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2025年4月

2025年4月30日 (水)

同じ砥石で研いでも仕上がりが違う?

同じ砥石を職場でお使いの方から、同僚と研ぎの結果が大きく異なるお話を頂いた事が何度かあります。

その理由は、研ぎ方の違いと、刃物の性質の違いだと思います。

砥石は使い方により、荒くも細かくもなります。

そして刃物の角度によっても、切れ方は大きく異なってきます。

誰の研ぎが良いかは、使う方達がどう考えるかですが、その仕事で良い活躍が出来る状態が、最良の状態と言えるのかもしれません。

研ぎの基本として、砥石の管理は適切に行い、面の修正は確実に行いながら研ぎ、毎回同じように研ぎが出来るよう、安定化を目標とする事も大切です。

普段は60点の研ぎしか出来ず、たまにだけ120点の研ぎが出来るより、毎回85点の研ぎが出来る方が、私は有効だと考えています。

色々な刃物や研ぎを経験している方だと、使って直ぐに色々な情報が頭に入って来ると思いますが、その時に自然に笑ってしまうような気持ち良く使える刃物にする事を、私は目指してやっています。

無意味に一瞬だけ切れる鋭い刃にするより、他より10倍永く切れる刃にするより、当たり前のように切れ味と必要範囲の永切れがあれば、何より安心して使える刃物と呼べるのではないでしょうか?

2025年4月29日 (火)

研ぐ事が大変な方へ

仕事で使う刃物を砥石で研ぐ事が大変!とおっしゃる方は、かなり多いと思います。

研ぐ事が大変な理由はいくつかありますが、そのうちの一つは、砥石が良く無いものであるからです。

刃物が標準的な硬度の範囲だったとして、それに対して研ぎが良く作用するのは、中硬くらいの砥石です。

柔らかい軟口系砥石は傷取りには良いのですが、研ぎ自体を早く進めるのには適していません。

また、硬めの硬口系砥石は、精度を維持するには良いのですが、研ぎは進みません。

刃物硬度や密度、性質の違いなどによっても、適した砥石は異なりますし、個人により研ぎでの相性も異なりますから、厳密にはお話出来ませんが、まずは研ぎを早く終わらせる為に、効率を重視してみては?と思います。

普段の研ぎとして、ある#2000の砥石を使い始めにしていた場合、#1000から研ぎを始めましょう。

それだけで最初の進みは明らかに違ってきます。

大袈裟に言えば、#500~#800にしても良いかもしれません。

一つ下や2段階下くらいから研ぎを始めた方が、確実に作業は早く終わります。

荒傷を付けたくないからと、仕上げ砥石類だけでなんとか研ごうとしている方も過去にいらっしゃいましたが、確かに荒傷は残らないかもしれませんが、時間と労力は相当無駄になるでしょう。

また、時間を長く研ぎ続けると、段々と研ぎがズレてくる結果にもなりやすいので、なるべく短時間で的確に!と考えるのが良いでしょう。

研ぎに慣れて、研ぐ事が楽しい方は、じっくり研ぐのももちろんありです。

砥石の硬さや性能と、研ぎで使う#で大きく効率が変わる事は、今後の研ぎの中で是非考えてみてください。

 

2025年4月28日 (月)

もう少し先になります

今月中に導入をと思っていたものがありましたが、優先的にやらなければいけない事が山積みで、準備が間に合わないので、まだ先になりそうです。

忙しい時期ほど忙しさが重なるので、上手くばらけてくれると良いのですが・・・。

 

2025年4月27日 (日)

刃物の改造

件数的には多くはありませんが、刃物を改造するご依頼はあります。

例えば・・・

・刃物の先端が折れてしまった

・刃物が大きく欠けて今までの用途には不向きになってしまった

・亀裂が深く入っている所が見つかって今のままでは使えなくなってしまった

など、その他を含めて色々なケースがあります。

そのまま捨てるのではなく、問題の無い部位を使えるようにする事は、無駄にならずに済みます。

金額は加工の大変さ次第なので、具体的な金額は打ち合わせからお見積りをしてみないと、何とも言えない所ですが、安い刃物では無ければ、やる価値はあると思います。

作業代金がそれなりになって、買い直した方が安くなるような刃物の場合、そもそもこの手のお話は無縁だと思いますので、中級以上の刃物をお使いの方に限られるでしょう。

そこまで改造と言える程の手間がかからない作業であれば、あくまでも直しとして扱えますから、通常の作業+修正修復代くらいで済みます。

いずれにしましても、状況とどうしたいのかによりますので、ご相談ください。

 

2025年4月26日 (土)

嬉しいお言葉

私が研磨や研ぎを行わせて頂いた刃物に対し、色々とご報告をして下さるお客様は結構多くいらっしゃいます。

初めての方だと、当方で色々な作業を行う事により、以前と比べてこんなに状態が変わるとは思っていなかったと、かなり驚かれる方もいらっしゃいます。

常連のお客様でも、気になっていた事が解決出来た事で、刃物を使う事が楽でストレスが無くなったというご意見もあります。

細かい設定により、お客様に合わせて研磨や研ぎを変えられるのも、当方の売りの一つですから、特注としてご依頼を頂ければと思います。

色々と細かいお話をして、業者さんに断られたというケースはかなり多くありますが、当方では無理な事以外ではお断りはしていません。

内容によっては、それ相応の価格と納期になる事もありますが、思っていたよりは高くならなかったとおっしゃる方が多いので、コストや作業時間を考えると、決してぼったくり価格にはしていないと思います。

