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2024年3月12日 (火)

傷まない???

包丁の切れ味で食材の味が変わると言われていますが、それは事実です。

切れない包丁で押し潰すように無理やり切ったような状態のものと、良い切れ味の包丁で優しく切った食材では、全く味も食感も違います。

一般家庭でのお話を前提としますと、特に分かりやすいのは、生野菜のサラダでしょう。

切って直ぐ食べるのも違いはありますが、少し時間を置いてからのものだと、特に違いは明確に出ます。

切れない包丁で切った野菜は、水が多く出てしまったり、切った断面付近は他の場所とは違い、ぱっと見でも色が違って見えます。

これはいわゆる褐変(食材の色が変化する事)ではなく、分かりやすく説明をすると、潰れた事により塩もみをしたかのような感じに見える状態になります。

それは包丁が切れない事で、食材に負担がかかった証拠です。

また、切れ味自体は悪く無くても、研ぎの刃角や刃物の厚みの影響によっても、それがダメージとなる場合もありますので、強度をそれなりに維持しつつ、切り込みや切り抜けが良い状態を作る事も大切です。

それらの計算は、経験によるものが必要で、研ぐ技術だけではなく、刃物を使う知識や技術も必要になるので、その辺りを熟知した人でなければ、気持ち良く使え、食材に負担をかけない研ぎは、なかなか完成できません。

もし全く同じ包丁を2丁お持ちであれば、別の研ぎをそれぞれに入れる事も可能なので、それで色々な食材を切って、お試しいただきたいと思います。

そうすると、それだけでも相性の事も少し分かると思いますし、気持ち良く使える包丁とは何なのかを、知るきっかけになるかと思います。

 

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