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2024年7月 7日 (日)

本当に触らない方が良いです

日本刀研磨や拵の修理に関して、私は過去から、素人は何か作業的な触りをしない方が良いとお伝えをしています。

これは、刃物の世界で考えますと、使用者が研ぎを行う業界ではないので、そもそもそういう範囲に属しているというのはあります。

根本的な部分で言えば、日本刀は長物なので特にですが、一部に何かしらの加工を加えた事で、そこを直す必要性が出た場合、全体に同じような量で加工を行わないと、バランスが崩れるという問題が出てきます。

そもそもの歪の問題がありますから、そこを直さずに間違った研磨を行うと、もうその先はまともな状態にはなりませんから、致命的な問題になります。

拵も同じで、良かれと思ってご自身で加工した内容が、後で正式に直しを行う際に邪魔になり、重ねて修理が出来なくなる例も多いです。

場合により、その間違った加工を取り除くのに、かなりの手間を要したり、もう取り返しのつかない状態になっている事もあるので、作り直しのお話をしなければならない事も多々あります。

一部にちょっとだけ何か少しの加工し、全体が落ち着く事などありません。

こうすれば直ると思われている事の多くは、構成を理解していない事から起こる問題を、小さく捉えすぎています。

それは直しではなく、ただの一時的な誤魔化しでしかありませんから、その行為による全体への問題がどれだけ大きい事なのか、分かっていらっしゃらない方が多いのは、本当に大きな問題だと思います。

不具合が出る事の問題は、使い方だけではなく、間違ったメンテナンスをやってしまう事でも起こります。

簡単に買い直せるものであればそれでも良いと思いますが、数十万~100万単位の金額で購入した日本刀に対し、わずかな加工だけだからと思っても、実際にそれが大きな問題になる事を理解すれば、とにかく触らない事が私は良いと思います。

私は、日本刀研磨だけではなく、拵の修理に関しても重要視していますが、拵や白鞘の作成も実際にやった事がありますし、分解しての構造の確認もした事があります。

その時に学んだ事は、一つ何か細かい事でも不足があると、全てが崩れるという事です。

この重みが分かる方は、絶対にご自身の範囲で加工をなさらないでください。

いざという時に、大きな痛手を負うのは、ご自身になります。

なお、当方だけではないようですが、日本刀の研磨も拵の修理も、素人が触った形跡のあるものは、追加で代金が必要になる事があります。

場合によっては、断られる事も多いようです。

本来はやらなくて良い事を、多くしなければならなくなるので、当然そうなってしまいますから、最小限度で済ませる為には、とにかくご相談を早く頂く事だと思います。

現状なら安く早く終わる事も多いので、とにかく手を加えないでください。

口を酸っぱくしてその辺りは何度でもお話をします。

 

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