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2024年3月

2024年3月31日 (日)

やる気はあります

昨年から、思うように進められていない部分が色々あって、情けないと感じてしまっている部分がありますが、刃物の研磨や研ぎに関しては、向き合う精神は全く衰えていません。

ただやる事が色々と増えてきていて、これ以上むやみにペースを上げる事も出来ないので、手数と仕事時間を増やせない事がネックになりつつあるというだけの事です。

望まれる事には、出来る限りでご期待に沿いたいと思いますし、色々とチャレンジもしてみたいのですが、環境的な限界もあります。

大体の事はやればそれなりに直ぐ出来るようになるので、そういった不安は無いのですが、投資にも限界がありますから、そういう話になってくると、規模による差は計測できないくらいの差がありますし、悔しい思いもあります。

やる気があるからこそ、そういう部分に直面するのだと思いますから、苦労をしてその先でようやく・・・というのも、喜びはより一層大きくなると考えれば、良い事なのかもしれませんね。

今後、新規で色々な仕事を始めていきたいと思っていますので、何をどれだけやって行かれるか、その辺りを頑張って模索していきます。

 

2024年3月30日 (土)

十分な勉強になりました。

ここ数年で学んでいた事がありますが、それが最近になって、明確に出せるようになってきました。

具体的なお話は避けますが、今まで私自身は考えもしなかった部分の勉強です。

時代の変化でどんどんその感覚を忘れてしまっていましたが、今まで以上にそれが出来るようになったと思いますし、勉強の効果は十分にあったと思っています。

今後、この部分に関しては、もっと必要になる事が増えていくと思いますので、より明確に成果を出せると良いのですが・・・。

 

2024年3月29日 (金)

幻の・・・

過去にメインで使っていて、今は販売されなくなってしまい他の製品に変えた、機械で使う部材が出て来ました。

探し物をしていて、たまたま見つけたのですが、過去の記憶が蘇ります。

これは本当に良かったものですが、次の注文をと思ったら、製品が無くなっており、最後の少しだけ取ってあったようです。

もちろん記念にという意味ではなく、何かあった時にどうしてもこれでなければ・・・という作業の為です。

結局少しは使いましたが、残りがあったのをそのまま保管し、今に至ったようです。

こういう製品は、無くならないでもらいたいのですが、良いと思うもの程、生産が終わってしまいます。

そう考えると、私が求めているものは、皆が欲しがらないマニアックな物なのでしょうか???

 

2024年3月28日 (木)

間違えて注文をしていました

ある商品で、普段使う消耗品の事なのですが、同メーカーの似た系統の商品と注文を間違えてしまっていました。

久しぶりに注文をしようと思い、製品のHPを見ていたら、ラベルが変わったのかと軽く考え、そのまま注文してしまいましたが別製品でした・・・。

気が付いたのがだいぶ経ってからだったので、返品交換は依頼せずに使います。

使うと言っても、普段使いは厳しそうなので、他の仕事で使おうと思います。

金額的には同等なので、使い勝手が同じレベルであれば、そのまま使っても良かったのですが、残念ながら相性の問題で使いにくいのです。

試しに買ってみて使えない事以外では、こういう事は滅多に無いのですが、久しぶりにショックな出来事でした。

注意力が落ちているので、気を付けなければなりませんね。

 

2024年3月27日 (水)

上手く研げない話

今まで数え消えれない程に書いて来た、研いでも切れない事や、上手く研げないというお話です。

まず最初に、上手く研げない方は、研ぎの環境を整えてください。

良質な砥石と砥石の修正器であったり、研ぎが安定する為の良質な砥石台。

そして、刃物の状態が悪いままでは、まともに研ぎは出来ませんので、一度プロにお願いをして、まともに研ぎが出来る状態に直して貰いましょう。

そこまで揃わないと、いつまで経っても良い研ぎは身につきません。

悪い条件が重なると、上手いプロの方であっても、まともな研ぎは出来ませんから、条件というのはとても大事な事です。

何が悪いのか分からなければ、砥石や修正器や刃物を持って、当店へいらしてください。

もちろん情報が知りたいとか、お話だけを希望の場合には、対応は出来ませんので、刃物や砥石の購入や、研ぎのご依頼をそれなりにしてくださいね。

知識や技術を得る為に、それなりの金額とそれなりの努力をしてきましたので、何もかもを無料でただお話やアドバイスをというのは難しいお話です。

 

 

2024年3月26日 (火)

プロスペック

刃物や砥石に関しては、プロスペックが存在しているのに、研ぎには無いのがおかしいという声もあります。

確かにおっしゃる通りで、研ぎ自体をプロ向けとしているものは、ほとんど無かったでしょう。

当方では開店当初から、プロ向けは別項目として作っている刃物もあり、それを珍しいとおっしゃる方が多数いらっしゃいました。

私の中で思う研ぎは、用途や使用条件で変えるものであり、刃物や使い手に合わせ変化させなければ、必要な性能は出せないと考えています。

研ぎは大まかに見ると、切れ味を優先させて刃持ちが良くないか、刃の強度を優先させて刃持ちが良いか、二通りに分けられます。

あとは、刃物ごとに決まりがある物もありますから、そういった場合には必要とされる決まりに合わせて研ぎます。

プロ用であれば、切れ味を優先するとか、刃持ちを優先するとか、そういう分け方はありません。

使用者の方が考える刃物とは何なのかで、その辺りは大きく変わってくるからです。

同じ刃物でも、用途によって研ぎを変えるのは良くある事ですから、それも合わせて考えれば、決まり事のある刃物以外では、基本的な自由度があると考えられます。

自由と言っても、あまり極端するすぎる事をやれば、刃物が傷むか、切断がまともに出来ないか、そういった事もあり得ます。

ですから、節度のある中でも両極端ではあるので、その辺りはしっかり把握しなければなりません。

お客様の好みにより、研ぎを変えるとすれば、その方が何を求めているのかという部分と、どこまで把握されているかという所を合わせ、近い範囲を探してそこに当てはめていきます。