おまかせでご依頼を頂いても、一般的に言われる良い状態よりも良くなっているとは思いますが、更にこだわりがある方は、特注でのご依頼をと思います。

私が作業をした事で、お客様の刃物ライフが良い方向で安定する事は、私の望む部分であり、技術を見せつけるような事をせず、当たり前にそれを定着させていく事が、私の考える刃物に対しての技術です。

扱いやすい状態の刃物は、やはりどんどん使いたくなると思いますので、何丁もある刃物の中から、私が研いだ刃物を選んでお使い頂けるようになればと思っています。

 

2025年4月25日 (金)

進化はしなくても維持は必要でしょう

刃物分野は、過去30年前に、大きく衰退したと言われていました。

その理由は職人らしい職人が減り、大量生産によるコストと利益を優先する業者が増えた事にも影響されます。

まだその辺りで止まっていれば、そこまで酷い状況にはならなかったと思いますが、残念な事に現在も衰退を続けている範囲が色々とあります。

職人が育たないまま師匠が亡くなられてしまったり、仕事が忙しくて手抜きになったり、そもそも技術職に向いてない人が技術職をやっている部分もあるようです。

鋼材も完全に安定生産されている訳ではないので、実際に新しいロットになり、おかしくなってしまったというお話は、今までに何度も耳にした事があります。

安定生産が難しいにしても、許容範囲がありますから、そこの管理は徹底して作られないと、その先で何事もなかったかのようにする事は出来ません。

鍛冶だけではなく、研ぎも同じで、機械作業と手作業の両方で、技術の衰退や劣化も言われています。

機械はどんどん良くなって行きますが、人はそれに甘えて技術を学べなくなっています。

まともな機械がなく機械の管理も大変な状況だと、より良い技術をと思えば自分の能力が頼りな訳ですから、そこで腕の差が出ていた部分があると思います。

世の中が進化する事で、逆の方向へ進んでしまう業界は数多くあるようですが、刃物の世界も同じだと思います。

ほんの一部でも良いので、本当に良いと言える範囲の刃物を使ってみて、その違いを知っていただきたいと思います。

そして、それを上手く研ぎ、上手く付かう技術も得られれば、何よりも強みになる事と考えます。

 

2025年4月24日 (木)

刃物の健康診断

刃物を良い状態で使う事は、非常に良い事だと思います。

形状や厚みや角度など、それらを適切に設定し、刃付けも用途に見合った内容で出来ている事や、表面的なお話にはなりますが、サビや欠けを放置せず、綺麗な状態を維持できれば、文句なしと言えるでしょう。

言い方は悪いかもしれませんが、不健康な刃物は、そこからまた不具合を重ねて行きますから、どこかでその状況を打開する必要があります。

今の状態が良いのかは、ご自身での判断が出来ない方も多く、ご心配になりご相談頂く事も多くありますが、そのくらいのつもりで判断をしていた方が、良い状況は維持しやすいでしょう。

多くの場合、分かってる!出来てる!と勘違いをする事で、全てがおかしくなっていく傾向がありますが、これはプロも含めて損でしかありません。

正しく知識と出来る出来ないを理解し、色々な状況を判断出来るようになると、これ以上は無理せずに専門家に依頼して直そうという時期も見えてくると思います。

 

2025年4月23日 (水)

刃物の欠けや細かい亀裂の原因は?

刃物が細かい欠けや亀裂がひたすら続けて出てきてしまう刃物は、今までに何度も遭遇してきました。

お客様から欠け取りのご依頼を頂き、その部位だけを取って最小で直そうとして、それでもまだ欠けが出てきたり、無かったはずの亀裂が見えてくる事もあります。

この場合の多くは、お客様がその刃物を落としたりぶつけたりしていなければ、製造時の問題である事がほとんどです。

熱処理や鍛造などの失敗や、鋼のロットによる当たり外れの場合もあるでしょう。

それらは同じような製品を多く見てきて、症状が同じように表れる場合、原因は大体分かってきます。

研ぎ方の問題でそうなってしまう事もありますが、その場合の多くは、ベタ研ぎで薄っぺらく研がれてしまっている場合です。

鋼が鍛えられ、適切に熱処理がされて、強度と靭性がしっかり出ていたとしても、薄くする事は金属にとっての弱さに繋がってしまいますので、最低限度のラインは超えないようにしなければなりません。

薄く研ぐ事が必要な場合、刃先の先だけでも、それなりの強度は持たせ、圧力をかけずに使えばなんとかなります。

刃物には許容範囲があり、それぞれに適切な使い方や向き不向きがありますので、同じ形で同じ名称のついた刃物でも、適材適所に使い分けする事は大切です。

刃物は無理をすれば傷みますし、見えない傷みはよりはっきり見えてしまう事がありますので、その辺りを知る事は必要だと思います。

 

2025年4月22日 (火)

なぜこうなるのか

研ぎが上手くいかないとおっしゃる方のお話は、今まで何度も書いてきました。

道具を頑張って揃えた事で、刃物も砥石も砥石修正もかなり良い環境になって、それでも研ぎが上手くいかないとおっしゃる方は、かなり多くいらっしゃると思います。

その流れの中で状況を打開するには、今何が良く無いのか?と正しく認識する事です。

良く分からないままで、ひたすら同じ事を続けても、当然結果にはなりません。

上手くいかない事には理由がありますから、その理由を的確に突き止め、そこの改善をしていく必要があります。

一つ見つかってそれを改善しても、また次が出てくると思います。

それをひたすら繰り返せば、失敗はどうして起こるのかや、自分の癖なども見えてきますから、失敗をせずに何となく出来るようになった人と比べ、その先の伸び率が違うはずです。

何事もそうだと思いますが、失敗をする事で学ぶ事は多いので、決して損ではないと思います。

 

2025年4月21日 (月)

まずは使ってみましょう!

