« 砥石がどれだけ重要なのか | トップページ | 最近多いご依頼 »

2024年5月20日 (月)

どうしても取れない欠け

タイトルを見て、そんなはずはないだろ!と思った方には申し訳ありませんが、そういう欠けが存在しています。

欠けの取り除き方は、普段通りの研ぎ方で研いでいき、自然に取れるのを待つ場合と、欠けを無くすために刃を潰すように削り落とし、そこから刃の再生をしていく方法があります。

どちらでももちろん取り除く事は出来ますが、後者の方が確実性は高いです。

ただこれをやると、刃先ばかりを必死に研いで刃を戻そうとして、刃角がおかしい事になる場合もあるので、一般の方にはおすすめをしません。

話を戻しまして、取り除けない欠けについてですが、欠けの脇から新たな欠けが発生したり、取り除けたと思ったら、内部から欠けが発生してくる場合もあります。

いつどこでその欠けが止まるかは、やって見なければ分からない事で、わずかな量で収まってくれれば良いのですが、5mm削っても駄目な場合もありますし、1cm削っても駄目な場合があります。

刃物はどんどん小さくなっていくので、どこまでやるかですが、取り除ける所までといわれれば、多くを削らなければならない場合もあります。

例えば包丁の場合でこれが起こると、食材に欠けが入ってしまう可能性があり、大変危険です。

研ぎでのバリとなる「刃返り」を残す事すら、当然危険な事になりますので、そういった処理が出来ない人が研いだ包丁で、料理をしてもらいたくはありませんね・・・。

また、欠けではなく、サビによる浸食が酷く、どこまで削っても、その浸食が取れない場合もありました。

原因は不明ですが、何らかの影響により、鋼と地金の合わせ材の隙間に入り込み、それが奥の方まで進んでしまい、いくら削ってもサビが出続けるという現象に遭遇した時は、どこまで行けば落ち着くのか?と考えながら、長い時間格闘をしました。

通常の使用では、そうなる事はまず無いと思いますが、今考えてもあのサビの異常さは、理解に苦しみます。

欠けの話から、サビの話まで少ししてしまいましたが、欠けもサビも取り除かなければならない部分になりますので、放置する事なく、早めに修復のご依頼をなさってください。

状況とご希望内容次第で作業内容は変わりますが、良い結果になるように考えて行かれればと思います。

 

« 砥石がどれだけ重要なのか | トップページ | 最近多いご依頼 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

研ぎ」カテゴリの記事

刃物」カテゴリの記事

砥石」カテゴリの記事