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2025年5月

2025年5月31日 (土)

何度かお話をしていますが・・・

刃物は元の状態が悪ければ、まともな研ぎは出来ません。

それは研ぎを行う面の問題よりも、それ以外の部位の問題です。

研ぎを行う面は、正しい研ぎで調整をしていけば、いずれ直るかもしれません。

しかし研ぎ面以外は、状況が変わりませんので、それらが悪い状態では、良い研ぎが行えないままです。

歪取り(ひずみとり)はもちろんですが、面の形や角度なども重要です。

それらを改善する事で、研ぎは一気に楽になります。

その修正整形後は、使用者の方が正しく研いで使えば、大きく形が変わる事もありませんし、直しが必要だったとしても、特別大きな直しは必要なくなるでしょう。

 

2025年5月30日 (金)

毎回不安定な製品

私が仕事で使う機械につける部材で、毎回不安定な製品が入荷するものがあります。

だったら使用をやめれ良いのですが、他に代用出来るものが無いので、それで我慢の中で使っています。

不安定と言っても、使い物にならないのではなく、前回こうだったな・・・というのが毎回のように続くのです。

しかし、期間が空いて注文をしても、意外と変わらない場合もあったりしますので、その時はラッキーくらいに思っています。

製造が難しい分野なのかもしれませんが、大手の製品ですから、そういう事は無ければ良いのですが、何か理由があるのでしょう。

金額もそれなりなものなので、勝ってゴミにだけはならないで貰いたいです。

 

2025年5月29日 (木)

刃物の事は出来る限りで細かく見て行きましょう

色々な刃物関連で、トラブルも多いと聞きます。

それは物が悪かったり、説明が悪かったり、購入側が悪い事など、それぞれだと思います。

こういった事は、原因をしっかりと見つけて行かないと、改善には繋がりませんので、ぞれぞれが自分の範囲の事に関して、把握と見直す事も大事だと思います。

そもそも刃物自体が、不確定な結果となる可能性がある分野ですし、研磨や研ぎに関してもそれは同じです。

ですから必要と思えば、この作業ではこうなる可能性がありますと、予めちゃんとお伝えはしますし、その他のご質問に関しても、ご依頼を確定前に頂くようにしています。

何かをごまかす形でご依頼を頂いても、後に問題が出た時、双方にマイナスが生じる可能性もありますから、何でも仕事になるならとがめつい心は持ちません。

結果として、当方を選んでご利用を頂き、良かったと言って頂ける事の方が、私は重要だと思っています。

そもそもとして技術職ですから、この分野での技術の事は、多くの方が刃物の事や研ぎの事を、半分も把握されていません。

知識としては大袈裟ではなく1割以下という方も多いと思います。

知らない方が悪いというような業界も多くありますが、私は伝えない事が悪いと思っていますし、それを伝えても理解をしようとしない方も悪いと思いますので、皆が必要な事は最低限度として知っておいていただきたいと思います。

技術的なお話はお伝え出来ない事もありますが、知識としての範囲では、分からなければご利用時に聞いて頂ければ、お答え出来る範囲でお答えしますし、その後のご使用で感じる事や不具合等があれば、それに対しての対応もしています。

直近ですと、先日ある刃物の研磨のご依頼を頂いた方が、不具合を感じてご報告を頂き、改めて加工をやり直して問題は収まりました。

保証があるとお伝えをしている範囲は、このように無償で対応をします。

その時の原因は、歪取りで直した位置関係が癖によりまた崩れてしまっており、刃物の使い勝手に影響を及ぼしていましたが、再度直しを行って落ち着いてくれたようです。

何度でもやりますとは言えませんし、刃物の性能の問題である場合は不可能ですが、作業で改善出来るような範囲の事であれば、3回はやり直しをすると思います。

ただもっとこうなって欲しいというお話レベルの場合には、出来る限り近づけるよう、次回のご利用時に作業を改良して行う形での対処です。

 

2025年5月28日 (水)

雨の多い時期は注意が必要です

毎年のように書いていますが、雨の多い梅雨の時期はサビが心配になります。

他の時期ではサビが勝手に発生しにくい刃物でも、梅雨の時期だけはどうしてもサビやすくなる傾向にあります。

これは油を塗って保管されている刃物でも言える事で、箱や袋に入れてない場合には、油を塗っていてもサビやすくなるものです。

油の中にサビなんか出ないでしょ!と思う方も多いようですが、空気中の埃やゴミなどが刃物に付着し、それが油の中まで水分を持ち込んでしまうきっかけになる事があります。

ですからのこの先の梅雨シーズンには、油は頻繁に塗る事をおすすめ致します。

また、研いで直ぐに水気をしっかりと拭いておいても、直ぐにサビが出やすい状態にもなりますので、包丁などの水回りで使う刃物の場合には、心綺麗に洗って水分を完全に拭き取り、更にドライヤーで軽く表面を乾かすと確実です。

あとは収納箇所に除湿剤などを置いておけば、心配はかなり少なくなると思います。

 

2025年5月27日 (火)

適当な作業では生かせません

高級品や上級品の刃物は、直すにしても刃付けをするにしても、それなりに技術レベルが高い所に依頼しましょう。

それなりのものを適当なところに依頼し、取り返しのつかない事になった例も多くあります。

直しのつもりが、悪化させる事は普通にありますので、頼む所は良く厳選し、言い方は悪いかもしれませんが、金額をケチらない事です。

安く済むのに良い技術など、どこにも存在していません。

良く言われるコスパという言葉は、金額の割に良いという意味であって、格安で凄く良いとは誰も言っていません。

安いから悪いとも言い切れませんし、高いから良いとも言い切れませんが、内容を良く確認して実例なども確認をし、早い安いは避ける事が賢明です。

 

2025年5月26日 (月)

思い切った改革を!

