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2024年4月11日 (木)

どうしようもないです

新品で購入された刃物が、どんな研ぎ方をしても、刃先がボロつくという事で、見てもらいたいとお話を頂く事があります。

残念な事ですが、ほとんどの場合、熱処理や鍛造が良くない場合が多く、今現時点で刃先となっている範囲は、使い物にならないと思ってください。

内部までダメな場合もありますが、ひとまず刃先付近に期待は持てません。

特別ぶつけたとか、コジるような作業をした訳ではないし、新品状態で刃の性質が不安定な場合もありますので、こればかりは仕方がないです。

そこから欠けをひとまず潰し、更に数ミリ単位で減らしながら、刃先を薄くしていって、適正角での刃の具合を見ても、ポロポロと刃先がこぼれ落ちる感じがあれば、交換をしてもらうしか無いでしょう。

特に硬度に振り切った熱処理となっているのは、意図的な場合と、結果的にそうなっただけの場合と、色々あるとは思いますが、完璧な温度管理でもされない限りは、勘で作ればこういう事はあります。

それと、鋼のロットの問題で、良し悪しがあるのは有名な話なので、丁度悪い鋼に当たった可能性もあるかもしれません。

その後、誰かがおかしいと思って、その刃物を販売から省いていたとしたら、何も問題にはならないのですが、おかしいと思わなかったり、おかしいと思っても省かないで、バレなければラッキーの販売をしているとしたら・・・。

色々と憶測で考えてしまう部分もあるかもしれません。

しかし、事実はその刃物が物語っていますので、購入先に相談をし、もしかしたら交換や返品になるかと思います。

何をやっても駄目な場合、色々な加工を加えてみて、改善を試みるのも一つの手です。

それなりの量で削らないと、改善出来ない場合がありますし、そこまでやっても改善出来ない場合がありますが、何もしないで不満が残るより、やれる事をやった方が良いと思います。

製品は全てにおいて、完璧に作れる程、刃物の世界は甘くないですから、ある程度の範囲までは、そういうものだと思ってあげる必要もあると思います。

 

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