久しぶりに奥の方から引っ張り出しました。
私が過去に集めた機械の中には、木工用のものが結構あります。
刃物の加工としては直接的に必要な訳では無いのですが、色々と私が木材を使い、作業などで使う台であったり、保管用の箱を作ったりと、色々な事をやるので、いくつか購入しました。
そのうち、低価格の中古を購入し、部品をいくつか自力で交換して、通常通り使えるようにしたものとして、オートリターン超仕上げカンナがあります。
一般的に鉋機械として良く使われるのは、手で持って使う電気カンナですが、これは幅広い材や凹凸を大まかに取り除く用で、そこまで精度が出るものではありませんし、調整が非常に難しく、あまり色々な面で期待は出来ません。
また、木工で使われる電動のカンナ系だと、自動カンナと呼ばれるものもありで、板材や棒材などを機械の削り口に入れると、真っ直ぐゆっくり進みながら、面の凹凸を上手く削り出してくれる機械です。
残念ながら、安定してパワフルに削ってくれるので良いのですが、削り始めと終わりには、どうしても段が付いてしまうのと、削り方が縦回転の刃の為、削り痕が波をうつ事が避けられません。
その為、そのまま仕上げとするのは難しく、手鉋での削りや、サンダーで表面を慣らす必要があります。
しかし、超仕上げカンナは、フラット刃に材をそのまま当てる為、しっかり調整さえされていれば、鉋をかけたようなフラットな面となり、それなりに切れる刃の状態で使えば、そこそこの光沢まで出ます。
今回はその超仕上げカンナを出して、少し使ったというお話になります。
普段の仕事の中で、鉋を出してきて調整して手削りを行う事は、今はあまりなくなりました。
普日頃から頻繁に使っていない鉋は、刃や台の調整をそれなりの範囲で行うには、かなり時間を要するからです。
その時間があれば、他の仕事がもっと有意義に出来てしまうと考えると、致し方ない事です。
そういった場面で超仕上げカンナは、そのまますぐ使えて、一瞬で削り終わる状況が作れますから、かなり助かる機械です。
機械を裏から引っ張り出してきて、セットして最低限度の状況確認をして、実際に使用するまでが5分。
使用を開始して、一応満足の範囲に削り終わるまでが5分でした。
片付けは5分だったので、計15分という所です。
もしこれが、手鉋を久しぶりに出して、台調整と研ぎを行ってから削る場合だと、多分30~45分はかかっていたと思います。
削り時間は特に手より機械の方が断然速いし、疲れる事も全く無いので、本当に助かる機械です。
その削りで満足するのか?と聞かれれば、ちゃんとした削りを考えると、もちろんNOですが、調整不足の鉋で平面がしっかり作れないのであれば、それよりはだいぶましだと思っていますので、今回のように頼れる時は頼りたい機械だと思っています。
ちなみに、機械系の鉋はなぜ「鉋」と表記せずに、「カンナ」と表記するのか、疑問だとおっしゃる方もいらっしゃいました。
これは手道具の「鉋」に対し、機械ものは別物であるという観点から、「カンナ」と表示していると聞いた事があります。
なので、機械物の鉋の場合、鉋と同じ意味合いで表面を削るものであっても、カンナになるそうです。
手道具と機械では、色々と考え方も違う事がありますし、言葉は同じでも表記が違うというのは、面白い考え方だと思います。
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