世の中の色々なものを見ていると、直ぐに変更が可能な事が、何年もかかっている例が多数あります。

それを理解し改善策が見つかれば、直ぐに変えられるはずなのですが・・・。

例えば生産品の場合、ロットの問題などにより、直ぐに新しく変えられない場合もあるかもしれませんが、単品製作の場合にはそれは直ぐに可能なはずです。

また、良し悪しの判断がまともに出来ていなかったり、検査や基準に甘さがあれば、それも製品の安定には繋がりません。

比較的改善が早いのは、現代でいうとスマホのアプリでしょう。

アップデートが頻繁に入りますが、細かい修正や変更が加えられて、問題があれば比較的早く解決されます。

これに関しても、もちろん対応が遅い企業もありますが、そういう所は早い段階で他に乗り換えられてしまう事も多いようです。

私が行う技術も、常時アップデートを行ってきていますが、直ぐに改善して導入出来るものはしていますし、大きな変更は機材や道具の関係、他に問題点が無いかの確認の期間などを経て、しっかりと新しい技術を導入しています。

良く言われる改善ではなく改悪にならぬよう、気を付けるようにはしていますが、最終的にお客様がどう感じられるかという所で、知識や技術のレベルも含めつつ、その反応を見て判断をしています。

悪い状況が少しでも感じられた場合、直ぐにでも改善していかないと、悪い評価がどんどん広がると思えば、どれだけ重要な事かが分かると思いますが、それをしない所は出来ないのかやらないのかではなく、お客様からすればそういう企業なんだと思われてしまう事もあると思いますし、早急な改善に繋げる形は必要だと考えます。

良くも悪くもご意見は大事な情報ですから、ご利用を頂きましたお客様は、是非思う事をご報告頂ければ幸いです。

 

2025年5月25日 (日)

使った時にどう感じるか

刃物は数値では表せない良し悪しがあります。

それを私は以前から「現実値」と呼んでいますが、この現実値へのご理解を頂くケースが増えています。

実際にお客様の刃物を研磨させて頂き、それに対しての内容や見解のご報告をし、お客様が実用としてご使用になられた結果が、ほぼ同じような結果になる事も多くあります。

その鋼材から想定される性能が出ているか出ていないかだけではなく、研ぎやすさ、切れ味、刃持ち、サビの有無、など、実際に使ったからこそ分かる性質もありますし、研磨で大きく良し悪しが変わる事もありますから、それらを総合的に見ていく事で、その現実値ははっきりとしてきます。

刃物だけではなく砥石も同じで、実際に使用して見ての性能や相性というのは、現実値的な考え方は必要になります。

いずれも想像通りだったのか、思っていたよりも良かったのか悪かったのか等、それらも自らの判断をするとなれば、自分の能力や知識によって大きくズレてしまう事もあるので、正しい見解にする為には、それなりの経験は必要になるでしょう。

 

2025年5月24日 (土)

硬くて切れない・・・

先日、ある方のお話として、ごぼう、にんじん、さつまいも等が、硬くて切れないという事を書いた記事を見ました。

当方のお客様で、この辺りの野菜が硬くて切れないとおっしゃる方は、多分いらっしゃらないと思います。

そもそも硬いと言われる野菜は、包丁が入る際に割り込んで行く状態で切りますので、刃の厚みが厚かったり、刃先が鈍角で大きくなっている場合には、包丁が進みたくても進めません。

その為、切るというよりも、割り裂く状態になってしまい、身割れも起こしてしまいますし、切りにくい状態となり、結局力を相当入れないと切断に至らないというところです。

牛刀や三徳など、野菜のカットに良く使われる包丁は、切ったり刻んだりという作業が多く、その割には食材としては硬い物もありますので、あの厚みは控えめにしつつ、刃の強度はそれなりに必要であるとも言えます

そうなると包丁の性能や研ぎに関しては、計算や技術が必要と言える部分も出て来ます。

肉や魚の場合には、また違った性質を含めた研ぎが必要になりますが、野菜を切る包丁は、ある意味では矛盾で構成されていますので、理想となるその状況を作り出すのは難しい事だと考えます。

 

2025年5月23日 (金)

刃物の動き

刃物は動きます!

そう言われても、全く意味が分からない方も多いかもしれません。

刃物は熱処理をされている関係で、緊張した状態となっています。

その為、色々な事が要因で、刃物が真っすぐでずっといられる保証はありません。

自然に曲がる事もあれば、ねじれる事もあります。

そして研ぎにより、緊張のバランスが崩れる事でも、曲がりは現れます。

そもそものお話をすれば、新品で販売されている刃物の多くは、歪(ひずみ)が残っている物が多く、調整をしても癖で戻ってしまうものも沢山あります。

それを何とかして、状態良く使えるようにする為には、歪取りという作業を行い、それと研磨を合わせて精度を作り出す必要性があるのです。

それから使用しなくても、歪が出る事はありますし、動かない刃物は全然動かなかったりもします。

刃物の組織や硬度のお話は良くしていますが、それと合わせて歪が出にくい刃物と出会えると、それもまた価値のある事だと考えられます。

2025年5月22日 (木)

極限の状態を試した結果

以前こちらのブログに書いた、かなり薄く仕上げた包丁の使用とその後の事について、少し書きたいと思います。

結果としては、良い点と悪い点があり、これについては好みの問題になるので、おすすめは出来ないと感じました。

切れ味を出すには、刃を薄くした方が良いと考える方は、世の中にかなり多くいらっしゃるのですが、それは正解の部分はありますが、ほとんどのケースではやらない方が良いという答えになります。

刃を薄くする事の利点は、食い込みが良くなり、素材への抵抗が出るという部分のみで、それ以外は刃の持ちが極端に悪くなったり、刃先が素材への入り口を探せなくなる事や、損傷率が急激に高まるなど、マイナス面の事の方が明らかに多いです。

ではなぜ私がそんな薄い刃のテストを、今更色々と繰り返したのかという所ですが、性能が高いとされる範囲にある包丁を使い、特別に意識せずとも損傷させずに包丁を使える私が普段使いのテストをして、何か違った答えがでるのかどうかを試したかったからです。

