切れ味の勘違い
刃物の刃について、日頃から実用性のお話をしています。
その実用性に関してですが、未だに勘違いをされている方が多くいらっしゃいます。
いくつか例を挙げますが、
・細かくすればするほど良い刃である
・初期の切れ味が鋭いほど良い切れ味が持続する
・刃の強度は使い方で問題は出ない
と、この辺りは特に多いと思います。
刃物の刃は、実際は非常に弱く、持続性はありません。
それを研ぎでカバーしていると思えば、刃物に期待をしすぎであると考えます。
どうして実用という言葉があるのかというと、見た目の問題による販売品としての部分や、とりあえず刃付けを行っただけのものとは、完全に別枠にあるというのが考えられます。
実用で使う刃物の刃は、実用に適した研ぎを必要とし、総合的なバランスであったり、その時に必要な刃を付ける事にあります。
一発勝負の刃であれば、色々な芸も可能になりますが、それ自体に意味はありません。
私が過去に勉強をしていた頃行った、生の鋼に刃を付ける事の研究も、ある意味ではそれと同じなのです。
現実的ではない事をやれたとして、それを表に出す為ではなく、難しい条件下でその結果を出す為であり、それを人に見せる為でもありません。
実用の良さを知れば、無意味な事がどこにあるのか、明確に分かってきます。
切れ味を求める事は、その刃物がしっかりと活躍できる場面を作り上げる事にあり、それが刃物を生かす事にも直接つながる事であると言えるでしょう。
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