砥石や刃物の購入でお悩みの方は多いかと思います。

・どういうものを買えばいいのか?

・予算の組み方はどう考えるべきか?

・誰の意見を受け入れれば失敗しないのか?

この辺りは特に良く聞く内容です。

刃物や砥石は数が多く販売されていますが、まともに使えるという意味では、そのうちの僅かな範囲だと思います。

金額を高く出せば絶対に当たりを引ける訳でもありませんし、そこそこ安ければ絶対に外れとも限りません。

間違いなく言えるのは、格安で良い物は存在していませんので、お得な範囲がどの辺りなのかを知らないと、失敗したと感じる部分はあると思います。

メーカーや専門店の中でも、本当に刃物や砥石を理解している人は、割合的に少ないと思って考えた方が良いです。

技術職の世界でのプロは、深く広くで知識と技術を持っていなければ、理解をしているという事になりませんから、出来る限り幅広く深くで知り、本当に自分の為を考えて相談に乗ってくれる方にお話を聞くと良いと思います。

刃物や砥石や研ぎの世界は、正直なところ良い事ばかりではありませんので、現実から目を背けている人には、良いアドバイスはできないと思います。

少なくとも、自力で超高額の金額と時間をかけ、勉強や研究をしていなければ、それ相応のところには到達できないと思いますから、その時点で相当探さないと出会えないでしょう。

そういった方達と出会う事は本当に難しい事なので、色々と悩む中で失敗をしないようになるには、自分で気になる物を購入して使ってみる事が、一番の近道になりますし、将来に繋がる事でもあると思います。

 

2025年4月20日 (日)

研げない?滑る?

刃物を砥石で研ぐ時に、研げている感覚がなく、滑る感じがするという事があると思います。

その理由はいくつかありますが、刃物が硬いか砥石が硬い事がまずは理由です。

どちらかが柔らかければ、滑る感覚は少なくなり、研ぎ汁が多く出る状況になると、滑りは感じにくくなると思います。

砥石のタイプによりますが、研ぎ汁が真っ黒に見える場合、砥石の減りは少なく、研ぎは進んでいる状態です。

それに対し、研ぎ汁が砥石色に濁り、黒さを感じない場合には、砥石が減る率が高く、研ぎはあまり進んでいないと言えるでしょう。

中硬~硬めの砥石をお持ちの方が、刃物の研ぎで滑りを感じる場合ですが、砥石の面修正とは別に、砥石の目立てを行うと良いと思います。

砥石の目立てとは、砥面をツルツルにはせずに荒らす事により凹凸を作って、それにより砥石のかかりを良くする事です。

荒砥で砥石を擦って修正している方の場合や、砥石修正器で修正用に砥粒(砥石の素となる硬い粉)を用いている場合には、その時点で面は荒れていて研ぎやすいと思いますので、あえての目立ては必要無いと思います。

なお、仕上げ砥石類に関しては、荒い粒子の修正をしてしまうと、仕上げ砥石で滑らかに細かく仕上がるはずなのに、荒く中砥で研いだような状態に仕上がる事もあるので、十分注意が必要です。

また、砥石が柔らかいものの場合には、硬めの刃物を研ぐのに使用したとしても、研ぎ汁が多く出やすい為、目立ては基本的に必要ありません。

目立てを行ってしまうと、むしろ面の崩れを早くするだけで、良い事も無いと言えるでしょう。

砥石の面修正を行う事は研ぎの流れの中で必須項目ですが、それとは別に目立てが必要かどうかも、改めて考えてみてください。

砥石により、目立ての良い方法は異なりますが、説明が長くなりますので割愛させて頂きます。

 

2025年4月19日 (土)

最初は時間がかかると思います

刃物をお仕事でお使いになる方達は、まだそれらの刃物を使い始めた頃では、かなり時間を要すると思います。

何事もスピード勝負のような話が世の中には多いですが、私は焦らず丁寧に正しくと思います。

なぜなら、その急がされる事で、適当な研ぎを覚えてしまい、体にそれが身についてしまった方は、そこからの矯正が難しいからです。

研ぎを行う事に慣れてから、かなりの努力をして直しても、初期から正しく安定させてきた方と比較すると、そこまではもう追いつけない事の方が多いです。

技術の事を見れば、良い意味で身に付く事は非常に重要だと思いますが、後で何とかなるだろうは無いと思った方が良いです。

特に良く無い癖のようなものがついてしまうと、それを回避するのは本当に難しいです。

刃物をお仕事でお使いになる場合、その刃物がどのように研がれているかで、仕事の質にも影響を及ぼします。

だからこそ、良い刃物を皆さんが求め、良い研ぎをする為に良い砥石を探し、それらを使いこなす腕を求める訳です。

全てが整ってこそ、良い研ぎと言える状況を作り出せますから、研ぎをないがしろにしてしまうと、それは将来に大きく影響をするものと思います。

研ぎで結果が変わると思えば、如何に大切な事か分かると思いますし、是非とも研ぐ事に対しての時間を、なるべく用意して学んでください。

 