人により表現や考えが形になると、思っていた物とは全く別物である場合に遭遇するので、その辺りは見定める必要性があります。

今の現状と比較し、どのくらいにしたいのかを見れば、ある程度は分かりやすいですし、どのくらいのズレがあるのかも把握しやすいですが、情報が少なければ少ない程、こうして欲しいと言われても、どの辺りなのかが読めない事もあります。

それを探りながら、何度顔出し頂く中で、そこへと近づける事は可能ですから、お客様に良くお話をするのは、3回は諦めずに出してくださいという部分です。

人の頭の中やその方の感覚まで、何もかもを把握できる訳もありませんし、一度で完璧に思う通りになる事は不可能に近いので、その辺りはご協力を頂きながら、ご希望に近づけられたらと思います。

 

2024年3月25日 (月)

昔だとかなり難しかった事が今では簡単になりました

過去の研ぎでは、簡単に細かく仕上げる事は出来ませんでした。

可能性があるとすれば、唯一、天然砥石だけだったでしょう。

しかし、人造砥石の性能が格段に上がった頃から、段々と細かい研ぎは人造砥石でも可能になり始め、今では人造砥石の方が細かい可能性も十分に出て来ました。

砥石の硬度や研磨剤である砥粒の硬度の問題だけではなく、刃物にどういう傷を付け、どういう刃が完成するのかが焦点ですが、目の揃いや細かさは、安定して人造砥石の方が出せると言い切れるでしょう。

その理由は、天然砥石は良し悪しが幅広くあり、外れ品が多い事にあります。

同じ山の似たような見た目でも、全く違った結果になる事が多く、刃物が不純物が多く出て傷だらけになることもありますし、そこまで頑張って仕上げた研ぎが、最後の段階で崩されてしまう事は、かなり辛い場面となります。

そうならない為にも、最初から最後まで無意味にならないように、確実な段階を踏んで仕上げまで進みたいと思います。

それが可能な砥石は、現代では完成されているので、あとは買うだけです。

わずかな範囲ですが、本当に可能にはなりましたし、全て揃えると高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、確実という価値がそこにあるので、私は高いとは思いません。

それだけ揃えれば・・・という事は、買えばいいだけですから。

もちろん、個人の技量の影響はありますが、それは最低限度ある状態でなければ、そもそもの研ぎは完成できないので、最低条件はクリアしたという仮定です。

砥石の使い方や修正の方法、研ぎ方のポイントや癖などは、アドバイスする事が出来ますので大丈夫です。

 

2024年3月24日 (日)

勿体ないと思いますか?

ダイヤモンド砥石は数種類あり、電着ダイヤ、レジンボンドダイヤ、セラミックダイヤ、が主流です。

その他として、メタルボンド物もありますが、これは一般的に私達が使うダイヤモンド砥石とは無縁の内容なので、無かったことにしましょう・・・。

今回のお話のメインは、レジンボンド系のダイヤモンド砥石のお話です。

ダイヤモンド砥石は、表面に露出しているダイヤを使用し、刃物を研いで行きますので、ヤスリのようなものです。

一般の砥石は、硬度の高い砥粒(砥石の基本となる研磨剤の粉)が使われていますので、表面だけで研ぎ続ける事は難しく、使用中に新しく表面が再生を繰り返す事で、研ぎが行える仕組みです。

レジンボンドのダイヤモンド砥石は、目立てが必須の硬い物や、目立てが必要ない柔らかめの物もありますが、いずれ減りは少なくとも、全く減らない訳ではありません。

ですから、面直しや目立てを行う必要性は、少なからずあるという事になります。

その頻度に関して、良く議論される事がありますが、私はそれなりの頻度で必要であると思っています。

そうでなければ、気付かないうちに大きく形が変わってしまい、研ぎがズレてしまう事や、目詰まりのある砥面で効率が悪い状態が続くのは、損でしかないと思っているからです。

精度を待ったく気にしないにしても、面の使う部分と使わない部分がどうしてもできてしまうので、いずれ大きなズレに変わってしまい、あり得ない研ぎになってしまうのは確実です。

そう考えても、ダイヤモンド砥石の面修正は、勿体ないと思いますか?

