残すべき技術
この先消えていく技術もあれば、残すべき技術もあると思います。
私がこの仕事をやっていて思うのは、手研ぎによる技術というのは、しっかりと後世に残さなければと・・・。
機械研磨が進化し、早くて良い結果の研磨が確立されたとしても、刃物の性質を確実に読みながら、必要な研ぎを行う事は、手研ぎにしか出来ない範囲が多くあります。
そして、何もかもを機械研磨の業者が行うのではなく、お客様が自ら手研ぎを行い、その刃物の性能を維持し続けられる事は、非常に重要な事です。
機械が悪いとは言いませんが、機械には出来ない仕事もあるのです。
未だに手研ぎで行っている刃物が多いのは、その為です。
その研ぎの技術は、簡単な物から難しいものまで、幅広く存在していますが、特に難しい方面は、どうしても機械ではなんとかならない範囲が多いので、そのレベルの維持と将来への継承は、今後必要になってくると思っています。
私も色々な方面から、色々なお声がけを頂いていますが、どのような範囲で結果を出し、それを残せるのかというのは、考えなければとは思っています。
並の努力や才能では、まず無理な部分が多いですから、全てを刃物の研磨に捧げて、将来の為に頑張れるような逸材でなければ、そういった範囲の事は得られない事なので、簡単な事ではありません。
あとで困るのは、一番末端のお客様でもありますが、国も技術という財産を失う事になり、それは大きな痛手となるでしょうから、本気で大切に考えて頂きたいと思います。
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