2025年4月18日 (金)

なぜ余分な加工が必要なのか・・・

片刃の和式刃物の場合、表面や裏面に対し加工を加えずに、研ぎ面のみを加工してもらいたいというご依頼がたまにあります。

それは私が良く書いている、新品の見た目を残したい方や、自分で磨いた面を削りや磨きで荒れ、また必死に磨かなければと思っていらっしゃる方に多いです。

また、そこまでやると加工代が上がる事も、懸念材料として考えるというお話もありました。

私自身、無駄に削っても勿体ないと思っていますから、それでも一般的に問題がないと思われている部分まで削る事を必要とお話するのか、そこの簡単なご説明をと思います。

分かりやすく想像して頂くには、出刃包丁が良いでしょう。

硬い骨を叩き、刃がボロボロになってしまったという経験がある方は、結構いらっしゃるはずです。

あり得ない程の鈍角にでもしない限り、どうしても欠けが出てしまう事がありますので、それは致し方ない事です。

むしろその為に、出刃があると思えば、他の包丁が犠牲にならずに切れ味を維持出来る訳ですから、ありがたい事だと思います。

その出刃がボロボロに欠け、平と呼ばれる表面と、裏と呼ばれる裏鋤(うらすき)がされた裏面に、全く問題が無いと思われる状況で、私がお見積りに裏鋤を含める事は多いです。

刃先を潰し研ぎ面の欠けだけ取り除けば、それで直る訳ではなく、そこには歪が出ていたり、表や裏に対してのまくれと呼ばれるその部位の動きが出てしまっている可能性が高いからです。

特に薄身の出刃だと、大きく損傷している場合には、かなりの割合でそのまくれが出ており、欠けの付け根に欠けが割れ落ちる限界まで、耐えようと曲がった痕跡だと思うと、分かりやすいかと思います。

その状態を残したまま、欠けだけ取り除いて、表と裏から刃付けを行おうとしても、部分的に刃が出なくなる可能性があります。

そして、欠けのあった部位には見えない細かい亀裂が入っていたり、更に奥で抵抗を受けた損傷が残っている事もありますので、それらを正確に直す意味でも必要な事が多いです。

欠けが出た刃物は、なるべく少し余分に取り除くようにしていますが、これは勿体ないと思い過ぎて加減すると、仕上げで細かい損傷の残りが出てしまい、結局更に削り混まないといけなくなる事も多いのです。

理想を言えば、そもそも欠けさせないように使う事が大切ですが、出刃に関して言えば、仕方ないものと言えますので、欠けを大きく作らないように気を付ける事だけは、なるべく心がけた方が良いでしょう。

骨を叩く為には、それなりの鈍角刃が必要ですが、全体的に鈍角刃にしてしまえば、刃の入りが悪くなり使い勝手が落ちますから、そういった意味では刃先にだけ特別な鈍角刃を付け、様子を見る方が良いと思います。

なお、和式の刃物類は特に、外側は熱処理の影響を受け、もろい傾向がありますので、最初は特に欠けやすいというのは、覚えておいて頂きたいと思います。

 

2025年4月17日 (木)

勿体ないと思うか、それではダメだと思うか

刃物が新品で綺麗な状態だと、それを長期的に維持したいと思う方もいらっしゃいます。

使えば新品感はどうしても無くなっていきますし、必要に応じてそれを捨ててでも、使い勝手が良くなるように加工を加えた方が良いと思っています。

製造時に綺麗に仕上げを行っているように見えても、それは表面的な事であって、使ってみると違和感があったり、おかしな部分が沢山見つかる事もありますので、そういった時には思い切って加工を加えた方が良いです。

見た目の部分だけで言えば勿体ないとは思いますが、使いにくい刃物は、多くの方がいずれ使わなくなる傾向にありますので、そうなるともっと勿体ないです。

使いやすいもの程、使いたくなりますし、大事にもすると思います。

 

2025年4月16日 (水)

こだわり

私の刃物研磨へのこだわりは、実用品としての性能や使い勝手についてです。

見た目では誤魔化さない、実用で必要な精度を作り、研ぎで大きな苦労をしない状態を大切にしています。

多くの場合、円形の機械加工で行われた面をそのまま加工されているので、砥石での研ぎで直ぐに当たらないという欠点があります。

また基本精度も出ていないので、研いで使うには安定するまでの時間がかかります。

当方で機械加工をし、その後手作業を行ったものは、必要精度を必ず確保しています。

刃物の状態が悪く、止むを得ない場合はありますが、出来る限りの事は行っています。

私自身、刃物を使う仕事の経験がありますし、当方で研磨を取り扱っている刃物に関しては、使い方から学びましたので、適当に刃だけを付けて、それで実用とするような恥ずかしい事はしません。

特にプロの方々からのご利用が多く、今まで解決できなかった部分が改善出来たという事で、非常に良い評価を頂く事も多いです。

実用性をしっかりと生かしつつ、明らかにズレたような異常な事はやっていませんので、おさえるところはしっかりと含めたままで、良さを出せるようにしています。

 

2025年4月15日 (火)

