« 2024年9月 | トップページ | 2024年11月 »

2024年10月

2024年10月31日 (木)

切れないけど切れる

私が思う切れ味は、一般で思う所では、驚くレベルにあるようです。

もちろん、無意味に刃の強度を潰してまで、切れ味を出すようなズルい事はしません。

バランスを考慮しつつ、切れ味と長切れの両立を含めても、なかなか体感されないようで、今までの研ぎは何だったのか?とおっしゃる方も多いです。

そんな状態が私の当たり前なので、自分で使う刃物の切れ味が落ちてくると、そろそろ研がないとダメだな・・・と思いますが、それでも忙しいとそのままで使い続けています。

切れないな・・・と思いながら我慢して使っていますが、その切ったものを他の方が見ると、これで切れないの?十分に刃が付いてますよね?十分に切り口が良いですよ?と思うようです。

感覚が切れる側に寄っていると、元々の状態がさほど切れる状態ではない方の研ぎより、まだ切れる状態にあるようなので、それで驚かれるようです。

研ぎは色々な要素を込めつつ、実用的に仕上げを行っていますが、それでも一般では体験できないレベルの切れ味にあるようですから、切れ味が落ちたと表現する事は、確かにその時点で未知の領域なのかもしれません。

必死になって細かい研ぎを行うとか、鋭くするとか、そういう方法での切れ味とは違い、しっかりとした刃の状態がある中で、そういった切れ味になっていますので、安心してご使用頂けると思います。

根本的に、刃物の扱いが雑な方や、使い方に問題がある方だと、その刃の良さを生かしきれない間に、刃の寿命を迎えてしまうと思いますので、まずは使い方とやってはいけない事を覚えていきましょう。

刃物は雑用と繊細用に最低限度として分けて使うのも、非常に良い方法の一つです。

 

2024年10月30日 (水)

僅かな差が大きな差になります

研ぎは上手い下手が明確に出ますから、本当に難しいです。

異常な神経を注いで研げば、とても良い研ぎになるという訳でもありませんので、根本的な技術力の問題ですが、それでも手抜きをすれば、悪く出てしまう事はあるでしょう。

人が削って磨いて研いだものを見ると、自分の作業したものとの比較で、非常に勉強になります。

お客様もまた、ご自身での作業品が、今一つな結果だとおっしゃる方の場合、明らかにダメなケースもあれば、かなり良く研ぎが出来ているのに、残念な結果な場合もあったりします。

明らかにダメなケースは、根本から勉強し直す必要性があります。

しかし、惜しいところにある場合、ちょっとした事で結果が伴わない状況になっている事もあるので、かなり勿体ないなと思います。

ほんの僅かに砥石の修正頻度が足りていないとか、一度研ぎの角度がズレてしまった場合もありますし、途中までは良かったのに、最後の仕上げで角度を間違えているなど、本当に勿体ないと言える程度です。

毎回のように安定して良いと言える研ぎが出来る方は、本当に一握りでしかありませんから、結果が伴う研ぎを自分自身に身に付ける事は、とても大きな財産になります。

 

2024年10月29日 (火)

掘り出し物あり!

当店では、古物商認可を受け、古物の取り扱いをしています。

道具と美術品が当方で取り扱い可能な範囲として申請済みです。

分かりやすく言うと、砥石、刃物、などの道具類や、日本刀、などの美術品が、販売や作業対象の中では含まれます。

それ以外でも、項目に属すものは、もちろん取り扱いが可能ですが、得意な範囲を基本としてやっていますので、上記内容を主としています。

現在も、委託販売として、古物の取り扱いを行っています。

信用のある方からの、出所のはっきりした商品のみを扱うようにしていますので、何でも依頼があれば取り扱う訳ではありません。

宜しければ、商品のご購入や、出品のご検討をと思います。

古物商のページはこちらです。

 

2024年10月28日 (月)

仕上がりが変わる事を祈って・・・

先日、ある商品を注文しました。

今まで使っていた製品の約3.5倍くらいの価格です。

※今までの物は数年前に購入した製品なので現在はもう少し上がっているかもしれませんが・・・。

最終的な仕上げの段階の一部で使うものですが、ここまで金額が変わってくると、かなり躊躇するものでした。

しかし、仕上げの改善をしたいと思っている範囲の事で、たまたま見つけてしまいましたので、一度だけでも試してみたいと思いました。

もしこれが使い物にならず、ゴミになったとしたら、かなりの大損ですから、こういう買い物は本当に賭けでしかありません。

逆に、使い物になったとしても、今後これを正式に導入するのか?と考えると、コストが3.5倍ですから、それをどのようにしてカバーしていくのか・・・です。

どちらにしても、良い点もあれば悪い点もあるので、製品の性能は確実にテストを行いまして、間違いの無い結果として見てから、あとはコスト計算次第になるでしょう。

どうしても性能の良い物を仕事で使いたいのですが、2倍でもかなり躊躇するレベルですから、心情はお察し頂けるとありがたいです。

 

 

2024年10月27日 (日)

研ぎの構成を最初に考えるのは大切です

それなりに研ぎが上手くなってきた方に良くあるのは、とりあえずワンパターンで研ぎを行う事です。

このワンパターンという表現は、語弊があるかもしれませんが、成功例の一つをパターン化してその通り研いでいると思ってください。

通常はそれで充分だと思いますし、最良かもしれませんが、状況が異なる場合、それでは不足になる事は色々と出てくると思います。

そういう時に他のやり方に変える必要性がありますが、そこに対応がどれだけできるのかというのも、研ぎの上手さの一つだと思います。

研ぎに入る前に、状況を良く確認して、切れ味が単純に落ちた事に合わせ、刃の消耗具合であったり、それ以外の部分としては、普段と何か異なる状況は無いか・・・と考えながら見てみましょう。

