ジャンル違いです
以前にも似たようなお話を記載した事がありますが、日本刀研磨に関してのお話です。
お問い合わせの中で、居合抜刀試斬にお使いの日本刀の研磨を、美術研磨の方にお願いしようとして、斬る為の研ぎをとお願いしようとしたら、お断りされたとの事でした。
理由は美術品として綺麗に仕上げる事が、美術研磨における仕事となっていますので、実用性を求めたお話はお断りされるという例が多いと聞きます。
逆に当方のように、居合抜刀試斬用の実用研磨を行っている側からすれば、美術研磨のように綺麗にして欲しいと言われれば、それは美術研磨の領域になりますので美術研磨の研師さんにお出し頂いた方が・・・と、必ずお話をしています。
同じ刃物であっても、それぞれで得意分野が異なりますので、確実に分けて考えた方が良いと思います。
良くある居合研ぎと言われるものは、美術研磨の作業の流れを省略しているものなので、厳密に実用品でもなく、どう捉えて良いのか分からないとおっしゃる方がいらっしゃいますが、美術研磨の綺麗さに近い状態を安く得られるという意味では、見た目を気にされる方が低価格で研磨に出す為の範囲との認識です。
残念ながら、美術研磨程の厳密な形状や面の構成、拭いや刃取りの精密さや綺麗さ、実際に斬る場面でしっかり生きる刃、は存在していませんので、そこは価格相応の事と判断される方は多いようです。
美術研磨の高額な作業は、日本刀展示などの場で品評会の賞を取らないと、なかなか仕事が貰えないようですから、名前が売れるまでのつなぎや、仕事が暇な時にのみ受けているとされるのが、居合研ぎになります。
美術研磨は美術品としての芸術的研磨を受け、居合研ぎは美術と実用の中間の研磨受け、当方のような実用研磨は実際に試斬に使う為の研磨を受けています。
そういった判断をされる方が多いですし、私もそのように考えています。
一番の理想を言えば、美術研磨で素晴らしく斬れる事だと思いますが、それだとあまりにも金額が高くなり過ぎて、綺麗さや刃をキープしきれない実用の場合には、適さないとは思いますので、丁度良い頃合いが居合研ぎになったのだと考えられます。
私が明確に実用研磨としてのお話をするまで、日本刀の世界では実用研磨を大々的に売りにするところはありませんでした。
日本刀の美術研磨としての正式なやり方の流れはもちろん把握していますが、その流れの中からだと、本当に実用に向いた斬れ方を表現する事が難しい事が分かりましたので、他の色々な刃物研磨で培った技術を色々と含め、実用の為だけの日本刀研磨を開発しました。
ただの刃付けではなく、形状や構成、研ぎの段取りなど、それらの違いが特にはっきりと出るのが、刃物に対する実用の研磨や研ぎになります。
それは日本刀でも例外ではなく、必要な構成が不足していれば、そこを生かす事はやはり出来ませんので、研究や開発を色々な方々のご協力も頂きまして、こうして完成をしてきました。
特に試斬や斬稽古が多い道場の方のご利用が多く、ご意見もフィードバックしてきていますので、間違いなくおすすめを致します。
美しさにかける部分を、実用性能に全て持って行っている分だけ、別格や別物と言われる違いは表現出来ているかと思います。
日本刀を造る刀工の方でも、ご自身の日本刀を居合抜刀試斬方面に販売されたい方は、是非ご相談ください。
過去の特注での日本刀販売に関する実績などもありますし、当方は割合的に多くの方が実用メインの方なので、そちらの方面で実用刀を欲していらっしゃる方は多いです。
中古で買うにしても、実用性能がどうなのかが分からないので、購入を躊躇されている方が多いと感じていますが、性能に対しての安心感が出せれば、新作刀のご購入は増えるはずです。
なお、拵の製作や修理なども合わせて当方でお受け出来ますので、総合的におまかせを頂ければと思います。
それと、古物商の免許を正式に持っていますので、日本刀を堂々と扱えますから、売買をご希望の方も、是非ご相談ください。
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