現実的な声が必要です

研磨や研ぎに関する範囲は、お客様が実際にご使用になるパターンにより、相性の問題も出て来ます。

もちろん、明らかにズレた使い方や感覚のお話は問題外になります。

それなりに使用を熟知し状態良くお使いの場合、その声は重要な答えに繋がる可能性が十分にありますので、今すぐ改善が出来ないとしても、ご意見としては残します。

それがいつか、あの時のお声で完成に繋がった!というケースはありますので、本当に無駄ではありません。

ある程度まで完成していたものでも、お客様のご意見で少し変更する事になる場合もあります。

最近は一気に大きく変更する事が減りましたので、なかなか気づかれにくい場合もありますが、お客様を試すようなやり方はしません。

どこが変わったか分かるか!と、お客様と勝負をしているような技術者のお話もたまに耳にしますが、ご意見をちゃんと集めたかったら、どこどこを変えたので前との違いを感じるかご意見を・・・と、私はお伝えをしています。

特にお伝えすべきではない変更の場合、さりげなく何かの技術を追加している事もありますが、それでも気付く方はいらっしゃいます。

大まかな最初の削り段階からの違いや、最終的な仕上げ段階での違いなど、その場所は違いがありますが、何も言わなくてもお伝えして下さる方もいらっしゃるので、ありがたい限りです。

技術を生かすには技術使う場面が必要で、その為には技術を使う方からのご意見が大切という事です。

明らかに使えないような状態で刃物をお返しする事はありませんが、好みに合うかどうかの判断にも繋がりますし、お話を多く頂ける事でお互いが今後に繋がると思います。

2025年4月14日 (月)

仕事道具としての刃物

仕事で刃物をお使いの方の場合には、その刃物を使ってお金を稼ぎますから、重要な道具となります。

特に良い仕事をしたいと思えば、良い刃物を購入しようと色々探す苦労があると思いますし、金額ももちろんそれなりになります。

道具だけが全てではありませんが、腕と道具と管理が繋がり、最終的に技術として結果が出ますから、自分の思うよりも良い物の購入をおすすめしています。

例えば、今5万円の道具で仕事をしようと思ったら、7万円の道具が良いでしょう。

これは大まかな表現なので、厳密に考えないでください。

私がお話したいのは、現状で自分が思う金額の物を購入すると、その先で直ぐにもう少し上の道具が必要になったり欲しくなります。

とりあえずで安く済ませたい訳ではないなら、成長に合わせて先回りする方が無駄はありません。

新しく購入した刃物は、今までメインで使って来た刃物と比べ、自分に対しての馴染みが甘いので、本来は性能が負けているはずの今までの刃物の方が、結果が出やすい傾向にあります。

そう考えると、早めに上を見据えて購入をしながら、平行使用をしていくなどで自分に馴染ませる方が、結果には繋がりやすいでしょう。

どんな道具でも簡単に使いこなしてしまうような、特別な腕を持った方も一部にはいらっしゃいますが、一般的にはそうではありませんので、このような馴染ませる事は必要だと思います。

研ぐ事に関しても、今までの研ぎと同じでは、結果が出せないかもしれないので、そういう研究をする時間も必要でしょう。

色々な事を考え、上のものを早めにというのが、私の思う刃物を使った仕事で稼ぐ方に向けたおすすめです。

 

2025年4月13日 (日)

久しぶり嘘の商品を掴まされました・・・

Amazonで販売中のネッククーラーを購入しましたが、記載内容に偽りがあり返品しました。

扇風機のような風が出るのと、ペルチェ素子を使用した電気的冷却板での首元の冷却が出来ると書いてありましたが、実際はペルチェ素子ではなくただの金属板でした。

海外製に良くある接触不良かと思いましたが、開けてみたら金属板には配線も基盤もついていませんでした・・・。

返品の手続きは行いましたが、付属品等はとりあえず全て捨てずにとってあったので助かりました。

 

2025年4月12日 (土)

包丁の汚れ落としはメラミンスポンジがおすすめです

包丁の研磨をご依頼のお客様から、汚れに関するお悩みのご相談を頂いたり、状況を見てお伝えする内容として、汚れ問題があります。

包丁は食材を切り、水場でも使うものですから、柔らかいスポンジと中性洗剤での洗いでは不足な事も出て来ます。

そもそも柄やハンドルを丁寧に洗わないという方も多いようですが・・・。

蓄積した汚れとなれば、削り落とすしかなくなる事も多くあり、個人での処置は難しいと思います。

研磨にお出し頂く際には、必要に応じて「洗う、磨く、削る」を行う事は可能ですが、ご自宅で日頃の洗浄としましては、柔らかいスポンジと中性洗剤で洗う事と、柄やハンドルの際や表面の見える汚れや見えない汚れに対しても、激落ちくんなどのメラミンスポンジを使用する事をおすすめ致します。

メラミンスポンジは研磨剤を含んでおらず、樹脂繊維による汚れのかき出しになりますので、大きな傷は付けずに汚れが落ちます。

水スポンジとも呼ばれますが、水だけでも汚れは落ちますし、油汚れに関しては洗剤を付けて使えば特に良く落ちます。

過去の時代には、クレンザーを使用した洗浄を推奨するお話も多くありましたが、クレンザーは荒い研磨剤を含んでおり、切れ味に必要な刃先の刃を痛めてしまう為、汚れ落としては優秀でも、刃の事を考えると決して良い事とは言えない為、近代で推奨するところはほとんど無いと思います。

折角の便利品であるメラミンスポンジを是非ご使用ください。

普段綺麗に洗ってるよ!とおっしゃる方でも、1週間に1回メラミンスポンジで洗ってみてください。

白いスポンジに汚れの色が移ると思います。

 

