« 少しだけ方向転換 | トップページ | 確実で早く研げます »

2024年3月 8日 (金)

消えない傷

刃物を研いでいて、毎回同じ場所に研ぎ痕が残るというお話が過去にありました。

その理由は、結論から言うと、亀裂でした。

確かに研ぎで付いたヒケ傷にそっくりで、良く行われる研ぎの向きと同じ感じですから、たまたま砥石の中に硬い固まりがあって、それが悪さをして荒く深い傷が付いたようにも見えます。

しかし、同じ場所に同じ形というのが一つのポイントで、それを考えると、そこにそもそも存在をしているものの可能性が高いです。

ただし、刃物の研ぎにおいて絶対はなく、その部位が砥石に当たらない溝のような状況になっていて、それが影響している可能性もあります。

その溝状の部分は、砥石に当たらないという事は、砥石の粒子の動きはあって表面的には色合いは変わったとしても、実質研ぎは出来てない事になりますから、研げているようでそこにそのままの傷は存在し続けられます。

この判断は、砥石を変えて当ててみれば、非常に分かりやすいです。

普段は人造砥石を使っている方がいたとしたら、同じレベルに修正をされたダイヤモンド砥石を使って、同じ向きで研いでみると良いでしょう。

そうすると、研いだ面の情景が変わりますので、厳密な精度としてのダイヤモンド砥石の研ぎ面と比較をすれば、その部位が低くなっている事が分かります。

この溝状のものを、私は穴とも呼んでいますが、それの取り方は実は難しいです。

先ほどのお話のように、人造砥石などでの研ぎでは、砥石の粒子が砥石から離れ、砥面で動き回りますので、それを巻き込んで研ぎを行っていると、溝の中に入り込んでそこで粒子がそれなりに活動をし、枠や溝を広める可能性がある為です。

確実に取りたいのであれば、研ぎの際に水を流しながら研ぐしかないでしょう。

もしくは、先ほどの説明のように、ダイヤモンド砥石を使って、ヤスリのようにそれ自体で削っていく状態がベストです。

そこまでやって確実に凹みが無くなるまで行えば、良い面になったと言えるでしょう。

ダイヤモンド砥石は、面の修正が難しいという欠点がありますので、そこをクリア出来るのであれば、こういう作業にはかなりの信用性がありますし、是非使う事をおすすめ致します。

幅広く使えるダイヤモンド砥石は、ここに掲示がありますので、是非使ってみてください。

当店には実際に試し使いをして頂けるサンプルもありますので、ご予約の上で簡単な試し使いを是非どうぞ。

« 少しだけ方向転換 | トップページ | 確実で早く研げます »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

研ぎ」カテゴリの記事

刃物」カテゴリの記事

砥石」カテゴリの記事