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2024年1月21日 (日)

決まった研ぎと決まっていない研ぎ

刃物の研ぎにはいくつか種類があって、内容が完全に決まっているような研ぎと、そうではなく自由構成の研ぎがあります。

もちろん決まっている研ぎでも、人ぞれぞれの決まりは違いますので、世の中で決まっているという意味ではありません。

分かりやすい所だと、決まりがある研ぎは鉋や鑿などの研ぎが多く、自由の範囲だと包丁やナイフが多いです。

なぜ鉋や鑿が決まった研ぎになりやすいのかというと、使用条件がほぼ一定化する事にあります。

鉋や鑿は木材相手で使う刃物ですので、対する木材によっての設定はある程度変わりますし、好みもあると思いますが、同等の素材に近いものに使う刃物は、基本同じ設定で使われます。

毎回のように、使用条件に合わせて刃物の設定を変える事は基本的に困難ですから、条件の異なる使用の場合には、別の刃物を用意している方が明らかに多いはずです。

そうなると、色々な範囲で使う方ほど、多くの刃物をお持ちで、それぞれの設定を変えていると言えます。

一つの刃物の研ぎ方として、固定的になりやすいのは、必要条件が明確な事が挙げられます。

今回の内容と照らし合わせ、これに関して言うと、あくまでも個別の設定が決まっている事になるので、色々な研ぎを一つの刃物に行うという訳では無いことは、ご理解頂けるかと思います。

次に、ナイフや包丁などに関してのお話ですが、これらは多くの刃物を用意している方は少ないと考えられます。

一つの刃物で、いくつかの作業を行うのが割合的に多い為で、例えば包丁で言うと、柳刃包丁一本で、幅広く使う方はそこそこ多いので、そうなると用途の幅に合わせた研ぎで、色々と毎回変えている方も多いです。

実際のプロの現場で考えると、柳刃のような刺身系包丁は、一人で2本~5本など用意して使い分けている方も多いので、そう考えるとこの話はおかしいのではないか?と思われるかもしれませんが、そこには大きな違いがあります。

例えば、鉋で言えば、台があってそこに刃が収まり、その時の刃の角度や刃付けの内容により、削りの際に結果が異なってきますから、ある領域からは経験を基にして、同じような研ぎに収まる事が多いのです。

しかし包丁の場合、台がありませんし、使用条件や素材の幅が多くありますので、こういうパターンだとこういう研ぎというのは、人それぞれでかなり変わって来るという所です。

ここまで来ると、頭がこんがらかるかもしれませんが、使い方が固定化される刃物と、自由に使える刃物とでは、考え方と使い方と結果と、それぞれが大きく変わりますので、結局は同じ研ぎか違う研ぎかが、人に左右されるかされないかという差があるというお話です。

もう少し表現を変えてご説明すれば、もっと変わりやすい部分もあるのですが、刃物の刃がどう作用するのかが難しい計算になる刃物と、いくらでもとは言いませんが、刃を自由に使える刃物との差が、考え方として大きく異なるというのが、簡単なまとめです。

ご自身でお使いになる刃物に対する研ぎが、どう考えて行けばよいのか、方向性を間違ってしまうと、残念な刃物として研ぎが完成されてしまいますので、色々と考えて経験をして、これは!と思う所を見つけてみてください。

 

 

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