ではありません。

求められる性能が、どういった範囲にあるのかで、その結果を考えなければなりませんから、思うような結果にならない事もあります。

特に繊細に使う刃物の場合、刃物の性質の問題や、砥石との相性などの影響で、それらははっきり出てしまう事があります。

研ぎ方や砥石を変えて、違った結果に出来る事も多くありますが、何をやってもしっくりこない場合もあり、作業可能な条件であったり、刃物の性質の問題は、どうしても避けようがありませんので、致し方ないと思います。

そういうレベルを求めるのであれば、それ相応の結果が出る刃物を用意し、それに良い研ぎを入れなければなりません。

良い結果はマイナス要素をどれだけ減らせるかで、結果が大きく変わりますから、求めるものが多ければ多い程、出費も時間も技術も必要になります。

最終的には、色々とやってみないと分からない範囲もありますが、この刃物では絶対にお客様が求められる性能を出す事は不可能というパターンは、確実な範囲が多くありますので、その範囲で求められても無理でしょうと言わざるを得ない事もあったりします。

刃物はどんな刃物も同じではありません。

良し悪しの差がありますので、自分の思うレベルが高い方は、それなりに高いレベルの刃物を購入するところから始めてください。

 

2024年1月12日 (金)

刃物が小さくなるまで我慢するのはやめましょう

例えばある包丁があったとします。

それが研いで使用を重ね、段々と小さくなってきたとします。

それを初期段階と同じ用途で使い、同じように使える範囲と言えるのは、大体3分の1の消費くらいまでです。

それでももう小さくて使いにくいとおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。

長さはそのままで、身幅だけが細くなる場合もあれば、身幅はあまり変わらず、長さが短くなっていく事もあるでしょう。

それらの影響で、使い勝手は大きく変わっていきますから、研いで使える範囲の最後までと思っても、性能をずっと維持出来る訳ではありません。

そう考えると、なるべく大きめで身幅があるものをと考える部分もあるのですが、それをやりすぎると、初期の状況があまり良くない結果になる事もあります。

全くサイズを変えずに、刃物を使い続ける事は、替え刃でもない限りは無理ですから、この辺りは致し方ないと思います。

特に包丁のような衛生面を大事にしなければならない刃物は、中心の刃となる部分を例え替え刃にして便利になっても、合わせ目や段差の問題がでれば、どうしてもそこには汚れや水分が溜まり、とてつもなく不衛生になりますから、そういった事は不可能と言えます。

ですから、研いで使って小さくなっていく事は、致し方ないと思うしかありません。

大きな歪があったり、欠けやサビによる欠損がある場合、それなりに大きく削り取る必要がありますから、どうしても一回り小さくなってしまいます。

それを避ける意味でも、状態良く使い続け、研ぎの量は出来る限り抑えながら、ストレス無く長く使って頂きたいと思っています。

 

2024年1月11日 (木)

かなり良くなりました。

当方が行う日本刀研磨の中で、一番簡易的な研磨となっています「おまかせ研磨」は、開始後から一旦は終了をしましたが、お客様の声で復活をし、更に改良を加えて現在に残っていますが、最近また少し仕様を変えています。

方法としては結構難しく、条件次第な所はある方法なのですが、その条件作りが上手く行いやすくなった事で、この方法自体の効果を高める事が出来ました。

以前の方法だと、細かないくつかの部分で諦める必要がありましたが、これが上手く出来るだけで、その諦めの数が減り、全体のレベルも上がった部分があるので、非常にこれは良い結果となりました。

一つの作業だけを見れば、成功と失敗がありますが、総合的に他でカバーさえできれば、このような事も可能ではあると考えていましたが、それが明確に出てくれたパターンです。

まだ改良の余地がある研磨は色々と存在していますので、それらの範囲も少しずつ変化させていきます。

 

2024年1月10日 (水)

本当に困った・・・

昨年、機械で使う部材の中で、結構重要な物の製造が廃止となり、入手できなくなりました。

理由は何かは分かりませんが、無くなった事実だけは確実な話なので、切り替えて他の製品を探していますが、今のところ似た製品を探すのは難しいようです。

金額的には少し高いものでしたが、それでも寿命は長めで安定した製品ではありましたので、この製品に出会ってからは、かなり主力として使っていましたし、仕事の内容によっては、致命的になる部分も出て来そうです。

単純に他の製品に変える事で、金額が変わるだけであれば、ある意味まだセーフだと思いますが、性能という部分が良い部分ではありましたし、本当に悔やまれます。

今後別メーカーの製品が、入れ替わりで新規販売をする見込みがあるという所は、仕入れ業者さんから伺っていますので、それを代替品として使えればいいなと・・・。

それまでは違うものをとりあえず海外と国内でいくつか注文をしたので、それらでだましだましやっていく感じでしょうか。

 