近代では特に、粉末鋼やステンレス鋼などで、特別硬く靭性の強い刃物も増えてきていますから、その利点を生かすとすれば、刃を薄めに付けても耐えられるという部分も、一部にはあるからです。

ただそれは、薄い刃の研ぎがまずまともに出来るかどうかという問題もあり、仕上げまで形を崩さずに薄さを生かしたままで、仕上げきれるかどうかも関わってくるので、99%の方がその時点で脱落するでしょう。

僅かにでも力を加えると、刃先は踊り動き、そのまま研ぎが入って刃先に刃は付きませんし、刃線もズレてしまいます。

そんな難しい範囲をクリアし、それを損傷させずに普段使いする事は、その時点でハードルがあまりにも高すぎる為、間違いなく皆さんにはおすすめはしませんし、やめた方がいいですとしか言いません。

良く言われる刃物の角度は、それよりも鋭角にした方が良い場合もありますし、鈍角にした方が良い場合もあります。

しかし、極端な鈍角や鋭角は、刃物の性能を潰し、使える範囲が限られ、使う方も選ぶ状態になりますから、それが良い訳はありませんよね。

一応テストはもう終了していますが、今でもまだその状態から小刃だけを研ぎ続けたものを、一度薄すぎない程度に面を整形し直し、それで小刃だけ付け直して使用しています。

あの初期の恐ろしい切れ方は無くなりましたが、今は刃持ちも通常範囲に近いくらい良くなりましたし、使い勝手が大きく落ちていないので、安心して使える状態です。

やはりそこそこまでの変化程度で終わらせないと、こういった安心感や使い勝手の良さは、出てこないと感じています。

特にテストした刃物は、性能が高い部類に属しているものを使いましたので、低級や中級辺りだと、この結果は生まれないと思いますし、廃棄する事になるだけだろうと思いますので、気軽にやらないようにしてください。

 

2025年5月21日 (水)

ちゃんと刃が付かない・・・

以前あったご依頼で、砥石を正しいと言える範囲まで修正し、丁寧に砥石を当てているのに、刃が出てこないとおっしゃる方が何名もいらっしゃいました。

その原因は、刃物の精度が悪い事にありました。

正しい面の砥石で正しく当てれば、刃物側の面がおかしい状態なら、当然砥石はまともに当たりません。

それを頑張って当てようとしても、それで当たるとすれば、かえって当て方がおかしい事になります。

刃物の精度問題は、昔からずっと存在しており、それをまともに直してくれる所がほとんどなかったので、皆が苦労をして刃物を使ってきました。

そういう部分を私が多く見てきていますし、私自身も刃物を使った仕事をしていた側でもありますので、自らが精度を大事にし、そういった事にならないよう、困っている方達の助けになればと活動をしています。

正しくというのは、何が基準で正しいとするのか、そこの基本問題から考えなければなりませんが、少なくとも砥石の面直しの精度がそれなりに良くて、刃物の研ぎが当たらない時点で、刃物側に問題があるのはほぼ確定と言えます。

その刃物の問題は、購入時からおかしかったのか、使用者が研ぎでおかしくしてしまったのか、そこの問題を把握しないと、また今後も同じ事が起こります。

刃物はおかしくなったら研ぎに出せばいいや!と思っていらっしゃる方も多いかもしれませんが、部位によっては削って直せる制限があり、何度も可能とは限らない加工も多くありますから、出来る限り良い状態で使い続ける事が大切だと思います。

実際にやってみないと分からない部分も多くありますが、出来る限りで大きな直しはしなくて済むように、お使い頂けると刃物は喜ぶと思います。

ダメな時は出来る限り、当方で何とか直しますので、ご自身で可能な範囲は頑張ってみてください。

 

2025年5月20日 (火)

加工は基本的な部分はおまかせ頂いた方が良いです

刃物研磨のご依頼で、これはやらないで!これはこうして!と色々な条件付きでのお話は多方面からあります。

それが当たり前にやっても問題がない事であって、可能な作業範囲であれば、そのようにしますで済むお話なのですが・・・。

例えば、この面には一切加工をしないで!とか、ここは今の状態維持で!と言われても、そこの基準がおかしい場合、どうしても直さないと良くならないので、説明をしてご理解を頂くか、その中でなんとかと言われても無謀だと感じれば、それは中途半端な作業をしてのお返しとなる為、ご依頼をお受けする事が出来なくなります。

当方のほとんどのお客様は、少しでも良くなるようにとのご依頼で、他ではちゃんとやって貰えなかった経験や、そもそも基本すらまともに出来ていない所に加工をされておかしくなってしまったという方から、間違いない作業で更にレベルを上げてとのご依頼が多いので、制限をかければ出来ない事が増えるのはご理解を頂いているケースが多いです。

無理な制限は、良くなる可能性を潰し、更にこの部位だけで何とかしようとすれば、寿命が縮まったり、形がおかしくなったり、角度を無理に変えないといけなかったり、色々な問題が起こってきます。

これに関しては、本職のメーカーや職人でも理解をしていなかったり、加工の基本がズレているので意味が分からない&出来ないなど、そういう問題も多く出てくるので、色々な感性をしっかりと持ち、実用を理解した職人への依頼が必要です。

 

2025年5月19日 (月)

こだわりのポイントです

刃物の研磨は色々な種類がありますが、特に難しく重要なポイントは、片刃の裏にあります。

ちなみにハサミ類は2枚刃なので片刃とは呼ばれませんが、片刃の合わせたものですから、それも加工側から見れば片刃の一種にはなります。

片刃の裏側は、和式刃物やハサミ類の場合、裏側にくぼみを作る「裏鋤(うらすき)」という作業がされています。

現代ではほぼ機械加工が行われていますが、元々は機械加工ではなく、銑鋤(せんすき)と呼ばれ銑という道具を用いて鋤作業を行った事が発端です。

ちなみに現代でも、一部の刃物には、その銑鋤が行われており、これは機械では出せない大変良い鋤作業が施されていいたりしますので、機会があれば是非そういったものも手にしてみてください。