効率と確実性の為にダイヤモンド砥石を使う方が多いと思いますので、それを勿体ないと思うのであれば、ダイヤモンド砥石は使う意味はあまりないかもしれません。

 

2024年3月23日 (土)

こだわりのポイント

私は気にしない事には、何一つと言えるほど気にしません。

しかしこだわりのある事に関しては、妥協はなるべくしたくないという思いが強いです。

刃物や砥石や研ぎの事ももちろんそうです。

技術に関しては当然ですが、使う道具やその使い方にも、かなりのこだわりを持ちます。

そうでなければ、レベルの高い研ぎは維持できません。

何事も腕さえあれば・・・という声もありますが、腕ではカバーできない事が道具にはありますから、そこは除外して考える事はしません。

実際に主要な道具である砥石一つにしても、適当なもので頑張って研いだところで、良い砥石を使ったそこそこの研ぎには勝てないのですから、間違いなく道具の違いが仕事のレベルに影響を及ぼすと考えています。

お客様が商品のご購入でご相談の時も、お話を伺ってその内容に近い物をおすすめしますが、それが予算オーバーでも、近いと思えばそれをご提案します。

ご希望の性能があるのに、それを避けて購入してしまえば、これじゃない感が出てしまい、結局は購入しなければ良かったになる可能性があるからです。

ですから、ご予算が2万円だとして、3万円になってしまうような場合は、遠慮なく内容でおすすめをさせて頂きます。

しかし、予算が3万円だとして、ご提案が20万になるケースもあります。

それに関しては、明らかに予算とご希望内容が合っていない事になりますので、その金額では買えませんと素直にお話をさせて頂きます。

ものを知ればその内容が簡単には手に入らないという事も、ご理解は頂けると思いますが、実情が分からない間はそういった事もあると思います。

 

2024年3月22日 (金)

影響はあるのか?

和包丁の裏鋤(うらすき)に関しては、かなりこだわりがあります。

大きな要の部分ですから、この加工がまともに出来ないというのは、絶対にありえない事です。

良い裏鋤とは、浅めで綺麗にと思われている方がいらっしゃいますが、それは過去の話になりつつありますが、それについて説明を致します。

浅めでギリギリのRで裏を作るのは、確かに利点はあります。

食材への食い込み時に、Rが深いと裏側は包丁は入ろうとします。

そうでなくても片刃である以上、負担がかかる鎬のある側から、平面(ここで言う平面は裏鋤は無しと考え裏押しの刃側と峰側の位置関係が平面という意味です)の側へ曲がって刃が入ろうとする性質がありますから、これは自然の事です。

更に、切断が開始されて直ぐ、裏の鋤が深く入っている場合、その深さの影響もあって、更に裏側へ刃が入ろうとする事もあるのです。

そして、裏押しを行う際に、鋤が浅ければ浅い程、軽い研ぎで押しの量を増やす事も出来ますので、裏押しが無くなってもすぐに復活しやすいというのはあります。

裏押しとは、現代でいう所の裏研ぎだと思って頂ければ分かりやすいでしょう。

もう一点、歪(ひずみ)に関して言えば、裏鋤が深い方が、歪が出やすい傾向はありますし、強度は多少強くなる可能性はあります。

そう考えると、浅い方が良いと思う方も多いでしょう。

ただ、本当に浅い裏鋤は、仕上げ砥石だけでも押し部が広がってしまう場合もありますし、綺麗に浅く鋤が成功している例はかなり少ないです。

また、裏鋤が浅い事で、使用が進むと、簡単にべた裏へと変わってしまう事が多いです。

気軽に研いで気軽に使おうと思っても、直ぐに調整や修正の時期が来るというのが、裏鋤が浅い事による影響です。

そう考えると、ある程度の深さは必要だと考える方も多いです。

私個人としては、それなりに深さがある方が、安心して使いやすいと考えています。

構造によっても良し悪しがありますので、色々と様子を見ながらの調整としていますが、本焼や全鋼であったり、鋼が十分にあるのなら、深めでの加工を推奨します。

将来性を考えるのであれば、浅めに調整をしても良いと思いますし、部分的な調整のみとして、全体を鋤き直さないという選択肢もあると思いますが、そういった事への理解がある業界ではないので、意味も理解出来ずに変な加工だと思われて終わるのかもしれません。

実際に色々と試した中で、それは一つの方法として、ありだと感じていますので、ご興味がある方はそれも視野に入れて頂いても良いと思います。

 

2024年3月21日 (木)

少し無理があります

刃物の状況が悪い場合でも、専門家に修理依頼を出さない方が結構いらっしゃいます。

自分で何とかしようとするのですが、そのほとんどは直らずに悪化します。

その理由は、それまでその刃物が悪化してきた理由が、ご自身の研ぎや使用の問題な訳ですから、いざ直そうとしてそう簡単に直せる訳もありません。

もしその技術を持ち合わせているのであれば、今まで悪化する方向へは来ていなかったはずですから・・・。

それを無理に直そうとして、更に悪化したり、削りシロを失ってしまう事も多いので、更に修理金額が上がり、修復レベルになり事も多々あります。

早め早めに様子伺いだと思い、研ぎにお出し下さい。

何も問題が無ければ、低価格で収まりますし、更に状態は良くなって戻ってきます。

 

2024年3月20日 (水)

花粉が・・・

毎年の事ですが、花粉症でやられています。

ここ数年は、ほとんど服用薬は使用していませんが、目薬と点鼻薬は必須になっています。

アレルギーの影響からか、他にも全身のかゆみなどにもやられてしまっています。

何とか影響なく、花粉の時期を乗り越えたいのですが、こればかりはどうしようも無いのでしょうね。

 

