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2024年5月22日 (水)

切れ味は出ますか???

低級の格安刃物で最高の切れ味を!と頑張っていらっしゃる方は、稀にいらっしゃるようです。

それは可能かどうか、ご質問を頂いた事があります。

答えはNOです。

まず、低級の格安刃物には、レベルの高い鋼は使われません。

その時点で何をどうやっても、組織が良くなって、硬度も理想になる事はありません。

そして、製造の技術レベルも、特別に手の込んだやり方をしている訳ではなく、どこの誰が作っているのかも分からない物ですから、あくまでもその形をした刃物もどきです。

本当の意味でのレベルの高いものを触った事がある方なら、刃物が持つ組織の意味もご理解がある事と思います。

また、低級刃物で切れ味を何となく出せても、刃持ちは一切期待出来ません。

刃角を付けすぎたとしても、刃は持ちませんし、切れ味も出ませんので、組織の問題は致命的です。

なお、どうしても頑張って、そういった刃物に少しでも細かい刃付けをしたい場合、想定よりも何倍~何十倍(?)もの細かい砥石が必要になります。

硬度が低い事により、砥石の影響を強く受ける為で、これはどうしようもない部分です。

あとは、砥石の攻撃性が低く、粒子が揃った砥石を使う事で、ある程度は整える事が出来るとは思いますが、良質なものを知る方が満足するレベルには、到底追い付かせる事は出来ません。

この手のお話を出す事自体、あまり意味がないふざけた事だと思われてしまうと思いますが、良質な刃物を知る意味で、その実験は有効な部分はあります。

しかし、その時間を良質な刃物の研ぎや使用の勉強に回した方が、正直無駄は無いと思います。

 

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