話を戻しますが、裏鋤の加工に関しては、私は非常にこだわりが強くあります。

元々は手作業のみで刃物研磨を学び、無い道具は自分で作ったり、他にある物を代用していましたし、機械も専門のものを持っていなかった頃は、違う事で使う機械でなんとなくそれっぽい事が出来るように、何とかしていたという時期もありました。

その裏鋤により、全てが決まると言える程、本当に大切な加工部分になりますから、これを確実なものとしなければ、未来は無いというくらいに考えています。

実際に現在、色々な刃物の加工において、裏への鋤作業への評価は非常に高く頂いており、表側の正確な作業と合わさっての良さとして考えています。

元々表面の研ぎに関しては、機械が無い時代では、全てて作業で行う勉強と研究もしており、ゲージを使って形状と精度の計測まで行っていましたので、使った時に違和感が出ない事や、研ぐ場面で面の形状を一定化しやすいなど、その辺りは特別な扱いを頂いています。

裏の加工には、小さい径で複数の列を作って削る方法と、丁度良いと見る径に合わせた機械でそのまま径を作る方法がありますが、当方ではいずれも技術的には可能です。

特にご指定が無ければ、削りすぎを防ぐ意味で、裏鋤の中の全てが一定化していなくても、必要箇所の鋤が完了していれば、そこで終わりにする事もありますが、それは将来的な削りシロを残す意味でもあります。

ですから、それが汚いとか下手という事ではなく、実は意図的に今刃とならない場所の事は、スルーして加工をしているという事です。

まず歪取りと裏鋤の結果があり、そこに表がついてくるという状態だと思って頂けると、基準となる裏が如何に大切なのかという所です。

裏鋤は浅めに作る方法と、深めに作る方法がありますが、私がどちらかというと深めにします。

その理由は、お客様が自ら研ぎを行う方が多い為、その際に浅い裏鋤だと、扱いが難しかったり、少し鋤がズレているだけでも、研ぎに支障が出たりと、悪影響を及ぼす可能性がある為、ある程度裏を多く研いでしまっても、瞬間的に裏が広がらない意味もあり、どちらかというと深め寄りにしています。

浅めの設定にする事もご要望に合わせて行いますが、その場合、使い手の研ぎが上手である事は必須です。

実際に過去の時代、裏鋤が浅かった事もあったのですが、元の精度が悪い上に、使い手が上手に研ぎを行う事が出来ず、うらがグチャグチャになってしまう例も多々ありました。

現代では、裏鋤は浅すぎるものは減ったと思いますが、軽く仕上げ砥石を当てる程度とし、裏側から明らかな研ぎを行わないとする事で、状態の維持がしやすくなっています。

ただ、基本精度の悪い片刃が多く販売され過ぎていて、素直に真っ直ぐ裏をと思っても、その状況を作り出せず、致し方ない形として、裏押しを多く行う例は少なくなりません。

そういったお客様には、基本形状の作り直しから、全面整形をおすすめしています。

たまに新品のような状態に戻したいと言われる事がありますが、新品状態の多くは、状況は決して良く無いので、新品に戻すという事は、今より精度落ちの可能性もありますから、良く状況の把握をして、必要箇所に必要な基準となる面や線があるか、その辺りの確認は十分に行いましょう。

可能であれば精度の高い定盤の上で測定する事が理想ですが、一般的にはその手の物を持っている方はほぼいらっしゃいませんから、目で見て刃線のズレや面のズレを見られるようになれば、そこそこまでは判断出来るようになると思います。

きっちりと修正が出来ている精度の高い砥石と、正しい研ぎが合わされば、それなりの精度は出ているはずですが、いずれも簡単な事ではないので、研ぐ事で基準とする事が出来るようになるまでは、色々な方法で面や線の確認をしていきましょう。

2025年5月18日 (日)

研ぎの失敗を避ける

毎回安定して研ぎが行えない方のお話は、今まで数多く書いてきましたが、やはりそう簡単に解決するものではありません。

これから書く事は、今まで書いてきた事と重複する部分が多いかもしれませんがご了承ください。

一つずつ順に確認してみてください。

・砥石の面直しをしっかりする事

これは使う前の面直しでもあり、使用中の面直しも含みます。

同じ位置ばかりで研ぎを行うと、砥面の崩れが早く起こりますから、頻繁に修正を加えた方が確実です。

・研ぎの角度や当て方を大切にしつつ研ぎの動作の安定をさせましょう

研ぎ自体に問題があると、どんなに頑張って研ぎを行っても、無駄な労力で終わってしまいます。

正しく的確に研ぎを行えば、比較的早く綺麗にしあがるものです。

毎回研ぎが安定していないと、研いでいる時点でしっくり来なかったり、これで良いのかと不安になると思います。

・刃付けが確実に出来ているか確認をして研ぎを終える事

研ぎを行って何となくのチェックだけして、実際に使う時に刃付けがまともではない事もあるでしょう。

そうならないために、研ぎ終わったら刃の付き具合をプリンター用紙などでチェックし、引っ掛かりがないかや切れ味に部位ごとの違いが無いかなど、簡単でも良いのでチェックしましょう。

・刃返りの処理は的確に

研ぎ終わった刃物には、刃返りが付いている事が多いです。

刃返りは刃先の先に残った刃の延長線上にあるバリで、それがある事で、刃先の先が本来あるべき場所には存在できず、刃物が素材へと入り込めない状態になっている事もあります。

その処理は簡単に行うには、新聞紙に対し軽くあてがって刃を引きながら擦りつけて、刃先の先を滑らかにします。

これを何度か繰り返し、それでも刃返りが取れないようであれば、刃角が鋭角すぎるか、研ぎがまだ足りていなくて、片側からだけ出た刃返りの可能性もありますので、今一度研ぎに戻って研ぎ進めてみましょう。