2025年4月11日 (金)

難しく考えるから難しくなります

和包丁で良く言われる「ハマグリ刃」ですが、これを作る事は難しいとおっしゃる方が多いです。

プロとして和包丁の研ぎを行う方でもそれは同じで、本当の意味でのハマグリ刃を理解している方は、かなり少ないかもしれません。

実際に包丁を使うプロとして、高級店での勤務経験がある私からしますと、何の為にハマグリ刃にするのかという部分が重要であり、それをどのようにして使いこなすかも重要な部分と考えています。

なんとなく丸く研いだらハマグリ刃ではないので、そこはまず勘違いをされている方も多いです。

切れ味を落としてまで、丸っ刃にしてしまっているものが、ハマグリ刃と呼ばれている事も多いので、それは間違いなく違うものです。

そして、自然な丸みを作るのではなく、位置により丸みが違うのもハマグリ刃の特徴です。

さらに言えば、和包丁の中でも、それぞれに適した丸みがあり、それ以下でも以上でも、使い勝手に悪影響を及ぼす可能性がある事は、まず知っておいて頂きたいと思います。

ハマグリ刃と小刃の研ぎの調整が的確に出来る人は、今までの経験上、多分そうは多くいませんので、それであればまだベタ研ぎに大きな大刃(小刃の大きいイメージ)を付けた方が、多分マシな結果になります。

ハマグリ刃を語るなら、実用を多く知り、それを実際に使いこなせる腕が必要になるので、その時点で出来る人が限られるのは、ご理解頂けるお話かと思います。

裏研ぎ(裏押し)と表のハマグリ刃と小刃研ぎ。

これらの組み合わせで、刃物の性質は大きく変わりますし、使い勝手も大きく変わりますので、その辺りを上手く伝えて行かれればと思っています。

このように、ハマグリ刃を難しく考えるとかなり難しくなります。

簡易的なハマグリ刃の作り方も無い訳ではありませんが、ある程度の理解が重要なのは変わりません。

 

2025年4月10日 (木)

ずっと続けて来た研究が終わったので・・・

ここ数年、色々と改良を加える為に研究していた部分が、先日ようやく完成に至りましたので、また次の内容の研究を始めようと思っています。

それを改良する事で刃付けがしやすくなると考えていますし、加工で作った精度も保持しやすいはずなので、有効な部分が多くあるでしょう。

以前にこれの改良を行い、一部ではご提供をしていますが、評判はかなり良いので、更に先の事を完成させたいと思っていますが、当時よりレベルを上げての作業が必要になるので、そこも含めての研究となるでしょう。

完成時期は全く未定ですが、日頃の研磨のご依頼を多く頂ければ、その中からも研究が進む事になると思います。

研究にはコストと時間がかかりますので・・・。

 

2025年4月 9日 (水)

研ぎがしやすい時期になりましたね

冬場は寒くて研ぎが大変とおっしゃる方も多いです。

金属は冷えると硬くなり研ぎにくくなりますし、水が冷たいのでぬるま湯での研ぎをおすすめしています。

今は水も冷たくないですし、研ぎを行うにも汗をかきにくいというのもあり、研ぎには最適な季節かもしれません。

どうしても冬場は研ぎが適当になりがちかもしれませんので、この季節に丁寧な研ぎを行うと良いと思います。

研ぎを楽しようと考えたり、欠けを早く取り除こうとして、刃先付近だけを研ぎ続けてしまった刃物を直すのはかなり大変です。

そこで一旦、研ぎが円滑に行える状態を作りましょう。

全てを自分の手で行うのは容易ではありませんので、修正整形を得意とする当方に是非お出しください。

初期状態で余程の精度を保って作られた刃物や、完璧と言える研ぎをされて販売された刃物でもない限り、今までの状態の悪さがはっきり分かるレベルで作業をして納品出来ます。

 

2025年4月 8日 (火)

意外と知られていませんが・・・実は!

当方で行う「ご家庭用包丁の研磨」は、以前の設定内容だと、状態やご希望に合わせて内容を変えて作業をする為、金額の上下が大きくありました。

余りにも状態が悪い場合は設定額の最高額かお断りレベルとなり、状態良くお使い頂き切れ味が落ちてきたかな?程度でお出し頂く方は、最安値での設定となっていました。

現在の価格は固定額で内容はおまかせとなっていますので、他に必要となる可能性があるのは、通常はお荷物の方の場合の送料だけです。

柄やハンドルの汚れ落としは、特にご希望が無い場合、軽く洗っても取れない汚れ程度なら、おまかせで洗い落とすか機械の荒磨きで落とすところまでは、サービス内で行っています。

柄やハンドルの削りと磨きをご依頼の場合は、別料金の設定となっていますが、柄が膨らんで握りが良く無い状態になってしまった場合や、表面の傷を取って磨きたい場合や、大きくバリが気になる場合など、それらは別途ご注文を頂ければと思います。

話を少し戻しますが、以前の金額変動制の場合、作業内容はご使用方法に合わせての設定がありましたが、特にこだわりが無い方には、高く内容のご相談も面倒だと思われていた方もいらっしゃったようです。

現在の固定額での研磨は、当時の技術から変更は行っていますが、作業内容としては、必要に応じて歪取りや面の削りからスタートをしていますので、そう考えるとその時点でもうお得な内容です。

しかも削りに関しても、適当に削ってプロ用に行う作業に近い内容ではありますので、お得な内容となっていると言えるでしょう。

歪取りはまともにせず、適当に刃先付近だけ機械を当てて、傷の揃えもされておらず、なんとなく刃付けがされているだけの所も多いようですが、そういった所はまともな作業ではありません。

プロ用の研磨をベースとしてそこから加工を行っている当店では、そういった適当なやり方は行っていませんので、安心してご利用頂けるかと思います。

 

2025年4月 7日 (月)

研究向き?

