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2024年9月 6日 (金)

研磨や研ぎで直せるものと直せないもの

欠けやサビなどにより、研磨と研ぎでの直しのご依頼は良くあります。

軽い物であれば、いずれも問題なく直せる事の方が多いのですが、その辺りでもご心配な方は多いようです。

例えば、サビと一言で言っても、どのくらいが軽度で、どこから重度になるのかの判断は、一般の方では難しいと思いますので、このくらいは大丈夫!とは簡単に思えないのも分かります。

表面的なサビというのも、軽そうに見えて浸食している場合もありますから、実際は作業をしてみないと分からない場合もあると言えます。

浸食している場合、表面だけ軽く磨いたり削る程度では取れないですし、刃先側に浸食している場合は、穴になる可能性があるので、その場所は研いでも刃が付きませんから、削り混んで取り除く必要性があります。

欠けに関して言えば、ほんのわずかに見えるか見えないかの欠けもあれば、大きくごっそり欠けているものもあります。

大きな欠けの場合には、全体的にその欠けの分を取り除きますから、かなり大掛かりな作業になります。

一番怖いのは、欠けだけだと思っていたら、内部に亀裂が入っている場合で、亀裂は見えにくく確認もしにくいですから、様子を見ながら削って確認をしていくしかありません。

表面的に見えている亀裂も、亀裂が綺麗に合わさって見えていれば小さく見えてしまうので、実際は大きく入り込んでいる事もあります。

これらで直せないのは、全く無いように見えるかもしれませんが、刃物の性能や寿命面を見れば、正確に言えば直せない場合もあります。

その刃物が、このくらいの厚みと幅が必要である!という場合、削り落として直すしかないものは、極端に小さくなりますから、今と同じ状況を維持する事を条件で可能かどうか?と聞かれれば、NOと言わざるを得ません。

この辺りは考え方によるのですが、100%の条件を維持する事は不可能なので、何も変化せずというのは何をやろうにも難しいです。

直すという事がどういう事なのかを理解すれば、そういう状況にならないように使う事がどれだけ大切な事なのかも分かるでしょう。

調整と言える範囲の直しで収まるように、刃物は大切に使ってあげてください。

それが低コストで長寿命の刃物ライフを送る良い形になります。

 

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