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2024年8月25日 (日)

プロと素人は何が違うのか???

以前も似たような事を書いた事がありますが、少し目線が違いますので、宜しければ読んでみてくださいね。

研ぎの分野で見て、プロと素人の事で、色々なお話をさせて頂く事がありますが、それのまとめのようなものです。

技術的観点だけで見れば、プロも素人も関係なく、上手い人は上手いです。

知識はもちろんですし技術もです。

それならば、素人でもプロになれるのでは?と思うかもしれませんが、実際はそんなに甘くはありません。

色々な機材や道具の準備や、あらゆる案件に対し、どこまで対応が出来るかどうかの問題があります。

素人で確かに上手い方はそれなりにいらっしゃいますが、ご自身の所持する刃物の範囲のみで、普段は条件が自分が研いで使ったものに限定されますから、その時点でまとまりが出やすいのは当然です。

そこから、自分では想定出来ないような状態や、触った事のない鋼材、硬度や靭性の違い、ご要望にお応えする為の知識と技術、などが他にも必要になります。

ご自身でいきなり初めて、独立をと思っているような方には、自信のあるなら是非プロに!と、嫌味ではなくお話をしています。

本当に好きでプロの世界でやっていきたいのであれば、勢いも必要だと思うからです。

特に修行をした訳でも無いのに、それだけ今まで経験があり、それなりの研ぎが出来るのであれば、将来の可能性は十分にあると思います。

もちろん、軽々しくお話をし、その方が安易に進もうとして、今ある生活や将来を潰す可能性もありますから、その辺りは十分に気を付けてはいます。

逆に、修行にきてそのまま働きたいとおっしゃる方には、潰すような言い方になってしまう事もありますが、厳しいお話をします。

向き不向きもありますし、人より長けた器用さや才能、刃物の事を色々と解明し自らが感じ取れるかどうかも必要ですし、考えてそれを現実的に技術とする事、コスト計算やその技術の需要など、普段の生活では考えないような事まで考える必要があります。

刃物を扱うという事は、危険も伴いますし、何があろうと自己責任になりますから、そういった部分の覚悟も必要です。

一つの技術や、ある程度の範囲だけが出来ても、それは出来る事にはなりませんから、綜合的に全ての事が出来て、色々な範囲に対応が出来て、それでようやく一人前です。

特に当方のように、様々な刃物を深く広くでやっている場合、決まった時間だけちょっと勉強や研究をした程度では、まずまともな事が出来るようにはなりません。

それだけの覚悟があり、何かを継いで行こうと思う気持ちが無いと、こういった技術の世界では上には上がれません。

何となく出来るとか、それっぽいものは沢山ありますが、その程度で終わらさず、本当に認められる研磨や研ぎをご提供する為に、全てをそこに注ぐつもりがあれば、是非頑張ってやってみて頂きたいと思います。

それに関して言えば、どの分野でも同じ部分はあると思いますが、認められた方が限られた人数しかいない業界なので、特にその度合いは強いと思います。

 

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