素人時代も含め、色々な方々からお付き合いを頂き、勉強をさせて頂いて来ました。

今は逆に色々とお伝え出来る事も増えましたし、技術のご提供も大変ご好評を頂いていますし、お役に立てる側になって来たと思っています。

私自身の考えや行動は、研究向きだと言われる事もあります。

技術者的な考えと、研究者の考えの違いは良く分かりませんが、ただ技術を完成させる事だけではなく、そこに到達するまでの推測と結果の判断なども、非常に面白い考え方だと言われますので、その読みの良さは実際にあるのかもしれません。

決まり事を習う場合、それに関しての疑問を持つ事はまず必要無いと思いますが、私は当たり前の事がどうして当たり前なのかを知る必要があると考え、それ以外の良く無いと言われる方法もあえて試します。

その分だけ勉強の進みは遅れますが、成長は時間では無いと思っていますので、理解して身に付ける事が進めば、あとは調整が自分で出来るかの違いだけですから、経験を積むしか無いでしょう。

理解をせずにその場のその所だけを出来るようになっても、そこからの発展はありませんので、総合的に一人で技術を使いこなせるようにならなければ、一流の道には進めないと考えています。

実際の結果を見て、お客様は私のお話させて頂いている事を、そういう事だったのかとご理解頂ける事も多くあり、正しくお伝えをしてそれを有効にお使い頂いてこそ、その刃物や研磨の意味があると思っています。

何だか分からないとおっしゃるプロの方も素人の方も、段々とご自身でのご意見や使って感じる事を蓄積して、自然に変わっていく方が多いです。

私は知識や技術に関して、間違った考えや間違った使い方をしていない限り、無理に学ぶ事を強要はしません。

その範囲はサポートとなる私が把握していて、お客様は使って研いで行かれる状況にさえなれば、それで充分だと思っているからです。

多分、こういたブログを読んでくださっている方達は、面倒でうるさく怖いと考えている方も中にはいらっしゃるでしょう。

私は間違った事をごり押しして来ない限りは、厳しい事を伝える事はありませんので、ご安心ください。

最低限度のマナーと、こちらが決めている部分だけを守って下されば、私はそれで充分不満はありません。

 

2025年4月 6日 (日)

気長に待ち続けています

かなり以前から、新しい製品の開発のお話は伺っており、その製品の完成を心待ちにしているものがあります。

一応サンプル的なものは触った事がありますが、今までには無いタイプで可能性を多く感じました。

何の事なのかはお話出来ませんが、世の中に良い物が出てくる為には、私は十分なご意見とご協力をさせて頂いています。

基本的にはお代を頂いてのお手伝いはしていませんが、研究やテストに特別余分何かが必要な場合には、その分のお代のお話はさせて頂きますが、あとはサンプルか完成品を頂ければ、それを報酬とさせて頂いています。

それで何かを稼ぐ段階にはありませんし、何より良い物が世の中に多く増えて行く事に対して私は大賛成ですから、出来る限りのご協力をさせて頂いています。

私自身が幅広く刃物を知り、それらに関しての色々な経験と技術も持ち合わせていますので、そこからテストで得られる内容に関しては、色々な方向性へのお話が可能かと思います。

最終的には好みの問題もあるので、その辺りの修正は必要になるとは思います。

 

2025年4月 5日 (土)

ご希望があれば・・・

当方のブログを見て、刃付けの違いの意味を直接体感してみたいとおっしゃる方が結構いらっしゃいます。

私は目立った動画や画像を出しておらず、あくまでも言葉と感覚を直感的にお伝えしていますので、それを信用して下さるのは大変ありがたいです。

分かりやすい体感の方法としては、全く同じ刃物を2種類ご用意頂き、それに違った研ぎを行う事だと思います。

難しく色々な事を考え、それを頭と体で理解しようとすれば、複雑な迷路に迷い込むと思いますから、使って感じるものをが何かあると思いますし、実感する部分をと思っています。

2丁あれば、少なくとも大袈裟に変化をまずは付け、それをお試し頂き、把握してどちらに近い方が好みかをご判断頂ければ、そちらに近い方面で今度は2種研ぎを行えば、ご希望になられる方向性は見えてくると思います。

当方では何となくのこの辺りという範囲はありますが、それ以上で決まった研ぎはご用意していませんので、その都度でお客様にお話頂いた事を含めて、作業をさせて頂いています。

なお、おまかせとついているものや、その他状態回復を意味する研磨としている物に関しましては、あくまでもおまかせとなりますので、この手のお話はそれに属した刃物であっても、特注としてのご依頼にはなります。

 

2025年4月 4日 (金)

