粉末系の鋼はサビるのか
粉末鋼や粉末ハイスと呼ばれる鋼は、管理が悪いと当たり前のようにサビが出るタイプと、サビにくいタイプとで分かれています。
それは鋼を製造する時に含める成分の違いで、言うならば「鋼系」と「ステンレス系」のような違いです。
サビが出る場合、全体がサビるタイプと、点サビだけ出るようなタイプがあり、これらは上記の鋼とステンレスの違いのようなものです。
どうしても炭素部分はサビが出る可能性がありますので、良く言われるサビにくいとされるステンレスやモリブデンでも、使用状況によってはサビは出ますから、決して「サビない」とは言われていないと思います。
もし万が一、絶対にサビません!と言われたら、それは残念ながら嘘です。
粉末系のものでも、全体的に錆びやすいものは、強度と硬度を重視した感じで作られており、鉋や切出小刀、革包丁などに使用される事がありますが、鋼の延長線上として高強度の鋼扱いだと思うと分かりやすいでしょう。
包丁方面でそれらが使われる事がありますが、家庭用の物で左右にステン系で挟んだものが多く、刃の部分だけがサビるような例が多いです。
また、サビにくいタイプの場合は、包丁に良く使われていますが、全鋼での使用より、ステン系との2枚合わせや、左右にステン系で挟んだものが多くあります。
鋼が高価である事や、扱いが難しい為、地金を付けた方が加工性が良く、破損にも強くなる為とされていますが、その辺りは同じような粉末でも性質の違いなどもあり、靭性が十分にあるタイプや、製造方法により靭性を確保できる場合には、一枚鋼でも製造されていますので、その辺りは製造や販売次第と言えるでしょう。
粉末鋼が出始めた初期は、刃がボロついたり、想像よりも耐久性が低いと言われた時期もありますし、切れ味の初期低下が早いなどと言われた事もありしたが、粉末冶金法の進化により、それはかなり改善されています。
それに関しては、よくある鋼系やステンレス系と比べ、研ぎ方次第で性能差が特に変わりますので、粉末鋼の場合の良い研ぎ方というのを、どれだけ解明出来るかで、生きる刃が作れるかどうかになりますので、この辺りは大きな難関になるかもしれません。
その辺りは私の研究材料として、解決策を見つけてありますので、それだけでかなり回避が出来ます。
中研ぎ~中仕上げ程度までなら、そこまで気にしなくても良いと思いますが、超仕上げクラスの研ぎをと思う方は、想定より良い刃に仕上がらないという事はかなり多いようですから、知識として知っておくのは良いと思います。
« 注意書きについて | トップページ | 梱包は非常に大事な事です! »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 色々な材の加工(2024.10.05)
- 基本的にはHPに記載の内容の刃物や作業のみの取り扱いです(2024.10.04)
- 研げないとご相談を頂くケースが増えました(2024.10.03)
- こんな作業も出来ます(2024.10.02)
- 1000円では出来ません!(2024.10.01)
「研ぎ」カテゴリの記事
- 色々な材の加工(2024.10.05)
- 基本的にはHPに記載の内容の刃物や作業のみの取り扱いです(2024.10.04)
- 研げないとご相談を頂くケースが増えました(2024.10.03)
- こんな作業も出来ます(2024.10.02)
- 1000円では出来ません!(2024.10.01)
「刃物」カテゴリの記事
- 色々な材の加工(2024.10.05)
- 基本的にはHPに記載の内容の刃物や作業のみの取り扱いです(2024.10.04)
- 研げないとご相談を頂くケースが増えました(2024.10.03)
- こんな作業も出来ます(2024.10.02)
- 1000円では出来ません!(2024.10.01)
「砥石」カテゴリの記事
- 色々な材の加工(2024.10.05)
- 基本的にはHPに記載の内容の刃物や作業のみの取り扱いです(2024.10.04)
- 研げないとご相談を頂くケースが増えました(2024.10.03)
- こんな作業も出来ます(2024.10.02)
- 1000円では出来ません!(2024.10.01)