普段と異なる状況があれば、それが軽度か重度かで、何の作業から始めるのかも考えなければなりません。

もしワンパターンでいつも通りと思っていると、少しずつ不足が重なっていき、いずれ大きな修理が必要な状況になる場合があります。

刃物の状況悪化は、細かい事の見落としであったり、手抜きをした事により、後で大きな問題へと発展する事にあります。

状況を良く確認し、どこからどのくらいの研ぎを行えば良いのか、まずそこから入りましょう。

曲がりやねじれ等が出てしまう(歪、ひずみ)状況となっている場合は、絶対にご自身で直そうとしないでください。

直したつもりが悪化してしまったり、直ったつもりで研ぎを進め、本来研いではいけない場所が研がれてしまい、歪直しを後に行った場面で、研ぎシロが無くなっているパターンをよく見かけます。

ご自身で全てが出来る程度の話であれば、私達の方な専門家は存在していませんので、まともに一度しっかり直してから、その先の研いで使う事を安定させてください。

 

2024年10月26日 (土)

バランスの問題が大きいです

刃物で何かを切断する際に、研ぎは出来ていて、刃は十分についているのに、切り込みが悪かったり、素材を傷めてしまうという事で、悩んでいる方は非常に多いです。

初期からそうだったという例と、途中からそうなってしまったという例がありますが、いずれも状況が悪いからこそ、そのように感じる部分は大きいと思います。

あと稀にあるのが、個人的感覚の問題で、切断時に無抵抗なくらい、スルっと刃が入って欲しいという事で、それをおかしいと思っている場合もあります。

無抵抗というのは大袈裟な範囲で、それを叶える為には、色々なものを犠牲にする必要がありますし、刃物の性能が特別に必要な範囲がありますから、その辺りは十分理解した上で条件を整えれば、一応可能にはなると言えます。

それ以外の一般的な範囲で見ると、刃物の角度や厚みの問題であったり、研ぎの#(砥石の荒さを示す、メッシュ)が適切ではない場合なども、切断時に明らかな問題を起こす事があります。

丸みのある刃物の場合、どこにその丸みが多くあるかで、切れ方は大きく変わってきますし、刃先の段の大きさや角度などでも、かなり違いが出てきます。

現状を見て、何が悪いか分からないとおっしゃる方は、かなりの割合でいらっしゃいますし、それを改善する方法はなんとなく理解出来ても、ご自身で改善に持って行くのは難しいという方は多いです。

何とかご自身でやろうとする方もいらっしゃいますが、とんでもない労力がかかったり、最小範囲でそこまで直せそうもない場合には、必要以上に減らしてしまう事もありますし、失敗した時にもう戻せない事を考えると、専門家に依頼をする事をおすすめ致します。

金額が・・・と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、最短で最小の改善は、機材や道具が揃っていて、綺麗に改善が可能な専門家に出した方が、時間や労力の無駄にはなりません。

もし、ご自身が思っている状態の悪さと、現状の改善方法について、色々と見解の間違いがあったとしたら・・・。

実際に改善を経験すれば、今までと何が違って、何が悪かったのかなど、それらも分かりやすいと思います。

 

2024年10月25日 (金)

しっかり削るか、表面を撫でるか。

砥石の性質や硬度は、3~5段階程度で表現される事が多いのですが、刃物の硬度は平均的なところで同じとして考え、どの辺りが好きなのかの好みは分かれます。

私は3~4くらいの中硬程度を良く使います。

1~2は柔らかめで、刃物が減るよりも、明らかに砥石がどんどん減っていきますが、刃物に砥石が合わせてくれる感じがあって、研ぎやすいとおっしゃる方も多いです。

逆に4~5は硬めで、刃物が減って砥石は減りにくいので、砥石の面直しを的確に行い、正しく研ぎを行わないと、刃物の形状が変わっていく感じになります。

最初に、刃物の硬度は平均的なところで同じとして考え・・・と書きましたが、それだけではなく、鋼材の違いや地金の有無などでも、対する砥石の硬度の感覚は変わって来るでしょう。

硬めの砥石は、研ぎ滑りを起こさない程度であれば、刃物を削っていく印象が強く、柔らかめの砥石は、刃物の表面を撫でる感じでソフトな印象となります。

これら硬度の影響により、研ぎ傷が全く異なる場合もありますが、仕上がりの見た目が光りやすいか濁りやすいかというのも変わってきます。

基本的に、硬めの方が光りやすく、柔らかめの方が濁りやすいです。

最初に荒目の砥石で研ぎ、深い傷がしっかりとついている場合、その次の中荒くらいの砥石で傷を取ろうと思ったら、柔らかめの砥石の方が傷が取れそうなイメージではありますが、削る力は弱いので、表面が慣らされていく程度となり、実際は深い傷が取れない可能性があります。

ですので、中硬程度の中荒目の砥石で、目立てをしっかりと行って研いだ方が、傷は早く取れます。

しかしその次の段階では、その傷取りをした傷を今度は取る事も考えないといけなくなりますから、そういった流れも考えながら、砥石の構成を考えて行く事も大切です。

複数丁の砥石を使うとして、どこかで組み合わせの悪い砥石が一つ入ってしまうだけで、構成はおかしくなりますから、十分注意が必要だと思います。

面白い方法としては、例えばですが、#1000の中硬で研削性が高い砥石で研ぎ、#1000の柔らかい砥石で研ぐと、傷は収まりやすい傾向にあります。

同じ#の砥石を2個使うなんて・・・と思うかもしれませんが、#1000の中硬は#600~800程度と考え、#1000の柔らかいものは#1500~2500程度と思えば、納得できる部分はあると思います。

結局のところ、水研ぎを行う為のいわゆる角砥石は、#表記がメーカーや製品ラインナップで全く異なる事がほとんどなので、その砥石がその刃物に対し、どのような傷を付けるのかを知る事や、相性を知る事によって、傷取りや刃付けの場面で、その傷をコントロールする事が可能になります。

これらを色々と知る事は、研ぎのレベルを格段にあげるポイントにもなりますので、同じ#の色々な砥石を使ってみると勉強になりますし、面白い事も多くあると思います。

 

 

2024年10月24日 (木)

本当に刃物の性能の問題ですか?