2024年3月19日 (火)

刃付け用として必須になるかもしれません

私の研磨と研ぎは、それぞれオリジナルが多いのですが、刃付け自体も実はオリジナルが多いです。

その刃付けに必須なのが、もちろんお決まりではありますが「砥石」です。

どの砥石を使うのかで、刃付けは大きく変わります。

荒さだけではなく、刃の性質も変わりますので、どういった刃が必要なのかを考え、刃の性質も考えつつ、使う砥石を変更しています。

大体の決まった砥石はあるのですが、必要な内容によって色々と変えられるようにしてあります。

色々とテストを重ねて来て、その都度で答えが違う事もありましたが、基本としてまずはこれというものは、最近定まりつつあります。

これ一丁あれば絶対に・・・という訳ではありませんが、かなり使えるものではあるので、常備しておこうと思います。

通常はテストを終えても砥石は残っているのですが、色々とやりたい事があって使い過ぎて、使用限界になってしまったので、改めて買い直しをします。

 

 

2024年3月18日 (月)

作業する側としては難しいけどかなり良いです

当店オリジナルの日本刀研磨である「居合抜刀用面精度研磨」に、オプションとして作ってあります「霞」ですが、こちらは仕上げ方に関する内容のオプションです。

これをやる意味は、表情として自然な刃文の姿を見られる事や、油の保持がしやすい事にあります。

刃部の油の保持は、意外と難しい問題で、ある程度の荒さと凹凸が必要です。

そしてその凹凸がある事で、斬り込みや斬り抜けの良さにも影響するなど、そういった意味もあります。

実際にテストとご意見から、そういった効果は見られていますので、無駄では無いと思います。

作業時間はかかりかかりますし、研ぎによる下地と磨きの下地を合わせるのが、かなり難しい作業です。

宜しければ、居合抜刀用面精度研磨と合わせ、ご利用を頂ければと思います。

 

2024年3月17日 (日)

どうしても駄目でした・・・

先日、ある刃物の研磨を行い、もちろん刃付けは手研ぎで行いましたが、良くない結果に終わってしまいました。

こういった場合、やり直しをする事も多いのですが、ほとんどは結果がほぼ変わりません。

それだけ安定して、一度の作業が出来ているという事になりますので、私としては安心なのですが、刃物の実情を知ってしまう方からすれば、残念な結果になると思います。

そういった場合、ある程度の所までは回避する方法はあるのですが、そういう時に限って、ご要望が回避方面では出来ない内容だったりしますので、素直にご報告をします。

お客様には常日頃からお話をしていますが、満足度が高くて本当に良いと言える刃物は、ほんの一部の商品だけです。

少し諦めも必要ですが、かなり満足する商品なら、そこそこの割合であります。

そのくらいだと思って頂くと、過度な期待を持たずに、刃物と向き合えるのではないでしょうか。

 

2024年3月16日 (土)

面倒でもHPを良くご覧になってください

当方のHPは、文章ばかりでつまらないと思います。

特に研磨や研ぎに関しては、もっと画像が多ければ・・・、動画が多ければ・・・、と思う方も多いかとは思います。

しかし画像ばかりを見ても、ご自身の刃物の作業をお出し頂き、それが本当に同じ状態になるとは限りませんし、あくまでも参考でしかありません。

しかも画像で見る状態と、実物を見る状態では、かなり違う事が多いですから、参考にすらならない可能性もあるのです。

それよりも文章を見て、想像して頂く事や、考えて頂く事を大事にし、あえて文章を多くしているという所はあります。

必要な情報や、注意事項など、それらをしっかりと読んで頂ければ、大体のパターンは収まります。

それでも不足な場合、ご質問を頂ければ、こちらからのご提案やその他お話もさせて頂きます。

必要な箇所は全てお読み頂く事で、お客様の質問や不安も少なくなると思いますし、メールでのやりとりの回数もかなり減らせるはずです。

また、専門用語はだいぶ減らして書いていますが、どうしても説明に必要になる範囲は、専門用語を使っています。

分からない場合には、ネットでその用語を検索頂けば、大体の言葉は出てきますので、違った言葉に変える事で返って分かりにくくなる事を避ける意味もありますので、どうぞご了承ください。

画像が無く言葉が多いと信用できませんか?

 

2024年3月15日 (金)

中古の刃物は状況次第です

中古で安く刃物を購入できたと喜ぶ方も多いようですが、その先の事を考えていますか?

新品で5万円の刃物があったとして、中古で3万円で買えたとしましょう。

それがそのまますぐ使える状態で、さほど消耗していないのであれば良いと思います。

しかし、刃物の大きさが極端に小さくなったり細くなったりしていて、しかも大きな修理や修復が必要だったとしたら、その研ぎ修理にいくらかければ良い状態に戻せるのかと思えば、実は新品を買った方が良い場合もあります。

私は古物も取り扱っていますので、お客様と価格のお話をする際に、その刃物の状態を考えて、掲示金額の事をお話します。

もちろん当方の場合にはレア品も多いので、単純に新品価格だけで考えるのはおかしいですが、それを買ってどのくらい使えるのかや、研磨や研ぎを行って使える状態で販売するのかでも、その価値は大きく変わりますから、それらも含めて考えなければなりません。