地道に続けてはいます

刃物研磨に関する研究や、機械で使う新しい部材や道具類などは、一応色々と試し続けています。

以前と比べると、かなりその率は下がりましたが、急いで探す必要が無い範囲が多くなっている為で、どうしてもと思う所は、かなり頑張って探しています。

今年に入ってから、いくつか新しい道具は見つかっていて、それが作業のレベルや仕上げにも良い影響を与えてくれています。

難しい技術の部分があり、それは道具などの特別な良さで構成されている事も多いです。

自分自身の新しい技術の開発が進み、新しい部材や道具が見つかっても、それを生かす場面がまだないという事もあったりしますので、早くご提供出来ると良いのですが・・・。

 

2025年4月 3日 (木)

切れ味に明確な基準はありません

刃物の研ぎにおいて、良いと言われる刃の状態は色々と存在しています。

刃角、仕上げに使う砥石、研ぎ方、砥石の面修正のやり方、刃物の明確な使い道、などによっても相性が色々と変わってきます。

その為、刃物の使い方を知り、それをまともにこなせなければ、その研ぎが良いかどうかの判断など出来ない訳です。

私はそれぞれの刃物の使い方も基本から学んでいますし、特に包丁関連に関しては元々高級店系での調理経験者ですので、結果に関してはかなり厳しく見る事が出来ます。

どんな刃物でも最高ランクの細かさの砥石で研ぎ、これが一番切れるとしている方達もいらっしゃるようですが、それは実用の世界では使えない刃になる事も多いです。

それぞれの素材により、組織の荒さや硬さが異なりますし、細かい刃は確かに初期の切れ方は良いかもしれませんが、刃の凹凸が少なすぎて、直ぐに刃が消耗しやすく、刃の進行力がないので刃を大きく動かす必要性も出てきたりします。

こういう刃にして欲しい!とご依頼があれば、用途をお伺いの上でそれが適正かの判断をし、必要ではない事をお伝えした事が何度もありますが、ひたすら細かく刃付けをする事が最高レベルの技術であるかのような考えの方は、意外といらっしゃるのかもしれません。

過去にも記載をした事がありますが、私だけではなくお客様の傾向としても、研ぎに慣れてくると段々と細かい刃に仕上げたいという意識が強くなり、刃の性質と素材との関係を知ると、また荒い方面に戻って来るので、理解をどのくらいしたのかという目安になる場合もあります。

ちなみに、木工関連の場合には、全体的に細かい刃に仕上げる事が多いので、それは今回除外したお話になります。

 

2025年4月 2日 (水)

ベタ裏にはしないようにしましょう

片刃刃物で良くある事として、べた裏という名前の状態があります。

べた裏は、裏鋤がされていて、本来は刃先が線のように細く当たる状態であるのに対し、裏押しをしすぎて裏刃が面になって出ている状態を示しています。

べた裏になる事でマイナス面が多くあり、裏研ぎが早く的確に当たり、刃が素早く出て来る状態を妨げます。

また、砥石の修正が甘い場合や、刃物の当て方も悪い場合などで、裏面は丸くなってしまったり、刃が綺麗に出ない事もあります。

更にベタが進むと、鋼が薄くなって強度が落ちたり、歪取りで取り切れなかった調整を削りで行いますが、それが出来なくなったり、精度の問題が無くても裏の鋤直しが出来なくなるなど、とにかくマイナス面が多いので問題になります。

唯一の利点としては、べた裏で正しく作られた裏では、真っ直ぐに裏面をガイドとして刃が入っていくなど、木工分野では返って良いとする方もいらっしゃいますが、それが完全に有効である訳ではありません。

元々の歪が多くあったり、欠けや部位の欠損などが見られる場合に修正整形を行うとして、表からの直しだけだと大変だと考え、裏からも大きく直してしまう方が多いのが現状です。

表からのみ直して行けば、刃物は小さくなるだけで済みますが、裏からも無理に直せば、鋼がなくなってしまうような事もあり、実際にそれは大袈裟なお話ではありませんから、まだまだ使えるサイズなのに、早々に寿命を迎えてしまう事もあります。

ご自身の判断で、べた裏の方が良いと考え、あえてそのようにする場合は良いと思いますが、それ以外の場合には、マイナス面の方が明らかに多く、致命的な事にも繋がってしまう事も考え、裏からの直しは行わないようにしましょう。

大きく直しが必要な場合には、歪取りや修正整形など、私達のような専門家へご依頼を頂ければ、必要以上に無駄な削りをせずに直せる事もありますので、無理にいじらずに研磨にお出しください。

今まで何度も書いて来ましたが、べた裏は本当に良く無い事なので、今後も定期的に書いて行きます。

そこまで言うにはそれなりの理由がありますので・・・。

 

2025年4月 1日 (火)

刃物の面白さ

刃物はそれぞれに違いがあって面白いです。

そして違いがあるからこそ、かなり難しい分野です。

その違いを判断出来るようになると、同じ加工でそれを良しとする事は、間違いである事にも気づきます。

ですから、ほぼ同等の加工のされ方で、性質の違う刃物が加工されているのを見ると、非常に残念に思います。

加工のやり方は色々とありますが、それを上手く使いこなし、それぞれの刃物の性能を引き出す事が、良い仕事だと思っています。

ぱっと見では分からなくても、実は色々と加工を変えていたりしますが、ほとんどの方は気付きません。

それでもこっそりちゃんとやっているので、良いと言ってくださる方が多いのだと思っています。

特注でなければ、作業内容を考えると、決して高くはないと思いますので、是非ご利用ください。

長期的に見ると、ちゃんとした加工をしておいて良かったと思う時期が来ると思います。

 

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