2024年1月 9日 (火)

すっかり忘れていましたが履き替えてあります

昨年の年末辺りに、スタッドレスタイヤに履き替えてあります。

今期は最低気温が下がらず、マイナスの気温が少なかった為、急いでスタッドレスタイヤにする必要がありませんでしたし、仕事が忙しかった事もあって、年末に履き替えとなりました。

実際にそれで危ない事は全くありませんでしたし、いざとなったら1時間あれば余裕で履き替えは出来るので、そこまで汗っていなかったのもあります。

最近になって、最低気温が急激に低くなる日が何度かあり、そういった日でも、夜遅くや夜中に車を使う事があって、路面凍結の可能性を考えると、安心感は非常に高くなります。

年間で見ると、3ヵ月程度しか履く期間はありませんし、雪が毎年多く降る事はなく、どちらかというと凍結対策でしかないので、そこまで必要性が無い地域なのかもしれませんが、出張で雪の多い地域に行く事もあったりはしますから、安心安全を買っていると思うと、無駄では無いと思っています。

 

2024年1月 8日 (月)

結果の為に

私が行っている刃物の研ぎや研磨の世界は、あくまでも刃物を使用される方の為の「補助」です。

ですから、私はメインではなく、あくまでも脇役となります。

私が研いだ刃物で、プロの方が実用として使用し、それをお仕事とされたり、それぞれの分野で活躍をされています。

そして一般のお客様も、ご家庭で実用としてや趣味として、必要な範囲でお使い頂き、ストレス無く楽にお使い頂けています。

刃物がそこにあって、私がどんなにレベルの高い研ぎを行おうと、簡易的な研ぎを行おうと、最後はご使用になる方がどう使うのかで、全ての結果は変わってしまいます。

その為、使用方法や研ぎにお出し頂いた状態の結果から、色々なお話をさせて頂き、より良い結果となるよう、アドバイスも行っています。

全く同じ刃物で、全く同じ研ぎがされていて、使用条件も同じだとしても、使用する方によって刃のもちも大きく違いますし、切れ方も全く違うという判断になります。

それらを少しでも良くするには、使用者の範囲の改善も必要になります。

最終的な結果に対してのところは、使用者の方が作り上げる部分となりますので、結果をどう出していくのか、刃物と砥石と研ぎと使用者を、私は繋いでいく事が大事だと考えています。

 

2024年1月 7日 (日)

砥石の面の管理について

刃物を砥石で研ぐ場面で、砥石の修正はどのくらいの頻度で行っていますか?

これは研ぐ事の必須条件として、何度もこの手の内容は書いて来ました。

砥石の修正に必要な砥石修正器や、修正用砥石などがありますし、昔はブロック塀材や大型グラインダーの砥石を使うなど、色々な方法があります。

また、同じ砥石を2丁用意し、擦り合わせて修正をしながら使う例もありますが、出来れば3面欲しい所ですね。

さて、砥石の修正頻度についてですが、どんな刃物をどのくらいの時間研ぐのかで、それは大きく変わりますが、ある程度、全面を使ったら、研ぎの最中でも修正を行いつつ研ぎ、その砥石の仕上げとなる最終段階になったら、また修正をして良い面で研ぐ事が推奨されます。

また、修正の精度については、高精度での修正が理想ですが、柔らかい砥石を使う方の場合、直ぐに面は崩れますので、1~3μのような高精度ではなく、10μオーバーの精度でも十分でしょう。

中硬以上を使う場合は、それなりの精度を出さないと、砥石に刃物の面が合って行きますので、気を付けた方が良いです。

平面研ぎとなる、切出小刀や鉋や鑿の場合、本当に高精度で研ぎを行う方は、本当に僅かにだけ研ぎ修正をするなど、そういったこだわりをお持ちの方も多いようです。

少なくとも、毎回研ぐ中で修正は必ず行うようにし、研ぎを何回か行う中で一度程度だろ、明らかに足りないという認識だけは、お持ちになって頂きたいと思います。

折角の研ぎ技術がある可能性を潰す事になりますので、砥石の面修正による管理は、必ず行ってくださいね。

 

2024年1月 6日 (土)

安定を

研ぎで毎回ばらつく方は、まず確認をして頂きたい事があります。

・砥石はしっかりと面を直せていますか?

・研ぎの部分的な量の違いや角度の違いは出ていませんか?