欲しいと思っても、作者が亡くなられており、新品の入手が難しい物の場合には、その刃物が存在していて手に入る事が、大きな意味を持つ可能性も十分にありますが、実用で使う場合には、こういった事も考えると良いと思います。

中古という言い方をすると、非常に悪いイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、そこに信用があれば問題はないでしょう。

売る人も買う人も、損をしないようなバランスを見て、丁度良い売り買いが出来るようにと思っています。

 

2024年3月14日 (木)

相当な努力が必要です

刃物の研ぎは難しいです。

私が研いでいる姿を見た事がある方は、多くの方が簡単そうとおっしゃいますが、それは私が慣れているからです。

刃物の状況を見て、それに合わせて砥石を選んで、まともな研ぎになるように、適切に研ぎを進めていると、あたかも簡単に出来るような錯覚に陥ります。

そこに到達するまでには色々な事を学び、安定して結果を出せるようにもしなければならず、決して簡単ではありません。

若い頃から長年に渡って、仕事で使う刃物を毎日のように研いできたプロでも、引退する頃になってもレベルの高い研ぎが出来るという訳ではありません。

それ相応の研究や努力をしなければ、似たような研ぎは出来たとしても、それはあくまでも似た研ぎであり、見た目の差が無いというだけになります。

実用という言葉は、安く簡単だと思われるかもしれませんが、実際に使って分かる性能を出す事は、とてつもなく大変な事です。

そういう範囲の事が分かるようになると、どこの誰に研いでもらうのか、考える事も出来るようになってくるかと思います。

金額でも年数でも名前でもなく、結果を見る事が大切です。

 

2024年3月13日 (水)

なまくらとは

刃物の世界では「なまくら」という言葉があります。

辞書で見ると、切れ味が悪い物という表現もされる事がありますが、刃物の世界でいうと、焼きが甘いものを指します。

簡単に説明をすると、硬度が出ておらず腰も弱くて、切れ味には直結しないダメな刃物という意味だと思ってください。

特に良く使われるのは日本刀分野ですが、なまくらは本当に存在します。

一応は刃文が出ているので、熱処理の形跡はありますが、それがはっきりと出ていなかったり、根本的な硬度が低く、歪取りで自由自在にふにゃふにゃと動く状況なので、直ぐに分かります。

厳密に言うと、炭素量が明らかに低く、素材の質が悪い場合や、素材の組み合わせや構造の問題などもあり、焼き入れは適切であっても、硬度が出ない場合もあるようですが、内容はどうであれ、腰の弱く簡単に手でも曲げられてしまうようなものは、なまくら扱いとなります。

なまくら系の日本刀は、美術研磨にすれば綺麗になるものもあるので、それらはそれなりの美術研磨に出して、飾っておくには良いと思います。

ただ、実用品としては明らかに危険ですし、使えない物だと思ってください。

ただの鉄と鋼では、全く違う性質でもありますから、その日本刀が鉄っぽい感じがしたら・・・。

 

2024年3月12日 (火)

傷まない???

包丁の切れ味で食材の味が変わると言われていますが、それは事実です。

切れない包丁で押し潰すように無理やり切ったような状態のものと、良い切れ味の包丁で優しく切った食材では、全く味も食感も違います。

一般家庭でのお話を前提としますと、特に分かりやすいのは、生野菜のサラダでしょう。

切って直ぐ食べるのも違いはありますが、少し時間を置いてからのものだと、特に違いは明確に出ます。

切れない包丁で切った野菜は、水が多く出てしまったり、切った断面付近は他の場所とは違い、ぱっと見でも色が違って見えます。

これはいわゆる褐変(食材の色が変化する事)ではなく、分かりやすく説明をすると、潰れた事により塩もみをしたかのような感じに見える状態になります。

それは包丁が切れない事で、食材に負担がかかった証拠です。

また、切れ味自体は悪く無くても、研ぎの刃角や刃物の厚みの影響によっても、それがダメージとなる場合もありますので、強度をそれなりに維持しつつ、切り込みや切り抜けが良い状態を作る事も大切です。

それらの計算は、経験によるものが必要で、研ぐ技術だけではなく、刃物を使う知識や技術も必要になるので、その辺りを熟知した人でなければ、気持ち良く使え、食材に負担をかけない研ぎは、なかなか完成できません。

もし全く同じ包丁を2丁お持ちであれば、別の研ぎをそれぞれに入れる事も可能なので、それで色々な食材を切って、お試しいただきたいと思います。

そうすると、それだけでも相性の事も少し分かると思いますし、気持ち良く使える包丁とは何なのかを、知るきっかけになるかと思います。

 

2024年3月11日 (月)

本物を使いましょう

刃物の世界は、刃物と呼べないようなレベルの物が非常に多いです。

安いからそれで良いという事ではなく、それが刃物として成り立っていない物が流通する事が、そもそも問題であると考えています。

ある刃物の名前が付いた商品があり、その名前の形をしていたら、それはその刃物だと思って購入すると思います。

しかしそれは形だけで、実際の性能は明らかに不足があり、まともに使えない事も多いので注意が必要です。

そういったものに出会ってしまった場合、研磨で改善を出来ますか?と聞かれる事がありますが、改善出来るケースも多々あります。

それは、研磨のレベルが低すぎて、刃物の性能を殺してしまっている場合です。

しかし、硬度や靭性の問題に関しては、直す事は出来ませんから、ダメな製品を引いてしまえば、それで諦めるしかないという事です。

良くあるのは、包丁類や日本刀類です。

簡単な硬度計測や、歪取りをしてみると、大体の情報は分かりますし、研いでみれば組織の状況もある程度まで分かりますから、ご心配な方は当方に研磨でお出し頂ければ、合わせて性能のお話もさせて頂きます。

