研ぎの確実性は簡単にあげられます。
研ぎで成功率が低い方の特徴としては、砥石の面直しが確実に出来ていない事が多いです。
ブロック塀のブロックに金剛砂を合わせて擦りつけて・・・や、大きなグラインダー砥石のようなものに金剛砂を撒いて・・・は、過去から良く行われている方が多いのですが、この辺りは精度とは無縁の修正になります。
私も色々と過去に苦労をしながら、なんとか砥石の修正をもっと良くしたいと思い、様々な方法をやってきた側ですから、それは現代における面直しとしては、精度のせの字にも被らないようなレベルでしかありません。
そんなはずはない!型で作られてるんだぞ!とおっしゃる方も、過去の複数いらっしゃいますが、それらの製品の初期の面精度のレベルもそうですし、そのブロックや砥石の面の管理は、どのように行うのでしょうか?
私が問題視しているのはそこです。
大きく精度がズレる可能性があるものに対し、直しが出来ない修正方法は、例え初期にどんなに精度が高くても、直ぐに精度落ちしてしまいますから、その面を信用する事は出来ません。
修正専用の砥石というものも販売されていますが、これらブロックや砥石と同じ部類の考えになります。
また、上級者は除外しますが、砥石を複数擦り合わせて行いそのまま研ぐ場合や、同じように複数擦り合わせたものを修正用砥石のように使う方法等の場合、その面が確実に直ったとの見込み違いも多くありますし、片側のズレが大きいものを擦り合わせた際に、どうしても全く同じ面の構成にする事は難しいというのもあります。
修正用の砥石は、荒く密度が低い荒砥物で直そうとすれば、早く終わるのは確かにあるのですが、その砥石の面も早く崩れますし、ほとんどの修正用砥石と言われるものは、硬すぎて修正力が上がらず、結局はいつまで経っても直らないというのもあります。
それらをクリアし、楽に精度良く修正が可能なのは、シャプトンの砥石修正器です。
シャプトン社は、良質な砥石の製造を熱心に行って来ただけではなく、砥石の修正も早い段階から重要視して製品化するなど、砥石だけをただ売るのではなく、正しく修正された砥石で、正しく確実に研いで貰おうという考えがあるメーカーです。
過去から販売が続くロングセラーの「なおる」は、砥粒を撒いて、水と合わせて砥石を修正する板で、直りの早さと目立ても同時に出来るので、特に荒砥~中砥(中仕上げ手前まで)に効果が高いです。
仕上げ砥石類には別売りで粒子がかなり揃った細目パウダーを使えば、表面を光沢のある面一に仕上げられます。
たまに面の確認をし、精度がズレて来たと思ったら、メーカーに送って直しをお願いする事も可能ですし、ご自身で精度の高い版をお持ちの方は、そこに荒めの耐水ペーパーを貼り付け、丁寧に擦ってあげれば、また精度は戻す事が可能です。
ダイヤモンド砥石で面管理が確実に出来る方は、精度を良くしたダイヤモンド砥石で、水をかけながら擦り続ければ、それだけで面を直す事も可能です。
まだこれでも管理が・・・とおっしゃる方には、電着ダイヤを高精度に作った「空母」がおすすめです。
こちらは元々、鉋や切出小刀や鑿など、平面研ぎに対しての販売として、片面は刃物の修正、片面は砥石の修正にと、両面の構成で作られており、平面に直った刃物と平面に直った砥石の融合で、精度の高い研ぎを実現する形です。
必要なのは水だけで、シャプトンの砥石との相性良く作られています。
私は両面とも、砥石の修正に使ってしまっていますが、刃の黒幕など、シャプトン製の砥石サイズに丁度合うので、重厚感のある砥石台としても非常に有効です。
寿命は相当長いので、たまに研いで面修正を行う程度であれば、5年以上確実に持ちます。
毎日のように研ぎで使う方でも、一日中ずっと砥石の修正をしているような方でなければ、3年くらいはもつでしょう。
寿命を迎えた電着面は、再電着を依頼する事も可能なので、初期投資は高めですが、その後のコストはかなり抑えられます。
そして、過去に販売された硝子砥石専用の修正器として販売されたのが「硝子修正器」です。
こちらは片面の設定ですが、高精度な硝子面を有効に使い、電着ダイヤ修正器としていて、これらの中では精度が一番高いです。
空母の砥石修正面と比べ、寿命はさほど変わらない程度と思いますが、空母は重量があるので砥石の上で動かしての修正は向きませんが、こちらのガラス修正器は軽量なので、必要に応じて砥石の上で動かす事も可能です。
こちらは再電着は出来ませんが、購入後は水のみ必要と考えると、かなり楽で価格も抑えられて、おすすめしやすいです。
色々と使い方に相性もありますので、ご相談を頂ければと思います。
いずれも必要な修正器として、当方ではずっと販売をしてきていますが、それ以前のユーザー時代からも、信用のある修正器として使ってきていますので、間違いない製品と言えますし、現在も私の仕事の中で、精度の高い作業に合わせ使っていますので、その辺りも信用頂ける材料かと思います。
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