実用刀というジャンル
日本刀の真剣は、現代においては美術品扱いで製作されています。
しかし、居合、抜刀、試斬、に使用するものに関しては、実用品扱いです。
その実用品としての日本刀は、美術品とは求められるものが異なるので、それに合わせた研磨や拵の設定が必要になります。
日本刀は、過去に構成を考えられた形が今も残っており、その製造の材料は玉鋼と決まっており、工程も独特です。
色々な決まり事を経て、日本刀は登録が許され、誰でも所持する事が出来ますが、登録証と日本刀に合わせ、所持者の変更が必要な事が特徴です。
それ以外は、常識の範囲内であれば、特に何か困るような事はありません。
日本刀における実用刀は、どのように研いで使うのかで、性能が大きく変わります。
私自身、過去に腕のある方から、試斬を教えて頂き、実際に色々な斬り方を試せるくらいまでは、十分に勉強をさせて頂き、実用に向いている研ぎとは何なのかを模索してきました。
極力軽く、そして正確に斬れる刃は、体の負担を減らし、次の動作に移る際に、無駄な力が入っていないので、楽な動きになると思います。
斬れない状態で必死に斬ろうとして、余程の腕が無いと斬る事は出来ません。
まともな試斬で刃筋確認をしたり、大会に出て成績をと思えば、使いやすい状態の日本刀の状態にしておく必要性があります。
稀に、振り回して使うので、適当に研ぎでも大丈夫とおっしゃる方もいらっしゃいますが、それは初期の基本形状があり、少し研いだくらいでは形が崩れず、なんとか使えているだけであり、そういった研ぎではまともに斬れるようなものではありません。
多くの日本刀は、実用としてみると、研ぎの構成がおかしい部分が多く存在しているので、その調整をしつつ、斬れる刃を付けるのが私の仕事です。
安く済ませる方法もありますが、最低限度の必要な要素を無視した研ぎでは、まともに斬れませんので、その状態で必死に斬ろうとして、どんどんフォームを崩す事や、無駄な力を入れて振る癖を付けない為にも、早めの対策を行ってください。
当方で行う日本刀研磨は、「居合抜刀用面精度研磨(斬れ味重視)」と、「居合抜刀用面精度研磨(通常の磨き)」と、「おまかせ研磨」があります。
居合抜刀用面精度研磨は、私が色々な刃物の研磨の研究をしてきた事を盛り込んだ特別な研ぎで、面の研ぎ方により精度を作り出すのが独特で、それとの組み合わせとして、拵の修理や調整も実用刀に合わせた設定を行えるようになっています。
その中でも斬れ味重視は、斬り損じをしないレベルの上級者向けの設定となっており、過去最高の斬り込みや斬り抜けを実現しています。
居合抜刀用面精度研磨の通常の磨きでも、十分な実用レベルは体験頂けると思いますので、そちらをご選択ください。
まともな研磨をと思う方は、これらの居合抜刀用面精度研磨をご選択ください。
なお、順番待ちがありますし、作業自体も1~2カ月程度は必要となるケースがありますので、混雑具合に合わせて納期がそれなりに必要となります。
おまかせ研磨は、内容の指定やご要望はお伺い出来ませんが、拵の簡易修理から入り、歪取りや修正研磨、仕上げ研磨までを、使える性能に持って行く、比較的簡易的な作業を総合的にまとめたお手頃な内容で、納期は混雑無しで1~2カ月としています。
しかし、ご依頼が多く重なると、意外と納期が長くなる事もありますが、これ以上は簡略化をした内容にするつもりはありませんので、試斬専用でとにかく使える状態にする事を目的としつつ、最短納期が狙える研磨も現在開発中です。
こちらに関しては、ほぼ完成していますが、あとはどのような形で、おまかせ研磨との違いを出していくのかが、まだ検討の段階となっております。
このように当方では、レベルや求められる内容に合わせ、幅広く対応が可能なので、様々なお客様がいらっしゃいます。
実用刀というジャンルをご理解頂けるのであれば、ご希望に沿える範囲が必ずあると思いますので、是非ご利用ください。
« 今年は良い発見が多くあります | トップページ | 性能を感じてください »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 色々な材の加工(2024.10.05)
- 基本的にはHPに記載の内容の刃物や作業のみの取り扱いです(2024.10.04)
- 研げないとご相談を頂くケースが増えました(2024.10.03)
- こんな作業も出来ます(2024.10.02)
- 1000円では出来ません!(2024.10.01)
「研ぎ」カテゴリの記事
- 色々な材の加工(2024.10.05)
- 基本的にはHPに記載の内容の刃物や作業のみの取り扱いです(2024.10.04)
- 研げないとご相談を頂くケースが増えました(2024.10.03)
- こんな作業も出来ます(2024.10.02)
- 1000円では出来ません!(2024.10.01)
「刃物」カテゴリの記事
- 色々な材の加工(2024.10.05)
- 基本的にはHPに記載の内容の刃物や作業のみの取り扱いです(2024.10.04)
- 研げないとご相談を頂くケースが増えました(2024.10.03)
- こんな作業も出来ます(2024.10.02)
- 1000円では出来ません!(2024.10.01)
「砥石」カテゴリの記事
- 色々な材の加工(2024.10.05)
- 基本的にはHPに記載の内容の刃物や作業のみの取り扱いです(2024.10.04)
- 研げないとご相談を頂くケースが増えました(2024.10.03)
- こんな作業も出来ます(2024.10.02)
- 1000円では出来ません!(2024.10.01)