これらの流れが、刃物をご自身で研いで使う方に向けた確認事項です。

これでも上手く研げなければ、まともな技術を持つ方に教わるのも手だと思います。

また、今お使いの刃物の状態が悪い場合、何をやっても正しく研げない状況にある可能性も高いので、その辺りは当方のように、整形修正が出来て、基本精度を上げ、研ぎが行える状態に刃物を研磨してお渡し出来る所に依頼し、次の研ぎが安心して出来る状態にしてから、改めて研ぎを見直して行きましょう。

それと、刃物自体がおかしい場合もありますので、専門家にチェックの依頼をし、その刃物の性質について研いで使える刃物なのかを確認するのも良いと思います。

こうしてマイナスの部分を取り除いて行けば、必ず使える研ぎに繋がると思います。

 

2025年5月17日 (土)

効果を考えると決して高くはありません

研ぎを行う時に使う砥石は色々な種類が出ていますが、中でも一番高価とされているのはダイヤモンド砥石です。

ダイヤモンド砥石は、100%ダイヤモンドで出来ている砥石ではなく、基礎材としてレジンボンドやセラミックやメッキなどを使用し、そこにダイヤが含まれている状態で、その中から突起したダイヤ部分を使って刃物を研ぎます。

昔の製品は本当にダイヤが入ってるの?と、疑いたくなる程まともに研げなかったり、あっという間に寿命を迎えてしまう物や、ダイヤサイズのバラツキにより研ぎ傷が明らかに不安定であったり、低品質と言わざるを得ない物の割合は高かったです。

近代に新しく販売された製品の一部では、それは見られず、安定して研ぎがしやすくなりました。

当方で現在販売中のダイヤモンド砥石は、レジンボンド系で研ぎやすく扱いやすい部類で、性能は明確に発揮されていますから、研げているという実感もありつつ、仕上がりはダイヤモンド砥石としてはかなり揃っていますし、性質も安定しています。

特に近年のものは、改良もされており、色々なタイプの販売もありますので、用途に合わせて選択する事も可能です。

仕上げには向かなかったダイヤモンド砥石ですが、この製品であれば安定して仕上げまで行っても良いと思えるレベルにあります。

研ぎ滑りのしない研ぎ味を是非体感してください。

お仕事でお使いになられる方だけではなく、趣味やご家庭用としても幅広くお使い頂けます。

 

2025年5月16日 (金)

刃物の永切れについて

良く言われる刃物の「永切れ」とは、刃持ちの事を指します。

つまり切れ味の持続性ですから、一度研いで永く使えた方が良いという事で、永切れする刃物は良いとされるところがあります。

永切れする刃物は、必ずではありませんが、全体的に硬い傾向があり、かなり研ぎにくい事もありますので、その点を考えると、永切れよりも研ぎやすさを優先的に考える方もいらっしゃいます。

その辺りは好みではありますので、ご自身の考えで刃物を選ばれると良いと思います。

さて、この永切れに関してですが、稀に勘違いをされている方が多く、単純に永切れを出す為に、切れ味を潰しすぎている例もあるのです。

実際に色々な刃物を見て、映像等で見る事もありますが、明らかに鈍角に研がれ過ぎていて、それでは切れ込みが悪くなると感じてしまいます。

本来あるべき永切れとは、他の同系統の刃物と同じように研いで、そこで永切れが生まれる事だと考えます。

そうなると、刃の硬度と靭性が高くなる傾向なのは、致し方ない事とも思えます。

また、鋼の刃物で稀にあるのは、研ぎやすく切れ味は出やすいのに永切れするという、本当に特別感のある物に出会う事もあり、そういった刃物を実際に見ると、鋼を上手く生かした作り手の素晴らしさを感じます。

刃物の鋼材には、適切な焼き入れや焼き戻しの温度が設定されていますが、それぞれの刃物により、扱いやすい硬度や刃角などがあり、それに合わせて鋼を上手く使われていると、本当に良いと思えます。

私は過去から何度も書いていますが、全てにおいて硬く永切れすれば良いとは思っていませんので、皆さんが扱いやすいと感じる物の方が、おすすめしやすいとも感じています。

研ぎは一切やらずに、当方のようなところに頼むから関係ないとおっしゃる方は、研ぎが大変な部類にすると、むしろ良い事は多くなるかもしれません。

 

2025年5月15日 (木)

ちゃんと定期的にやっています

凄く大事な事ですが、機械の整備は日頃から行っており、どんなに忙しくても、状況の確認と調整は欠かしません。

それを怠ると、機械作業の精度が僅かでも落ちます。

そういう問題は自分自身の技術で解決は出来ませんし、新しい機械を購入しても、自分で調整したものより精度が悪いくらいなので、そういう所でも作業の評価が変わっていると思います。

年々技術が向上しているとおっしゃって頂ける事もありますが、それは僅かな進化でしかありません。

このような機械の状況維持があってこそ、正確な作業を自分が感じ取れる事なので、それを確実にやらなければと思っています。

 

2025年5月14日 (水)

だいぶ仕上がりが揃いました

以前開発をしたヘアラインの細目は、だいぶ細かい方面になり、ご利用のお客様から大変ご好評を頂いております。

開発当初より見た目も安定してきましたので、だいぶ安心はしていますが、下地との相性もある事なのですが、色々なメーカーや鋼材に合わせての加工は、データが集まらないと読めない部分がありますから、まだまだ試行錯誤は続くと思います。

また、特にご指定がない場合でも、一部のお客様にはテスト的にご提供をさせて頂いています。

サービスとしてのご提供ではありますが、私のテストも兼ねていますので、それがいつどこでどれに適用するかは未定です。

数としては僅かでしかないので、自分のも試しにお願いしますと言われても、ご提供が出来る訳ではありませんので、予めご了承ください。

色々なサービスで作業を含めている場合もありますが、これらは本来、有料で追加の内容となりますから、当たり前だとは思わないでください。

納期に余裕を頂いた場合や、ご依頼に対しての信用を頂いての常連様など、全てではありませんが、優先的にそういった内容は行う場合があります。

毎回、私が研磨や研ぎを行う刃物の仕上がりを楽しみにしてくださっている方達の為に、出来る限り安定した技術をご提供出来るよう、定期的にアップデートや研究は続けています。