刃物の良し悪しについて、色々と語られているお話を良く耳にしますが、その話の多くには問題があります。

色々な部分からの比較を考えても、そういう答えになる事はあり得ないだろうと思われる答えが多いのです。

その理由の多くは、研ぎの技術の問題や、使用技術の問題にあります。

凄い高得点を付けられる程の腕が必要とまでは言いませんが、最低限度としてそのものを評価するに値するだけ知識と技術があって、それなりの数を触った事が無ければ、正しい評価は難しいと考えますが、そうでは無い方がかなりの割合を占めています。

ご自身でそれに気付いている方は、多くを語ればそれが自己評価のマイナスに繋がる事を理解していますから、むやみやたらに良し悪しの話はしません。

そして、ご自身で分からないからこそ、専門家の意見を求め、それを後の目標であったり、ご自身の知識や腕が上がった際に、良い想定となるようにと、今と将来を見据えた考えもお持ちになる場合もあります。

刃物や砥石は、いつどこで何に使う為にそれを購入し、どのように使って行くか?と言う所で、必要な要素が決まってくると思います。

何も考えず、ただそこにあるだけで購入すると、後で損をする可能性も多いですから、良く考えて購入する事や、良く考えて使用する事が大切だと思います。

私自身としては、過去にどんなレベルのものでも手を出し、色々と使ってみたタイプですが、その分だけとんでもない金額を使ってきました。

現在も仕事に使うもので、色々と試してみる事も多く、その金額はいつまで経っても安くはなりません。

私の場合には、それが仕事で必要なものでもあるので、少しでも良い性能や仕上がりになる物をと探し続ける必要がありますが、お客様の場合にはそれを続けていく事で、とんでもない金額が飛んでいく可能性もありますから、その辺りの心配をしてしまいます。

ご予算に余裕があり、色々とお試しになりたい方は、むしろどんどん色々と購入してお使いになると良いと思います。

なるべく最小範囲で、良いものをご案内したり、良い技術をご提供できるよう、色々な比較なども含めてご案内をしています。

少なくとも、格安で良いものはあり得ませんので、それなりの最低ラインはあります。

 

2024年10月23日 (水)

砥石の使い方は刃物との相性により変えます。

砥石ごとに、特性が色々と異なりますが、それをどのようにして使うか、ある程度定まった形として一番良い方法があったりします。

しかし、対する刃物によっては、その一番の形では相性が悪い事も出てきます。

そんな時に、砥石をどのようにして使うのか、いくつかのパターンを作っておくと良いと思います。

砥面をツルツルにして使ったり、砥面を荒らしてザラザラにして使ったり、その他も含めて色々な方法があります。

砥石はどうやって使ったら良いのか?と簡単に聞かれる事がありますが、そんな簡単に一言では表せない世界です。

 

2024年10月22日 (火)

久しぶりに気持ち良く切れる刃物に出会いました

何度かお話をしてきた事がありますが、特別切れ味が良い刃物に出会う事があります。

今回もまた、新たに出会いがありました。

普段通りに研ぎを行い、その時点で誤差範囲以外はまともに切れる状態になりますが、誤差とは思えない切れ味が明確に出ていました。

何とも言えないようなぬるっと刃が入る感じは、本当に素晴らしいです。

次回はいつ、こういった刃物と出会えるのか、また楽しみにその時を待ちます。

 

2024年10月21日 (月)

寿命と性能のどちらを優先しますか?

刃物は研ぎを行わないと、まともな切れ味を維持出来ません。

その為には、刃物を研ぎ減らす事になります。

刃物は付け足しが出来る物ではありませんので、初期が最大のサイズであり、その後は小さくなっていく一方です。

それを考え、切れ味が多少落ちた程度では、研ぎを頻繁に行わないという、プロの方が過去に数名いらっしゃいました。

それで刃物が充分に使い物になるのであれば、悪くは無いと思いますが、また買い直せば良い事なので、私は研ぎを頻繁に行って、極力性能を発揮できる範囲で使う事をおすすめしています。

それは研ぎを行う立場だからではなく、刃物が切れる事の大切さを知っているからです。

現代では刃物が非常に高価になってしまい、過去から高価だったものは、更に高価になりました。

そう考えると、そう簡単に買い直しをとは言えない部分はありますが、それでも数年は余裕で使えますから、そんな短い期間・・・では無いと思います。

研ぎ減りが早い方はサイズ維持の為に、毎年のように同じ刃物を購入され、研ぎ減った物は他の用途に回したり、形状を変えて用途別にするなど、工夫して使用している例も聞いた事があります。

こだわると必要な条件が変わって来るので、金額はだいぶかかるかもしれませんが、その分、ストレスや使い勝手の問題からは解放され、良い刃物ライフが送れます。

 

2024年10月20日 (日)

食材への影響

「切れる包丁だと食品が美味しくなる」と言われているのは、紛れもない事実です。

これに関しては、プロの料理人だけではなく、素人の方でも明らかに感じられる部分だと思います。

それ以外としては、意外と皆さんが気付いていない範囲として、他にもいくつかあります。

例えば、切れる包丁で切った食材は、煮たり焼いても崩れにくいとか、切って使わない食材を保存する際に、痛みが出にくくなるなど、それらからも利点は十分に感じられるでしょう。

それだけ組織を傷めないと言われる事が、実際に作用していると言えます。

食感や味にも影響があるだけでは無く、こうした他の部分でも変化はありますので、是非とも切れる包丁を使い、料理を楽しんで頂ければと思います。

 

2024年10月19日 (土)