知りたくない事も多いかと思いますが、ご自身で所有の刃物の事は、知って使えば有効な場合もあります。

 

2024年3月10日 (日)

奇跡の復活

仕事で使うプリンターは、使用用途別にいくつか持っていますが、そのうちの一つで文章系の印刷用として主力で使っているものが、先日急に壊れました。

前日までは普通に印刷出来ていたのに、翌日になって急に印刷がまともに出来ない状態になり、予兆が無かっただけに驚きました。

症状としては、黒が全く印刷されず、カラーも全体的に薄い状態で、色のミックスもおかしい感じでした。

この手の話になると、インク詰まりとか、インク残量の事が思い浮かぶかもしれませんが、インクはセンサーで管理されていますし、ほぼ毎日印刷で使う為、そういった部分は問題は出た事が無い機種なので、根本的な故障を疑いました。

しばらく再起動や掃除などを繰り返し、それでもおかしい状態が消えず、ネットで修理金額を見たら、状況に関わらず結構な金額が提示されていて、それならと諦めて買い直しを検討しました。

ある程度時間が経って、そろそろ買おうという所で、最後の悪あがきとして普通に印刷をしてみると・・・。

何事もなかったかのように、綺麗に印刷されていました。

一瞬唖然としてしまいましたが、無駄な出費に泣く事はありませんでしたし、その後は問題なく使えていますので、ひとまず今のところは大丈夫かな?と思っています。

 

2024年3月 9日 (土)

確実で早く研げます

片刃刃物としてある、和包丁や切出小刀は、裏鋤(うらすき)により凹みが出来ています。

何の為かというと、刃先がわずかにだけ当たるようになっており、研ぎが確実で早く行える事にあります。

べた裏にしてしまう方も良くいらっしゃいますが、研ぎの事だけを考えれば、この裏鋤となっている裏をベタにする事は損でしかありません。

まず刃先の先に砥石が当たりにくくなり、研ぎがまともに行えなくなる可能性がある事や、研ぐ時間がかなり長くなるので、研ぎにくい刃物となってしまうのです。

和包丁の研磨や修理の依頼として、歪取り(ひずみとり)や裏鋤のやり直しがありますが、これがまともに出来る所に必ず依頼してください。

適当な作業として、ハンドグラインダーや両頭グラインダーのようなもので削られたものを良くみますが、作業の意味合いが大きく異なりますので、必要箇所に必要な加工を行う意味では、それらはやるべきではありません。

専用の加工機械が必要になり、技術的にも重要と言われるだけの事はあって、かなり難しい作業です。

そして研ぎでの精度と合わせ、加工の成功と失敗があり、それは明らかに出てきますから、最低限度のレベルは絶対にクリアする必要があります。

やり方としても、完全に直すようなやり方と、しばらくは使えるであろうやり方があり、これらは仕事の内容で変えています。

部分的にその作業だけを見た人は、なんでこういうやり方をしているのだろうか?と思われるかもしれませんが、直接ご利用を頂いている方は、その意味をご存じですから、それでいいのです。

100%その刃物を使い終わるまで、裏鋤のやり直しを加えずに状況を維持し続けられる事は、まず無いと思っていますので、定期的に軽い調整を加えながら使っていくと、普段の研ぎはかなり楽になるかと思います。

特に近年は、ステンレスの本焼(全鋼)も多くなっていますし、その手のものは特に、全面刃となれるものですから、加工修理の事も考えると、寿命はかなり長いと思いますし、カスタマイズもしやすいので、色々な不安のある方は、そういったものを購入する事をおすすめ致します。

 

 

2024年3月 8日 (金)

消えない傷

刃物を研いでいて、毎回同じ場所に研ぎ痕が残るというお話が過去にありました。

その理由は、結論から言うと、亀裂でした。

確かに研ぎで付いたヒケ傷にそっくりで、良く行われる研ぎの向きと同じ感じですから、たまたま砥石の中に硬い固まりがあって、それが悪さをして荒く深い傷が付いたようにも見えます。

しかし、同じ場所に同じ形というのが一つのポイントで、それを考えると、そこにそもそも存在をしているものの可能性が高いです。

ただし、刃物の研ぎにおいて絶対はなく、その部位が砥石に当たらない溝のような状況になっていて、それが影響している可能性もあります。

その溝状の部分は、砥石に当たらないという事は、砥石の粒子の動きはあって表面的には色合いは変わったとしても、実質研ぎは出来てない事になりますから、研げているようでそこにそのままの傷は存在し続けられます。

この判断は、砥石を変えて当ててみれば、非常に分かりやすいです。

普段は人造砥石を使っている方がいたとしたら、同じレベルに修正をされたダイヤモンド砥石を使って、同じ向きで研いでみると良いでしょう。

そうすると、研いだ面の情景が変わりますので、厳密な精度としてのダイヤモンド砥石の研ぎ面と比較をすれば、その部位が低くなっている事が分かります。

この溝状のものを、私は穴とも呼んでいますが、それの取り方は実は難しいです。

先ほどのお話のように、人造砥石などでの研ぎでは、砥石の粒子が砥石から離れ、砥面で動き回りますので、それを巻き込んで研ぎを行っていると、溝の中に入り込んでそこで粒子がそれなりに活動をし、枠や溝を広める可能性がある為です。