今進めている範囲は、機械の影響でどうしても出やすい、使用には影響は出ない範囲での研磨ムラを作らないやり方など、だいぶ進んできている範囲もあります。

現状のテストでも、上級作業となる範囲の場合、かなり精度も上がっていますし、実用性能も明確に出やすいように結果は出ていますから、やはり実用に向けた精度作りは大事だと感じています。

 

2025年5月13日 (火)

入手不可

過去から使用していた道具類が製造中止らしく、市場在庫が終わり次第手に入らなくなるようです。

この手の事はそれなりにあるのですが、かなり重要なものだったので、今後の仕事に影響を及ぼしそうです。

それに対し、以前使用していた物で、廃盤になって別の物に切り替えた製品が復活したようです。

まれにそういう事もあるのですが、滅多に無い事だと思います。

企業には色々と事情があると思いますが、継続してそれなりに売れているような製品は、細々と続けてもらいたいと思います。

このような道具類や機械の部材などのおかげで、私は良いと言って頂ける仕事が出来ています。

自分の実力だけでは、決して今の評価は無いと思っていますし、用道具や部材を使う事で、コストは高くなり、結果としてお客様のお代も上がってしまうのですが、そこは結果でしっかりと出して行かれればと思います。

 

2025年5月12日 (月)

意外と思われるかもしれませんが・・・

普段は仕事の中で、刃物をひたすら研磨や研ぐという事をしていますが、自分の刃物はさほど研ぐ機会がありません。

色々と日常で使うものや、仕事で使う刃物も多数ありますが、その中で頻繁に研いで使うのは2割くらいでしょう。

それ以外はそれなりに使うとしても、必要な切れ味や性能の確保はされ続けているという事になります。

お客様とお話をしていると、私は自分の刃物も頻繁に研いでおり、どんどん消耗していると思われている方も多いようですが、現実はそうでもありません。

一度必要範囲に状態を良くし、そこから悪化しない使い方をしていれば、刃物はそう簡単には傷みません。

もちろんプロの方が一日中使うような場合には、そうはいきませんので、適切な管理は必要です。

私が普段良く使う刺身用の包丁は、皮引きも細骨を切る事もしないので、最後に研いでから3年くらいは研いでいないでしょう。

しかもこの刺身包丁は、色々なテストと雑用の為にと購入をし、その後は実用品に変更しましたが、鋼材のレベルや製造に関しては下の上~中の下くらいです。

さほど気にしながら使っているつもりはありませんが、無理な使い方だけは当然していません。

面倒だからと用途が違うのに、そこに置いてある包丁で済ませる方もいらっしゃると思いますが、そういった事を避けるだけでも、刃の寿命は確保されます。

特に刃へのダメージが出そうな作業を、刺身包丁のような繊細な刃物でこなそうとする事は、絶対に避けるべき事だと思います。

刃物の研磨や研ぎは、必要に応じて行えば良い事なので、無駄に研ぐ必要はありませんが、刃物が大きく傷む使い方や、形や仕様が変わるような研ぎ方をしてしまうと、直しの際にはそれなりに多く削る必要も出て来ますので、そうならないように管理し使用をしていけば、寿命は長くなります。

しかし、全ての環境において、そのような適切化は難しいと思いますので、いざとなったら買い替えるという選択肢もありますし、忙しい方は無理のない考えでお使い頂ければ良いと思います。

 

2025年5月11日 (日)

結果は良好でした

以前に日本刀研磨を当店でご利用頂いたお客様から、ご意見を頂戴致しました。

内容を省略させて頂きますが、今までになかった斬れ味と使い勝手になったという事で、ご満足を頂けたようで安心致しました。

当店の日本刀研磨は、オリジナルの技術含めつつ、日本刀を実際に斬る為の実用刀へと導きます。

試斬における日本刀の重要性は、あまり認識されていない範囲もありますが、必死になって斬っても斬れないような状態では、無駄に力だけ入って練習にすらなりません。

私も自ら試斬の経験を重ね、そこから学んだ事や、色々と研究をされている方からのご意見も頂きながら、現在の日本刀研磨へと進化させてきました。

適当に刃を付けた日本刀では、まともに斬る事すら出来ませんし、ただ刃の付いた日本刀でしかありません。

特に当方でいう所の上研磨である「居合抜刀用面精度研磨」では、今までの研究により得られた技術を多く詰め込んであり、日本刀が良い形で作用するよう、歪取りやバランスを極力直し、技術の向上に集中が出来るようにと考えております。

更に、斬り損じをしないレベルの上級者向けとして、「斬れ味重視」という特別な研磨もご用意しています。

これらを主軸としつつ、並研磨の「お急ぎ実用研磨」と「おまかせ研磨」もご用意があり、こちらは納期や金額を抑え、作業を実用向けとして簡略化をして、実用刀としてお使い頂ける所まで作業を作業をしています。

こだわりの内容重視の方には、「居合抜刀用面精度研磨」をおすすめ致します。

 

2025年5月10日 (土)

注意事項は良く読みましょう

当方のHPには、色々と注意事項が記載してあります。

内容としてはそこそこ多い方でしょう。

その注意事項の記載は、必要不可欠な説明の部分も含まれており、特にネットからご利用のお客様には、内容のご確認を頂いたものとしてお話を進めさせて頂いています。

色々な経験上、あらゆる可能性がある中でも、トラブルに繋がる可能性を回避する意味や、当方が一般論とは違ったやり方や考え方の場合もありますので、ご理解を頂く意味合いも含まれています。

HPの内容をご確認頂ければ、作業や商品に必要な内容に関して、最低限度以上に十分な掲示はされていると思いますが、それでも不足な場合には、必要に応じて遠慮なくご質問ください。

お客様からお話を頂く事で、それまで気付かなかった部分などは、随時追加をするようにしていますので、その後、新たにご利用を頂くお客様の為にもなると思います。

なお、定期的に内容や注意事項についての追加をしていますので、日頃ご利用のお客様も、内容の変更等があるかもしれませんので、定期的にご確認を頂ければ幸いです。

 