計算された構成

何かに対しての代用品となるものは良くありますが、どうしてもそれでは能力を発揮しきれないような、特別な性能というものはあります。

刃の黒幕#1000と復活砥石の関係性です。

今の所、これ以上の組み合わせはありません。

電着ダイヤでの修正が主として考えると、砥面はほぼ面一となり、中硬程度の硬度や高い密度の影響により、研ぎ滑りが起こる事があり、特に硬度の高い刃物が相手だと、それは明確に起こりやすい部分が唯一の欠点です。

性能を発揮する為には、この砥石の性質は致し方ないものと見ると、この復活砥石を使わなければ損でもあると考えます。

簡単で確実となれば、使わない理由はありませんし、どうしても必要な場面には、安心の組み合わせとも言えます。

当方でもこれらの販売はありますので、宜しければ是非ご利用ください。

なお、当方でお買い上げを頂きました商品に関しましては、使い方などの簡単なアドバイスも行っていますので、良い結果の為に是非ご利用ください。

販売ページはこちらから飛べます。

2024年10月18日 (金)

本来あるべき姿形を生かしましょう

洋包丁や和包丁では特に形の変形が良く見られます。

これは、全体を均等に研いでいないという事が要因でもありますが、他には一部の欠けや刃の落ち具合に合わせ、そこを重点的に研いでしまっている事も挙げられます。

また、研ぎの癖により、砥石当たりが強くなる部位とそうではない部位があり、その影響も出ていると言えるでしょう。

基本的な考えとしては、購入当初の形という表現をあえてしませんが、本来あるべき姿形を大事に考え、そこからあとは個人で使いやすいように設定をすると良いと思います。

形状のアレンジは、ある程度の基本的な研ぎ方や使い方をマスターし、それで用途として不足を感じた場合以外は、変える必要はありません。

大多数の方がそれで使えている状況を考えると、バランスが取れた形で、現代の洋包丁や和包丁の形は構成されていると言えると思います。

メーカーや職人事に、それぞれ形状の違いはありますが、これは良し悪しの判断にしている方も多くいらっしゃるので、形の意味を考える事は、非常に重要な要素になると考えられます。

いずれ必要な時が来れば、同じ刃物を何本も用意し、使い分けをする事になると思いますので、一本で無理に特別な事をやろうとしなくても、その時を待ちましょう。

 

2024年10月17日 (木)

何を重要視するのか・・・

色々な研究の中で、刃物の切れ味と長切れの問題は、永遠のテーマになると思いますが、それをかなり解決できる方法はあります。

刃の強度が高く組織の状態が良いものを選ぶ事です。

何の分野の何用の刃物なのかで、その強度の問題は変わってきますが、組織に関しては同じような考えで良いと思います。

繊細な刃の為には、組織が細かく綺麗に分布していて、不純物が少ない事がまず挙げられます。

それが可能な鋼材は、一部に限られてきますし、上手く製造をするとなると、メーカーや鍛冶屋も一部に限られてきます。

そしてその中でも、鋼のロットによる当たり外れや、良し悪しが必ず出てきますから、本当にこれは!という当たりを引行けた方はラッキーと言えるでしょう。

全てを兼ね備えた刃物は、100%では存在していませんので、どうしても何かに特化したものを用途別で選ぶ形にはなりますが、それでも分野や鋼材によっては、それがある程度は叶う事もあります。

少なくとも、安い刃物の部分にはそれは存在しませんので、多くを求めるのであれば、それなりの金額を出す必要はありますから、簡単に手に入るとは思わない事です。

それが簡単に叶うのであれば、多くの方が悩み苦しむ事は無い訳ですから・・・。

 

2024年10月16日 (水)

繊細さが確実に必要な刃物です

鉋は木材の表面を削る為に作られており、刃を細かく研ぐ必要性があります。

しかも、研ぎは表裏共に平面で、刃が直線化するよう綺麗に仕上げる必要があります・

その為には、砥石の面修正が絶対的に必要になります。

また、台調整も極限の削りになると、非常にシビアになりますし、本当に難しい部分になります。

そこそこまで使えるようにすれば、慣れればある程度は行けると思いますが、最初は何もかもが難しく、グチャグチャにしてしまって終わるでしょう。

平面研ぎは研ぎの基本を学ぶのに、非常に勉強になる要素が多く含まれていて、それを綺麗に仕上げられるようになることは、とても大切な事だと思います。

鉋だと難しいとおっしゃる方も多いので、まずは切出小刀から研ぎの勉強をする事をおすすめします。

平面研ぎが綺麗に出来るようになって、いつでも木材を綺麗に切れるようになってみると、次は切れ方や長切れの勉強も必要になります。

 

2024年10月15日 (火)

刃物を生かす使い方とは?

刃物と砥石が良いのに、研ぎを頑張っても、どうしても刃持ちがしない、切れ味が出ない、とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

その辺りは、研ぎ方のレベルに影響される事も多いのですが、あとは使い方による部分もあります。

例えば、刃物の使用方法が、刃物にとって良く無い使い方だったら?