確実に取りたいのであれば、研ぎの際に水を流しながら研ぐしかないでしょう。

もしくは、先ほどの説明のように、ダイヤモンド砥石を使って、ヤスリのようにそれ自体で削っていく状態がベストです。

そこまでやって確実に凹みが無くなるまで行えば、良い面になったと言えるでしょう。

ダイヤモンド砥石は、面の修正が難しいという欠点がありますので、そこをクリア出来るのであれば、こういう作業にはかなりの信用性がありますし、是非使う事をおすすめ致します。

幅広く使えるダイヤモンド砥石は、ここに掲示がありますので、是非使ってみてください。

当店には実際に試し使いをして頂けるサンプルもありますので、ご予約の上で簡単な試し使いを是非どうぞ。

2024年3月 7日 (木)

少しだけ方向転換

今までやって来た事のベースは変わりませんし、今後も変えるつもりもありませんが、部分的に少しだけですが、方向性を変えて行こうと思います。

それはずっと足りていなかった部分で、今後の事を考えると、必ず必要になってくるところだと思っているので、そろそろやった方が良いかな?と。

過去と今と将来では、求められる内容がそれぞれ違い、基本はそのままの方が良いと思っていますが、その脇の部分は流れを考えていかなければならないと思っています。

当方で明らかに不足している事はいくつかありますが、そのうちの一つがこの部分でもあり、色々な方面からのアドバイスもありますし、変える事を決意しました。

具体的なお話は出来ませんが、お客様への影響は悪く出る事は無く、むしろ良く出てくるはずです。

この先、色々と忙しくなる部分があるので、どうやって両立するかですが、認めて頂けた信用や価値を損ねる事だけは、気を付けてやっていかなければと思っています。

 

2024年3月 6日 (水)

難しく考えなくて大丈夫です。

当方では、技術の部分に関して、あまり専門的な事やマニアックな内容を書いていませんが、これは分かりやすく表示をする為です。

専門家同士の話では、もっと色々と細かい話や、わずかでも違った話をする事がありますが、そこまで必要になる方は、プロや業界の中でも、本当に一部の方達だけなので、特に記載する必要が無いというのもあります。

ちょっとした違いに気付く方の場合、もっと入り組んだお話をさせて頂く事はありますが、そういう所を目指さなければならない訳ではないので、分からないといけないと思う必要はありません。

むしろ、無理に専門的な知識を詰め込んだり、間違った技術の向上の仕方を進めてしまった方の方が、あとで取り返しのつかない事になる例が多いので、分からない事は分からない、出来ない事は出来ないで良いと思います。

何の為に各種分野に専門家がいるのかと考えれば、そこを上手く使っていく事の方が、無駄や間違いはありません。

そして、理解して出来ないと、そういうお店は利用できないと思っている方も多いようですが、そんな事はありません。

分からないし出来ないからこそ、そういうお店を利用するのです。

稀に一流の客以外は受け入れないようなところや、お客様を馬鹿にするような態度を取る所もあるようですから、萎縮してしまう気持ちも分かります。

ただ私は知識や技術が全てではないと思っているので、無理に余計な事を頑張って言おうとしたり、出来る事を必死にアピールしなければ、何かを否定される事もないと思いますし、難しく考えすぎるからこそ、上手く事が運ばないのだと考えます。

そして、分からないのであれば、相手の質問に答え、あとはおまかせして内容を決めて貰うのが一番だと思います。

細かい指定をしたところで、それが正解ではない可能性も高い訳ですから、まずは良いと思われる内容で仕事の依頼をして、そこから自分の感じたことを次回伝え、その方向に少しずつ変えて貰えば、思う所に近づくでしょう。

一度で完璧を求めるのは、誰でも無理な事ですし、人と人が刃物を通して繋がる事は、本当に難しい部分でもあるので、上手く良い関係を築く事も大切だと思います。

 

2024年3月 5日 (火)

進められます

昨年より計画をしていた新しい仕事について、色々な方々のご協力もあり、新規で始められる段取りを進める決定となりました。

まだやるべき事は山積みではありますが、流れとしては非常に良い形を組めたと思います。

私が苦手な分野は、専門家の方にも何名かご協力を頂き、こうして進められる形が出来た事に、感謝の念が堪えません。

まだ時間はだいぶかかりますが、段取り自体は上手く進んできていますので、このまましっかりと結果に繋げたいと思っています。

内容に関しましては、いずれ公表ということで今はまだ・・・。

 

2024年3月 4日 (月)

評価頂きました

少し前に日本刀研磨をご利用頂いたお客様から、ご使用後の評価を頂きました。

内容は「おまかせ研磨」です。

その都度で状況により、作業を適切に選んで行うおまかせとなっていますが、修正代と拵の修理(条件外は別料金)も含まれているお得な内容ですし、納期も混雑無しの状態で、1~2カ月程度となっていますので、お急ぎの方でもご利用頂きやすくなっています。