2025年5月 9日 (金)

時代に合った研ぎを

刃物の研磨や研ぎは進化し続けており、過去の方法はもう行う所が少なくなっている部分もあります。

昔はその程度の機械しかなく、技術で何とかしていたような範囲は、今では機械の性能のおかげで、人が楽で確実性をもって加工出来る事も増えました。

良く言えば機械技術の進歩ですが、悪く言うと人の技術の衰退でもあります。

機械が自動的にやってくれないにしても、基本の加工精度やパワーの違いで、仕上がりも良くなっていますし、その後の技術者により手作業の範囲は、格段に楽な状態にはなるでしょう。

上手い人が加工したものは、総合的なまとまりがあり、研いで使う事が楽しくなります。

そこに違和感が出るものは、大抵どこかにおかしい部分を抱えていたり、全体的に問題だらけの事もあります。

表面的なズレや歪に見えるものは、実際にはほとんど影響が出ない範囲もあるので、その辺りまで完全にやろうとすると、刃物を無駄に減らす事にもなりますので、またいずれ直しが必要になる場面の為に、無理に微調整をしないようにしています。

無駄に削り落とす必要はありませんし、位置関係の合わせで必要な範囲は止むを得ず多くなってしまう事はありますが、新規製造の時のような削りシロが無いので、特に合わせ刃で鋼が薄い場合には出来ない作業も増えます。

刃物が全てて作業で造られる場合もありますが、それはほんの一部の高レベルな上級品のみで、それ以外はほとんど機械工程になっています。

その先で手研ぎを行うにしても、今は良い砥石と良い砥石修正器もありますから、楽で確実性を高めた条件を作り、後は自分の技術レベルを上げれば、現代における良い研ぎへと繋がり、良い条件で刃物が使えるようになると思います。

過去の方法が悪いとは言いませんが、そこに人の能力が追い付けていない事も増えたようですから、新しい方向へのシフトは必要だと感じています。

 

2025年5月 8日 (木)

組織の荒さ

刃物の組織の荒さの問題は、昔からずっと言われてきている部分です。

どんなに細かい砥石で研いでも、刃物が細かくならないとか、切れ味に繊細さが出ないという部分が問題です。

これに関しては、過去のステンレス系の包丁は、どうしても荒く仕上がる傾向がありましたし、粉末鋼でも良くありました。

近代の物は、かなり組織が良くなっていますが、これは鋼材の開発が進んだ事や、熱処理などの安定化に繋がった事も関係があると思います。

その組織の具合は鋼材だけでは語れず、製造方法や研磨や研ぎでも大きく変わるので、それぞれの良さが引き出せないと、良い結果にはなりません。

製品の安定化はもちろんの事、研いで使う事に関しても無理のない形で作業をし、確実性を上げて行く事で、信頼のある刃物としてお使い頂けると思います。

良く出てくるお話ですが、安物の包丁を高性能の砥石で研げば、超高級刃物と遜色ないという意見が一部で上がっているようですが、そんな事はありません。

また、天然砥石で研ぐと、低級刃物でも切れ味が素晴らしく出るというお話も、あれは完全に嘘です。

まともな研ぎでの切れ味や、良質刃物の組織や性能を知らない人達が、間違った情報を流している事が問題です。

そんな程度で何とかなるのであれば、上質な刃物や低級の刃物という表現は、世の中ではされていませんし、一流のプロの方も安い刃物で十分だとおっしゃって高い刃物は買わないはずです。

プロの方面で採用されないレベルの物や技術は、つまりそういう事なので、認識を正しく持つために、自らがそれ相応の知識と技術を身に付け、間違った方向に流されないように気を付けて頂きたいと思います。

 

2025年5月 7日 (水)

切れ方は色々あります

刃物が研がれた状態で、切れ方を色々な表現で言われる事があります。

しっとりとした

ぬるっとした

シャキッとした

その他も含めるとかなりの数がありますが、それらの表現がなるほどと思える場面は良くあります。

炭素鋼系で良く見られるのは、優しく粘りのあるぬるぬると切れて行く感触、のような言われ方をしていますが、確かにそういう場面に遭遇する事は多いです。

近代の炭素鋼の刃物は、細かく理由は分かりませんが、このような切れ方は失われつつあるような気がします。

硬く作ればそれで強い訳ではなく、損傷しやすくなる事の方が多いので、ひと昔前に靭性が少し強めに感じられるような刃の方が、柔らかく自然に切れて行く感覚があると思います。

研ぎ方一つでも、その感触は変わりますが、特別なレベルまで異常に細かく研がなくても、刃が揃っていて、刃返りが残っていない状態であれば、滑らかで静かに切れて行くはずです。

紙などを切っている音がうるさいのは、角度が強すぎたり、使った砥石での良さがひきだせていなくて、刃が適切な状態になっていない事を表現しています。

切断時に素材が割れたり、抵抗を強く感じる状態では、その刃物は生かせていないという事になりますから、その辺りも踏まえて色々な判断材料とすると良いと思います。

 

 

2025年5月 6日 (火)

すぐボロボロになります

毎日履き替えている靴下とスリッパは、数か月でダメになります。

スリッパも毎回洗っているので、まとめて同じものな何足か購入していますがあっという間です。

どうしても汚れ作業が多く、立ち仕事の時間も長くて、汗をかく事も多いので、そんな感じです。

Tシャツはスポーツ系のものにしないと、洗濯回数が多すぎて僅かな期間でボロボロになるので、結構こういうコストもかかります。

多い時は一日に3~5回程、シャツを着替えたりもしますから、洗い替えはそれなりの数で用意しますし、質感が変わると体が違和感を感じてしまうので、基本的に同じもので揃えます。

集中する場面が多いのですが、その時に何か余計な事が気になるのは、極力避けて目の前の仕事の事だけを感じ取ってやりたいと思っています。

 