負担が大きくなればなるほど、刃は持ちが悪くなりますし、切れ方も直ぐに悪化してしまい、場合によって一発で刃をダメにしてしまう事もあります。

ですから、研ぎ方を良くするのも大事ですが、使い方を丁寧にしたり、欠けなどが出来る事がなく、刃の単純な摩耗だけで抑えられるよう、使って行く事も大切な事です。

そんなに気を遣って刃物を使えません!とおっしゃる方は、雑用の為のものと、繊細に使うものを、分けてご使用ください。

雑用の為の物は、切れ味よりも強度を重視した設定とし、繊細に使うもは強度と切れ味のバランスを取るか、切れ味を優先した設定にすれば、それで多くは解決でしょう。

雑用で使うものは、大まかに直して使うのでも良いと思いますし、そこには無理に丁寧さを色々含める必要はありません。

このような感じで、一つの刃物でなんとかしようとせず、回避策として複数本の刃物で役割分担をさせると、かなり良い結果に近づくと思います。

それに合わせ、それぞれに合わせた良い研ぎも導入し、ストレスから解放されるようにしましょう。

 

2024年10月14日 (月)

改めて比較をすると違いが分かります

先日、お客様からのご依頼で、ある刃物の新品を研いでほしいとの事でした。

実物を拝見すると、結構綺麗に仕上げてあって、一般で言う所のいわゆる「よく切れそう!」な状態です。

しかし、全く切れないに等しいとの事で、刃や研ぎの状態を良く確認すると、いくつもマイナス面が見つかりました。

まず刃先にあるはずの「刃がほぼ無い」状態です。

これに関しては、その刃付けだけの問題ではなく、次に挙げる「面の構成が悪い」に繋がります。

研ぎを行った面の構成が、切れる要素を潰す形状となっており、手研ぎでやったというのは見て分かりますが、とにかく構成が悪い。

使った砥石に関しては、手磨きを入れてあるので分かりませんでしたが、砥石の面修正はそれなりに行っている感じでした。

また、部位ごとに刃を構成する部分の厚みにバラツキがある事から、研ぎが安定していない事も分かります。

当方でもお客様のご依頼に合わせ、似たような作業をする事は良くありますので、やろうとしている事は分かりますが、それじゃない感が非常に強く、高額を払っての新品に対する仕上げだったようですから、お客様はかなりガックリと来ている感じでした。

私が同じ立場だったら、それなりに金額をかける意味を考えれば、やはり同じ思いになっていたと思います。

たまたま作業をした人の当たり外れなのか、そこでの仕上げレベルはそれが限界なのか、それっぽくだけ見せて誤魔化すのがやり方なのか、その辺りははっきり分かりませんが、多分やり直しをお願いしても、良くはならないでしょう。

刃物が何かを切断する事に関しては、切る為の要素を研ぎに含める必要性がありますが、これはこのブログや直接ご来店を頂くお客様にも、ご説明の中で頻繁にお話をしている事です。

ただこう研いでこう磨いてこう刃付けをする・・・と教わったところで、その技術には何も価値がありません。

今回のような例はかなり多く、名前のあるメーカーや職人による作業だと、それに文句を言いにくいという方もいらっしゃいますし、自分が間違っているのではないかと、悲観的になってしまうお客様もいらっしゃいます。

私自身も、過去からそういった経験を使い手側で感じる事がありましたし、そういったお客様に現実をお教えしたり、実際の技術であるべき姿を感じて頂くようにしていますから、ある意味では得意分野とも言えます。

もちろん、お客様側の見解や求める部分がおかしいケースもあるので、全て作業をした側が悪いとは言いません。

これは、他を悪く言う為の材料にしているとかではなく、実際にお客様がお代を支払い、それに見合った対価を得られていない事のお話でしかないので、世の中の刃物業界を見て、こういう現実を知る意味では、非常に有効な資料だと考えています。

なぜこういうお話をするのかというと、もう一つ理由があり、私自身も逆にお客様がお持ちになられた刃物から、他での作業品を拝見し、学ぶ事がありますから、私が全て正しいと言っている訳でもありませんし、お互いにそういう事はあるだろうと思い、自分への戒めでもあると思っているからです。

お客様としてご利用を多く頂いている方は、なんとなく濁したお話や、気を遣った話をされても、現実を知る事は出来ないので、良くも悪くもはっきり言って欲しいと言われる事が良くあります。

それは、お客様自身が現実を知りたがっており、そこから学べるものを大事にしたいという考えの表れですから、私はその為には良い事も悪い事も自ら受け入れつつ、出来る限り正しい情報や、お客様に合った方法をご提案する事に繋げています。

メーカーや技術の業者に言える事は、まともに出来ない職人に、重要な仕事をやらせるべきではないという事です。

そこでは新人や次のステップに進む為、勉強の為にはどんどんやらせなければいけないという部分はあるかもしれませんが、お客様からすれば一流の職人が作業をしても、まだレベルが低い職人が作業をしても、お支払いする額は同じはずです。

その時にお客様からの評価がこのようにマイナスになれば、どんどん評判は落ちますし、二度とそこの話や商品や技術を信用する事は無くなりますし、お客様はこのような悲しい思いをする事になります。

その仕事を任せても問題が無いレベルになるまで、実際にお客様のその仕事をさせる事なく、今まともに出来る他の仕事をしつつ勉強を別でして、その評価を正しく見てから、お客様の同じ仕事をやらせるべきと思います。

もしくは、その仕事を熟知している職人が、しっかりと面倒を見る事で、遜色なく作業する事が出来るようにするなど、そういった事も大切だと思います。

良くあるのは、指導する人自体の作業がとても上手いとしても、教える事は下手で正しく下が育たないとか、検品をする係の人の基準が甘く悪い状況を見抜けず悪いものが商品として出てしまう事が多いなど、その手の話は本当に良くあります。

一人仕事でやっている場合、この手の話はほとんどない事で、状況次第ではあると思いますが、誤差範囲で収まる事が多いのです。

最終的な結果でお客様は評価をするものだと私は考えていますから、最初にどんなに疑うような事や、細かく面倒な事を言われようとも、良かったと言って頂ければそれで解決だと思って作業をやっています。

 

2024年10月13日 (日)

