切れる刃物と切れない刃物の差
刃物を研いで使うのは当然ですが、その刃物が切れるか同課の問題には、色々な事が関係しています。
刃物の性質、使う砥石、研ぎの技量、などが主な部分となります。
その中でも重要なのは、やはり研ぎの部分です。
同じ形の刃物を10本持っていたとしても、研ぎに問題があれば、10本とも生きてこないからです。
良い刃物と良い砥石を持っていて、砥石修正もしっかりして、研ぎは安定している状態でも、まともに切れる状態を作れない方も多くいらっしゃいます。
その理由は、刃物に刃付けをする事にだけ注目している為です。
刃物で切断をする場合、刃物の刃はもちろん重要ですが、その形に大きく影響されます。
刃が鋭角になって行く方と、鈍角になっていく方は、いずれも良くいらっしゃいますが、それ以外にも丸みが強くなったり、段が大きくなったり、色々なパターンもありますので、それらの組み合わせにより、刃が付いているかどうかではなく、切れなくなる要因が増えます。
切れないと一言で言っても、切りにくいで済めば良いのですが、切り込めない、切り進められない、などの問題に直面する場合もあります。
刃物が切断対象に対し、どのように作用するのかを考えると、その刃やその形状では難しいという事が判断できますが、慣れていない方の場合や、一般的に当たり前のような研ぎしか行わない所では、それは理解できない部分になります。
何かで表せるようなものではなく、実際に作用する具合というのは、私は総合的な「現実値」としています。
それは、数字では表せられないような、感じ取る事や実際に起こる状況として表現をしているので、数値で表されているのに、どうも違う感じがする事が多い中で、納得のいく表され方になるでしょう。
体感をただ伝えるだけなら、その一本の刃物で出来ますが、この現実値に関しては、他との比較を含めた表現が必要でありますから、経験や知識などを豊富に持たないと、表現が出来ませんし、話を受け取る側も理解するのは難しいでしょう。
入り色な方々とのやり取りの中で、こうした現実値は生まれてきますが、これから目に見えない感じた部分を大切にと思う方は、少しでも多くの経験と知識を持ち、交流を深めて行かれれば、どのように刃物を購入し、それをどう研いで使って行けば良いのか、まともな方向性が見えてくると思います。
私が色々な商品や技術をご案内する場合、自分がどうであるという意見も勿論含めますが、色々なパターンに合わせ、適切に一致しやすい内容をお話させて頂いています。
お客様側としましても、ご自身がどういう考えをお持ちで、実際に自分の今の状況がどうなのか、理解をしてお話する必要もありますから、望む部分だけを表に出すのではなく、それがどういった方向性や立ち位置になるのか、ご理解頂く事も大切かと思います。
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