2025年5月 5日 (月)

角度だけが全てではない

鉋や鑿など、ある程度の角度設定が必要な刃物は除いたお話です。

刃物の研ぎで角度のお話が良く出て来ますが、あれは正しいとは言えません。

そもそも角度の話は、刃先に限った話であり、それ以外の面の部分の角度や丸み、刃の厚みの事に関して、全て無視したお話だからです。

元の状態が適切に設定されており、刃先を必要な範囲で研げたとしたら、その角度に意味が出てくる場合もありますが、そもそもの刃物の刃の性質の事すら無視した状態で、同じ研ぎを推奨する事自体、内容があまりにも適当すぎます。

そういった間違った情報が流れ、それを信じて必死に研いでも結果が出なくて、気が付いたらその刃物は寿命が近くなっていたという例もあります。

そういうものだと言われ、それを信じる人がいる訳ですから、本当の意味で正しい情報をお伝えすべきと私は考えます。

私は刃物をお預かりし、現状の状態からその先の加工後まで、色々な想定をしてお見積りをお作りしていますが、作業を始めてから方向転換する事も多々あります。

それは同じ研ぎを行えば成功であるという考えが無いからです。

同じような刃物だからといって、同じような設定で研ぎを行っても、良い結果には決してなりません。

そして使う砥石も一つの流れだけでは対応できないので、多くの砥石と研ぎ方を構成させる事が出来るよう、色々な研究を行っていますから、その結果がどう出るのかで、お客様には喜びや驚きを体感頂けていると思います。

また、切れ味論をお話すると、良くある一発勝負の異常な切れ味だけを考えた研ぎとの比較話が出る事もありますが、それは私が行っている実用刃とは別世界の話ですから、合わせて考えるのは無意味です。

 

2025年5月 4日 (日)

どうしても越えられない壁

組織が密でしっかりと硬度が出ている刃物は、細かい刃が自然に付きやすいです。

それに対し、焼が甘かったり、組織密度が低い刃物は、荒目で滑らかに切れる刃が付きにくいです。

これらのお話は、鋼の種類による問題であったり、加工にかかるコストをどう考えて造っているかなど、製造側のお話になります。

刃物の密度や硬度の問題は、手にした刃物にずっとついて回る問題ですから、出来る限り良い刃物の購入を!とおすすめする理由の一つになります。

大して細かく研いで使うつもりもないし、繊細さは特に求めてないから・・・とおっしゃる方もいらっしゃいます。

中仕上げ砥石での研ぎくらいから、差が出始める事が多いのですが、実際には中研ぎくらいで仕上げて使う刃物でも、どうも刃が荒れる感じがする!などの症状がみられる場合があります。

酷い場合、優しく丁寧で的確に研ぎを行っても、刃が荒れたりボロつく場合もありますので、細かさを求める場合以外では関係が無いというお話でもないのです。

その現実を知ると、出来る限り良質な刃物を購入し大切にお使い頂く事が、無駄なくストレスなくでお使い頂ける事に繋がると考えています。

 

2025年5月 3日 (土)

間違いだらけの研ぎの世界

刃物の研ぎに関しての情報は、数えきれない程見る事が出来ます。

昔はまだスマホがなく、ネットの普及率も低かった事もあり、情報は今と比べればかなり少なかったです。

その中でも、正しいと言える事や、明らかに間違っている事があり、どの情報が正しいのかを判断する必要性がありました。

それが現代では、あまりにも数が増えすぎていて、全ての把握は難しい状態ですが、可能な限り見ていますと、ほとんどの情報が間違っています。

適当に情報発信されたHPやブログや動画を見て、それをコピーしたような内容も多くあります。

昔から言われてきた研ぎのお話は、そもそもそれ自体が間違いな方法であった事も多いですから、なぜそんな情報が正しいとして伝わり続けているのか疑問でしかありません。

また、聞こえの良い言葉を使ったものや、それっぽく見える動画での表面的な結果だけを見て、それが凄いと思ってしまう素人さんがいて、恐ろしい事にプロの方までもがそれを凄い事だと考えてしまうようです。

メーカーや職人の発する情報は、以前からお話をしていますが、忙しく仕事をしているプロの方々は、そんな情報を発信している時間などありません。

一流とされる方達からの情報が少ないのは、そういった理由があります。

そして利益より中身重視の方が多いので、作業にかける時間がとにかく多く、他の時間など余裕がないはずなのです。

刃物をお使いになられる一流のプロからの目線だと、刃物が切れる感触や音に対し、非常に神経質に状態を判断されているようですから、そういった部分も良い刃としての判断材料になるかと思います。

 

2025年5月 2日 (金)

直せなくはないのですが・・・

刃物の研磨や修理依頼で、かなり難しい状態のものは意外とあります。

業者によっては一瞬で断る可能性があるような状態ですから、作業が出来てもかなり高額になる事もあります。

そこまでして直す事に、価値があるかどうかというのは、今後の刃物ライフを考えた時に必要な判断です。

その刃物を高額で直し、将来がさほどないのであれば、新しいものを購入する際に、良い物を購入するようにした方が、無駄にならない事もあると思います。

だいぶ大きく刃物を直す場合、刃物はそれなりに小さくなってしまう事もありますし、思い入れのある刃物の場合、いくらかかっても直したいという気持ちはあると思いますから、そういった判断は難しいところです。

最終的には、作業をお受け出来るか出来ないかと、金額がいくらになるのかという所で、お客様ご自身が判断をして頂く事になります。

直せるか直せないのかだけで、こういった事は決まる訳ではありませんから、どう考えるのかだと思います。

 

2025年5月 1日 (木)

データが・・・

ブログに書く為の内容を下書きして、ある程度の用意まではしてあるのですが、データバグの関係で消えてしまっていました。

UPが遅れているのはその為です。

一応予定通りにと思い、準備していた内容を改めて書き直してUPを続けていますので、楽しみにしてくださっている方々は、もうしばらくお待ちください。

そのうち大体日程通りになると思います。

 

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