サビは厄介です

刃物がサビると、表面的にサビを落とせたつもりでも、同じ個所で何度も再生するケースがかなり多いです。

削ったり磨いたりしても、研いでも駄目な場合がありますが、それはまだサビが少し残っている事が原因だと思われます。

表面的なサビに見えて、そこを取り切れたと思って軽めに終わらせず、もう少し先も考えて多めに取り除きましょう。

研いでも問題が無い場所だったら、研ぎで落とせば良いですし、ダメな場合には、サビ取り剤を使用しても良いと思います。

ただ、サビ取り剤は薬品臭の問題があるので、食品や加工で匂いがわずかにでもついてはいけないものの場合、使う事はやめた方が良いです。

まだ、サビ取り剤で錆を取り除いたあと、そこから再度サビが出てきますので、錆を取り除いてすぐに表面を何かでコーティングし、そこから自然なサビが始まらないようにしなければなりません。

ですから、サビ取り剤を使うにも、それなりに覚悟が必要です。

簡単に落ちると思えても、実際はその後が厄介なのが薬品ですから、出来れば削るか磨くかが良い方法だと思います。

ご自身で荒い加工をして取り除いたサビ箇所は、後に思いっきりサビる可能性があるので、それなりに素早く細かく仕上げる必要性があるますから、後で処理に困る事を考えると、私達のようなプロにご相談ください。

研ぎのついでにサビの事をご相談頂ければ、通常時でも注意をしてサビを取り除く加工をしていますが、特に気を付けて再発生を抑えるように出来る限りをします。

なお、サビを取り除くにしても、浸食している場合には、結構削る必要があったり、場合によってはごっそりと刃を削り落とす必要がある事になる可能性もあります。

しかし、そのサビが今後進行するものかどうかも見方がありますので、そこも含めて判断をさせて頂きます。

 

2024年10月12日 (土)

砥石の使用の組み合わせについて

刃物の研ぎで、中荒砥、中砥、仕上げ砥、超仕上げ砥、と段階的に研ぐ場合、どんな砥石をどう組み合わせるのが良いのかを考えるのは、難しい問題ではあると思います。

こういった件に関しては、過去にも似たような内容を書いた事があります。

一般的に理想と考えられる範囲としては、同社の砥石シリーズから、必要な#を選んで使用する事です。

そうする事によって、各社や各種の砥石の#(荒さ)表示と、現実的な荒さの流れは、大体一致してくる事になります。

あとは、それなりの数の砥石をお持ちの方は、色々な砥石の組み合わせをご自身で結果から作り、それを段階としている例も多くあります。

流れが何パターンか作れれば、刃物の形状や硬度などで変えて使う事が出来ますので、余裕があればそのようにしておくのも手だと思います。

絶対にやってはいけないのは、#1000の後に#8000で仕上げようとするなど、無謀な形にならないようにする事です。

理想としては2倍までの荒さで、ギリギリ3倍くらいまでだと思いますので、その辺りは十分にご注意ください。

砥石の数を増やしたくない事や、数多く研ぐと面倒だからという事で、無理に少なく使用し、細かく仕上げる事はまず無理です。

また、ある程度の荒さの砥石からスタートし、刃を再生しつつ傷を取っていく事も大事なので、超仕上げ砥石だけで何とかしようとするのやめましょう。

必死に超仕上げで研ぎを行おうとする時間と、面倒でも中研ぎから例えば4段階で研ぐ時間を考えると、後者の方が確実で早いです。

ちょっ刃先を小刃として仕上げたいだけの場合でも、現状でどのくらい消耗や痛みが出ているのか、それがどのように研ぐと直せるのかを、それなりに理解出来るようになるまでは、特に手抜きをしないようにしましょう。

 

2024年10月11日 (金)

しっかりと要素を含めています

刃物の研ぎは、ただ研ぐだけではダメだと、ここで何度も書いて来ました。

その意味はご利用を頂いている常連様や、色々とご相談を頂いて内容をそれに合わせて研ぎを行い、ご満足を頂けたお客様であれば、十分にご理解を頂けている事かと思います。

刃物の性能や使用に合わせた設定を行う事は、その刃物が生きて使い勝手が良くなり、使う事が楽しくなる事や、ストレスが無くなるのが特徴的です。

自分は感覚がそこまでないし良く分からないから・・・とおっしゃる方も多くいらっしゃいますが、それでも使用して体感頂くと、そんなに違うものなのかと思われる方が多くいらっしゃいますから、その差は大きいと思います。

いつしかそれに慣れると、当たり前になってしまうかもしれませんが、とても幸せな事だと思います。

私自身が刃物を扱う色々な経験の中で、感覚が麻痺してしまっている部分が多くあると思いますが、お客様からのお話を頂くと、改めてちゃんとした事を真面目にやる大切さを思い出します。

 

2024年10月10日 (木)

刃物は金属の塊ではありません

刃物を構成するのは、鋼材と呼ばれるものです。

鋼で作られているという説明も出来ますが、現代風に言うと、鋼の刃物と呼ぶのは、炭素鋼(白紙、青紙、その他など、)が鋼というくくりで言われますので、鋼材とするのが正しいと言えるでしょう。

ほかに良く使われるのは、ステンレス鋼、粉末鋼、ハイス鋼、ダイス鋼、などがあり、それぞれに細かく分類があります。

刃物を購入する際に、鋼材だけを見て購入されるケースが多いと思いますが、製造メーカーや職人により、その鋼材の性質は大きく異なる場合もありますので、鋼材がこれなら大丈夫!とは思わない方が良いです。

実際に、上質とされる鋼材を使った刃物でも、天地の差を多く見て来ました。

手作り品でも工業品でも、ばらつきは必ずありますから、本当に良いものに当たる率は、かなり低いと思ってください。

それは良品を本当に体験したからこそ言える事です。

綺麗に作られていれば、それは性能が高い証拠でもありません。

ただ綺麗にしたいだけなら、そういう加工方法はいくつもあります。

最高級品レベルでも、加工する職人やその時により、かなり違いが出てきますので、誤差や製品差もありますから、それを見極められるようになるまで成長しないと、完全な当たり品にはまず出会えないでしょう。

