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2024年9月 3日 (火)

手が込んだ作業が増えました

当方で現在行っている日本刀研磨は、大きく分けて4種あります。

・お急ぎ実用研磨 ※作業内容の指定不可、ネットからのお申込みでお荷物でのみ対応)

・おまかせ研磨 ※作業内容の指定不可、ネットからのお申込みでお荷物でのみ対応)

・居合抜刀用面精度研磨(通常の磨き)※当店の日本刀研磨の基準となる研磨

・居合抜刀用面精度研磨(斬れ味重視)※切り損じをしないレベルの上級者の方用

となっています。

これらのご説明は、何度か書いてきていますので、割愛させて頂きます。

詳しくはこちらのHPでご確認ください。

さて、お急ぎ研磨はまだ開始して長い年月が経っていませんので、お伝えするレベルでの変更等は特にありませんが、それ以外に関しては、大きな改良をお伝えしている以外にも、細かい改良は色々と行っています。

ご依頼を頂く性能や状態などにより、色々なパターンの日本刀を見て来ましたたが、想定される範囲とは異なるものも稀にある為、それらにも対応が出来るように技術を追加をしたり、少しでも良い状況が作れるようにやり方を変えるなどしています。

一番多く変更されたのは、おまかせ研磨で、過去に比べ機械の使用量を減らし、手作業部分を多くしました。

それは、お急ぎ実用研磨が出来た事で、そちらは機械ベースの作業としていますから、レベルUPをしたかったというのがあります。

お急ぎ実用研磨とおまかせ研磨だと、結果にどのくらい差がありますか?とご質問を頂いた事がありますが、日本刀の現状の状態や性能により・・・としか言えません。

居合抜刀用面精度研磨と比べ、厳密で高精度な作業を主な部分としていませんので、現状の状態から斬れる状態に持って行く事を重要な部分としています。

その中でも、おまかせ研磨の方は、居合抜刀用面精度研磨のような高精度な面の構成は作りませんが、手研ぎにより調整は行っていますので、お急ぎ実用研磨よりは精度が良く、総合バランスは上になります。

これらはいずれも当方の中では並研磨としていますが、機械研磨を行う時点での精度が、良くあるような機械研磨のように凸凹ではありませんので、それだけでも無駄な膨らみがあったり、やり過ぎた凹みが出来る事により、強度が部分的におかしくなるような事は出ませんから、実用刀としての研磨では、十分信用には値すると思います。

なお、お急ぎ実用研磨とおまかせ研磨は、現在お使いの日本刀に限りますので、打ち下ろし刀や加工途中のものなどの対応は、例外を除きお受け出来ません。

特に打ち下ろし刀の場合、最初のバランスや調整の作りによって、将来の方向性が大きく変わってしまいますから、バランスや精度をしっかりと持たせた下地から作る居合抜刀用面精度研磨のご利用が最適です。

あと、居合抜刀用面精度研磨は、過去と比べて磨き率を落としました。

これは、手抜きをする方向に持って行ったという意味ではなく、試斬時に必要な性能の為に、あえてそのようにしました。

それ以外の部分で、研ぎの段取りを数段階多くし、調整をより厳密にしつつ、使う砥石も変えた事で、どうしても細かくマイナスが生じやすかった部分の研ぎの範囲が、ほぼ解決していますので、高性能化を実現しています。

実際に過去の居合抜刀用面精度研磨と、現在の居合抜刀用面精度研磨で比較の場合、現在の方が斬れ味がそもそも出やすく、元から切っ先まで幅広くお使いになる方のご意見では、部分的なバランスの差が感じにくく、安心感が増したというご意見を頂いています。

分かる方は、素振りの時点で、今までとは違う総合的なバランスを感じられたり、振る事に対しての違和感が払拭されたケースもあるので、斬る前段階で、もうご満足頂くケースもあるくらいです。

日本刀は長物ですから、研ぎにはどうしても色々なズレが生じやすいのですが、必要範囲に待たせる精度のズレは、極力無くしたいというのがあり、当方ではその技術の開発に成功をしています。

更に斬れ味重視では、特別な調整や設定を行いますので、その作業の違いにより、格段に性能の飛躍がされますが、繊細な設定内容の為、斬り損じをしないレベルの上級者向けとさせて頂いています。

いずれも、実用刀としての斬れ味には、それぞれに違いがあっても、自信を持っておすすめをしていますので、ご予算や納期や内容に合わせ、ご選択の上でご利用頂ければと思います。

 

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