・見えない欠けまで意識して研ぎを行っていますか?

これら3つのポイントを忘れずに行えば、ほとんどの場合はほぼ安定します。

細かい所を見れば、突っ込み所は多くあると思いますが、最初は細かい部分より、当たり前な事を当たり前に出来るようにする事が、とにかく大事だと思います。

多くの方は色々な方がおっしゃっている内容を聞いて、細かい所を気にしてしまいますが、基本的な部分の所をクリアしない限り、それらの細かいお話はそこまで重要ではありません。

そういった方達が、どのレベルに対して、細かいお話をされているのかを分かるようになれば、大体の事は理解して出来るようになっていると思いますので、それまでは背伸びは決してしない事が大切です。

一流にプロと同じ技術が、言葉一つで全て改善出来る程、研ぎの世界は甘くありません。

特に刃物を扱うプロの方を相手にした仕事の率が高い場合、特に誤魔化しは直ぐにばれますし、必要なポイントをしっかりと抑えて行かないと、良いと言って頂く事も出来ません。

それらを確立するまでに、かなり苦労をしました。

 

2024年1月 5日 (金)

今年の流れをどうするか・・・

ようやく年末年始の休みも明け、少しずつ色々と進め始めています。

そんな中で、行動より考えの部分が必要な領域があり、少し頭を使う方面を考えていかなければと思っています。

今年必要になる事は、昨年から色々な方々のご協力も頂き、可能性が広がってきていますが、上手くいくのではないかと思っています。

今までもそうですが、何か確証がある訳でもなく、なんとなくこうなるんじゃないかな?と思っていた部分が、それ以上に良く出てくれた事も多かったので、あまり考えすぎずに期待を持ちたいと思っています。

私がこの仕事を始める前に、色々な方々とお話をしましたが、その時に頂いた言葉は、今でもいくつも覚えています。

今は当初とは違った考えや行動をせざるを得ない部分もあるので、歯痒い思いもありますが、その先の為には致し方ない部分もあります。

具体的なお話が出来ないので、何の事だか分からないような内容になっているかもしれませんが、頑張ってますよ!とだけ、覚えておいていただければ十分です。

 

2024年1月 4日 (木)

仕事始め

一般的には、今日から仕事始めだったようですね。

職種によっては、来週からという所もあるようですが・・・。

当方の店舗営業開始は、6日(土)からとなっています。

来週は祭日も入りますので、まだ落ち着かない曜日となるかもしれませんが、頑張って仕事をしていきましょう!

 

2024年1月 3日 (水)

納品に向けて

昨年の年末に、重要な仕事の納品を終える事が出来ました。

あまりにも重要な部分が多く、難しい条件であった為、なかなか作業に集中できなかった事や、やり直しも重ねていましたので、長い期間がかかってしまいました。

しかし、無事にご満足を頂けて安心しました。

他にもまだ遅れがありますので、それらを早く終わらせられるよう、今月の作業として含めています。

どうしても並行作業は入りますし、こだわりの部分は捨てるつもりはないので、かなり苦労をする事が多いのですが、意味のある研磨になるよう、頑張って進めていきます。

 

2024年1月 2日 (火)

連日

昨日の震災や津波の影響に続き、今日は飛行機の事故が起こってしまいました。

今回は天災ではなく、人為的なもののようですから、防ぐ事は出来た事かもしれません。

年始から立て続けに不幸が起こって、今年は大丈夫なのかと、心配の声も出ているようです。

まだ詳しい事は分かっていないようなので、間違った情報を伝える訳にもいきませんし、簡単にだけ・・・。

今日も色々書こうと考えていましたが、また書けず仕舞いで申し訳ありません。

 

2024年1月 1日 (月)

2024年が明けました

新年、明けましておめでとうございます。

本年も佐藤研磨店を宜しくお願い申し上げます。

昨年はコロナやインフルエンザの影響が世の中に多くあり、不安定な年だったと思います。

今年は新年早々に、大きな地震がありましたし、スタートとしてはかなり辛い始まり方となってしまいました。

被害にに合われた方々には心よりお見舞い申し上げます。

その為、おめでとうという言葉は、不適切では無いかと思う反面、東日本大震災の時もそうでしたが、普段通りにと言う声も多くあったようですし、自粛が正しいとも言い切れない部分があり、今後のより良い一年となる事を祈って、あえてその言葉を使わせて頂きました。

まだ状況の把握が全くできていないようですが、少しずつ色々な情報も出て来るかと思います。

それと余震による影響も十分に考えられますので、この先も気を付けて行動なさってください。

色々と書こうと思っていましたが、また後日にと思います。

 

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