そこまでして、上質な刃物を皆が求めるのは、その刃物の性質や性能が、研ぎや使用だけでカバーできない領域を持っているからです。

その為に、いくつも購入を繰り返し、ようやく出会える人もいれば、そうではない方もいらっしゃるでしょう。

当方のお客様の中には、そういったものを望む方は結構いらっしゃいますので、情報も色々と頂けますし、私自身も勉強をさせて頂ける部分があります。

 

2024年10月 9日 (水)

改めて感じる良さ

昔からずっと言われてきた事ですが、鋼の刃物の切れ味の気持ち良さは、やはり今でも健在です。

ステンレスや粉末鋼も良くなってきましたが、まだ越えられない領域は先にあります。

もちろん鋼の刃物が出来の良いものである事は、前提として必要になりますし、研ぎが良い事も当然の事です。

何となく研いでいる程度だと、それぞれの違いや良さははっきり見えないと思いますから、しっかりと想定通りに研ぎが出来る事は必須ですし、その判断も何をどうする時にそうなるのか、明確に理解する必要性もあります。

鋼の刃物で、本当の意味の良いものは減りました。

本当に良いと言えるもので、当たり品を引いたとしたら、それはずっと大切に使って頂きたいと思います。

今後は今よりもっと、鋼の刃物が減っていくと思いますから、手に入りにくくなっていくでしょう。

 

2024年10月 8日 (火)

如何に切れない状態で刃物を使っているのか・・・

世の中の刃物の多くは、まともに切れない状態で使われています。

それはプロが使う刃物も同じです。

プロなら刃物を上手く研いで、上手く使いこなしていると思われるかもしれませんが、そんな事はありません。

素人の方で趣味で研ぎを行う方と比べると、仕事で使う刃物をゆっくり研ぐ時間はありませんから、意外と切れない状態で使っている事も多いですし、形の崩れもあっという間に進行します。

では、どうやってその刃物を使って、仕事をしているのか?というと、使う腕があるからです。

もちろん、それは良い事ではありませんし、理想的でもありませんが、成り立つ範囲がある事は理解しています。

しかし、それ以上の上を見る場合、必ず刃物の質や研ぎに関しては、必要項目になってきますので、大事に考えて頂きたいと思います。

刃物が良い形で上手く研げて切れれば、それだけでかなり補助的な力を発揮してくれる事になるでしょう。

試しに少量でも良いので、良い条件になっている刃物を使用し、仕事をしてみて頂きたいです。

そこから得られるものは、腕が上がったような感覚や、今までどれだけ損をしていたのかという後悔になるでしょう。

 

2024年10月 7日 (月)

研ぎは簡単に出来ません

どうすれば簡単に良い研ぎが出来るのか?と聞かれれば、答えは簡単です。

通常の範囲ではそういった簡単に良い研ぎは出来ません。

しかし、ある程度の道具類を揃え、最低限度を学んで使えるようになれば、その頃からだいぶ楽に研ぎは出来るようになるでしょう。

早く・・・となれば、必要な道具は一気に増えますし、綺麗に・・・となれば、それ以上に余分な道具が色々と必要になってきます。

コストをかけずに良い研ぎはまず不可能ですから、それなら研ぎに出した方が楽で安いというお声もあるくらい、かなりの金額が必要になるでしょう。

簡単に安く良い研ぎが出来るのであれば、だれも苦労しませんから・・・。

 

2024年10月 6日 (日)

まだテストは必要なようです

新しい技術のご案内は、少し先延ばしにする事にしました。

理由は万全な体制ではないからです。

色々な調整や実験をもっと繰り返し、一回で上手く結果を出す事を最優先としたいと思っていますから、発表はもう少し先にします。

基本とする場面の形は完成していますので、それ以外の範囲の部分がまだ不足だと感じています。

もっと時間に余裕があれば・・・とこういう時は思います。

 

2024年10月 5日 (土)

色々な材の加工

仕事で使う道具は、市販されていないものが結構あります。

それらはどうするかというと、自分の思うものに近い製品を購入して、それを改造して使うか、材料だけ買って自分で作ります。

木材、樹脂系、金属、など、その他を含めて色々な素材を使います。

直ぐに破損するような材を使う事もあるので、結構慎重に行いますが、それでも作り直しになる事は結構あります。

そして使い続けていると、形状が変わってしまったり、消耗して小さくなる事もあるので、その場合は一から作り直します。

そんな事を年に何度か行っていますが、それがあるのと無いのとでは、結構な差ありますし、場合によってはそれが無いと加工出来ない場合もあります。

ちなみに、この手の道具類は、個人的に考えて作ったものばかりで、誰かに教わったものは一つもありません。

その理由は、それぞれで加工のやり方が違ったり、体格や体の使い方も異なるので、同じ道具では成り立たない部分があるからです。

ある意味で、これらは企業秘密的なものになるのかもしれませんね。

 

2024年10月 4日 (金)

基本的にはHPに記載の内容の刃物や作業のみの取り扱いです

HPに全く記載すらしていない刃物の研磨や研ぎのご依頼について、お問い合わせを頂く事がありますが、基本的に取り扱いはありません。

もし通常でお受けしているのであれば、その記載があるはずですので、それが無いという事は、取り扱いが無いという事です。

以前も記載をした事がありますが、実際はその刃物が扱えたり、その作業が出来たとしても、理由があって載せていませんから、もしかしたらやってくれるかも?や、当たり前に出来るでしょ?とは思わないでください。

常連様にのみで、ご提供をする作業やサービスは存在していますが、それらは理由があって表には出していませんので、頻繁に研磨のご依頼を頂きまして、常連様となってからのお話です。

また、作業自体は出来ても、おすすめが出来ないという事で、載せていないものもあります。

お問い合わせ数が多い内容で、やろうと思えば通常作業に出来るけれど、そうしない刃物というのも存在していますが、それは内容の問題ではなく、金額がかなり高額になる事の問題で、値段じゃなくやってくれるなら・・・と、おっしゃって頂けるようであれば、その手の物は載せても良いかと思っています。