そちらをご利用頂いてのご意見ですが、実用性は必要十分以上とのお声でした。

安いだけならいくつも選択肢はあるかもしれませんが、実用性を潰さないように、刃先から中間程度までを丸く研ぐようなずるい加工はせずに、低価格でおさえるというのは、かなり難しい事ですから、それを実現できている事は評価頂けています。

特におすすめなのは、頻繁に試斬を行い、いつでも斬れ味を確保したい方向けです。

あくまでおまかせの内容となりますので、ご希望をお伝え頂いても、それにはお答えできませんから、ご要望が色々とある方は、当店の通常の研磨となる「居合抜刀用面精度研磨(通常の磨き)」か、「居合抜刀用面精度研磨(斬れ味優先)」のいずれかをご利用ください。

 

 

2024年3月 3日 (日)

目白押し

今年はなんだかんだと、やる事が多くなってきています。

春から夏にかけては、特に忙しくなりそうな感じがしています。

今必要な事と、今後に必要になる事と、内容も様々ではありますが、いずれも重要な事を含んでいます。

いずれ大きな発表も可能にはなると思いますし、この流れの影響もあってか、色々とお声がけを頂く事も増えてきましたので、その仕事に大きな意味を感じられれば、どんどん積極的にやっていきたいと思っています。

 

2024年3月 2日 (土)

そのままでは・・・

刃物が欠けてしまっても、そのまま欠けを無視して研いで使っている方がいらっしゃいます。

いつかその欠けは小さくなるから・・・と、そういう考えがあるのも分かりますが、欠けはそこから更に広がったり、亀裂に変わる事もありますし、何より切断物に対し、余計な痛みを与えてしまいますので、無いほうが絶対的に良い訳です。

個人で欠けを1mm取るとしても、それはとんでもなく大変な作業になる事は理解しています。

だからこそ、私達のような加工が出来る所に、修理としてご依頼を頂く事をおすすめ致します。

たった1mmだと思うか、1mmもと思うか、その差は個人差があると思いますが、私は機械を使った修理でも、1mmも!と思います。

その1mmを取り除く事により、全体的に見て、どこをどう削り取って調整をしていくのかを考えると、刃先の1mmの話ではないからです。

それが長い刃物や、直線の刃物となれば、余計にその大変さは大きくなります。

部分的な削りで誤魔化す方も多いようですが、それをやってしまうと、総合的な使い勝手を失う可能性があるので、バランス取りは大切です。

過去に私自身も、どうしても部分的に大きく直さなければならず、バランスを保った加工が難しい時期がありましたが、早い段階で克服をし、それからは大きく直しても違和感が無いと言われるまでになりました。

逆に、今あるバランスが良くない場合、欠けの直しついでに調整を行う事もありますし、その時のご依頼内容によりますが、色々な考えと加工が可能です。

 

2024年3月 1日 (金)

職人の確保

ここ数年、仕事のオファーは色々と頂くようになりました。

内容的に当方では無理なものもあるので、必ずお受け出来る訳ではありませんが、極力お受けするようにはしています。

色々な方面からお話を頂く中で、多くの方が嘆いているのは、職人の数や質の問題です。

どこかに何かを依頼しようにも、出来ない事が多すぎたりレベルが低い場合も多く、お話を聞く限りでは、この先の職人の確保は、かなりの大問題になっていると思います。

全ての作業を一人で出来ないにしても、それなりに色々な仕事を幅広く確実に出来ないと、まともな職人としては認められない部分があります。

もちろん、分業として考えると、一部の固定的な仕事だけでも良いのかもしれませんが、一つの刃物だけで見ても、最初から最後までを一人で加工出来る例は本当に少ないようです。

その点で見ると、私は幅広くそれなりのレベルで加工が可能ですし、刃物の種類の取り扱いも多く、なおかつそれぞれの刃物をそれなりに使えるというのも、信用に値する部分だと言われます。

自分の造ったり加工をする刃物を、最低限度のレベルを超え、まともに使えないとなれば、その人の作業の信用性は無く、こうしなさいと意味も分からずに習っただ加工をしているだけですから、それが良いのか悪いのかも分からないでしょう。

そして、その加工を改善する必要性が出た場合に、何をどうすればどう変わるのか、自分で確認も出来ない訳ですし、それで職人と呼べるのかどうかは、大きな疑問が残るでしょう。

技術には理由が必要で、なぜそれをこうするのか、どうしてこれがいけないのか、内容を理解して説明が出来なければ、こういうものだと誤魔化す一言を使った所で、何も人には伝える事は出来ませんし、納得をしてもらう事も出来ないでしょう。

人と良くお話をしている中で、学者のような知識、職人としての技術、プロとしての使い手の腕、などが必要であり、それを有している人があまりにも少ない事は、信用に値しないという専門家の声も耳にしてきましたし、学ぶべき事がとんでもなく多いと思います。

仕事外の時間や休みの日に、どれだけの学びを行えるのかで、将来は決まると言われていますが、本気でその仕事に全てをつぎ込むつもりでなければ、一流という扱いは当然されませんし、将来の差はとんでもなく大きくなるので、その事に恐怖を感じなければと思います。

私はこの仕事を続けられる限りは、邁進していくつもりでいますから、是非ご利用を頂きながら、応援を頂ければと思います。

 

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