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2024年11月 2日 (土)

スペシャル仕様

刃物を何かの専門仕様にする場合、他の用途への使用が合わなくなる可能性があります。

以前から何度か記載をしていますが、今回も分かりやすく包丁にしましょう。

柳刃などの刺身包丁系で考えますと、刺身用とはとは何か?から入ります。

刺身包丁は、刺身を引く為に作られていますが、骨が弱い魚の場合、そのまま卸したりもしますし、皮引きに使ったり、大まかな柵取りに使ったり、最終的な刺身として引いたり、薄造りに使う人もいます。

それだけ見ると、多用途で感じられますが、今回のような専門仕様だと、一番多いのは刺身を引く専用になります。

そこをメインとして研ぎを行った場合、皮引きや弱い骨を持つ魚の卸しに使うと、刃が損傷する可能性もあります。

損傷しないにしても、刃持ちに影響が出たり、刺身用設定なのに、骨や皮引きの影響で、刃が早く消耗したりで、綺麗に刺身が引けなくなる可能性もあります。

切れ方をどうしたいかで、研ぎ方も色々と変わりますが、性能特化とはそのような感じです。

また、和包丁でよく使われる薄刃も同じで、剥き物メインに使うのか、打ち物(刻み)に使うのかで、刃の設定はもちろん変わります。

両方使えるようにする事は可能ですが、場合によってはどちらも使いにくくなったり、刃持ちに影響が出る事も多いです。

出刃で言えば、水洗い用と骨叩き用、卸し用、などに分ける事も多いです。

雑用の刺身包丁、刺身用の刺身包丁、刺身用の予備、のように、例えば3丁を用意しておけば、かなり安心だと思います。

人によりますが、雑用×2、刺身用×3、のように、用意をして使用していた方もいらっしゃいました。

そこまでしないと包丁の性能は完全には出しきれないと感じるのは、それだけ刃物と研ぎを知るからこそでもあります。

一つの研ぎにより、全てをまかなう事は可能であったとしても、個別の作業で見ると、本当にそれが適切であるのかが疑問になる事は多いです。

それは研ぎが下手な事や、刃物の性能に問題があるからではない事の方が多いですから、こだわりの範囲だと考えるのが妥当でしょう。

 

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