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2024年6月26日 (水)

当方の和包丁の研磨には特徴があります

当方で和包丁を研磨する場合、良くあるような新品の包丁に刃付けをしているのとは、大きな違いがあります。

最初の段階としては、機械加工で製造されており、その際の危険防止や形状の変化を嫌う為、刃先は分厚いままで加工を続け、最後に小刃のように段刃で仕上げている事が一般的ですが、それだと刃先の厚みが厚すぎる事や、研ぎ面の凹凸がかなり残っていて、面の構成が不安定となっており、研ぎが安定して行いにくい事もあります。

また、刃が実際に出た状態で、しかも砥石でそれを正しく作り上げた状態ではありませんから、刃が均等に直ぐに出る事もありません。

それらは当方での加工の場合、精度の高い砥石を使った手研ぎでの仕上げになりますので、問題は解決されます。

次回以降、お客様が研ぐ場面において、しっかりと精度の高い面として面直しをした砥石で研げば、砥石がまともに当たらない事はありません。

そして、刃先の刃は直ぐに研いで出る程度しか、小刃は付いていませんので、凄く長い時間かかるような事もありませんから、当方で加工をした時だけが良いような状況ではありませんので、その先の事も考えての構成となっています。

それを当方では、「本式の研ぎ」と呼んでいます。

昔から良く使われる、本刃付けという言葉は、曖昧な使われ方が多く、絶対的にこれだ!と言える内容に収まっていないので、私はその言葉を基本的には使いません。

また、全体的な加工を加えた場合、歪取りや裏の精度も当然良くなりますので、和包丁で良くあるような、裏反りが強く、まともに裏押しが出来ないような状態にはなりませんから、それだけで見ても、相当な改善と言えるでしょう。

和包丁はレベルの高いプロ基準に合わせての作業として、研磨と手研ぎと刃付けを行っていますので、その完成度は高いです。

ちなみに、機械作業の時点で、一般的な業者が行う研ぎ面の構成よりも、精度は高いです。

そもそも、一般的に良く行われる回転円砥石の機械での作業は、当方では行いませんので、大きな穴上の砥石が当たらない場所は、ほぼ出来ないと言えます。

その分、加工コストはかなり高くなりますが、和包丁分野における機械作業での面とは異なり、機械にしてはかなり精度が高い結果を生み出せています。

その為、その後の手研ぎでは、私自身での加工の精度に追い付いており、8~9割くらいは直ぐに砥石に対して当たる構成となっていますから、和包丁の初期の研ぎで苦労をされた事がある方なら、この差の違いはお分かり頂けるかと思います。

そう考えますと、当方で行っている、和包丁の機械研磨(刃付けは手研ぎ)までの加工として「リセット作業」がありますが、これはかなりお得だと言えます。

全体的な整形やサビや欠け取りも必要に応じて行いつつ、研ぎ面は本式の研ぎではありませんが、そのくらいの面精度での加工を完了しており、最後の刃付けは通常と同じ手研ぎによる刃付けです。

本式の研ぎを行う場合と比べれば、加工全体で見て、手の込んだ作業を行うかどうかの違いが色々とありますので、違いは出てしまいますが、それでも今までの状態と比べると、かなりお得な内容ですから、価値は十分にあるでしょう。

機械加工までの研磨を依頼し、見た目は新品のようになったり、綺麗になって戻って来ても、また面の作り直しからスタートという事が当たり前ですが、その苦労はありませんから、それも当方で機械加工を行った際の差でもあります。

このように、ただ研ぎました!で終わらせるのではなく、その後の刃物が使いやすくなる事や、手を伸ばしてそれを使いたいと思う事を、当方では大切に考えていますので、主役になれる和包丁の研ぎを、当店で是非ご利用ください。

こだわりを強くお持ちの方は、更に細かく色々な設定のご要望を頂ければ、それに準じて作業を致します。

価格と納期のご負担は増えますが、理想に近づける為の内容としては、色々な範囲での対応が可能です。

当店の和包丁の研磨のページはこちらです。

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