 

2024年10月 3日 (木)

研げないとご相談を頂くケースが増えました

近年の刃物は、本当に硬いものが増えました。

硬いと言っても色々な見解があるのですが、分かりやすく研げない、研ぎが進まない、といった範囲のものを、硬いと表現する事が多いので、こういうパターンのお話の際には、その認識でお願いします。

これは良い刃物だ!と言われて、すすめられるままに購入をし、その後の取り扱いに困っている例は本当に多いです。

素人だけではなく、プロからのご相談も多く、全体的に硬い刃物の生産が増えている関係で、そのようになっています。

砥石は過去より性能が上がっていますが、それでもただの人造砥石では、太刀打ちできない事も増えています。

そこでご自身で研ぎを行う方には、ダイヤモンド砥石をおすすめしています。

ダイヤモンド砥石は、過去と比べ、刃物の研ぎやしやすく、仕上がりも良くなっています。

古くからあるタイプは、ダイヤが全く生きないものであったり、性能にバラツキが多くみられるものもあり、ほとんどがおすすめ出来ませんでした。

現在ですと、当方で販売をしていますダイヤモンド砥石であれば、余程の事が無い限り、研ぎ滑りは起こらないと思います。

しかも、取り扱いに苦労をしないタイプですから、普段使いから特別な場面での使用でも、かなり楽に作業と管理が行えます。

販売のページはこちらにありますので、宜しければご利用ください。

 

 

 

2024年10月 2日 (水)

こんな作業も出来ます

刃物研磨や研ぎと一言で表しても、何をどうするのか分からないと思われる方もいらっしゃるでしょう。

当たり前に刃物の研ぎを行ったり、面や形を削って直したり、それらは当然のように行っています。

それ以外で、こういう所も?!という部分としては、刃物の角や縁を削り取って磨く事により怪我を防いだり、刃物の種類によっては、切断対象の素材を傷めないようにする意味合いがあります。

また、研ぎや研磨を行わない面に関しても、可能場合は磨きを最低限度は入れていますが、それも素材への引っ掛かりを防ぐ事や、例え綺麗に見えていたとしても、見えない汚れが付着している可能性が十分にあるので、それを取り除く意味合いもあります。

特に包丁関連ですと、おまかせの内容の場合や、鏡面(木砥)だから絶対に磨かないで!と言われない限り、基本的には全面に磨きを軽くは入れています。

汚れの付着に関しては、初期段階で取り除けば、分厚い付着にはなりませんが、気が付いて汚れが凄く溜まったな・・・と思った頃には、簡単には落とし切れず、落とせたと思っても、実際には汚れの膜が残っている可能性が高いので、また直ぐに分厚く付着をします。

刃物の種類や用途によっては、刃部以外の面や角も、作業で使う場合がありますので、そういった場合には、こういう作業に使うから角はそのままで!とおっしゃって頂ければ、特別に角や縁を削り磨く事はしません。

ほかにも色々と細かい部分で、刃物の掃除を行う事も多いのですが、刃物ごとに説明をしなければならなくなるので、割愛させて頂きます。

 

2024年10月 1日 (火)

1000円では出来ません!

以前にあった事ですが、この作業をやって1000円で出来ますか?のように聞かれた時のお話です。

具体的なお話は避けますが、あるところではその作業を1000円で出来ると言われたそうです。

当方ではその作業は5000円かかります。

人によっては、5倍も取るなんておかしいだろ!!!と思うかもしれません。

もしくは、1000円でやってるところなんか危ないだろ!!!と思うかもしれません。

当方での作業の場合、そもそも作業に使う機械で使う部材のコストだけで、もう1000円を遥かに越えています。

そして、その後の作業として、手作業で研いで綺麗に仕上げを行うなど、それらも含めると、3倍でも利益どころかコストオーバーの話でした。

つまり・・・。

簡単な計算でしかありませんが、当方からすれば、そんな価格でまともな事が出来るはずがないと思いです。

1000円でやる方法が無いかと言われれば、あの方法を使えば出来るかな?と思うところはありますが、それが精度や性能良く仕上がるのではなく、ただ見せかけの形としての作業で精いっぱいだと考えます。

そういった感じで、世の中の作業では、コスト削減と効率ベースの加工は、かなりの割合であります。

そういうものがで回る事で、お客様は初期から苦労に見舞われ、どこに出しても症状を改善出来ず、苦労が続く状況に陥る事となってしまいます。

当方では一点相手の作業として、加工を行っていますから、その点でまず考えと作業のやり方と考え方が違います。

安く済ませたいのであれば、安い所はいっぱいありますから、そういった所に依頼をされると良いと思います。

当方では、色々な苦労を重ねてきて、満足を得られなかったというお客様が多くいらっしゃいますから、そういった方達を救える場所として、難しく面倒な事を特にお受けしています。

低価格の所での作業は、高額で依頼をすれば良くなると思っている方もいらっしゃいますが、何倍も払った所で、出来る内容や精度に限りがありますので、そういう結果には繋がらないというのが、私が色々な方面から得た情報です。

当方は実用としての性能を優先としていますが、どういう範囲が得意なのかがそれぞれで異なりますので、希望する内容やご予算に合わせ、お店や職人を選ぶと良いと思います。

少なくとも、安く済ませようとして、細かい要望を聞いてくれる所はまずありませんから、その場の標準かそれ以下の作業となる事は、十分にご理解を頂いておいた方が良いでしょう。

特別に高額のご依頼を頂く場合、何度でも何時間でも何日でも、細かい調整をやり直して、良い結果になるようにしていますが、そこまでやると利益は全く出ないので、面倒だと思われるとそもそも通常は依頼を受けて貰えないでしょう。

 

« 2024年9月 | トップページ | 2024年11月 »