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2024年4月15日 (月)

制限があると厳しいです

以前も同じような内容を書いた事がありますので、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

刃物の状態が悪く、研磨のご依頼を頂く際に、色々と条件がつけられてしまう事があります。

例えば、ここの面はこのままで一切触らないで!や、この面のここだけ削ってそれ以外は加工しないで!など、そういった感じのものです。

これらは一部の例ですが、一般のお客様だけではなく、業者さん経由の依頼でも、そんな感じで制限ありの場合もあります。

例えば、一切の歪が無い高精度で、そこだけを加工出来る例も当然ありますが、部分的加工を行うと、その部位だけを削る事で、他との位置関係がズレてしまうので、形がおかしくなったり刃線が崩れます。

また、反対側の加工だけで直せる場合もありますが、片側のみの加工を行うと、刃物は動きがあり、歪が出て来る場合もありますし、そもそも加工を禁止された面が、削りが必要な場合もあるので、それをスルーしての仕上げは、かなり無理があります。

元の状態が綺麗な面は、残したい気持ちも分かりますが、片面の加工だけであっても、磨きの段階で裏側に傷が飛ぶ事は普通にあります。

それらを含めて考えると、良い結果にならない可能性が高い事は、ご理解頂けるかと思います。

どうしてもの場合で、こちらからこうなりますよ!や、こうなっても責任取れませんよ!とお話をし、それを受け入れてくださるのであれば、そのようにしますが、やはり大体の場合は、ああやっぱり駄目だった!となり、作業をしている私自身も、結構残念に思う状態になりますので、そういった悲しい気持ちになる部分も・・・。

加工の面数が増えると、料金が上がるのが理由かもしれませんし、見た目を維持したいというのもあると思いますが、こういった理由からも、加工に制限がありますと、実用品としての状態を維持できなくなります。

歪取りをすれば、どうしても色々と小傷はつきますし、それを同じ面の中で慣らす程度は、少なくとも必要になります。

細かく調整が必要な歪取りをすれば、意図的に傷が入るやりかtをしないと、まともに効果が現れない場合もますので、それを削ったり磨いて表面を慣らす事も必要になりますし、むやみやたらに削ったり磨いたりしないとしても、必要な作業になります。

そもそも、歪取り自体、どこかに基準を作って合わせますが、それの影響により、反対側の面が一緒に動く訳ですから、その面の構成が今度は合わなくもなります。

初期状態から、色々と大きくズレがあり、それが致命的な場合もありますので、出来る限り直そうと思ったら、全体に手を入れる必要もあったりします。

歪問題は刃物にとって、実はかなり重要な部分で、基準が出ていない物は、もちろん良い方向にはいきません。

歪が出たままで研いで使われていたものは、歪取りで直すと、当たらない部位や、本来は当たってはいけない部位も出てきます。

こうして色々な事を考えて頂ければ、制限が実用品へのマイナスにしかならない事は、ご理解頂けると思います。

出来る範囲を定められた状況では、そこから正しくただ削って研いだとしても、かえって悪化させる可能性もありますし、むやみに寿命を縮めるだけでもあるので、その辺りも十分に考慮の上で、ご依頼の方向性を決めてください。

出来る限りならやりますが、状態が悪いものだと、そこそこであろうという所までですら、加工を終えられるか分かりませんので、お断りをさせて頂く事もあります。

研ぎにくい場合や使いにくい場合は、ただ刃が付いていないだけではなく、歪の影響や、研ぎで必要な要素を崩してしまっている事もありますので、それらの確認も含め、ご依頼を頂けると今の状況がどうなのか、知るきっかけになると思います。

これらが実用品への研磨や研ぎには必要な事です。

 

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